★ 広島市で入院時コミュニケーション支援事業

★厚労省との医療的ケア(医療類似行為)交渉報告

9・10月合併号
2010.9.28

編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
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2010年9・10月合併号    目次

   

4・・・・厚労省との医療的ケア(医療類似行為)の話し合いの報告
6・・・・東北のX県A市で24時間介護保障
7・・・・広島市で10月から重度障害者入院時コミュニケーション支援事業
8・・・・秋田県でも重度障害者入院時コミュニケーション支援事業
8・・・・入院介護制度と24時間保障制度の交渉方法について
11・・・過疎地で自立生活センターを作りたい障害者を大募集
12・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



厚労省との医療的ケア(医療類似行為)の話し合いの報告

 2010年9月、全国脊髄損傷者連合会を事務局に、医療的ケアを使っている障害者のいる障害者10団体で、厚生労働省との意見交換会を行いました。
 医師法を所管する医事課(医療行為か否かを判断する部署)と、障害保健福祉部障害福祉課と企画課が参加しました。

*参加障害者団体
全国脊髄損傷者連合会
全国障害者介護保障協議会
ALS/MND在宅支援さくら会
全国遷延性意識障害者・家族の会
バクバクの会 (人工呼吸器を使用している障害児の親の会)
ベンチレーター使用者ネットワーク(JVUN)
全国自立生活センター協議会(JIL)
TIL呼ねっと (都内のCILに所属する人工呼吸器使用者の団体)
静岡障害者自立生活センター
ホップ障害者地域生活支援センター(札幌市の団体)

 医事課は吸引と経管栄養以外の医療的ケア(摘便やカニューレ交換などいろいろ)については、グレーゾーンなので、2001年の障害者団体との交渉当時の医事課の回答(HP参照)を踏襲して、従来どおりの対応をします(医療行為かどうか判らない)と確認しました。つまり、今まで通り、介護保険や自立支援法のヘルパーが医療的ケア(医療類似行為)を行うのは事業所の自由です。
(吸引と経管栄養については、今の検討会でヘルパー・施設職員などすべてが「医行為だけども一定研修を受ければできる」というような扱いにする)

  次ページより医事課の口頭での回答内容をそのまま掲載します。

医事課とのやり取りの詳細記録です。

 

医事課:今回、たんの吸引と経管栄養は「医行為だけども一定研修を受ければできる」というふうな扱いにする、というのが検討会の内容ですが、医行為だけどもできますよ、というのを今回明確化しました。(それ以外の医療的ケア全般についてグレーゾーンということでいいですかとの質問ですが)グレーゾーンの話というのは、新しく取り扱いを変えるというわけではありません。グレーゾーンが医行為ではないとはっきり言えという多分ご指摘だと思うんですけども、そうすると白か黒はっきりつけろということになりますので、そこはすべて個別の判断になりますので、ただちに全部医行為じゃない、というふうにここで確認したいとおっしゃっていましたけど、やっぱりそこは個別の事情を見ないとわかりませんので、グレーゾーンのままではないかと思っております。

団体:ということは、2000年と2001年の交渉のときの回答であった、グレーゾーンでの取り扱いは、今後も変わらずということですか?

医事課:グレーであることは個別の事情を見ないとわからないっていう回答をせざるをえないので、それをグレーゾーンというふうにご理解いただければ。

団体:市町村からの問い合わせに対して、たとえば重度訪問介護でグレーゾーンの医療的ケアをやっていいのか市町村から問い合わせがあると思うが、医師法違反と言われると重度訪問介護を支給決定しない市町村がある。そこは、グレーゾーンの医療的ケアはグレーゾーンと答えていただけるのか?

医事課:市区町村からの問い合わせが医事課に日々寄せられているところですが、基本的には医行為といいましても非常に幅広いので、手術をするとか腹を開けるというのは医行為ですし、あとは、今持たれている検討会のテーマの、たんの吸引も医行為の可能性といいますか、医行為に該当していることがあると、要素がつきます。
 手術については「医行為ですね」ということでお答えするところはあるんですけども、やはり今日の話で言う医療的ケアというのは非常に微妙なものが多いと思います。人体に影響があるのかないのかよくわからないと、体には触れるんだけども、影響があるのかちょっとよくわからないなあ、というところは結構あります。で、その辺はやはり最終的にはやっぱりグレーゾーン、「グレーゾーンといいますか、個別具体的な利用者さん患者さんの状況も含めて判断しないと、やはりなかなか電話で、この場で明確にはお答えできないですね」、という形で基本的にはお答えさせていただいております。  

 

 



東北のX県A市で24時間介護保障

 いままで24時間保障の事例のなかったX県にあるA市で10月から重度訪問介護毎日20時間の支給決定が最重度脳性まひのAさんに出ました。1日4時間分の生活保護他人介護料大臣承認とあわせて24時間の公的介護保障となります。東北では24時間保障は3県目になります。
 Aさんは自立生活センターの支援で数年前に療護施設を出てアパートで1人暮らしをしながら、自立生活センターの支援で交渉を続けていました。
 詳しい交渉経過などは、次号以降で掲載します。



政府の障がい者制度改革推進会議の報告

 10月下旬より総合福祉部会で各作業チームに分かれて細かい議論が始まります。ヘルパー制度全般については訪問サービス作業チームが、支給決定については相談支援の作業チームが担当します。10月から12月までの3ヶ月が作業チームの当面の作業期間です。この間に集まる会議3回のほか委員間でメーリングリスト等でも議論が進められる予定です。
   この他、9・10月の推進会議の議論はHPからリンクしてある各ページをご覧ください。



広島市で10月から重度障害者入院時コミュニケーション支援事業

 広島市でも自立生活センターてごーすの交渉で入院時の介護制度ができました。地域生活支援事業の国庫補助を使うコミュニケーション支援事業ですが、西宮市・松山市・大分市と同様に頸髄損傷や筋ジスなど言語障害者以外でも、入院時にコミュニケーションの支援が必要な状態にあれば利用可能です。

制度概要
・1回の入院につき150時間(1日12時間まで)
・期間は一回の入院につき30日以内。31日目以降も病院スタッフとの意思疎通に支援を要する状態と認められる場合は、90日まで延長できる。(この場合も150時間の上限は変わらない)1度退院すればまた1日目からカウントできる。
・単価 居宅介護の家事援助と同額
・対象者
以下の要件をすべて満たす身体障害者。
1 障害程度区分4以上
2 重度訪問介護を現に利用している者。または、全身性障害者(両上肢、両下肢のいずれにも障害がある肢体不自由1級の者)のうち、居宅介護を現に利用している者
3 障害程度区分認定に係る認定調査項目のうち、コミュニケーションに関する以下の項目がいずれも「できる」とされている者以外の者又は入院時において当該者と同等の状態にある者
 ア 「6−3ア 意思の伝達」 
 イ 「6−3イ 本人独自の表現方法を用いた意思表示」
(「同等の状態にある者」とは、頸髄損傷や筋ジスなど言語障害がなくても、医師が病気によりコミュニケーションが取れないと判断し行政側に診断書や意見書を出せば、どんな障害でも要件を満たしていれば使える)
4 単身の者又はこれに準ずる世帯に属する者
・ 実施事業者
指定障害福祉サービス事業者の指定を受けている事業者で、現に利用者へ重度訪問介護又は居宅介護サービスの提供を行っている事業者。


大分市でコミュニケーション支援事業を使った入院介護制度
兵庫県西宮市の入院コミュニケーション支援の要綱が最終確定
愛媛県松山市で頚椎損傷や筋ジスなど、言語障害でなくても使える入院時制度が開始
西日本のA市で頚椎損傷や筋ジスも対象になる入院介護制度(地域生活支援事業の国庫補助利用)実施の方向へ
神奈川県A市で入院時コミュニケーション支援事業が開始
北東北・東海・兵庫県で入院介護制度実施へ
神戸市で入院中の介助の制度が開始
北陸のX市で入院中の介護利用が認められる



秋田県でも重度障害者入院時コミュニケーション支援事業

 秋田県C町でも障害当事者の交渉で入院時の介護制度ができました。地域生活支援事業の国庫補助を使うコミュニケーション支援事業です。1回の入院で200時間。ただしこちらは人工呼吸器利用のALSの当事者の交渉によるもので、声の出ない障害者向けです。

市町村と交渉して制度を作ろう

 入院中の介護制度は、地域生活支援事業で実施可能で国庫補助がつくので、自治体単独制度で作るしかなかった支援費制度以前に比べて、比較的容易に制度を作ることが可能です。病院の診療報酬の通知との関係でコミュニケーション支援事業として実施することになります。交渉時に説明がきちんとできないと言語障害者のみを対象にする制度になってしまいますが、例えば腹痛や肺炎などで入院した筋ジスや頸損の障害者でも声が出ないと介護方法など説明できませんのでコミュニケーション支援事業の入院介護制度の対象に加えることが可能です。西宮市・松山市・大分市・広島市ではそのようになっていますので、これらの市の要項や運用を参考に、ご自分の市町村と話し合いを行ってください。なお、注意点が多いので、交渉の前や途中に当会にお電話ください。

一方、重度訪問介護などヘルパー制度の24時間化ですが、長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責任があります(障害者自立支援法2条第1項)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。
 自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫負担がつきます。
 市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、ヘルパー制度の必要な補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。
 交渉は今から行えます。以前から1人暮らししている方も、今から時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(たとえば、「学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった」、「障害が進行した」、「制度が不足する部分のヘルパー時間を緊急対応として無料で介助派遣してくれていた事業所が、それをできなくなった」などの理由がある場合は、緊急で交渉が可能です)。
 当会には、人口1万人以下の過疎の町から都会まで、どんな規模の自治体でも24時間の介護制度を作ったサポート実績があります。入院介護制度の制度化のノウハウも豊富です。交渉をしたい方は、制度係までご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉が進んでいる自治体の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった実績が多くあります。ぜひ交渉にお役立てください。
 制度係 0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時。





過疎地で自立生活センターを作りたい障害者を大募集。過疎地対策で助成や貸付も実施。

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会

 全国各地で障害当事者が主体的にCIL(重度の障害者が施設や親元から出て地域で自立生活できるように支援する事業体&運動体)を立ち上げるための助成や貸付、さまざまな研修を提供しています。(通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を行っています)。エンパワメント(サービスを使う障害者自身が社会力などをつける)方式の自立支援サービスを行いながら地域の制度を変える運動を行うという理念にそった当事者団体を作るという方は研修受講料無料です。研修参加の交通費も助成されます。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。通信研修の参加者を募集しています。(通常、CILの立ち上げには、古参のCILでの数年の研修(勤務)が必要で、運動経験や社会経験がある人でも2年ほどの研修時間数が必要です。しかし、大都市部から離れた地域でCILを作るためには、数年間の勤務研修は難しいため、地元で生活しつつ、通信研修や合宿研修で基礎を学んだ後、実地で少しずつ小さなCILを始めながら、毎週連絡を取りつつ5〜10年ほどかけてノウハウを覚えて成長していく育成方法を行っています)。 くわしくはお問合せ下さい。フリーダイヤル0120−66−0009(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル FAX 0037−80−4446

2009年5月より重度訪問介護の給与に12%加算手当開始(条件あり)
(区分6むけ時給1250円の方は、加算がつくと、+150円で時給1400円に。)

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は求人して人が集まる金額にアップする個別相談システムもあります。

利用の方法
 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から障害や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行いヘルパー制度の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京都と周辺県は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、重度訪問介護で区分により時給1100(区分5以下)・1250円(区分6)・1450円(最重度)が基本ですが、長時間利用の場合、求人広告して(広告費用助成あり)人が確保できる水準になるよう時給アップの相談に乗ります。(なお、2009年5月より重度訪問介護のヘルパーには12%の手当てを加算します。(手当ては、厚生年金に入れない短時間の方のみ。また、契約時間120時間未満の利用者の介護者は加算がつきません)。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、重度訪問介護研修修了者などのいずれかの方である必要があります。(3級は障害の制度のみ。介護保険には入れません)。重度訪問介護は、障害者が新規に無資格者を求人広告等して確保し、2日で20時間研修受講してもらえば介護に入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

2009年10月よりさらに大幅時給アップ(東京ブロックほか)

 

 補正予算による基金事業を財源に、2009年10月より臨時手当がつきます。各地で額は違いますが、広域協会東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部)では、以下のように臨時手当により時給がアップします。

<09年10月以降の時給体系>(東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部))

重度訪問介護(最重度) 1830円(基本給1450円+保険手当170円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分6) 1610円(基本給1250円+保険手当150円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分5以下) 1440円(基本給1100円+保険手当130円(※2)+臨時手当210円)
身体介護型(※1) 1.5hまで時給2110円(基本給1900円+臨時手当210円)
1.5h以降時給1510円(基本給1300円+臨時手当210円)
家事援助型(※1) 時給1210円(基本給1000円+臨時手当210円)
介護保険身体介護型(※1) 1.5hまで時給2090円(基本給1900円+臨時手当190円)
1.5h以降1490円(1300円+臨時手当190円)
介護保険生活援助型(※1) 時給1190円(基本給1000円+臨時手当190円)

(※1)身体介護型に3級ヘルパーやみなし資格者が入る場合、時給が70%(東京地区以外の場合1.5時間まで1050円、1.5時間以降840円)、家事援助・生活援助は90%(900円)になります。

(※2)保険手当は、当会で重度訪問介護を120h以上利用している利用者のヘルパーのうち、社会保険非加入者に対して支給されます。常勤の4分の3以上稼動して社会保険に加入した場合、手当の支給はありません

 

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます
求人広告費助成・フリーダイヤルでの求人電話受付代行なども実施

 全国広域協会の利用者の登録介助者向けに重度訪問介護研修を開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。(東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でOK。残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。障害の身体介護に入れる3級ヘルパー通信研修も開催しています。通信部分(2週間)は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能。3級受講で身体介護に入ることができます。3級や重度訪問介護の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、研修参加費・東京までの交通費・宿泊費・求人広告費を全額助成します。(3級は身体介護時給3割減のため、働きながら2級をとればその費用も助成対象です)。求人広告費助成・フリーダイヤル求人電話受付代行、必ず人が雇える効果的な広告方法のアドバイスなども実施。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の自薦の利用についてのQ&A 求人広告費用を助成・ヘルパー研修の費用や交通費・宿泊費を助成

 自薦ヘルパーの確保は、みなさん、どうしているのでしょうか?
  知人などに声をかけるのでしょうか?

 多くの障害者は、求人広告を使っています。多いのはコンビニなどで無料で駅やコンビニなどで配布しているタウンワークなどです。掲載料は1週間掲載で1番小さい枠で2〜3万円ほどです。
  重度訪問介護は、かならず8時間程度以上の連続勤務にし、日給1万円以上で広告掲載します。無資格・未経験者を対象に広告を出します。
  全国広域協会では、求人広告費用も助成しています。(広告内容のアドバイスを広域協会に受け、OKが出てから広告掲載した場合で、雇った介護者が一定時間介護に入ったあとに全額助成)長時間連続の勤務体系を組めば、かならず介護者を雇用できるようにアドバイスいたします。
  また、求人広告は利用者各自の責任で出すものですが、問い合わせ電話はフリーダイヤル番号を貸付します。電話の受付も全国広域協会で代行します。   

  つぎに、数人〜数十人を面接し、採用者を決めます。採用後、自分の考え方や生活のこと、介護方法などをしっかり伝え、教育します。
  その次に、たとえば重度訪問介護利用者は、雇った介護者に重度訪問介護研修(20時間)を受講させる必要があるので、東京本部や東海・関西・西日本の関係団体などで、重度訪問介護研修(東京で受講の場合は2日間で受講完了)を受講させます。
  全国広域協会では、研修受講料・交通費・宿泊費も助成しています(自薦ヘルパーが一定期間介護に入ったあとに、全額助成します。)
 (障害のヘルパー制度で身体介護利用者は、3級研修を受講することが必要で、2週間の自宅学習のあと2泊3日で東京や西日本に受講に行く必要があります。3級は時給が3割ダウンです。働きながら2級研修を地元などで受講します。3級や2級の受講料は一定期間働いたあとに全額助成します)
 (介護保険で身体介護利用者のヘルパーは、2級を受講する必要がありますので、無資格者をいきなり雇用するのは困難です。2級限定の求人を出すしかありませんが、2級を持っている労働人口が無資格者に比べてとても少ないので、かなり給与が高くないと、求人しても人が集まりにくいです。最重度の場合は介護保険を受けていても、上乗せして障害の重度訪問介護などを利用できますので、まずは障害の制度部分のみで自薦ヘルパーを雇用して、働きながら2級をとり、介護保険も自薦にするという方法があります。この場合でも2級受講料を一定時間後に助成します)

ヘルパーの保険や保障も充実

 全国広域協会を使う障害者の自薦ヘルパーの怪我や物品損傷などの保険・保障は?

 民間の損害保険に入っているので、障害者の持ち物や福祉機器を壊したり、外出介護先で無くしたりしても、損害保険で全額保障されます。
 また、ヘルパーの怪我は労災保険で、治療代や収入保障が得られます。病気で連続4日以上休むと社会保険から(常勤の4分の3以上の人に限る)保障されます。通院・入院などは民間の損害保険からも給付が出る場合があります。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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