★兵庫県A市で身体介護で毎日17時間に

★7月22日の厚生労働省交渉の報告

★9月補正予算までにヘルパー時間アップ交渉を

8月号
2003.8.29
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒180−0022 東京都武蔵野市境2−2−18−302
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
  TEL・FAX 0120−870−222 (フリーダイヤル
  TEL・FAX 0037−80−4445  
制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))        
  TEL 0037−80−4445 (全国からかけられます)
  TEL 0422−51−1566  
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郵便
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口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2003年8月号    目次

   

4・・・・全国47都道府県のCIL空白地域で、障害者の人材募集
5・・・・秋田市で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集
6・・・・兵庫県A市で身体介護で毎日17時間に
9・・・・この一年を振り返って〜施設から地域へ〜
12・・・7月22日の厚生労働省交渉の報告
18・・・来年1.5時間を越える身体介護型は家事単価になる可能性
18・・・ヘルパー研修に関する事務連絡
21・・・厚生労働省障害者雇用対策課と話し合いを行いました
22・・・8月8日厚生労働省2004年度の支援費予算に関する要望の報告



9月までにヘルパー時間数のアップに向けて交渉を!

 支援費の決定はどうだったでしょうか。この決定の後もひきつづき交渉を行うことは可能です。ひどい決定だった場合は、すぐに抗議に行くことが肝心です。今年は新制度になったことから、補正予算が出しやすい年です。抗議後、要望書を出し、課長の予定を聞き、交渉申し込みしてください。

補正予算は9月議会にあわせて行われます
なるべく9月中に何度も交渉を行い、決着してください。

交渉をしたい方、ご連絡ください。制度係 0037−80−4445 11時〜23時。厚生労働省の情報、交渉の先進地の制度の情報、ノウハウ情報、など、さまざまな交渉成功実績のある情報があります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。

交渉のやり方ガイドブック2の抜粋版 限定販売

 ヘルパーの時間数アップの交渉をする方に限り販売します。
 申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。(交渉を行う方かどうか、制度係から電話させていただいてからお送りします。) 1000円+送料



「15年度生活保護基準額・実施要領等」冊子

3年ぶりに基準額が変わりましたので複製印刷しました。   (全102ページ)
生活保護の方や障害者の1人暮らし支援をしている団体は必ず必要になります。
生活保護課の職員は生活保護手帳(2500円)を見て仕事をしますが、この本の元になっている厚生労働省保護課資料ですので、内容はほぼ同じです。生活保護手帳に載っていない全国家賃基準表なども当会で独自に掲載しています。
申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。   600円+送料



健常者スタッフ募集(全国障害者介護保障協議会/広域協会)

職種:事務職
勤務:月曜〜金曜 8時間 土日祝休み 月給22万円
資格:大卒者等 30歳くらいまで 男性
お問合せは 通話料無料 0037−80−4455 まで



月刊全国障害者介護制度情報のメール送信 サービスを開始

 相談会員・定期購読・団体会員の方など、有料で紙冊子をお届けしている方で、ページをめくれない障害者に限り、無料で、メールでマイクロソフトWORDファイルでお送りいたします。行政資料は画像ファイルの場合があるのでADSLなどのつなぎっぱなし環境の方にお勧めします。ご利用希望の方はメールで申し込みください。  まで。電話・FAXでの申し込みはできません。 なお、お知り合いなどに会員を広めていただける方にも3か月分の見本をお送りします。



会費の銀行振り込みも開始しました

インターネット振込みをする方が増えましたので、銀行口座による入金も受付開始しました。ご利用希望の方はメールでお問い合わせください。  まで。電話・FAXでの申し込みはできません。新生銀行 http://www.shinseibank.com/ などはネット振り込み手数料無料です。



全国47都道府県のCIL空白地域で、施設や親元から自立してCILを作りたい障害者の人材募集(介護が長時間必要な方)

 全国障害者介護保障協議会と自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会では、全国3300市町村で最重度障害者が運営する自立生活センター(CIL)のサービスが受けられるようになるように、各県で最低10箇所程度のCILを作ることを目標に金銭面や研修等で支援を行っています。
 どんな重度の障害者も地域で自立して暮らせることを理念として掲げたノーマライゼーションの広がりとともに、1970年代から東京や大阪などの大都市を中心として重度障害者が地域生活を始めてきました。初めはボランティアに頼っていた介護も、各地の交渉により現在では公的介護制度が充実し、2003年4月からは支援費制度もスタートしています。現在、都市部や地方の県庁所在地等では自立生活センターなどの地域支援の仕組みが整い始め、重度障害者が地域で生活できるようになってきましたが、まだまだサービスの乏しい地方で暮らすのは難しく、住み慣れた地域を離れ、サービスの整った都市部に引っ越さざるを得ない場合もあります。当会は、どんな重度の障害者でも住み慣れた地域で暮らしていけるような状況が日本全国で作られていくべきだと考えています。そのために、地方で自立して地域で暮らしていきたい、さらにCIL設立につなげたいという障害者に対して情報提供や研修、それにかかる諸費用も含めた全面的なバックアップをし、日本全体の地域福祉の向上を目指しています。
 2001年度〜2002年度は空白県に最低1つのCILを作ることを目標に研修や助成などで支援を行い、目標を達成しました。今年度からは各県に最低2〜3箇所のCILを作る支援を行います。
 現在、24時間介護の必要な全身性障害者が施設や家族の元から1人暮らしし、CILを立ち上げています。こういった最重度の障害者が過疎地の県でたくさん出ています。 近県CILや東京などで何度も研修を行い、介助者の雇い方、指示の出し方、アパートの借り方、介護制度の使い方、CILの作り方、など、1つ1つ研修を受けていくことで、やる気と努力で1つ1つ解決していきます。
 当会では、CIL空白地でCILを作りたいと考えている介護の必要な重度障害者に対して、CILを作るための様々な研修会などの交通費・介護者の費用などを助成いたします。CILを作る目的で施設や親元から出て1人暮らしを始める場合、1人暮らし開始時の介護費用なども(交渉して制度がのびるまでの期間)、助成・貸付します。
 研修は、参加して行う総合研修、ピアカウンセリング、ILP、個別事業研修など実地のもののほか、実地の研修を補完する「通信研修」も行っております。
 募集する地域は、県庁所在地からはなれているCIL空白地域です。(秋田・金沢・宇都宮・群馬・徳島・高知は県庁所在地も募集)。また、これ以外の地域でも、現在すでに立ち上がっている団体で引き続き障害者の人材募集も行っております。(特に募集するのは、青森・山梨)
 自分も参加したい・・という方は、どしどしご相談ください。
 自薦ヘルパー推進協会 0120−66−0009 10:00〜23:00

 自立生活センター(CIL)とは 理念はJILホームページhttp://www.j-il.jp/ などをご参照ください。 障害者が主体的に運営するサービス提供団体です。介助利用者自身がエンパワメントしていく(力をつけていく)スタイルのホームヘルプサービスを行います。24時間介護の必要な方などの1人暮らし支援を行い、介護制度の交渉も行い、地域の制度を改善していきます。

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秋田市で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集

施設や家族のもとから出て、自立生活を始めませんか?

 秋田県内では47都道府県で唯一、1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度も伸びていません。これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。他県では1日16時間や24時間介護の必要な障害者がヘルパーや他人介助者を確保して1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域ではヘルパー制度が伸び、それ以外の障害者もヘルパー制度を必要なだけ受けやすくなっていきます。
 当会では、47都道府県のどこに住んでいても、同じようなサービスが受けられるように交渉の方法の支援や、「最初の1人」の自立支援を技術的、財政的に(介護料)サポートしています。
 今回は、特に秋田市かその周辺で1人暮らしをしたい全身性障害者を募集します。1日16〜24時間の介護が必要な方を想定していますが、それ以外の方もお問い合わせください。
 自立のあと、一定期間の介助者の費用のサポートをいたします。
 制度交渉してヘルパー制度を延ばすバックアップをします。 アパートを借りる方法なども研修でサポートいたします(毎日介助がつく場合はきちんと方法を学べば簡単に借りることが可能)。住宅改造も可能です。
 研修参加の交通費や介助費用は助成いたします。
 自立生活をするための技能プログラムを受講していただきます。
 なお、複数募集がある場合は、当会ほかが進めている、公益的な障害福祉活動に参加していただける方を優先いたします。(なお秋田市以外でも募集。詳細は前ページを。)

お問い合わせは 自薦ヘルパー推進協会 0120−66−0009 10:00〜23:00

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兵庫県A市で身体介護で毎日17時間に

 兵庫県では、阪神間の人口集積地では、5市で24時間介護保障が出来上がる など、交渉が進んでいますが、山間部の市町村ではまだまだ遅れています。そ の中の山間部のA市(西宮市から1時間程度の距離)で、交渉により身体介護 で毎日17時間の決定が出ました。

兵庫県A市交渉報告

メインストリーム協会 佐藤 聡

1.経過

 7月に兵庫県A市在住のK子さんのお母さんからメインストリーム協会に相談 がありました。K子さんは、身体と知的に重い障害を持つ9歳の女の子です。 非常に重度で、げっぷやおならも自分では出すことが出来ません。介助も熟練 した技術が必要で、お母さんと数人の介助者しか出来ないそうです。24時間の 介助が必要で、さらに常時二人の介助者が必要です。それまではお母さんと、 居宅介護派遣事業所から月240時間、介助者の派遣を受けておりました。 しかし、これでは全然足りません。そこで、お母さんはA市の障害福祉課に 340時間/月の派遣を求めたのですが、A市は全く認めませんでした。しかも、 「死んでも仕方がない」というような発言をし、対応もひどかったようです。 この対応で、お母さんは精神的なダメージも受けてしまいました。 メインストリーム協会は、西宮市以外の市町村とは交渉をしてこなかったので すが、A市には交渉団体がなかったため、交渉を行うことにしました。

2.ケアプランの作成

 交渉に先立って、K子さんとお母さんにお会いし、詳しい生活実態を聞きまし た。毎日2人介護が24時間必要で、お母さんが24時間介護をするほかに、 ヘルパーが24時間ついていないとやっていけないという状況でした。 これまでは、A子さんを支援する人たちがボランティアで介助をしておりまし たが、介助者も介助時間も少なく、十分な介助は出来ておりませんでした。お 母さんは、介助疲れで、精神的にも肉体的にもかなり追い込まれているようで した。 お母さんからは、夜間は一人で介助をしたいという希望がありましたので、そ の希望にそってケアプランを作成すると、512時間/30日の支給量が必要だとい うことがわかりました。

3.交渉

 7月25日に障害福祉課との初めての交渉を行いました。出席は、A市障害福 祉課長補佐・担当ケースワーカー、メインストリーム協会スタッフ3名、A市 社協障害者生活支援事業担当者、K子さんの介助者でした。 K子さんのお母さんは、それまでの障害福祉課の対応で精神的ダメージを受け 、障害福祉課の二人の顔を見ることもできないということで、出席されません でした。  事前にK子さんのお母さんと作成したケアプラン(512時間/30日)を提出し、 介助がないと生命の危険があること、常時2人の介助が必要なこと、現在の支 給量では全然足らないこと、具体的にそれぞれの時間帯でどんな介助が必要か といったこと等を細かく説明しました。 そのうえで、A市はK子さんに512時間の介助が必要だと思うのか、問いただ しました。 課長補佐の回答はあいまいで、明確な回答はありませんでした。かなりの時間 をかけて、厳しく抗議しました。結局、支給時間は現在再検討しているので、 8月初旬には新しい支給決定を出すということになりました。  A市では、これまでは220時間/月というのが上限で、これを超えていたのは K子さんの240時間だけだったようです。  また、以前、お母さんに対して、施設入所を勧めるような発言があったこと に対しても、厳しく抗議しました。  交渉から終日後、K子さん宅にA市の次長・課長が訪問し、これまでの障害 福祉課の対応について謝罪がありました。以前の対応とは大きく変わってきま した。

4.結果

 8月12日にA市障害福祉課長から、K子さんに支給決定の連絡があり、同席 いたしました。再検討の結果、身体介護527時間/31日の支給決定がでました。 こちらの要望が全て受け入れられるという結果になりました。A市では、補正 予算を組んでこの支給決定に対応するということです。  意外にも、1回の交渉でこちらの要望がすんなりと認められました。これに は、K子さんのお母さんが議員に働きかけ、数人の議員が動いたという背景も あるようです。  いずれにせよ、220時間/月というこれまでの上限が撤廃され、身体介護で 527時間/31日の支給決定がでたということは、K子さんにとっても、A市の他 の障害児・者にとっても、非常に意義のあることだと思います。  また、交渉を行った結果、障害福祉課の対応も改善され、以前のような暴言 はなくなりました。交渉することにより、制度は整い、職員の対応も改善され るということを、改めて実感いたしました。

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この一年を振り返って

〜施設から地域へ〜 (前編)

B県 M

 【研修会への参加】

 2年前、私は、友人から誘われて自薦ヘルパー推進協会研修会に参加しまし た。それまで療護施設でのんびりと暮らしていた私は、介護保険や支援費制度 がどのような制度であるかほとんど知りませんでした。でも、研修案内には、 「障害者介護保障」「介護制度交渉の方法」「介護制度の種類」「当事者事業 者の運営」と書かれていたので、これからの自分に関わる話だろうから行って みようと考え出席しました。そこで、ひとりのピアカウンセラーに出会いまし た。彼は、長い療護施設の暮らしを経て地域での生活を始めた方でした。その ピアカウンセラーは私にこう言いました。「あなたの中に、自立に対する強い 思いがあったから、今ここにいるのでしょ?」この言葉を聞いた時、自分のこ ころの中の深いところで眠っていた本当の気持ちが揺り起こされた気持ちがし ました。そう、私はずっと前から地域に出たいと、もがき続けていました。「 私は、ここに来ようという意志を持って、今ここにいる」自分に正直になれた 時、少し気持ちが明るくなりました。まもなく、これまでの39年間の施設生活 から離れようと決め地域生活への準備をはじめたのでした。  

【家族説得】

 自薦ヘルパー推進協会から送られてきた介護に関する制度を勉強する日々が 始まりました。重度障害者の自立の準備は、自立を確実なものにするために、 障害が重くなればなるほど慎重に進めなければなりません。そこで、自分の気 持ちを見つめるために、自分の中で、過去の自分、今の自分、今後の自分をイ メージし、言葉や文章にしてみました。
 まず、自分がなぜ施設を出たいのか。
 療護施設のトイレには扉というものがありません。利用者にとって便利だか らという理由から、たった一枚の薄っぺらなカーテンで仕切られたトイレで利 用者は排泄介助を受けているのです。そのカーテンは軽く、風が吹くと開いて 、トイレの中が見えてしまいます。 オシッコの音もオナラの音も匂いも筒抜けです。利用者の中にはベッドで排泄 介助を受ける方もいます。4人部屋ですと、周りにとても気を使います。
 また、食事の時間になると、食欲があってもなくても食堂に集まらなくては なりません。 そして、夜7時にはベッドに上げられてしまいます。日勤職員が多くいる間に という、施設側の都合に利用者が合わせる格好です。利用者は職員の動きに合 わせて用事を頼まなければなりません。運が悪ければ、棚から一冊の本を取っ てもらうために1時間待たされることもあります。職員は毎日忙しいので利用 者の声や悩みをなかなか聞いてくれません。 これが療護施設の現状です。ひとつの建物に人が多く生活すると、安全と管理 が重要視され、約束事が多くなります。中に入っているひとりひとりは、もっ とああすればいい、こうすればいいという思いを持っていても、なかなか現実 を変えられません。変えられないというあきらめが生まれると、そこに夢や希 望を見出すのは難しくなりますね。私もそのひとりでした。でもといいますか 、だからといいますか、自分の意志に関わらず「施設」という選択肢しか選べ なかった自分や仲間たちの生活を変えたいと考えるようになりました。変えて いくためのほんのわずかな水のひとしずくになりたいと思いました。これは自 分だけの自立ではなく、施設で暮らす仲間の想いすべてを背負っての自立にな る。きびしい自立生活になるかもしれないけれど、そこに生きがいを見出せる 気がしました。施設から地域への扉を開く道しるべになること。私は、すべて の思いを手紙に託し家族に渡しました。約半年かかりましたが、家族は私の気 持ちを理解してくれました。
 こうして家族の理解を得られるまでに、介護制度や地域の情報収集と、個別 自立生活プログラムの受講を重ねました。1年間に県外でのILPを3回受け ました。自立生活プログラムを受けるための地域へ行く新幹線の切符の手配を 初めてしました。ローカルな駅には階段がたくさんあって、電動車椅子では移 動ができず、駅員さんに手動の車椅子と私の身体を別々に担いでもらったり、 押してもらったりしました。JRでは、事前に電動車椅子の重量やサイズを何 度も聞かれました。
 私の住む地域には学生ボランティアもおらず、駅までの移動も大変でした。 移送サービスもほとんどないのですが、好意で引き受けてくれる運転手さんが ひとりだけいてお世話になりました。長く外泊するための施設への説明は、き ちんとしました。施設側は事務処理を淡々と行って下さいました。施設の職員 の中に、ひとりふたり3人の協力者がいてくれるとラッキーです。皆さんもそ ういう協力者を見つけて下さい。実際に動いてくれる協力者でなくても遠くか らでも励ましてくれる理解者がいると心強いです。自立生活プログラムを受け るには移動費、宿泊費、介助料とお金がかかりますが、何十年と施設生活を送 ってこられた方には、ぜひプログラムの受講をお勧めします。2泊から3泊す ると、アパートでのゴミの分別方法を体得できます。全自動洗濯機はどうやっ て使うのか、お風呂のガスはどうやってつけるのか、お芋は何分煮れば柔らか くなるのか、介助者にどうやって指示すればいいのか、これらはすべて体験を 通してしか学んでいけないのです。 (来月の後編に続く)

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7月22日の厚生労働省交渉の報告

 7月22日に介護保障協議会常任委員で厚生労働省交渉を行いました。要望 書を紹介します。各項目の中に回答や解説を掲載します。(7/22は障害福祉課 居宅支援係長対応)

厚生大臣殿
障害保健福祉部障害福祉課

要望書

2003年7月22日
全国障害者介護保障協議会
代表 横山晃久
東京都武蔵野市境2−2−18−302
TEL 0424−62−5996
FAX 0424−67−8108

ホームヘルプサービス事業について

 貴職・障害福祉課におかれましては、障害者の介護施策の推進にご尽力賜り ありがとうございます。
 以下、要望いたします。

1.各自治体でのヘルパー上限撤廃にむけて、各自治体への指示や電話対応など

(a)ヘルパー派遣時間数に上限を設けている自治体には、引き続き上限を設 けないように指導してください。
(b)課長会議等の資料には必ず「上限を設けないように強く指導すること」 という文章を今までどおり入れてください。
(c)各地の交渉団体からのお願いがあった場合、電話等での自治体への事例 を示した助言指導も引き続き行ってください。

 

解説:これについては、今までどおり上限を設けないようにいっていく。 機会があるごとにそれは周知していく・・とのことです。

2.ヘルパー資格とヘルパー研修について

 ヘルパー研修がやりにくい、時間がかかる、様々な規制がある都道府県等が あるため、ほとんどの都道府県ではヘルパー研修を自由にいつでも受講できな い状態です。
 特に、自薦登録の介助者を使って生活を組み立ててきた最重度障害者が、支 援費制度が始まってから、介助者不足で非常に困っています。
 (多くの24時間介護保障でない市町村では、自薦利用の障害者は現行のヘ ルパー決定時間数では足りない為、「1時間介護に入ってもらったら、もう2 時間ひきつづいてボランティアしてもらう」など、苦労しています。学生や勤 労者の(半分ボランティアの)介助者を確保をして、実質的に「制度を引き伸 ばして」生活してきました。これらの介助者は、昨年までは無資格で介助に入 れていたのですが、4月からは無資格では介助には入れなくなっています。学 生に頼っていた障害者は4分の1の介助者がいなくなり、特に困っています。 このように無資格者は介護には入れなくなることを役所から知らされていなか った障害者も多くいます。これらの介助者はほかに仕事を持っているなどで、 空き時間がなく、一般の研修を受講してもらうことは不可能です)。

要望1
 1部の政令市では、昨年まで全身性障害者介護人派遣事業を利用していた障 害者に対し、(今年度1年間はヘルパー研修を「いつでもどの団体でも実施で きる体制」が間に合わないので)、市の判断で(今年度から新たに介護を始め る自薦ヘルパーに)仮のヘルパー証明書などを出して介護に入れるようにして います。(今年度1年かぎりの経過措置)  自治体のこのような運用も認めてください。

要望2
 また、ヘルパー研修がいつでもどこでも障害者グループなど任意団体によっ て実施できるようになり、受講希望者がいつでもすぐに受講できるようになれ ば、このような問題はかなり解決されます。全国で小規模な障害者グループな ど任意団体で研修が行われるような状況になるように奨励すべきです。都道府 県等に対して「ヘルパー研修がいつでもどこでも障害者グループなど任意団体 によって実施できるようになるよう」、3級研修・日常生活支援研修・移動介 護研修の3種類は、研修実施申請の受付を柔軟な方法にするよう事務連絡など で助言してください。

要望3
 未だに「行政の外郭団体等にしか障害ヘルパーを実施させない」といってい る都道府県・政令市・中核市があります。早急に「民間企業・民間団体・ボラ ンティア団体などが3級研修・日常生活支援研修・移動介護研修を実施できる よう」に趣旨を通知してください。研修実施団体を法人に限る自治体もありま すので法人に限らないように趣旨を説明してください。

要望4
 3級研修・日常生活支援研修・移動介護研修の3種類のヘルパー研修は、無 資格者が最初に受講する基礎的な研修となります。過剰な講師の規制を掛けて いる自治体が多いので、2級や1級と同じ考えで規制しないように(3級研 修・日常生活支援研修・移動介護研修の)3種類のヘルパー研修は基礎的な研 修ですので、別扱いにするように趣旨を説明してください。
 (例:「医学等の関連する領域の基礎的な知識に関する講義」という講義項目 は1級にも2級にもありますが、看護師が必須としている自治体がほとんど。 3級や日常生活支援の講義の項目にも同じ「医学等の関連する領域の基礎的な 知識に関する講義」があるため、同じ講師基準を掛けている自治体が多い。3 級や日常生活支援の研修で看護師は必要とは言えないので、趣旨を説明して欲 しい。同様に「障害者福祉に係る制度及びサービスに関する講義」では講師に 担当行政職員が必要な県などがあるが、3級や移動介護の中にも「障害者福祉 に係る制度及びサービスに関する講義」があるが同じ講師基準になっている県 がある。2級や1級は主任ヘルパーになる可能性もありそれなりの基準も必要 であるが、3級などには不要な規制なので趣旨を説明して欲しい)

要望5
 自薦の制度を使っていた重度の障害者にとって、無資格の介助者を求人して、 面接して、すぐに研修を自ら(の団体・グループで)行って、指定事業所に自 薦登録して介助に入れていく・・・・という流れがスムーズに行われることが 必要です。
 そのためには、必要なときに小人数(定員1~2人)の研修が年中(毎週) 実施できて(初年度は申請から2週間ほどで指定され、2年目以降は年度の初 めに年間52週分を申請できるなど)、研修会場や日程や講師の変更も(数日 前の変更届で)自由に行えるような体制が必要です。
 この趣旨を都道府県等に説明してください。

要望6
 介護保険の1〜3級ヘルパー研修では、12年度1年間程度は、ヘルパー研 修を複数の都道府県のスクーリング会場で行う際に、本部のある都道府県に対 してのみ申請して、複数の都道府県で研修実施することが可能でした。
 障害ヘルパー研修でもこの運用を行ってください。(期間は、47都道府県 でヘルパー研修がいつでもどこでも障害者グループなど任意団体によって実施 できるようになり、受講希望者がいつでもすぐに受講できるようになるまでの 経過措置として)

解説:要望1は無理であるが、要望2〜5は事務連絡等を出すべきという意見 も課内にあるので検討してみるとの回答(その後、事務連絡等を出すことに決 定。5ページ先を参照)。要望6については、これは可能だと思うとのことで した。

3.明らかに身体介護である内容を日常生活支援にかえられて困るので日常生 活支援は「原則4時間以上」に

事例1
 鹿児島県のK町の1暮らしで24時間介護が必要なキンジスのAさんは、昨 年度まで、身体介護型で朝1時間・昼1時間・夜1時間といった、1日5回の 「とびとび」利用をしていました。夜間は毎日ボランティアが泊まり介助を行 っており、昼もヘルパーがいない間は近所の支援者に緊急時などの介助を頼ん でいたので、これでは時間数が足りません。支援費制度になる直前に、時間数 を伸ばすように交渉を行ったところ、逆に「朝と昼は日常生活支援61分で使 ってください」といわれ、単価的には引き下がってしまいました。もともとの 介助内容がトイレや食事介助など明らかに身体介護型であるにもかかわらず、 予算が足りないので削減したいとの理由です。時間も1回1時間30分まで利 用できるので、「時間はのびたのでいいでしょう」といわれています。
 しかし、支援費制度になって自立生活センターで支援費ヘルパーを使い、1 日5回の身体介護を18時間程度の介助に引き伸ばして使うつもりで準備して いたので、大変困っています。もともと24時間介護が必要で、障害が重度化 し、ボランティアの確保が年々難しくなってきたため、もう限界です。(町は ボランティアの介助が不可欠な実態は把握しています)。

要望
 単価の低い日常生活支援が無原則に使われるため、このような事が起こりま す。1回4時間以下の日常生活支援は原則禁止とし、利用者が特に希望するな ど、特別な場合に限って認めるように運用を改善してください。
 特に、1時間の身体介護を、1時間30分の日常生活支援に変える事を市町 村の意志で無規制で行えるなら、どんな身体介護でも「30分は、もともとな かったから、60分身体介護で、30分見守りでいいのではないか」という理 屈で、日常生活支援にできてしまいます。これは日常生活支援のもともとの趣 旨からかけ離れたことですので、規制が必要です。

4.明らかに「身体介護」である介護内容を「日常生活支援」で行うよう求め られて困るので「身体介護」は身体介護単価で行うように強く指導を

事例2
 静岡県H市では1人暮らしで24時間介護の必要な頚椎損傷のBさんに対し て、2002年度までは身体介護型で1日5時間出していましたが、2002 年度の終わり頃に「支援費制度になったら日常生活支援にする」と言い出しま した。
 Bさんは24時間介助者をつけており、施設を出るときに交渉を行い、市も 24時間介助者が付いていないと生きていけないことは把握しています。しか し、予算がかかるので1日5時間までしか出せないとのことです。Bさんは2 002年度はヘルパー制度委託先の自立生活センターを通して5時間の事業所 収入で24時間の介助に伸ばして24時間介護を利用していました。
 ところが、2003年度から日常生活支援が始まるので、「全身性障害者で 月にたくさんの時間を利用する障害者は全て日常生活支援になる」という説明 を国の会議などで聞いてきたということで、市は「何がなんでも日常生活支援 にします」といってきました。しかも、時間数は他の障害者や高齢者などとの バランスを考えて1日5時間しか出せないとの事です。
 Bさんは24時間介護が必要で、24時間他人介護者を付けているわけです から、24時間のうちに特に身体介護が集中している入浴やトイレや食事介助 などの時間帯にヘルパー制度の身体介護を利用して、そのほかは制度外とする ことにすれば、1回あたりのヘルパー時間は1時間〜1時間半で、1日に5回 程度に分けてヘルパー制度を利用するということになります。つまり、日常生 活支援で想定しているような長時間で介護と家事と見守り待機が混在している 状態ではありません。

要望
 身体介護しか行っていない時間帯に対して日常生活支援を使え・・・という ことは、制度の趣旨を逸脱しており、「市町村は国が決めた最低単価を下回っ てはならない」と定めた法律に違反しています。このような違法な制度運用を 行わないようにQ&Aや課長会議などで注意事項として周知徹底してください。

解説:3・4とも市町村が不適切な判断をしている場合には問題なので聞いて みたい。課長会議などの場でそのようなことのないように周知していきたい とのことです。ただ、日常生活支援を4時間以上にする要望には、4時間 と決める根拠がないと数字では示せないとの事でした。

5.車を使った移動の介護について(介護保険の介護タクシーとの差別化)

 介護保険で車での移動介護を利用するのは要介護1〜2の高齢者が中心であ り、支えて歩ける程度の軽い障害をもつ高齢者が改造していない普通車のタク シーを利用しているのがほとんどです。支援費制度の移動介護は1級の全身性 障害者が(車を必要とする)中心であり全く状況が違います。
 例えば、全身性障害者の日常生活支援では「介護」と「いつでも介護が出来 るように待つ(見守り)」が混在しており、以下の(A)のような場合があり ます。これと(B)では介護している内容は同じです。

(A)家の中での日常生活支援の例 (B)車の中での介助の例
8:00 食事介助・着替え介助(120分) 8:00 食事介助・着替え介助(120分)
10:00 車椅子の上での体位変換1分
何か呼ばれるまで待つ9分
10:00 乗車して車椅子の上での体位変換1分
何か呼ばれるまで運転しながら待つ9分
10:10 水分補給2分
何か呼ばれるまで待つ8分
10:10 停車して水分補給2分
何か呼ばれるまで運転しながら待つ8分
10:20 車椅子の上での体位変換1分
何か呼ばれるまで待つ9分
10:20 停車して車椅子の上での体位変換1分
何か呼ばれるまで運転しながら待つ9分
10:30 トイレ(小)介助4分
何か呼ばれるまで待つ6分
10:30 停車してトイレ(小)介助4分
何か呼ばれるまで運転しながら待つ6分
10:40 車椅子の上での体位変換1分
何か呼ばれるまで待つ9分
10:40 停車して車椅子の上での体位変換1分
何か呼ばれるまで運転しながら待つ9分
10:50 水分補給2分
何か呼ばれるまで待つ8分
10:50 停車して水分補給2分
何か呼ばれるまで運転しながら待つ8分
11:00 スーパーの買物同行30分 11:00 スーパーの買物同行30分

 このように、最重度の全身性障害者は、常に呼ばれたらすぐに介護が出来る ような状態で介助者が待っている状態が多く、「座席に座ったら、介護は要ら ない」という高齢者・障害者とは分けて考えるべきです。
 国土交通省は運転行為自体に対して厚生労働省がお金をつけることを問題に しており、車を路肩にとめて介護することに対してお金をつけても問題はあり ません。

要望
 市町村の判断で特に上記の介護のような密な介護の必要性がある障害者には 車移動中も支援費を適用できるように運用を変えてください。  

解説:このようなケースの場合は、2人で出向いて、1人が運転し、1人が介 護すれば、全時間が支援費の対象になるので、そのほうがいいのではないかと のことでした。しかし、当会は、これはあくまでいろいろなケースのうちの1 つであり、いろいろな状況がありえるので、運転を対象にするかどうかは市町 村の判断にしてほしいと要望しました。解決せず。

6.介護保険では1.5時間を越える身体介護は家事単価に下がるが、来年度介護 保険と同じにしないように

 介護保険では2003年度からの改正で、「身体介護型で1.5時間以上の 長時間利用を行うと、1.5時間を超える部分の単価が家事援助単価になる」 改正が行われました。またヘルパー派遣がおわり、次のヘルパー派遣が始まる までの間隔は原則2時間空けることになっています(原則なので最重度の場合 は間隔の短縮は自治体判断で可能)。また、やむをえず2時間以内に2回の身 体介護型の派遣を行った場合は、1つながりの派遣と認定され、1時間半を超 える部分は家事援助単価になります。
 支援費制度では気管切開している障害者や人工呼吸器利用者など最重度の障 害者が身体介護型で1日10時間連続などの長時間利用をしている実態も数多 く有ります。

要望
 来年度、介護保険と同じ「身体介護型で1.5時間以上の長時間利用を行う と、1.5時間を超える部分の単価が家事援助単価になる」という制度になら ないようにしてください。

解説:この日の時点では、回答は難しいという回答。その後継続して交渉を行 っています。次々ページ参照。

7.常時ヘルパー利用の1人暮らし等の最重度全身性障害者の一時入院時のヘル パー利用について

 (現時点では国庫補助はつかないが)支援費制度で一時的な入院の場合の病 室へのヘルパー派遣を市町村の判断があれば行っても良いという現行方針を自 治体に周知してください。
 また、国庫補助についても来年度から行えるように検討してください。「既 に毎日10時間以上などのヘルパー利用をしている1人暮らし等の最重度障害 者」が一時的に入院したときのはなしですので、支援費の受給者証の時間数が 増えるわけではなく、国も自治体も余計な予算はかかりません(予算変化なし)。 最重度の1人暮らしや障害者のみ世帯などに限られるので、対象者も全国で年 20人もいませんので、大きな変更ではありません。しかし当事者にとっては 命にかかわる大きな事態です。

解説:今まで何度も交渉を行っていますが、今回も進展せず。

8.単身者等の対策

 1人暮らしや障害者夫婦など、家族の介護を受けられない重度全身性障害者 などは、介護が足りないことは命にかかわることです。毎年、ヘルパー制度の 時間数が足りない地方で、1人暮らしの最重度障害者がボランティアなどの介 助者探しの過労で肺炎などにかかり亡くなっています。
 障害保健福祉部の中で、このように命にかかわる重大事項はほかに何がある でしょうか。

要望1
 (今年度から)1人暮らしや障害者夫婦など、家族の介護を受けられない重 度全身性障害者や知的障害者等に対して特別な対策をとってください。
 自治体に対し、「1人暮らしや障害者夫婦など、家族の介護を受けられない 重度全身性障害者や知的障害者等に対しては、必要な介護時間をすべて支援費 のヘルパーで対応」するように特別な指導をしてください。(特に今年度は制 度改正があったので自治体で補正の組みやすい年ですので、9月補正に間に合 うように8月中に通知・指導等をしてください)

要望2
 来年度、「1人暮らしや障害者夫婦など、家族の介護を受けられない重度全 身性障害者や知的障害者等に対しての特別対策」の名目で予算確保してくださ い。(来年度はまず400人で10億円)。
 ヘルパー全体予算がわずかでも伸びる場合は、増加分(の一部)に対して、 上記の名目をかならず入れてください。

要望3
 予算確保と平行し対策の専門の全国担当者会議などを行い、1人暮らし等の 障害者へのヘルパー対策を協力に指導してください。

解説:市町村では1人暮らしの障害者に毎日24時間のヘルパーを決定す ると、数年立って職員が入れ替わるころには、すべての利用者に対して自 立した生活に必要な時間を考えて決定していくように変わります。逆に1 人暮らしの24時間ヘルパー利用者がいない市町村では、ヘルパー制度は 家族の介護の1部を補助する制度と考えられており、一律の時間数上限が 定められていたりします。 解決するには、まず1人暮らしの24時間要介護の障害者に24時間の介 護保障をする土壌を作ることが重要です。そのため、予算要望で、特別に 1人暮らしで命にかかわる状態の障害者に特に予算の項目として対応して 表現を要望しました。しかしながら、そのような予算の書き方を通常しな いということで、解決せず。なお、この要望項目は8月8日の4大団体 (22ページ参照)での要望にも入れて引き続き要望しています。

 

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来年1.5時間を越える身体介護型は家事単価になる可能性

 来年度、支援費制度の単価体系を介護保険とまったく同じにすることが検討 されています。介護保険に合わせると、身体介護の30分が300円アップし、家 事援助は全時間帯で1時間500円ほどアップとなります(最初の1時間が2000 円台になり、以降の増加は変化なし)。
 ところが、介護保険では、1.5時間を越える身体介護型は家事単価になる ため、障害でもこの方式になる可能性が大きいとのことです。
 7月22日の介護保障協議会の厚生労働省交渉で「支援費は1.5時間を越え ても家事単価に下げないように」と要望しましたが、障害福祉課の現時点での 回答は「介護保険とまったく同じ単価体系になる以上、短時間部分だけ単価ア ップで、下がるところは介護保険に合わせない・・・というのは普通通らない のではないか」とのことでした。
 これは身体介護型でやっている団体には大問題です(介護保険に合わせると、 1回のヘルパー利用が終わって、次回のヘルパー利用までの間隔は2時間あけ るよう求められます。2時間空けない場合は1つながりのヘルパー派遣と計算 し、1.5時間を越える部分は家事単価になります。このため、「1時間介護 型で利用し1時間空け、1時間介護型で利用し、1時間開け・・・」という形 で利用しても1つながりと認定されます。)
 当会は「ALSなどでナースバンクなどから看護士を自薦ヘルパーとして雇 って、ナースバンク相場の2000円〜2500円の時給で自選登録でやっている人も いるので、家事援助単価になると最重度障害者は困る」などなどと説明しまし た(看護士を雇って、8時間で1万6000円を払っているALSの人なども いる)

 7月30日に厚生労働省で検討会があり、そのあとで厚生労働省5Fで、J ILと合同で障害福祉課長出席でこの問題について話し合いを行いました。課 長は、介護保険とまったく同じになると困ってしまう最重度障害者がいるとい う事実は理解ました・・・とのことです。しかし、解決するかどうかはまだわ からない状況です。

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ヘルパー研修に関する事務連絡

 なお、この話し合いの後半で、ヘルパー研修に関する話し合いを行いました。 (7月22日にもこの問題を交渉したほか、検討会でもJILの中西委員から ヘルパー研修の指定の受付を開始していない県があるとの発言がありました)。この話し合いの前から、すでに厚生労働省側は、都道府県に研修について事務 連絡等を出すという方針を決めていました。
 この話し合いでは、その事務連絡等についての内容について再度話し合いを 行いました。

 なお、ヘルパー研修については、事務連絡(Q&A等)の文書で都道府県等 に周知連絡することが決まり、内容について、8月24日に以下の追加要望を出 しました 。

ヘルパー研修に関する要望

・神戸市などで、「市の関係の団体の1箇所のみにしかヘルパー研修を指定し ない」という方針を立てている自治体があるので、「特定の団体のみにしか指 定を行わないことは認められない」ことを周知してください。

・3級や日常生活支援の研修にある「医学等の関連する領域の基礎的な知識に 関する講義」は、多くの自治体が「看護士や医師が講師に必要」という基準を つくっているので、必ずしも看護士や医師に限定して考えなくてもよいという ことを周知してください。また、さまざまな講義の講師には、障害者団体など で相談援助活動などに従事しているなど、担当科目の講師能力のある障害当事 者の講師も認めてもよいと周知してください(介護福祉士、社会福祉士、看護 士などのみを講師と考える自治体があるため)。

・たとえば、入浴やトイレ介助の必要な男性の全身性障害者は男性ヘルパーが 必要であるが、有資格者に限定して求人を行っても、確保が難しい。体重の重 い障害者のかかえをできる人材や、夜や土日も働ける人材なども確保が難しい。 解決策としては、有資格者に限定せずに求人を行い、求人してすぐに事業所で 研修を行える体制が必要。3級研修、移動介護、日常生活支援の3種類の研修 は、事業者が年間を通して随時いつでも少人数で実施できるような体制が必要。 たとえば、東京都のように「はじめに年間52週分の52回分の研修の申請を1度 に受け付けてまとめて指定しておき、変更届で柔軟に日程や講師などの変更も 受付け、受講者がいなければ簡単な事後報告だけで実施しなくていいような方 法」や、広島市のように「日常生活支援の研修申請は日付を定めずに受け付け て研修の指定を行い、事業者からの事後報告で研修の実施日等の報告を受け る」という方法も可能であると周知してください。

・日常生活支援と知的障害の移動介護については今回初めてできたので、まだ 受付すらしていない自治体があります。都道府県等に速やかに指定申請受け付 け体制を作るよう促してください。

・通信研修について、たとえば、東京都で申請した3級や日常生活支援の通信 研修の場合、スクーリング(演習等)の会場を、北海道や九州などのほかの道 府県で行うことが認められないという勘違いがあります。都道府県に対して、 それも可能であるとQ&Aで示してください。

・日常生活支援と移動介護(視覚、身体、知的)は障害独自の研修過程なので、 高齢の介護保険の研修の視点で考えるのではなく、障害特有のニーズをとらえ た研修とする考え方を伝えてください。

・厚生労働省から研修の課程について詳細なカリキュラムが載った要綱が出て いないので、それが出るまで、県の要綱が作れないと勘違いしている県がある。 厚生労働省からは3月の省令と研修についての通知がすべてであること、詳細 は各都道府県で作るようにという趣旨を周知してください。

・研修指定に法人は必要ないことを周知してください

・研修の指定申請まで2ヶ月や4ヶ月かかる都道府県があるので、短縮するよ う周知してください。

研修以外での要望

・着替え、入浴、トイレ、食事介助など、1時間や1時間半の介助を1日に数回、 細切れに利用している状態など、ヘルパー派遣時間帯のほとんどを、現に身体 介護をおこなっている場合は、身体介護型で決定するべきであるが、これを日 常生活支援で決定することのないように周知してください。(国が最低単価を 定め、市町村はその単価を下回ってはならないという、省令違反である)

・厚生労働省はホームヘルプサービスのサービス量の上限については、従来よ り撤廃するよう自治体に指導してきたが、支援費制度施行後も考え方に変更は ないことを示してください

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厚生労働省障害者雇用対策課と話し合いを行いました

 7月30日に旧労働省の制度の職場介助助成金と通勤介助助成金を支援費事 業所に委託できるように、DPIと共同で話し合いを行いました(障害者雇用 対策課課長補佐出席)。
 短期的には予算が変わらないことなら可能とのことで、職場介助の委嘱助成 金で支援費事業所に委託できるように要望しました。障害者を雇用する事業主 が介助者個人1人に対して委託を行っている現状の制度を少し変え、支援費事 業所に委託して複数の介助者の利用を自由に行えるようにするという内容です。 これは改正に向けて検討するとのことでした。一方、予算を伴う要望ですが、 通勤介助助成金(現状1ヶ月のみの制度)を職場介助助成と同じ10年間に延 長して支援費事業所に委託できるように要望しました。また職場介助・通勤介 助ともに、支援費単価にするよう要望しました。これに対しては、この制度は 事業主が行うべき措置の経費の1部を補助する制度であり、障害の施策とは考 え方が違うとの回答でした。


赤字急拡大のドイツ介護保険に与党幹部から廃止論

(8月9日読売新聞より要旨)

 ドイツの介護保険が2003年は5億ユーロ(約680億円)の赤字の見通 しになった。昨年は3億8000ユーロの赤字。原因としては、
〈1〉保険料収入 (170億ユーロ程度)の伸び悩み
〈2〉長期施設介護の増加による支出拡大
〈3〉今年初めから痴ほう症への適用を拡大したことによる支出増をあげてい る。
 ドイツの介護保険会計は1995年の導入後、当初4年間は黒字が続いたが、 99年に初めて3000万ユーロの赤字を計上。その後、赤字幅はほぼ横ばい だったが、景気低迷が鮮明になった昨年より、一気に4億ユーロ近くまで拡大 した。
 こうした財政危機を受け、連立与党「90年連合・緑の党」幹部が「介護保 険は廃止し、健康保険制度に統合を」と提唱し、波紋を広げている。政府委託 で社会保障制度改革に取り組む専門家委員会も今年6月、年金受給者の負担増 などをうたう改革案をまとめた。  

◆ドイツの介護保険=1995年導入。サービス対象は0歳の障害児から高 齢者まで。保険料は18歳から支払う。日本の介護保険の見本となった。
(編注)介護を税ではなく保険で行っているのは先進国ではドイツと日本のみ。 ドイツの介護保険は国制度だが、各州で独自に障害者への上乗せ介護施策を税 財源で行っている。

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8月8日厚生労働省2004年度の支援費予算に関する要望の報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

 8月8日に午後6時から厚生労働省にて、1月のホームヘルプ国庫補助基準 設定の抗議行動を行った、日本身体障害者団体連合会、全日本手をつなぐ育成 会、日本障害者協議会、DPI日本会議(等)で、2004年度の支援費予算に 関する要望を行いました。
 厚生労働省からは足利企画課長と、障害福祉課の主だった課長補佐と居宅支 援の担当係長が出席しました。
 これまでの数回の要望では、"財務省からシーリング(概算要求基準)が示 されていないので"という返答に終始していたのですが、今回は、財務省のシ ーリングがでたので、全体的な数字については明らかになりました。
 来年度の予算要求も、今年度と同じように義務的経費と裁量的経費とにわけ てシーリングが出され、(※支援費の予算は、施設支援費が義務的経費、居宅 支援費が裁量的経費という区分になります。)
・義務的経費(主に年金、医療、介護保険等)は9100億円の自然増が見込まれ るところを2200億円削る。
・裁量的経費は今年の予算額の2%カットとなる。予算要求はそこから2割増 しまで要求できるが、その後、財務省による査定で削られる方式になる。
 支援費の居宅支援は、裁量的経費の中に入ります。厚労省全体の裁量的経費 の中で2%削るということですので、居宅支援費がそのまま2%減になるわけ ではなく、優先順位の中で伸ばす施策と削る施策がでてくることになります。
(※昨年の例でいうと、市町村障害者生活支援事業をはじめとする4事業が削 減の対象となり、補助金が廃止されました。)
 厚労省は、「平年度化(今年11ヶ月だった支援費予算を12ヶ月予算に増 額すること)に必要な予算は基本的な部分だと考えており、それに障害者プラ ンを達成できるような予算増を行う」ということでしたが、具体的な数字や積 算の方法については回答をさけました。
 団体側は、「平年度化はもちろんのこと、支援費の伸びに応じた予算増が必 要。裁量的経費の中の調整ということではなく、支援費全体で見て、地域移行 や利用者の選択によって施設支援ではなく、居宅支援のサービスに予算をふり むけるべき。支援費の全体予算の中で、義務的経費を減らして裁量的経費を増 やすという考え方も必要」と重ねて要望しました。
 これに対して厚労省は「我々もわかっているが、法改正が必要であったり、 現状ですぐできない。今回の予算編成で可能な方法について考えている。  施設整備の費用についても減らしている。財務省に対しても単純に義務的・ 裁量的ということではなく、支援費の仕組みを説明して全体的な判断の中での 調整もある。」ということでした。
 最後に、「ホームヘルプは地域で暮らしている人の命がかかっている。実際 には義務的な費用であり、その覚悟で概算要求に臨んで欲しい。今年の1月の ようなことが毎年起こるのでは困る。」という要望をして終わりました。
 上記のように、国の財政が厳しい中、まだまだ予断を許さない状況です。概 算要求は8月末に発表されますが、その後も財務省の査定があり、政府予算案 が発表される12月末まで注視していく必要があります。
 各都道府県、市町村においても、来年度予算の動きがでてきていると思いま す。国が予算をとっても自治体の予算がなければ、地域の支援費は伸びません ので、各団体も各自治体に対して要望活動等をお願い致します。

厚労省の概算要求は4.3%増、20兆円超す

朝日新聞 (08/21 より抜粋)

 厚生労働省は20日までに、04年度予算の概算要求案を固めた。一般会計 の総額は約20兆2154億円で、今年度の当初予算に比べ4.3%の伸びと なった。 同省は、年末の予算編成や来年の通常国会での審議に向け、年金改革を最大課 題に据える構え。このため、額の大きい新規事業や法律改正を伴う案件などは 極力抑え、効率的な予算確保を狙う形となっている。
 今回は、年金の国庫負担引き上げ問題や物価スライドの下げ幅、児童手当の 支給対象年齢見直しによる増額といった、制度改革を伴うことなどで調整が難 しい項目や、全体の伸びを抑えるための制度合理化策は年末決着に先送りされ た。
 このため、年金・医療・介護の各保険給付にかかる国庫負担金は現行制度を 前提に算定。基礎年金の国庫負担金は、約5兆7393億円(2.0%増)で、 これに過去に凍結した物価スライド分にかかる給付費用約850億円を別枠で 要求する。 医療費は約8兆1421億円(5.0%増)、介護保険の給付に対する国の負 担分などは約1兆7521億円(10.2%増)となった。ただ、それぞれ年 末に決まる予算案は大きく変わる可能性がある。

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