★厚労省の2004年度予算の概算要求が出る            9〜11ページ

★福岡市で身体介護型ヘルパー毎日12時間             12ページ

★広島で日常生活支援研修が365日随時いつでも実施可能に  6ページ

9月号
2003.9.29
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒180−0022 東京都武蔵野市境2−2−18−302
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
  TEL・FAX 0120−870−222 (フリーダイヤル
  TEL・FAX 0037−80−4445  
制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))        
  TEL 0037−80−4445 (全国からかけられます)
  TEL 0422−51−1566  
電子メール: 
郵便
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口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2003年9月号    目次

   

4・・・・全国47都道府県のCIL空白地域で、障害者の人材募集
5・・・・秋田市で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集
6・・・・広島で日常生活支援研修が365日随時いつでも実施可能に
9・・・・介護型で1.5時間を越えると家事単価になってしまう改悪は回避
10・・・厚労省の2004年度予算の概算要求の解説
12・・・福岡市での支援費制度の状況と今後の問題
18・・・全国10箇所で「施設から地域へ」シンポジウム
20・・・今年の政策研は12月13・14(土日)に東京で
22・・・支援費制度でサービスの何がどう変わったか(知的・児童)
35・・・この一年を振り返って〜施設から地域へ〜 (第2回)



9月までにヘルパー時間数のアップに向けて交渉を!

 支援費の決定はどうだったでしょうか。この決定の後もひきつづき交渉を行うことは可能です。ひどい決定だった場合は、すぐに抗議に行くことが肝心です。今年は新制度になったことから、補正予算が出しやすい年です。抗議後、要望書を出し、課長の予定を聞き、交渉申し込みしてください。

補正予算は9月議会にあわせて行われます
なるべく9月中に何度も交渉を行い、決着してください。

交渉をしたい方、ご連絡ください。制度係 0037−80−4445 11時〜23時。厚生労働省の情報、交渉の先進地の制度の情報、ノウハウ情報、など、さまざまな交渉成功実績のある情報があります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。

交渉のやり方ガイドブック2の抜粋版 限定販売

 ヘルパーの時間数アップの交渉をする方に限り販売します。
 申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。(交渉を行う方かどうか、制度係から電話させていただいてからお送りします。) 1000円+送料



「15年度生活保護基準額・実施要領等」冊子

3年ぶりに基準額が変わりましたので複製印刷しました。   (全102ページ)
生活保護の方や障害者の1人暮らし支援をしている団体は必ず必要になります。
生活保護課の職員は生活保護手帳(2500円)を見て仕事をしますが、この本の元になっている厚生労働省保護課資料ですので、内容はほぼ同じです。生活保護手帳に載っていない全国家賃基準表なども当会で独自に掲載しています。
申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。   600円+送料



健常者スタッフ募集(全国障害者介護保障協議会/広域協会)

職種:事務職
勤務:月曜〜金曜 8時間 土日祝休み 月給22万円
資格:大卒者等 30歳くらいまで 男性
お問合せは 通話料無料 0037−80−4455 まで



月刊全国障害者介護制度情報のメール送信 サービスを開始

 相談会員・定期購読・団体会員の方など、有料で紙冊子をお届けしている方で、ページをめくれない障害者に限り、無料で、メールでマイクロソフトWORDファイルでお送りいたします。行政資料は画像ファイルの場合があるのでADSLなどのつなぎっぱなし環境の方にお勧めします。ご利用希望の方はメールで申し込みください。  まで。電話・FAXでの申し込みはできません。 なお、お知り合いなどに会員を広めていただける方にも3か月分の見本をお送りします。



会費の銀行振り込みも開始しました

インターネット振込みをする方が増えましたので、銀行口座による入金も受付開始しました。ご利用希望の方はメールでお問い合わせください。  まで。電話・FAXでの申し込みはできません。新生銀行 http://www.shinseibank.com/ などはネット振り込み手数料無料です。



全国47都道府県のCIL空白地域で、施設や親元から自立してCILを作りたい障害者の人材募集(介護が長時間必要な方)

 全国障害者介護保障協議会と自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会では、全国3300市町村で最重度障害者が運営する自立生活センター(CIL)のサービスが受けられるようになるように、各県で最低10箇所程度のCILを作ることを目標に金銭面や研修等で支援を行っています。
 どんな重度の障害者も地域で自立して暮らせることを理念として掲げたノーマライゼーションの広がりとともに、1970年代から東京や大阪などの大都市を中心として重度障害者が地域生活を始めてきました。初めはボランティアに頼っていた介護も、各地の交渉により現在では公的介護制度が充実し、2003年4月からは支援費制度もスタートしています。現在、都市部や地方の県庁所在地等では自立生活センターなどの地域支援の仕組みが整い始め、重度障害者が地域で生活できるようになってきましたが、まだまだサービスの乏しい地方で暮らすのは難しく、住み慣れた地域を離れ、サービスの整った都市部に引っ越さざるを得ない場合もあります。当会は、どんな重度の障害者でも住み慣れた地域で暮らしていけるような状況が日本全国で作られていくべきだと考えています。そのために、地方で自立して地域で暮らしていきたい、さらにCIL設立につなげたいという障害者に対して情報提供や研修、それにかかる諸費用も含めた全面的なバックアップをし、日本全体の地域福祉の向上を目指しています。
 2001年度〜2002年度は空白県に最低1つのCILを作ることを目標に研修や助成などで支援を行い、目標を達成しました。今年度からは各県に最低2〜3箇所のCILを作る支援を行います。
 現在、24時間介護の必要な全身性障害者が施設や家族の元から1人暮らしし、CILを立ち上げています。こういった最重度の障害者が過疎地の県でたくさん出ています。 近県CILや東京などで何度も研修を行い、介助者の雇い方、指示の出し方、アパートの借り方、介護制度の使い方、CILの作り方、など、1つ1つ研修を受けていくことで、やる気と努力で1つ1つ解決していきます。
 当会では、CIL空白地でCILを作りたいと考えている介護の必要な重度障害者に対して、CILを作るための様々な研修会などの交通費・介護者の費用などを助成いたします。CILを作る目的で施設や親元から出て1人暮らしを始める場合、1人暮らし開始時の介護費用なども(交渉して制度がのびるまでの期間)、助成・貸付します。
 研修は、参加して行う総合研修、ピアカウンセリング、ILP、個別事業研修など実地のもののほか、実地の研修を補完する「通信研修」も行っております。
 募集する地域は、県庁所在地からはなれているCIL空白地域です。(秋田・金沢・宇都宮・群馬・徳島・高知は県庁所在地も募集)。また、これ以外の地域でも、現在すでに立ち上がっている団体で引き続き障害者の人材募集も行っております。(特に募集するのは、青森・山梨)
 自分も参加したい・・という方は、どしどしご相談ください。
 自薦ヘルパー推進協会 0120−66−0009 10:00〜23:00

 自立生活センター(CIL)とは 理念はJILホームページhttp://www.j-il.jp/ などをご参照ください。 障害者が主体的に運営するサービス提供団体です。介助利用者自身がエンパワメントしていく(力をつけていく)スタイルのホームヘルプサービスを行います。24時間介護の必要な方などの1人暮らし支援を行い、介護制度の交渉も行い、地域の制度を改善していきます。

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秋田市で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集

施設や家族のもとから出て、自立生活を始めませんか?

 秋田県内では47都道府県で唯一、1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度も伸びていません。これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。他県では1日16時間や24時間介護の必要な障害者がヘルパーや他人介助者を確保して1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域ではヘルパー制度が伸び、それ以外の障害者もヘルパー制度を必要なだけ受けやすくなっていきます。
 当会では、47都道府県のどこに住んでいても、同じようなサービスが受けられるように交渉の方法の支援や、「最初の1人」の自立支援を技術的、財政的に(介護料)サポートしています。
 今回は、特に秋田市かその周辺で1人暮らしをしたい全身性障害者を募集します。1日16〜24時間の介護が必要な方を想定していますが、それ以外の方もお問い合わせください。
 自立のあと、一定期間の介助者の費用のサポートをいたします。
 制度交渉してヘルパー制度を延ばすバックアップをします。 アパートを借りる方法なども研修でサポートいたします(毎日介助がつく場合はきちんと方法を学べば簡単に借りることが可能)。住宅改造も可能です。
 研修参加の交通費や介助費用は助成いたします。
 自立生活をするための技能プログラムを受講していただきます。
 なお、複数募集がある場合は、当会ほかが進めている、公益的な障害福祉活動に参加していただける方を優先いたします。(なお秋田市以外でも募集。詳細は前ページを。)

お問い合わせは 自薦ヘルパー推進協会 0120−66−0009 10:00〜23:00

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広島で日常生活支援ヘルパー研修がCILで実質365日随時いつでも実施可能に

 広島市では、障害者生活支援センター・てごーすの交渉の結果、日常生活支援の開催が、直前(1日前でも可能)の変更届の提出でCILなど障害者団体で実施できるようになりました。交渉経過を書いていただきました。ぜひ、ほかの地域での研修の交渉に参考にしてください。なお、ご迷惑がかかりますので広島市に直接問い合わせはしないでください。

日常生活支援従業者養成研修指定について
広島市障害福祉課との交渉経過の報告

障害者生活支援センター・てごーす

5月22日

   介護保障協議会から送ってもらった「東京都訪問介護員養成研修事業者指定申請書」とJILのメーリングリストからの厚労省との交渉報告、ならびにメインストリーム協会の交渉経過を元に広島市障害福祉課支援費担当者と指定について交渉した。 まず、担当者が今年度から政令市、中核市が指定できることを知らず、厚労省の通知文を見せて広島市独自で指定するように迫った。担当者は、「県と福山市(中核市)と同じような要綱・要領にしたいので県と調整して連絡する」とのことだったので、これに対し以下の4点を要求した。

  1. 広島市独自の要綱・要領を作ること。
  2. 講師の資格要件について、障害当事者が講師となれるようにすること。
  3. また、医療に関する基本的知識(1時間)の部分も、医者や看護士以外にも、介護福祉士、1・2級ヘルパー、障害当事者でもなれるようにすること。
  4. 演習を障害者宅での実習でもできるようにすること。      

  再度、今後速やかに要綱・要領を作成するよう強く言って、今後も協議していくことを確認して帰った。

これ 以後
  たびたび電話で要綱を作るように催促したが、担当者は「まだ県と話が出来ていない」ということだった。
6月4日   担当者に会いに行く。
「現在の介護スタッフが急に辞めることになったら、新介護スタッフを募集して養成研修をしなければいけない」との現状を訴え、広島市独自で要綱を早急に作るように再度催促した。
 また、担当者は「県には旧来のホームヘルパー養成研修要綱があり、それに基づく研修事業指定要領に『社会福祉協議会等』の表現があるので、てごーすも指定できるだろう。それによると指定まで2か月かかることになっている」と言うので、「それでは間に合わないので、独自の申請書類を作成して提出する」と伝えた。
8月8日    東京都の申請書類を参考に広島市版を独自に作成し、担当者に渡した。担当者は「参考資料として受け取るが、まだ要綱を作っていないので、その要綱に基づいて改めて申請書類を提出することになる」と言っていたが、講師の資格要件、実習の件、事業計画書と変更届などについては、こちらの要求どおりになるとのことだった。
8月29日

 送られてきた広島市の「要綱・要領」と担当者とのやり取りによって、具体的には以下のようになった。

  • 講師の資格要件については、「指定基準 別紙2」で「〜課程を教授するのに適当な者であること」となっており、担当者もその内容についての厳しい制限はせず、指定事業者に任せるとのこと。
  • 実習の件については、こちらが提出したとおり5時間演習、6時間実習に分けてもいいとのこと。
  • 事業計画書と変更届については、最初の1回目、9月3〜5日の予定で事業計画書を提出し、随時事業計画書(研修日時)を提出することになった。広島市居宅介護従業者養成研修事業実施要領第6条に「市長に対し、毎年度あらかじめ事業実施計画書を提出する」があり、この「あらかじめ」を拡大解釈するとのことで可能になった。つまり、一年間に最低回数(一回)の事業計画書を提出する。その後養成研修を行う場合、随時事業計画書(養成研修日程)、講師変更届を提出することになった。
9月3〜
5日

 1回目の養成研修を行なった。
  養成研修20時間中の講師については、『居宅介護事業者の職業倫理に関する講義』の3時間を障害当事者が行い、残りの17時間は介護福祉士、ヘルパーと障害当事者が行うことになった。

  とりあえず、当センターの要求通りになり柔軟な対応だが、今後指定事業者が増えてくると、いろいろな要件を厳しくしてくるものと思われる。        

   (以上)
注意:広島市には直接、問い合わせないようにお願いします。

お問合せ先は

NPO法人 障害者生活支援センター・てごーす
733-0025 広島市西区小河内町2-25-1山肩ビル1階
TEL082-294-4185 FAX082-294-4184

介護保障協議会フリーダイヤル0037-80-4445でも質問に対応します。

 広島市のヘルパー研修の要綱・要領には講師基準や変更届のことは書いていませんが、交渉に必要な方はFAXしますので、FAX042-452-8029までご注文ください。 研修の交渉中の団体に限ります。注文FAXには研修の交渉の現状を書いてください。
 その他の方は、全国障害者介護制度情報ホームページに画像PDFで掲載予定ですのでそちらをご覧ください。
   
訂正 先月号の記事の中で広島市の研修についての内容が一部間違っていました。今月号の記事が正しいのでご了承ください。

研修申請書の見本をWORDファイルで提供します

  • 日常生活支援の研修の申請書の一式(実技11時間のうち半分程度を実習で行う内容の例です。すべて実習にしたい場合は変えて使ってください)
  • 移動介護研修の申請書の一式
  • 3級研修(通信)の申請書の一式

 パソコンメールで申し込みください web@kaigoseido.net まで

 都道府県に対して研修問題で交渉を行う団体か、障害当事者団体に限ります。団体プロフィールをつけてください。住所、電話、団体プロフィール、交渉予定をつけてお送り下さい。 交渉を行って頂ける団体には無料で提供します。その他は有料です(月刊誌封筒の注文表を参照)。

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身体介護型で1.5時間を越えると家事単価になってしまう改悪の問題は来年度は回避される

16度支援費単価は15年度と同じ単価に

 16年度概算要求が固まりましたが、16年度は、支援費単価は改定しないことが決ま りました。
 介護保険単価とぴったり合わせるかどうかが検討されていましたが、合わせないこと になりました。 これにより、身体介護型で1.5時間を越えると家事援助単価になってしまう改悪は行 われないことがほぼ確実となりました。
 一方、家事援助は1時間1530円の低い単価のままになります。

 単価改定がなかった理由としては、「単価よりも現状の時間数を優先した」という 理由が最も大きいようです。

 身体介護型で1.5時間を越えると家事援助単価になってしまう改悪の問題は、17年 度の単価改定のときに、また同じ問題が起こります。17年度には介護保険単価と同じ になる可能性が高いので、引き続き交渉を続けていく必要があります。

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厚労省の2004年度予算の概算要求の解説

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

○支援費制度の予算

(14年度) (15年概算要求) (15年度) (16年概算要求)
328,195百万円→   329,280百万円→ 321,267百万円→ 359,791百万円
居宅生活支援   56,852百万円→ 51,588百万円→ 60,188百万円
施設訓練等支援   272,428百万円→ 269,679百万円→ 299,603百万円

居宅生活支援は16.6%アップ、施設訓練等支援は11%アップとなっています。 15年度は支援費のスタートのため11ヶ月予算で組んでおり、16年度は12ヶ月 となりますので、この平年度化の増分約9%を除外して実質で考えると、 居宅7.6%、施設2%アップとなります。

ホームヘルプサービスは(身体・知的・精神)は
(14年度) (15年概算要求) (15年度) (16年概算要求)
27,378百万円→ 34,178百万円→ 29,113百万円→ 34,174百万円
となっていて、約50億円のアップ幅です。 率にして17.3%アップ、平年度化分をのぞいて実質約8%アップとなります。

 厚労省の居宅支援係に聞いたところ、裁量的経費のシーリングである 2%カット+2割増まで要求可能(17.6%増)というシーリングに沿う形で 要求したと言っていました。

上記に含まれる精神障害者のホームヘルプ分は
(14年度) (15年度概算要求) (15年度) (16年度概算要求)
301百万円→ 787百万円→ 720百万円→ 883百万円
となっています。

 しかし、今後、各省の概算要求から財務省による査定で削っていく ということですので、今後も気をぬくことはできません。上記の数字で わかるように、昨年は概算要求から政府予算の段階でホームヘルプ 予算が約85%に削りこまれた経緯があります。
 概算要求の数字は最低ラインで、ここから削られないように厚労省 に今後もプレッシャーをかけていく必要があります。

 その他、昨年までの障害者社会参加総合推進事業が、 障害者自立支援・社会参加推進事業(仮称)としてリニューアルされ、 この中に、新規メニューとして"地域生活体験事業の実施"が もりこまれました。
 これは、JILを中心とした障害者団体が、障害福祉課に自立生活体験室事業について、要望していたものであり、身体・知的・精神に適用される事業として考えられているそうです。
 この事業は実施主体は市町村ですので、今後、正式に予算化 された場合は市町村への働きかけが必要です。

 昨年、身体と知的の生活支援事業が一般財源化されるに ともなってできた障害者地域生活推進特別モデル事業は 77ヶ所→101ヶ所(+24ヶ所)となりました。
 16年度の新規分は24ヶ所ですが、今年度執行できなかった 箇所数があれば、新規分の箇所数が増えます。

○主なものの動き

ショートステイ(身体・知的・精神)
(14年度) (15年概算要求) (15年度) (16年概算要求)
4,188百万円→  4,680百万円→  4,614百万円→ 5,049百万円


デイサービス(身体・知的・障害児)
(14年度) (15年概算要求) (15年度) (16年概算要求)
13,288百万円→ 13,580百万円→  13,024百万円→ 14,836百万円


グループホーム(知的・精神)
(14年度) (15年概算要求) (15年度) (16年概算要求)
6,950百万円→ 8,264百万円→ 8,554百万円→ 10,414百万円

平成16年度 厚生労働省予算概算要求の主要事項  厚労省リンク

平成16年度障害保健福祉関係概算要求の概要 (PDF243kb)

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福岡市での支援費制度の状況と今後の問題

自立生活センタードリームハート博多

はじめに

 支援費制度が平成15年4月に始まってから、およそ半年がたちました。
 九州という地方の中でも、大きな影響力を持つ福岡市における支援費の動向を報告したいと思います。

支援費制度開始以前

  前年度までの措置制度における福岡市の状況としては、郊外型の入所施設が多く、地域生活の支援体制は脆弱な物といえます。130万人を超える都市で障害者が5万人在住する実態の中、通所の施設としては、通所身体のデイサービスが各区に一ヵ所ずつの計7カ所(福岡市まちづくり条例に基づく施設)。知的の通所施設は行政主導型が5カ所、民間主導型が5カ所。児童通所施設が4カ所。一方で入所の施設は市内には7カ所という状況でした。地域の中できちんとした支援が確保できない以上、家族が支えられなくなった障害者は、市外に多数ある入所施設を受け皿としてきている実態があります。
 在宅生活の状況としては、身体障害のホームヘルプサービスにおいては、月144時間という上限がありました。この水準は全国の政令指定都市の中でも低い水準でありました。そのホームヘルプサービスの受託機関として、福岡市市民福祉サービス公社という半官半民の事業体が一元的に請け負っている状況でした。また、ガイドヘルプサービスにおいては、月8回、一回につき5時間までという制度になっていました。知的のホームヘルプサービスは、平成13年に開始されたばかりで、まだ、制度の利用が浸透していない状況でありました。
 行政主導の色合いが強く、市民運動的事業体は少なく、作業所運動や当事者運動に限られた物でした。
 そのような中、ご存じのように、これまでの措置制度から、利用契約に基づく支援費制度に変わる事になりました。支援費制度の理念としてあげられた、「当事者が選択する権利の保障」「当事者と事業者の対等な関係」「ニーズに基づく支給決定」などは、福岡においては特に妨げられていた点でもあり、福岡市における地域生活支援の充実へ向けての変化が期待されるものでした。
 しかし、それらの制度改革における希望や期待を根底から覆すような動きが出てきました。ご存じのように、今年の一月に、厚生労働省が居宅支援の支給時間に上限を設けるという情報が、インターネットなどを通じて伝わってきました。当時、我がCILドリームハート博多は、1月6日にようやくまだコンクリートがむき出しの事務所を開所したばかりで、まだ何も無い、寒い事務所で、0から活動を開始したばかりでした。不安一杯で動き始め、準備していたボランティア講座の準備に追われる中、入ってくる情報は目標と掲げる命の尊厳を守る24時間介助体勢の整備とは、かけ離れた国のあり方でした。
 ボランティア講座を無事、成功の内に終え、NHKに取り上げられたことを喜び、関わってくれたすべての人に感謝を伝える暇もなく、人として地域の中で当たり前に生きていく権利を守るために、どう、行動していくか、検討を開始しました。
 まずは、各自が、友人、知人にこのような事態が起こりつつあることを伝え、その決定が今後の地域のあり方に、どれほど悪い影響を及ぼしうるのか、伝えていきました。厚生労働省やマスコミへのファックスによる抗議、地元選出の自民党幹事長や、隣県の副官房長官他、多くの国会議員に向けて声を上げ、地元にある事務所へ、要望書を提出に行きました。
 そして、準備期間の資金がいくらあっても足りない中、事の重大性を確認し、1月16日の抗議行動に始発の飛行機に乗り込み、8名で厚生労働省へ向かいました。翌週1月20日には、さらに2名。1月27日も翌日に準備されていた課長会議への抗議行動参加のため、可能な者はすべて東京へ向かう意思を固めていました。
 その後の状況は、皆さんもご存じの通りだと思います。また、このような状況が来るのか流動的なことに変わりはありません。現在でも、検討委員会等の状況を随時確認し、権利擁護への意識の浸透を推し進めています。  それらの状況のため、事業所設立の準備は多忙を極めました。昼間は協力者の手作業で事務所の床をはり、夜は書類準備やメンバー間の話し合いで、徹夜、徹夜の毎日でした。そして、肝心の支援費支給量が10月に申請したにもかかわらず、いつまでたっても連絡がありませんでした。ようやく、支給量が決定されてきたのは3月の中旬を過ぎた頃でした。

どのような支給決定がなされたのか・・・

 そもそも、福岡市の支給決定においては、聞き取り調査の段階から違いがあります。本来、地方行政の担当官が利用希望に対して、直接調査に来るはずの聞き取り調査において、福岡市はこれまでホームヘルプサービスを委託してきた福岡市市民福祉サービス公社に調査を委託しています。そのため、サービス公社のケアマネージャーが、聞き取りに来て、その情報を元に、役所が支給量を決定する形となっており、どのような決定が降りるのかは調査にきたケアマネージャー次第というような状況です。
 そのような中、3月中旬に打ち出された支給量は、日常生活支援を取り入れていない事もあり、身体介護、家事援助が半々、もしくは家事援助中心が多め、そして、これまでと同じ一回5時間、月8回のガイドヘルプサービスという支給決定のあり方でした。時間数的には積極的に声を上げてきた当事者においても、50時間から多くても150時間程度でした。しかし、一部では180時間前後の支給決定がおりたという情報も入ってきました。それらの情報をふまえ、4月1日まで残された時間はないものの、個人交渉へと入っていきました。

個別交渉の結果、身体介護中心型の時間アップを獲得

  Aさんのケースでは

  14年度、月72時間のホームヘルプサービスを受けていました。支援費申請は、早くに出したものの、実際に支給が決定したのは、3月の後半でした。その支給決定は身体介護中心31時間、家事援助中心109時間というものでした。その後も、継続して交渉を行ない、重度の障害者にとって、必要なのは、家事援助だけではなく、必要なときに必要な身体介護が受けられることの大切さを訴え、時間延長とともに、身体介護中心型への移行を促していきました。区役所の職員に掛け合い、聞き取り調査の際にケアマネージャーに要求した時間との格差について話し合い、支給量の加算を検討する確約を得ました。しかし、実際には3月末が近づき、3月30日に行ったセンターの開所式を終えても、まだ、役所からの通知は届きませんでした。
 最終的に、3月31日の夕方になって、ファックスで確定した支給量が届きました。その結果は、身体介護中心93時間、家事援助中心62時間、ガイドヘルプサービス8回(身体介護中心48時間相当)合計203時間というものでした。まずは、その支給量で4月1日を迎えたのでした。その後、懸案事項に加味されていた家族の介護能力などの点で以前とは生活の状況が変わった点を中心に、交渉を続け5月からは、身体介護中心186時間という支給量に変更されました。ガイドヘルプサービスの面では、基本的には月8回までなのですが、定期的な通院が必要な際には医療機関の継続証明書などを提出すると、加算が認められるようになっております。通院証明書を提出した結果、月5回(身体介護中心30時間相当)の加算が認められました。

 Bさんのケースでは

  自立生活センターの開所と平行して自立を進めた結果、3月31日に出た支給量は身体介護中心284時間30分、家事援助中心41時間、ガイドヘルプサービス8回(身体介護中心48時間相当)合計373時間30分というものでした。これには、夜間巡回加算として1日9回、1回につき30分という支給が盛り込まれていました。4月からの交渉では、家事援助中心の41時間を身体介護中心への変更が認められ、合計、身体介護中心325、5時間とガイドヘルプサービス8回(身体介護中心48時間相当)合計373時間30分という支給量になっています。
  また、他の加算例では夜間巡回だけではなく、二人介護も必要な人には支給が決定される例が認められています。

 Cさんのケースでは

  平成15年の始めに市外から、福岡市に転入してきました。支援費制度前の支給時間は月48時間でした。その後3月31日に送られてきた決定時間では、家事援助中心62時間、身体介護中心62時間、ガイドヘルプサービス8回(身体介護中心48時間相当)合計172時間という支給量へ変更されました。その後、障害の進行とともに障害手帳も一級に変更され、8月からは、身体186時間、ガイドヘルプサービスも通院証明書提出とともに、月16回(96時間相当)へと、変更決定されました。

 Dさんのケースでは

  前年までの利用実績はあったものの、よいヘルパーと出会えることなく、ヘルパーの派遣に拒絶反応を示していました。聞き取り調査も的確にされたとは言い難い状況の中で、当初決定された支給量は月10時間というものでした。その後、自立生活センターとの相談を通して、きちんと再申請をした結果、身体介護中心124時間、ガイドヘルプサービス8回(身体介護中心48時間相当)合計172時間という支給時間に変更されました。きちんとした聞き取りがなされたとは思えない状況の中で、支給量が月10時間というケースは、これ以外でも数例報告されています。

知的障害における大きな変化

  知的障害のホームヘルプサービスは、福岡市ではまだ、2年前に始まったばかりでした。今回の支援費制度でも、当初は重度にあたるA判定のみでしたが、要求が実り、5月からはB判定の障害者にも支給が決定されました。そして、この度自立したB判定の知的障害者に、身体介護中心124時間という支給時間を獲得しています。ただ、一般的には、勘案事項もからみ、48時間から93時間の上限という支給量の決定が多い実情です。
  また、今後、10月からはA判定の障害者のみが対象となっていますが、ガイドヘルプサービスが開始されることとなり、今後の知的障害者における社会参加の支援体制の拡充が期待されるところとなっています。

児童のホームヘルプサービスも拡大へ

  児童のホームヘルプサービスも始まり、5月からは全身性と視覚の障害児を対象にガイドヘルプサービスも開始されました。知的の児童においても10月から開始される運びとなりました。その中では、家事援助中心15時間、身体介護中心101時間という支給量が、保護者が同居しているという条件の中でも決定されています。また、一人派遣では、本人や介助者の安全の確保が危惧されるケースにおいては二人派遣も認められ、加算されることが認められる事を確認しています。また、夏休み、冬休みのみの加算が認められるケースもあり、一例では45時間の期間限定加算が認められていました。
  しかし、知的、児童の法区分においては、支給量決定の際に家族の状況が勘案されるため、本来の支給量の半分に抑えられることもあり、どうしても本来のニーズに対して少なめの支給と感じられます。また、指定事業者の中でも、知的や児童の指定は申請していない事業者もあり、また、指定を受けていても実際に取り組み始めている民間事業者は自立生活センター以外では少ないのが実情のようです。
  そのような現状ですが、知的障害においても、24時間の介助が必要な事実は歴然としており、今後の地域生活支援の推進、脱施設のためにも、現状に甘んじているわけにはいきません。今後情報の周知、制度利用の促進、そして地域の中で安心して生活することの出来る在り方の構築を踏まえて、より一層の声を上げていく事を推進していこうとしています。

日常生活支援は、10月から開始されるものの・・・

  福岡市では全身性介護派遣制度の創設を幾度と無く交渉を行ってきていました。しかし、平成14年までに実現することなく、支援費制度開始当初は日常生活支援という類型は導入されていませんでした。しかし、交渉を継続してきた成果として、この10月からやっと開始される運びとなりました。事業者説明会などでの情報をトータルすると、現在の支給時間に上乗せする形で導入されるとのことです。ただし、上限が設けられ、一日8時間、月248時間ということです。この上限設定は市の職員が公言しており、決して認められるものではなく、CILドリームハート博多として、市障害福祉課と24時間/日の交渉に入っています。
  日常生活支援のヘルパー養成に関しては、これまでのところ、行政主導で2回、開催されており、2ヶ月に1回のペースで行われていく模様ですが、民間事業者での研修の指定は未整備の状態のようで、今後交渉に入っていきます。

情報を周知することの必要性

  このような、大きな変化が起きている中、実際には当事者、当事者家族への認知度は、まだまだあまり高くないのが実情ともいえます。制度そのものの変更についていけなかったり、関心を持っていても、どのように手続をすればいいのかわからない、支給量に不満をいだいてもどのように交渉していけばいいのかわからないという声が多く上がっています。それらをふまえて、養護学校や、家族の会への支援費制度説明会を随時行い、利用を促進していきました。

県内各市町村における地域格差の悲しい現実

  福岡市においては、以上のような状況ですが、近隣の市町村においては、地域格差の大きい話が聞こえてきます。福岡市でなら150時間以上の支給が見込まれそうな障害者であっても、50時間に充たない支給量のケースが数多く聞かれています。重度の身体障害がありながら、月24時間ということもまれではありません。また、制限条項として「深夜帯を除く」という項目が入ってきたりしています。変更申請を出しても、財政面やこれまでのボランティアによる生活実態を口実として、簡単には受け付けようとしません。変更申請に医師の意見書等を必要とするケースも多く、また、変更加算が認められたケースにおいても、「○月のみ」、「○月から○月まで」、という制限条項が入ってきたりしており、厳しい状況となっています。
   知的障害児のホームヘルプサービスにおいて、どれだけ、自立の支援が必要なのだから、身体介護が必要と訴えても、聞く耳を持ってくれず、必ず月30時間家事援助が出てくるケースや、多動の利用者においても、身体介護を伴わない支給決定がなされたケースなどもあります。また、移動介護に関しては親がするべきだという答えが返ってくるため、支給さえ認められない自治体もあります。

今後の課題  

  自立生活センターとして、支援費制度移行とともに介助サービス部門に取り組めた点は、様々な問題も山のように生まれましたが、利点の多いものではありました。しかし、今、あらためて、「当事者主体である」というところにあらゆる面で、立ち返る時期を迎えています。確かに、ヘルプは必要に応じて、当事者が選択して受けられる環境には近づきつつあります。しかし、その実際の場面において、利用者と介助者の関係が対等で無ければ、真に当事者主体の生活を送れるものとは成り得ません。個人の部分では、地域の中で自立し、介助を受けながら生活を送る中で、あらためて困難にぶつかり、自分自身をエンパワメントする必要性に迫られています。組織としては、自立を促し、自己選択する権利の重要性を広めていく上での強固な意識の形成が求められています。また、介助者側へ、「自立の理念」の理解の浸透を進め、心のバリアフリー、さらには、健康状態にかかわらず、自立を共に考える人と人とのつながりを形成していく時期にも来ています。
 そして、周囲に目を向けると、地域格差、情報格差の広がる中、情報が行き届かず苦しんでいる障害者のところへ制度をつなぐ役割が緊急の課題となっています。 支援費制度そのものの理念は一理あるものであり、当事者主体の在り方の外枠は整ったものといえます。そこに魂を入れていくのは、今後の当事者と介助者の課題であり、心豊かな地域生活の具現化からもたらされるものと思われます。

博多 イ ジョンソン

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全国10箇所で「施設から地域へ」シンポジウム

 厚生労働省の課長などや厚生労働省検討会委員などの参加を得て、全国10箇所でシンポジウムが行われます。

(全国自立生活センター協議会主催)

当事者エンパワメントネットワーク推進事業シンポジウム開催について

目 的:  サービスの消費者であり供給者でもある当事者が力を得ること="エンパワメント"が今後の福祉施策の潮流となることに際し、「地域福祉」「当事者エンパワメント」が今後の福祉施策の方向性として明確に提示される一方で、従来の施設福祉に比べて財政的、社会的な基盤が弱いことが課題となっている。 このような現状を変えていくには、世論を喚起し社会的合意形を図っていくことが必要であり、そのためには障害者・高齢者の分野を超えて「地域福祉」「エンパワメント」に取り組む当事者及び支援者のネットワークを組織し、地域福祉を推進する社会的な合意形成を図ることを目的とする。
後 援:
(予定)
厚生労働省/社会福祉・医療事業団(長寿社会福祉基金)
DPI日本会議/全国地域支援ネットワーク
市町村障害者生活支援事業全国連絡協議会
全国障害者介護保障協議会/全国ホームヘルパー広域自薦登録協会
自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会
主 催: 全国自立生活センター協議会



地域ブロック 開催地 シンポジスト 備考
北海道 札幌 *調整中 2003年11月30日(日)
札幌市社会福祉総合センター
東北 仙台市 浅野史郎(宮城県知事)

2003年11月1日(土)13:00〜
仙台国際センター(JR仙台駅より徒歩25分)

厚労省関係者
生井久美子(朝日新聞)
根来正博(全国地域支援ネットワーク)
大熊由紀子(大阪大学大学院教授)
中西正司(全国自立生活センター協議会)
関東 東京A *調整中 2004年2月7日(土)
関東 千葉 *調整中  
甲信越 松本市 *調整中  
東海 名古屋市 *調整中  
近畿 大阪市 *調整中 2003年1月31日か2月1日
大阪府福祉人権推進センター
(ヒューマインド)
中国 広島市 *調整中 2004年2月14日(土)
広島市留学生会館
四国 高松 *調整中  
九州 別府市 村上和子(社福・シンフォニー) 2003年10月4日(土)13:00〜17:00
大分県立生涯教育センター(JR別府駅より徒歩20分)
高原弘海(厚生労働省障害福祉課長)
東俊裕(弁護士)
平野みどり(熊本県議会議員)
中村繭み(精神障害者の暮らしやすい街を目指すくるめ出逢いの会)
田崎和範(ピープルファースト熊本)
中西正司(全国自立生活センター協議会)
沖縄 宜野湾市 *調整中 2003年12月20日
総合結婚式場ジュビランス

「施設から地域へ」シンポジウムの申し込み先はこちらへ
全国自立生活センター協議会(JIL) Tel:0426-60-7747 Fax:0426-60-7746
(ホームページ http://www.j-il.jp/ にも申込書が載っています)



上記シンポジウムに合わせて

「自立生活を始めて自立生活センターを作りたい方とCIL関係者の交流会&研修会」

を行います

 10月4日(土)の別府市のシンポジウム(13:00〜17:00)のあとで1泊して「自立生活を始めてCILを作りたい方と既存のCIL関係者の交流会」を行います(18:00〜夜)。
 交通費・宿泊費助成いたします(対象になるか審査あり)。
 この交流会の申し込みは広域協会0120−66−0009へ。

 11月1日(土)の仙台市のシンポジウム(13:00〜)のあとで1泊して「自立生活を始めてCILを作りたい方と既存のCIL関係者の交流会」を夜に行います。
 翌日11月2日(日)はCIL運営研修会を行います(14:00 終了)。
 2日すべて参加する方には交通費・宿泊費・介護料を助成いたします(審査あり)。
 この交流会の申し込みは、広域協会0120−66−0009へ。

その他の地域のシンポジウムの前後にも、合わせて交流会+研修会を計画しています。
12月13〜14日の政策研(次ページ紹介)にあわせても、13日の夜に同様の交流会を行います。


年の政策研は12月13・14(土日)に東京で

(まだ時間帯ははっきり決まっていませんが以下のような案で準備が進んでいます)

2003年12月13日(土)は13:30〜16:30ごろ      

1日目 講演とシンポジウム            

テーマ 「障害者基本法の改正から差別禁止法制定へ」

2003年12月14日(日)は10:00〜17:00ごろ      

2日目は分科会です

 自立支援分科会では、CILやこれからの障害施策や介護保険について、シンポジウムを行い、パネラーには厚生労働省の障害者(児)の地域生活支援の在り方 に関する検討会  の当事者委員ほかにお願いする計画です(案)

場所:東京駅から2駅のJR御茶ノ水駅から徒歩5分の総評会館で行われます
     (宿泊は各自でホテルなどをとってください)

電車ルート

  • 東京駅からJR御茶ノ水(おちゃのみず)までは、JR中央線で2駅です
  • 羽田空港からは、モノレールでJR浜松町へ(20分)浜松町から東京駅へ(北へ3駅)、JR中央線に乗り換え2駅でJR御茶ノ水です。

    全行程とも駅員が操作するエスカルや専用エレベータですので、電車に乗るときに改札で駅員に「御茶の水に行く」と伝えてください。

12/13・14(土日)の政策研はJAL・JASバーゲン期間です。

全国から1万円前後で羽田空港にこれます

バーゲンフェア期間は12/4〜12/14ですから前泊しても大丈夫です。 この期間の予約は、すべて10月3日の朝9:30から予約です。翌日にはほとんど 売り切れます。

バーゲン期間の羽田までの運賃は片道で
山形・富山・小松から7000円
大阪から8000円
中四国と青森・秋田から1万円
九州と北海道から1万1000円
那覇から1万2000円

です

10/3日に
JAL路線就航地は予約 0120-25-7450
JAS路線就航地は予約 0120-800-283
へ9:30〜20:00に受付(半日で売り切れる路線もあります)

ADSLのかたは、www.jal.co.jp www.jas.co.jp でも10/3の9:30以降2 4時間予約できますが9時台は、なかなかつながりません

政策研究集会の内容について(まだ案です)

(1)12月13日 全体会 

■ 全体会のもちかた(案)   

●テーマ 「障害者基本法の改正から差別禁止法制定へ」

(特別報告) ― 午後1時30分〜2時30分くらい  
●報告者:石毛えい子さん(衆議院議員)  

  • テーマ(仮):障害者基本法の改正の結果と今後について  
  • 質疑

(シンポジウム) ― 2時45分〜4時30分くらい
●テーマ:障害者基本法の改正から差別禁止法制定へ

<指定発言>(時間の関係でいれるかどうか検討中)  

  • 障害種別ごとに意見をきくのはどうか。 例:知的障害者関係、精神、聴覚、難病・・・等  
  • 質疑、意見交換

● 進行・コーディネーター:三澤さん、または大阪や他の地域の人にお願いする予定。

(2)12月14日 分科会

■交通・まちづくり(午後)担当:DPI日本会議 

テーマ:まだ決まっていない。

  • 2005年交通バリアフリー法の改正について
  • 航空問題について
  • ハンドル型車いすの乗車拒否について・・・・

等を内容としては検討中である。

■教育(午前)担当:障害児を普通学校へ・全国連絡会 

テーマ:「特別支援教育」で何が変わるか?〜原則統合・差別禁止法を視野に入れて〜

■労働(1日)担当:差別と戦う共同体全国連合 

テーマ:検討中。

■権利擁護(1日)担当:DPI権利擁護センター 、LADD 

テーマ:障害者権利条約と差別禁止法     

  • どのような条約にしてゆくのか? 
  • 国内法においての課題をどうしてゆくのか
  • ロールプレイ方式のワークショップを行なう予定。

■ 自立支援 (1日)担当:自立支援分科会事務局(JIL・介護保障協議会ほか)

テーマ:検討中     

内容案:

  • 支援費制度等の検証
  • 今後の障害者施策について(パーソナルアシスタント制度・CILなど)
  • 介護保険の問題点・財源問題。  

→シンポジスト形式で論議をしていく。在り方検討委員や厚生労働省の方々にシンポジストとして依頼する予定。(10名ほど)

■ 所得保障 (午前)

テーマ:検討中     

  • 動向をまとめて発表。また、手当てとは何かという基本的なところからの説明。  
  • 生活保護、支援費を使用している人の現状の確認、実態等の発表等。

■ 精神 (午後)担当:こらーる・たいとう 、DPI日本会議 

テーマ:検討中

申し込み等は、政策研事務局(障害者総合情報ネットワーク内)から正式案内が出ましたら、ご紹介します。

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支援費制度で障害者の在宅サービスの何がどう変わったか(その1)

 2ヶ月にわたって支援費制度にかわった結果、どのようになっているかを紹介します

知的障害児者・障害児について

自立生活センターグットライフ

・自立生活をしている知的障害者

  東京都の多摩地域(23区を除く市町村部)では、これまで身体障害者に対して毎日24時間の介護保障を実現してきた市が数多くあり、その基盤の上で自立生活センターやピープルファーストなど団体の支援を得ながら自立生活をする知的障害者が増えてきています。
  東京都H市では、毎日24時間の介護が必要な利用者に対して、表1のように1日平均14時間(週95h)のホームヘルプサービスと、週3日のデイサービスという支援費の支給決定が出ています。
  東京都T市ではやはり毎日24時間介護が必要な利用者に対して、表2のように1日平均8時間(週60h)のホームヘルプサービスと、週4日のデイサービスという決定になっています。
  この2つの市では措置制度の中で認められていた時間数をほぼそのまま支援費の時間数として決定し、新たにデイサービスの支給決定を行いました。支援費制度でNPO法人もデイサービスの指定を受けることができるようになったため、以前から通っていた場所がデイサービスの指定を受ける形で支援費を利用できるようになりました。
  24時間介護が必要な知的障害者に対しては、市が認めたホームヘルプサービスやデイサービス以外の時間帯については、その利用者を支援している地元の団体がその支援費の収入を使って独自にヘルパーを派遣しています。

表1 1人暮らしの知的障害者の事例

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

0

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

5

 

 

 

 

 

 

 

6

 

 

 

 

 

 

 

7

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

8

9

10

11

 

デイサービス

デイサービス

デイサービス

身体2H

移動8H    (余暇活動)

移動8H    (余暇活動)

12

移動3H  (通院)

13

家事4H

14

15

 

16

 

17

 

 

 

 

 

18

 

 

 

 

 

19

身体3H

身体3H

身体3H

身体3H

身体3H

身体3H

身体3H

20

21

22

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

23

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は団体(ヘルパー指定事業所のCIL)の費用負担により介護者が常についている時間帯

 

 

 

 

 

 

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

身体103

 

 

 

 

家事237

 

 

 

 

 

 

移動95

 

 

 

デイサービス 

区分1

 

 

 

 

                    最大月14回 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

 金銭管理、健康管理等はコーディネーターが中心となり

介護者が協力しながら行っている 

収入

 

 

 

 

障害基礎年金

83,025円

 

福祉手当(都)

15,500円

 

特別障害者手当

26,780円

 

合計

125,305円

表2 1人暮らしの知的障害者の事例

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

0

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

5

 

 

 

 

 

 

 

6

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

家事3H

7

8

9

 

 

 

 

 

 

 

10

 

 

 

 

移動3.5/4H

 

 

デイサービス

デイサービス

デイサービス

デイサービス

 

 

11

 

 

12

 

 

13

 

 

 

 

 

14

 

 

 

15

 

 

 

16

 

 

 

17

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18

家事3.5H

家事3.5H

家事3H

家事3.5H

家事3.5H

家事3.5H

家事3.5H

19

20

21

身体2H

身体1.5H

身体1.5H

身体1.5H

身体1.5H

身体1.5H

身体1.5H

22

23

 

 

 

 

 

 

 

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は団体の費用負担により介護者がつねについている時間帯

 

 

 

 

 

 

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

身体47.5

 

 

 

 

家事193.5

 

 

 

 

 

 

移動7.5

 

 

 

デイサービス 

区分1

 

 

 

 

 

 

最大月18回

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

 金銭管理、健康管理等はコーディネーターが中心となり

介護者が協力しながら行っている 

収入

 

生活保護

86,993

 

障害基礎年金

66,417

 

福祉手当(都)

15,500

 

 

 

 

合計

168,910

 これらの市では数年間に渡って、自立生活をしている当事者と支援団体が協力して市との話し合いを継続しており、その中で下記の内容について一定の合意が得られています。

  1. 実家での親との同居は、その利用者の障害状況から考えて困難であること。(親も同居は難しいと考えていること)
  2. 利用者本人は入所施設や病院での生活を望んでいない、あるいは拒否していること。
  3. 市内のアパートを借りて1人暮らしをしていくことは、市の制度を使い団体が支援を行えば可能であること。
  4. 自立生活をしている知的障害者の中でも、
    • 外で他人(特に子どもや老人)に対して危害を加える行為がある人。
    • 1人で出かけて行方がわからなくなってしまう人。
    • 無銭飲食や万引きなど法に触れる行為を頻繁に行う人。
    • 鍵の付いた車を運転したり、火遊びをするなど危険な行為をする人。

 このような利用者に対しては、24時間見守りを含めた何らかの形での「介護」が必要であること。(市と話し合いを行う場合には、24時間の制度を市が認めるかどうかではなく、その利用者が地域での生活を継続していくためには24時間何らかの形での介護が必要であることを説明し、そこから話を進めていくことが重要です。) 上記の2つの市でも、これらのことをケースワーカーや係長、課長などと何度も話し合いを重ねることでヘルパーの時間数を徐々に伸ばしてきています。
 その他自立生活をしている知的障害者でほぼ毎日家事援助や身体介護、又は移動の介護が必要な利用者には、十分とは言えないながらも必要に応じて毎日2時間〜8時間程度(土日通所が無い日は多くて11時間程度)という形で支給決定がなされています。

・グループホームで生活している知的障害者

  グループホームで生活する知的障害者に対してヘルパー派遣を認める自治体は支援費制度になってかなり増えているようです。制度的には平成12年度に国が行った要綱改正の中で、在宅の範囲にグループホームも含む形で利用が認められていましたが、実際にはほとんど使われていないのが現状でした。
  支援費制度では全ての利用者に市のケースワーカーが訪問調査に来て、必要であれば1枚の申請書の中でグループホームとホームヘルプサービス(居宅介護)の申請ができるため、利用者に非常にとっては非常に申請がしやすくなったと言えます。自治体の側も特に土日での外出希望に関しては「移動」での決定を出すところが増えました。
  東京都東久留米市の自立生活センターグッドライフが運営を行い、重度知的障害者4人が生活しているグループホームでは、4ヶ所の出身市(4人とも別の市から入居している)との間で、土日に関して実家に帰った日を除いて1日6時間、月最大10日までは家事援助、身体介護、移動の組み合わせでホームヘルプサービスを利用し、マンツーマンでの介護を保障していくことで合意し支援費の決定を得ています。

表3

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

0

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

デイサービス

デイサービス

デイサービス

デイサービス

デイサービス

 

 

11

家事6H

家事6H

12

13

14

15

16

17

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

18

19

20

21

22

23

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は生活寮(地域生活援助)の時間帯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

 

 

 

 

家事60

 

 

 

地域生活援助

(重度)

31日

 

 

 

デイサービス 

区分1

 

 

 

 

 

 

最大月23回

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

金銭管理、健康管理等は世話人およびコーディネーターが中心となり、介護者が協力しながら行っている

収入

 

 

 

 

障害基礎年金

83,025

 

福祉手当(都)

15,500

 

特別障害者手当

26,780

 

合計

125,305

表4

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

0

帰宅

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

通所更正施設

通所更正施設

通所更正施設

通所更正施設

通所更正施設

 

 

11

家事4H

家事3H

12

13

14

身体1H

15

身体2H

帰宅

16

17

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

生活寮

18

19

20

21

22

23

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は生活寮(地域生活援助)の時間帯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

身体14

 

 

 

家事28

 

 

 

地域生活援助

(重度)

31日

 

 

 

通所更正施設

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

 

 

収入

 

 

 

 

 

 

障害基礎年金

83,025円

 

 

 

福祉手当(都)

15,500円

 

 

 

特別障害者手当

26,780円

 

 

 

合計

125,305円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金銭管理、健康管理等は世話人およびコーディネーターが中心となり

 

介護者が協力しながら行っている

 

 

 



・親元で生活している知的障害者

 親元で生活している知的障害者の場合やはりニーズとしては、通所が休みの土日・祝日の外出介護4時間〜8時間程度と、親の介護負担が大きい知的障害者の場合は平日通所から帰った後の3時間程度という利用者が多いようです。利用者のニーズに沿って支援費の決定を行っている市では、平日1日3時間(身体介護と家事援助)、土日どちらかで毎週3時間(移動)で月80時間を越える決定が出ている利用者もいます。それに近いところでは平日3時間の週2回(家事援助、身体介護)、土日の移動で月20時間の計約50時間の決定が出ている利用者も少なくありません。

表5

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

0

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

5

 

 

 

 

 

 

 

6

 

 

 

 

 

 

 

7

 

 

 

 

 

 

 

8

家事2

家事2

家事2

家事2

家事2

 

 

9

10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11

 

 

 

 

 

移動3

移動3

12

 

 

 

 

 

13

 

 

 

 

 

14

 

 

ひとり親ホームヘルパー8

 

 

ひとり親ホームヘルパー8

ひとり親ホームヘルパー8

15

 

 

 

 

16

 

 

 

 

17

 

 

 

 

18

 

 

 

 

19

 

 

 

 

20

 

 

 

 

21

 

 

 

 

22

 

 

 

 

 

 

 

23

 

 

 

 

 

 

 

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は団体の負担により緊急対応を行う時間帯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

 

家事46

 

 

 

 

移動24

 

 

 

ひとり親家庭ホームヘルパー(上限)

12回1回8時間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

子育て、金銭管理、健康管理等はコーディネーターが中心となり、介護者が協力しながら行っている

収入

 

生活保護

129,953

 

 

 

 

福祉手当(都)

15,500

 

障害基礎年金

66,417

 

合計

211,870



・支援費制度でガイドヘルパーがどこでも利用可能に

 旧制度の中では、ホームヘルプサービスとは別に、大阪府、大阪市、東京都、横浜市、名古屋市、札幌市など大都市部を中心にガイドヘルパー制度を実施している自治体があり、それ以外の自治体では知的障害者が外出時にヘルパー制度を活用することはほとんど行われていませんでした。支援費制度では外出時の介護を「移動」という区分で位置づけたため制度的に全国どこの自治体でも外出時のいわゆる「ガイドヘルパー」が使えるようになりました。これは支援費制度の大きな改正点の1つです。
  東京都内では14年度中に半数以上の区市で知的障害者のガイドヘルパー制度が実施されていたこともあり、支援費制度の中でも月20時間〜40時間程度までを認めている自治体が多数派となっています。

・知的障害者に対する支援費決定の問題点

@自立生活をしていて24時間介護の必要な知的障害者に対して、24時間の支給量が認められていないこと。
A支援費の調査の際に、例えば入浴や掃除・洗濯などが自分でできるかできないか?という形でケースワーカーに聞かれるため、「できる」と答えた場合に身体介護や家事援助の時間が極端に少なく決定されてしまう。誰かからの声かけがないと週に1回も入浴しない、入っても丁寧に洗えずすぐ出てしまう、掃除・洗濯などもなかなかやれずに日がたってしまったり、逆に1人でやるとものすごく時間がかかってしまう、このような知的障害者にはやはり声かけをしたり、一緒に家事をしたり、見守っていたりというヘルパーが必要ですが、「できる」か「できない」かという2者択一の質問では圧倒的に多いその間にあるニーズが行政から評価されない結果となっています。
B身体介護を直接体に触れる介護時間として解釈している市が多く、身体介護と家事援助では圧倒的に家事援助の比率が高い決定になっている。(この問題は身体介護1時間4020円、家事援助1530円という極端な単価差の問題でもあり、来年度介護保険制度にそろえる形で家事援助を「生活援助」として1時間約2000円という改正が行われる予定。)
C外出時の「移動」の決定についても、身体介護無しでの決定が圧倒的に多くなっている。外出時のヘルパーの負担はさほど変わらないにもかかわらず、単純に身体障害者には「身体介護有り」、知的障害者には「身体介護無し」という決定が一般化してしまっていること、そこに1時間当たり4020円と1530円という全く不合理な単価差があることは、利用者が事業所を選ぶ際の大きなネックとなっている。
D親が本人の意向とは別に数日〜1週間程度施設で預かるショートステイの利用を希望する場合が多く、行政側も比較的安上がりなショートステイの決定を勧める傾向があるため、全国的にショートステイの決定が相当増加したと考えられる。又支援費制度ではNPO法人などのショートステイ事業への新規参入を排除するため、原則として入所施設に併設するという指定要件とされているため、居宅サービスの中のショートステイは事実上施設サービスでしかなく、又施設に入所するための練習や試しのためにショートステイが利用されているという実態も少なくない。

・児童(18歳未満の身体・知的障害児)の支援費利用

 児童の部分は支援費制度になり最も在宅サービスが増加した部分だと言えます。措置制度の中では、ホームヘルプサービスはその児童の障害が相当重く、親の介護負担が極端に大きい場合以外にはなかなか認められませんでした。又外出時の介護のついては国の要綱で18歳未満の障害児は対象外となっていたため、外出時のニーズはあっても実際にヘルパー制度は使えませんでした。支援費制度では児童に対しても外出時の「移動」が認められたため、週に1回土日などに公園やプールなどに外出するという申請が多く出され、時間数の多少はあるにしてもほとんどの利用者に対して支給決定が認められたようです。
  又普段はサービスを使っていなくても、いざという時のために受給者証だけは持っておきたいという考えから支援費の申請をした利用者も少なくないようです。
  厚生労働省が4月時点での居宅生活支援費(ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ、グループホーム)の支給決定を受けた利用者が約19万人という数字を発表し、多くの福祉関係者が数字の多さに驚いたようですが、増加した部分の相当数はショートステイの利用や、児童の利用者が占めていると考えられます。
  児童に関しては月10時間〜20時間という決定が多いようですが、東京都内では知的障害児に対して月に40時間〜50時間という決定が出ている例も少なくありません。例としては、平日の学校後の利用では身体介護と家事援助、土日の外出は「移動」というようなパターンになっています。又自閉症の男性など比較的介護ニーズの高い利用者が多いために、知的障害者と比べて「身体介護」や「移動(身体介護有り)」での決定時間が多くなっているのが特徴です。

・知的障害者や児童に対する事業所の状況

  次に支援費制度でホームヘルプサービスを行う事業所の状況ですが、数の上では全国で身体約8100ヶ所、知的6200ヶ所、児童5400ヶ所(基準該当事業所を含む)と大幅に増加しましたが、その約8割が介護保険の指定を併せて受けている事業所であり、指定は受けていても実際には派遣できていない事業所も多いと思われます。
  特に知的障害者や児童の中でも最も介護ニーズが高い男性の自閉症の利用者に関しては、女性ヘルパーでの対応が難しいこともあり、実際に派遣を行っている事業所は非常に少ないのが現状です。又事業所としては最大限派遣できるように努力していても、対応できる男性ヘルパーが事業所に1人しかいないというような場合、利用者の希望する日に派遣ができないという事例が多くなっています。

この記事に関するお問い合わせは、以下にどうぞ。

・知的障害者に関する記事部分は 自立生活センター・グットライフ0424-77-8384

表の事例は、いずれも東京都の各市区町村の知的障害者の場合です。
次ページ以降にも1人暮らしの知的障害者のヘルパー利用等を掲載しています。

表6 1人暮らしの知的障害者の事例

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

0

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

5

 

 

 

 

 

 

 

6

 

 

 

 

 

 

 

7

 

 

 

 

 

 

 

8

身体1.5H

身体1.5H

身体1.5H

身体1.5H

身体1.5H

 

 

9

身体3H

身体3H

デイサービス

デイサービス

デイサービス

デイサービス

デイサービス

10

11

12

移動3H

移動3H

13

14

15

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

家事4H

16

17

18

19

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20

 

 

 

 

 

 

 

21

  

  

  

  

  

  

 

22

 

 

 

 

 

 

 

23

 

 

 

 

 

 

 

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は介助者は通常はついていないが緊急時には団体の負担により介助者派遣などの対応を行う時間帯

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

身体62

 

 

 

 

家事124

 

 

 

 

 

 

移動30

 

 

デイサービス 

  

区分3

 

 

 

 

最大月23回 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

金銭管理、健康管理等はコーディネーターが中心となり

介護者が協力しながら行っている

収入

 

扶養年金

30,000円

 

障害基礎年金

66,417円

 

福祉手当(都)

15,500円

 

重度手当て

60,000円

 

特別障害者手当

26,780円

 

合計

197,917円

表7 1人暮らしの知的障害者の事例

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日 

日曜日

0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9

 

 

家事5H

 

 

 

 

 

 

10

 

当事者活動

家事5H

 

移動8H

臨時移動5H

 

臨時移動5H

11

家事5H

 

 

12

 

当事者活動

13

移動3H

14

移動3H

15

移動3H

 

 

16

 

 

 

 

17

 

 

 

 

 

18

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21

 

 

 

 

 

 

 

 

22

 

 

 

 

 

 

 

 

23

 

 

 

 

 

 

 

 

 

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は介助者は通常はついていないが緊急時には団体の負担により介助者派遣などの対応を行う時間帯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

 

 

 

 

 

家事70

 

 

 

 

 

 

 

移動65

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

 

 

 

 

収入

 

 

 

 

 

 

 

 

生活保護

82,293円

 

 

 

 

 

福祉手当(都)

15,500円

 

 

 

 

 

障害基礎年金

66,417円

 

 

 

 

 

合計

16,4210円

 

 

 

 

金銭管理、健康管理等はコーディネーターが中心となり

 

 

 

 

介護者が協力しながら行っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表8 1人暮らしの知的障害者の事例

時間

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

0

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

5

 

 

 

 

 

 

 

6

 

 

 

 

 

 

 

7

 

 

 

 

 

 

 

8

 

 

 

 

 

 

 

9

 

 

 

 

 

 

 

10

移動8H(月1回)12〜17時当事者活動(月3回)

当事者活動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11

 

 

 

 

 

12

 

 

 

 

 

13

家事4H

家事4H

家事3H

家事3H

家事3H

14

15

16

身体2H

身体2H

身体2H

17

身体3H

身体3H

18

 

家事1H

 

 

 

19

身体2H

身体2H

 

 

 

20

 

 

 

 

 

21

 

 

 

 

 

 

 

22

 

 

 

 

 

 

 

23

 

 

 

 

 

 

 

24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は団体の負担により緊急対応を行う時間帯

 

 

 

は自費により介護を行う時間帯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

支援費 決定量

 

 

 

 

 

 

 

介護受給時間数      (一ヶ月最大)

身体70

 

 

 

家事85

 

 

 

 

 

 

移動8

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常生活の生活費(収入)の内訳  (円)

 

 

収入

 

扶養年金

30,000円

 

 

 

障害基礎年金

66,417円

 

 

 

福祉手当(都)

15,500円

 

 

 

当事者活動給料

20,000円

 

 

 

貯金より

 

60,000円

 

 

 

合計

191,917円

 

 

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1人暮らしの全身性障害者が1人もいない過疎の県で、自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会の支援で、施設から出て1人暮らしを始めた障害者がいます。24時間介護の必要な障害者が、施設からの自立とCIL立ち上げまでの1年を何回かにわたって書いていただきます。今回は2回目。

この一年を振り返って

〜施設から地域へ〜 (第2回)

B県 M

<行政への事前相談>

 立生活の方法を学び自分のちからをつけていくことは大切です。でも、動かせない現実があります。それは、働けない障害者の生活の保障は障害基礎年金しかないことです。障害がより重度と認定されれば、障害基礎年金(8.5万)の他に、特別障害者手当(2.5万)を受けることができますが、24時間介助が必要な場合、それで介助料を賄うことはとてもできません。生活するだけで精一杯です。年間700万という介助費用をどうすれば工面できるでしょう。考えられるのは、あらゆる福祉制度の利用です。全身性障害者介護人派遣事業8時間の制度があることを、全国介護保障協議会や自薦ヘルパー推進協会より伺いました。そこですぐに、希望する居住地の障害福祉課に相談しました。家族、友人にしか電話をかけた経験しかない自分が、行政に相談をするというのは、正直怖くてたまりませんでした。話さなければいけないことを、メモして、何度も練習してから電話しました。「施設を出て地域生活をしたいです。住民票をそちらに移したいと考えております。障害が重度で介助が必要です。介助料が必要です。自分が推薦する介助者が必要です。全身性8時間の制度を使わせて下さい。介助内容と必要な介助時間をまとめたものをfax致します」障害福祉課からは、いろいろな質問をされました。「もう少し時間をかけて考えて」と強く言われました。ですが、これからの自分の生死がかかっているのだから必死でした。介助者に払うお金がないから介助を使えないということはイコール「一日も生きられない」と同じことだと訴えました。障害福祉課のいう「もう少し」とは「永遠に待って」と同じ意味と理解した時、今出なければ永遠に施設を出られないと判断し、とにかく今使える制度とサービスを使って、「ひとり暮らし」を始めようと準備を始めました。自立の決意から、ここまでに丸一年かかっています。

<ひとり暮らし>

 が生活していた施設から住民票を移す予定の市町村までは車で2〜3時間の距離があったので、アパート探しは、インターネットやアパマン情報、周囲の方の情報を頼りに探しつづけました。探すポイントは、@アパートの近くに「食べる⇒スーパー」「お金⇒銀行、郵便局」「医療⇒病院」「役所⇒支所でもいい」などがあるかどうか見極めることです。無理なら、ひとつでもふたつでもできるだけその条件が満たされる物件を探しましょう。介助者のことを考えるなら、A休める個室(襖や戸など仕切りがあるといいです)を確保しなければいけないので、最低でも6畳2間必要です。車椅子利用者にとっては、最初からフローリングの洋間を探せれば良いけど、そんなに簡単に見つかるものではないので、畳であっても、あとでフローリングマットを「置く」という前提で探したほうが良いです。介助者が車で通ってくることを考えて、B駐車場の確保も必要です。さらに大切なのは、C玄関とDトイレの作りです。表玄関の扉を開けた時に、スロープを「置く」ことは可能か?無理ならば、裏のサッシ窓を開けたときに、縁側にスロープを「置く」ことは可能か? あとは家賃です。衣、職、住にかかるお金を考えた上で、家賃はいくらくらいまでなら払えるか目処をつけたうえで探したほうが良いです。さて、めぼしい物件を見つけたら、不動産屋さんに交渉です。不動産屋の反応はいつもお決まりで「車椅子利用」と言った途端、「良い物件があったらお知らせします」で終わる場合が多いです。それっきり音沙汰のない例がほとんどです。でも、すこしでも話を聞いてくれる不動産屋さんを見つけたら、自分には24時間介助者が付いているから水や火の危険はありません。健常者が生活するのと変わりないですよと説明します。月々、決まった額の年金が入ってくるから家賃を払わないという心配はないですよ。住宅改造はアパートを傷つけないようになんでも「置くだけ」ですよと、きちんと詳しく説明すると、運が良ければ見つけることができます。礼金、敷金、仲介料、前金は用意しておかなければいけません。いい物件に出会ったら、逃さないためにも早くに契約したほうが良いです。契約の方法など、体験してはじめて知りました。下見、契約には介助者を探し、同行してもらい、契約が整いカギを受取ったら、家財道具を買い揃えて、少しづつアパートに運び入れます。この時点で、入所中の療護施設と住民票のある市町村に、正式に退所希望と住民票を移すことを伝えました。
 居む環境を整えるために、全国障害者介護保障協議会、自薦ヘルパー推進協会、全国団体、友人、介助に入ってくれた方など、数え切れないほどの、個人、団体に協力していただきました。改めて感謝しています。

 む環境が整ったら、次は、制度とサービスのうち、使えるものを、使えるように、申請手続きをしなければいけません。ですが、転居予定市町村に住民票を移す日までは、ヘルパー、特別障害者手当、住宅改修費給付、日常生活用具給付、医療費補助など、どの制度もサービスも受けられないと知り途方にくれました。しかし、障害福祉課を直接訪問したり電話で要請したり、厳しいやりとりを繰り返した後、できるだけ住民票を入れた日から数日間のうちにヘルパー利用を開始できるよう手配してもらえることになりました。
 住みたい市町村によって受けられるサービスが違いますので、良く調べた上で、活用したほうが良いです。

<介助者求人雇用>

 行して、福祉人材バンクに専従介助者の求人を出しました。人はなかなか見つかりませんでしたが、すでにアパートも借りて家賃も入れ始めていたので、ぎりぎりの人材を確保できたところで、面接日〜施設の措置を切る日〜引っ越し日を決めました。
 介助者面接のあいさつ、履歴書の見方、質問内容、受け答えの方法まで学び面接に望みましたが、自分にとって「介助者」がどういう存在になるのか、「介助者」との関係性をどうやって作っていくのか、関係性を作っていくことがいかに重要なことなのか、良くわかっておらず、表面的な面接しかできませんでした。
 介助者を「雇用する」ということは大変なことです。社会の一般常識、雇用に関係する、待遇、保障など念入りに勉強した上で面接するといいでしょう。それらを学ぶためには、わからないことはわかるまで聞いたり、調べたりする、始めの一歩が大切です。「聞く」ことを恥ずかしいと思っていては前に進めません。とにかくわからないことは聞き、あとは、失敗と経験を重ねて頭と身体で覚えていくしかありません。こうして、介助者が決まったところで、いよいよ施設の措置を切り、地域生活への扉は開かれました。

(つづく)

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