★ 厚労省たんの吸引等の検討会の報告(特集) 4ページ〜

★北関東のA県の不服審査請求でB市決定を県が取り消す   25ページ

7・8月合併号
2010.8.22
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2010年7−8月号    目次

   

4・・・・厚労省たんの吸引等の検討会の報告(特集)
     8・・・・厚労省案
    11・・・ALS当事者橋本委員の資料 東京の実態調査
    15・・・バクバクの会の医療的ケア要望書
22・・・障がい者制度改革推進会議の報告
24・・・推進会議の下部会 総合福祉部会の報告
25・・・北関東のA県の不服審査請求でB市の決定を県が取り消す
27・・・過疎地で自立生活センターを作りたい障害者を大募集
28・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



厚労省たんの吸引等の検討会の報告

 内閣府で春より障害者団体が主流の制度改革推進会議が開かれて、医療的ケアの介護職員や教員などへの解禁が議論されたところですが、この間に、厚生労働省では独自の従来型の医療的ケアに関する検討会が開かれ、わずか1ヶ月で検討が終了し結論が出ました。これは推進会議の骨抜きの動きです。

 まずは一般に報道されている内容がわかりやすいのでお読みください。

たんの吸引などの試行事業案を了承―厚労省検討会

8月9日配信
医療介護CBニュース

 厚生労働省の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」(座長=大島伸一・独立行政法人国立長寿医療研究センター総長)は8月9日、4回目の会合を開き、前回会合で同省が提示した「たんの吸引等の試行事業案」を大筋で了承した。これに伴い、来年3月には全国約40か所の事業所で試行事業が実施される。

 「たんの吸引等の試行事業案」では、事業を実施する施設として、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、障害者(児)支援施設など(医療施設は除く)や、訪問介護事業所で「できる限り行う」と提案。また、全国約40か所の事業所で約120人の介護職員を対象に事業を実施する方針も示された。ただ、いずれの施設も、介護職員数人に対し、3年以上の実務経験を持ち、指導者講習を受講した看護師を配置するなどの条件を満たす必要があるとしている。

 介護職員が手掛けられる医行為としては、「たんの吸引(口腔内と鼻腔内、気管カニューレ内部。口腔内については、咽頭の手前まで)」と「胃ろう・腸ろう・経鼻の経管栄養」としている。ただ、胃ろう・腸ろうの状態確認(1日1回)や、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は看護職員が行うとした。

 介護職員に対しては、「たんの吸引と経管栄養の両方を行う場合は、50時間の講義と、それぞれ5回以上演習」などの基本研修と、看護師の指導を受けながら所定の実習を行う実地研修が施される。なお、試行事業に参加できるのは、研修を終えた介護職員のうち、所定の評価基準を満たした職員だけと定められている。  (以下略)

 今回行われた検討会は、従来型の検討会のため、当初、官僚の作った案では、障害者は誰も委員に入っていませんでした。ぎりぎりのところで与党のバックアップで当事者が1名入りました。ALSで24時間介護利用の1人暮らしをしている人工呼吸器利用当事者である橋本操さん(さくら会/ALS協会)です。しかし、当事者がたった1名のため、厚生労働省の作った案を追認する形式の検討会で、ほとんど厚生労働省案を変えることができずに終わりました。 かろうじて、現在の吸引利用者が暮らせなくなるようなことにはならないように、政治家の助けを得て、厚生労働省との複数の障害者団体の検討会の外での交渉で、在宅障害者についてのみ研修時間を変えるなどの特例扱いをすることが決まり、厚労省案に盛り込まれました。施設等では50時間の追加研修などが必須になりましたが、在宅で特定の障害者の介護をするヘルパーには従来からの重度訪問介護研修(20時間)の中で研修をすれば良いという方法になりました(実習についてはまだ交渉が未決着)。

 以下は、制度改正の結論が出た第4回(8月9日)の検討会の記録抜粋です。山井政務官と座長の発言を参照してください。

(NPO法人地域ケアさぽーと研究所の下川和洋氏の傍聴報告より抜粋)

厚生労働省の吸引検討会第4回(8/9)傍聴報告

 人工呼吸器を着けた当事者の方々がたくさん参加されておりました。冒頭、山井政務官から挨拶があり、その中でこの検討会の性質分けに関する興味深い発言がありました。すなわち、
@高齢者に対しては、研修等一定の条件を元に、対象者は誰にでも対応して良いシステム
A障害者や難病の方には、現在の個別性の高い研修を元に対応していくシステム
の2本立てで考えていくという主旨でした。この件について、厚労省担当者からは、以前にもその主旨を説明したと言うことですが、委員にも唐突な感じがしたのかいくつも質問が出されていました。

 その話に引き続いて、吸引等を医行為とするのかしないのか、誰でも認めるのか、メディカルコントロールに置く必要性などについて議論がありました。座長からは、「現在、地域の中で取り組まれている内容や生活の低下を起こすようなことはしないと再三確認してきた。」、「医行為と医行為でないものと単純に二分できない状況がある。一定のメディカルコントロールが必要な日常的なケア(=医療的ケア)という類型が必要である。」という主旨の発言がありました。この議論だけで1時間ぐらいかけていました。(以下略)

 障害者団体の厚生労働省や座長への働きかけで、現在は通知化されていない、吸引や経管栄養以外の医療的ケア(医療類似行為)が在宅で行われ、その上で多くの障害者が地域で社会参加して暮らしていることなどが理解された上での、座長発言だと思われます。

高齢者向け(不特定多数)と障害者向け(特定向け)で別の仕組みに

 この検討会の結論は、3月以降に行われる実証実験を受けて、法改正が予定されていますが、その際には、高齢者施設などむけの仕組みである、不特定多数を対象に吸引や経管栄養を行う場合(追加50時間研修・演習・実習)と、在宅障害者向けの特定の障害者を対象に吸引や経管栄養を行う場合(重度訪問介護研修時間内での研修・演習・実習)との2つに分かれます。(次ページの表参照)
 また、吸引と経管栄養(鼻から・胃ろう・腸ろう)以外は、従来通り、医師法17条にも通知にも何が医行為かを書いてないのでグレーゾーンとして障害者団体等の事業所等だけが各団体独自の責任で行うしかありません。

  (高齢者施設などむけ)不特定多数を対象とする場合 (在宅障害者向け)特定の障害者を対象とする場合
吸引や経管栄養 追加50時間研修と演習・実習をへて実施(新たに法制化) 重度訪問介護研修(20時間)の中での研修(追加時間なし)と演習・実習をへて実施(新たに法制化)
摘便など、上記以外の医療的ケア   従来通り、医師法17条にも通知にも何が医行為かを書いてないのでグレーゾーンとして障害者団体等の重度訪問介護事業所等だけが行う

 なお、在宅障害者の吸引等の場合、追加50時間研修を義務付けられるのは避けられましたが、演習や実習はこれから検討されるモデル事業を経て決定されます。そのため、この交渉は終了していません。
 家族が行える医療的ケアは、重度訪問介護のような、家族よりも長く介護するヘルパーなら、家族同様に上手くなるまで何度でも練習するので、訪問看護よりもはるかに安全に医療的ケアが行なえます。(通常、重度訪問介護では1回8時間以上で週40時間ほど1人のヘルパーが介護に入ります)。
 在宅で医療的ケアを使って暮らす重度障害者にとっては、現状の仕組みから研修などを強化されるとヘルパーが足りなくなり、命に関わります。
 今後も全国の皆さんで議員等への働きかけ等にご協力ください。


 次ページから、8月9日の検討会で出された厚生労働省案の原文抜粋を3ページ掲載します。その後に、ALSの当事者委員である橋本操氏の提出資料の中から注目すべき情報を掲載します。

8月9日 資料1
介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方
についての今後の議論の進め方及び具体的方向(修正案)

 U 制度の在り方の具体的方向
1 対象とする範囲について
(1)介護職員等が実施できる行為の範囲
○ これまで運用により許容されていた範囲が縮小されないよう配慮するとともに、制度の迅速な実施を実現する観点から、まずは、これまで運用により許容されてきた範囲を制度の対象とする。
・ たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
* 口腔内については、咽頭の手前までを限度とする。
・ 経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻)
* 胃ろう・腸ろうの状態確認、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は、看護職員が行う。

○ 上記の整理は、将来的な対象行為の範囲の拡大の道を閉ざすものではない。

○ 上記の範囲の行為であっても、ターミナル期であることや状態像の変化等により介護職員等が実施することに適さない事例もあることから、介護職員等が実施可能かどうかについては、個別に、医師が判断するものとする。

(2)実施可能である介護職員等の範囲
○ 一定の追加的な研修を修了した介護職員等(介護福祉士、訪問介護員、保育士その他の介護職員とし、特別支援学校にあっては教員を含み得るものとする。)とする。

(3)実施可能である場所等の範囲
○ 一定のニーズはあるが、看護職員だけでは十分なケアができない施設等として、以下を対象とする。
・ 介護関係施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、
有料老人ホーム等)
・ 障害者支援施設等(通所施設及びケアホームを含み、医療機関である
場合を除く。)

○ 特別支援学校についても、なお検討を進める。

○ いずれの場合についても、医療職と介護職等の適切な連携・協働が可能な場合に認めることとする。

○ 在宅においても、医療職と介護職等の適切な連携・協働が可能な訪問介護事業所(訪問看護事業所と連携・協働する場合を含む。)が実施できるものとする。

2 安全確保措置について
(1)医師・看護職員と介護職員等との連携体制の確保等の要件について
○ 現行の運用による対応も踏まえ、下記のような要件を設定する方向で検討する。
・ 本人・家族の同意
・ 医療職との適切な役割分担、継続的な連携・協働
・ 関係者による連携体制の整備
・ マニュアル・記録の整備
・ 緊急時対応の手順、訓練の実施等

○ 施設や研修等の監督、サービス提供体制の整備など、行政の関与のあり方についても引き続き議論を行う。

(2)教育・研修の在り方について
○ 介護福祉士を含め、一定の追加的研修等を行った者に限り認めるものとする。

○ 教育・研修については、基本研修及び実地研修とし、実地研修については可能な限り施設、在宅等の現場で行うものとする。なお、介護療養型医療施設において、実地研修を行うことも可能とする。

○ ケアの安全性を前提とし、現場で対応可能なカリキュラムとする。

○ 知識・技術の修得には個人差があることを考慮し、研修効果の評価を行い、評価結果を踏まえ必要な対応を行うものとする。

不特定多数の者を対象とする安全性を標準とするが、特定の者を対象とする場合はこれと区別して取り扱うものとする。
(編集注釈:ここは在宅の障害者向けの制度を別基準で考えるという意味)

○ 教育・研修については、介護職員等の既存の教育・研修歴等を考慮することができるものとする。


3 試行事業について
○ 上記の制度のあり方の具体的方向等を踏まえ、不特定多数の者を対象と
し、また、試行事業としてより慎重な対応が必要との観点から、別添資料の
とおりする。

○ 具体的な制度、教育・研修のあり方については、試行事業の実施状況も踏まえ、更に検討を行う。


(厚労省資料抜粋は以上)


ALS当事者 橋本委員の提出資料より

東京都内の在宅人工呼吸器利用者249人の過半数がCILとALSの団体からの支援で生活しているという実態調査資料
 現状の重度訪問介護の研修の仕組みの中ですでに充分な体制で行われているという説明資料です。

東京都における重度訪問介護従業者による吸引・経管栄養等の介護サービスの状況
(2010年6月30日からの1週間についての調査)

NPO法人さくら会

この資料は、都内で障害者自立支援法の重度訪問介護サービスを実施している事業所のうち、医療的ケアを実施している28事業所(CIL9団体、さくら会19事業所)に対する電話およびアンケート調査の集計結果(中間報告)です。
 さくら会友の会とは、NPO法人さくら会に重度訪問介護従業者養成研修を委託している都内近県の介護事業所(現在25事業所)の集まりです。在宅人工呼吸療法の人に重度訪問介護従業者を派遣しています。 
CIL(自立生活センター)の事業所は、障害当事者が運営し、障害者自立支援法に基づいた長時間の介助サービスを主におこなっています。

1、介護職員数、利用者数

  CIL さくら会友の会 合計
何らかの医療的ケアを実施している 210人 365人 575人
介護職員の数 全介護職員数 1,109人 645人 1,754人
人工呼吸器を装着している重度訪問介護の利用者数 44人 97人 141人

 

★ 東京都の在宅人工呼吸器装着者249人のうち、のべ141人がCILとさくら会友の会の事業所の重度訪問介護を利用しています。
★ 調査対象の28事業所では、およそ3人に1人の介護職員が医療的ケアを実施しています。
★ 短期間の研修システムにより、介護職員の増員も実現し、在宅人工呼吸療法の障害者も長時間の介護サービスを受けられるようになり、自宅で安心して暮らせるようになってきました。

2、現在、重度訪問介護従業者が実施している吸引および経管栄養等の利用者数

(n=214)
 
CIL(n=44)
さくら会友の会(n=170)
合計
口腔吸引 24人 119人 143人
鼻腔吸引 10人 104人 114人
気管吸引 28人 109人 137人
経菅栄養(鼻) 3人 33人 36人
経菅栄養(胃ろう) 16人 88人 104人
カフアシスト 9人 25人 34人
人工呼吸器(NPPV) 16人 12人 28人
人工呼吸器(TPPV) 24人 104人 128人
その他 9人 4人 13人

※ CILについては重度訪問介護利用者のうち、人工呼吸器の使用している者についてのデータ。

3、重度訪問介護サービス1日あたりの提供時間数の利用者分布状況

(n=377)
  CIL(n=207) さくら会友の会(n=170) 合計
〜4時間まで 39人 56人 95人
〜8時間まで 50人 32人 82人
〜12時間まで 46人 26人 72人
〜16時間まで 32人 26人 58人
〜24時間まで 36人 20人 56人
〜24時間以上 4人 10人 14人

4、常時吸引が必要な利用者一人あたりのヘルパーの数

(n=28)
  CIL さくら会友の会 合計
1〜5人 3事業所 3事業所 6事業所
5〜10人 5事業所 12事業所 17事業所
10〜15人 4事業所 3事業所 7事業所
15人以上 1事業所 1事業所 2事業所

5、現在、重度訪問介護従業者養成研修講座20時間(医療的ケアに関する講義はそのうちの講義7時間+実習3時間)でヘルパー資格が取得できますが、研修期間の長さはどうですか?

(n=28)
  CIL さくら会友の会 合計 割合
短すぎる 2事業所 1事業所 3事業所 10.7%
ちょうどいい 6事業所 18事業所 24事業所 85.7%
長すぎる 1事業所 0事業所 1事業所 3.6%
その他 0事業所 0事業所 0事業所 0.0%

6、医療的ケア研修の在り方と実際: 医師・看護師との連携はどのようにして、とれていますか?

 
CIL
さくら会友の会
合計
割合
連絡ノートの作成
7事業所
19事業所
26事業所
92.9%
診療所や訪問看護STの24時間体制
5事業所
16事業所
21事業所
75.0%
定期的なカンファレンスの実施
4事業所
13事業所
17事業所
60.7%
合同での勉強会や研修会の実施
4事業所
13事業所
17事業所
60.7%
看護師とヘルパーが同時にケアをして技術を共有する
5事業所
14事業所
19事業所
67.9%
利用者宅でのイベント開催などによる交流
1事業所
8事業所
9事業所
32.1%
懇親会など仕事以外での交流
1事業所
8事業所
9事業所
32.1%
その他
0事業所
0事業所
0事業所
0.0%
医療的ケアに関する書類:同意書を作成をしている
8事業所
17事業所
25事業所
89.3%

★ 地域医療の基盤整備が進んだ東京の西北地域では、医療と介護の連携も進んでいます。

7、介護職員による医療的ケアが法令で定められていないことについてどう思いますか?

 
CIL
さくら会友の会
合計
割合
不安である
0事業所
12事業所
12事業所
42.9%
不安ではない
9事業所
2事業所
11事業所
39.3%
考えていない
1事業所
3事業所
4事業所
14.3%

★ ALSの利用者の多いさくら会友の会の事業所は、63%が不安であるとの回答を寄せています。
★ 利用者に若い独居者が多く、事前に自立生活プログラムを実施しているCILでは、90%が不安がないとの回答を寄せています。

  CIL さくら会友の会 合計 割合
ヘルパーの仕事として法律に位置付けてほしい 7事業所 9事業所 16事業所 57.1%
ヘルパーの仕事として法律に位置付けないでほしい 1事業所 5事業所 6事業所 21.4%
医者の責任をはっきりさせてほしい 2事業所 5事業所 7事業所 25.0%
看護師の責任をはっきりさせてほしい 2事業所 3事業所 5事業所 17.9%
利用者の責任をはっきりさせてほしい 7事業所 9事業所 16事業所 57.1%
ヘルパーの責任をはっきりさせてほしい 4事業所 4事業所 8事業所 28.6%
事業所の責任をはっきりさせてほしい 3事業所 6事業所 9事業所 32.1%
加算をつけたり、単価を上げたりしてほしい 7事業所 12事業所 19事業所 67.9%
医療的ケア研修を義務化してほしい 5事業所 5事業所 10事業所 35.7%
医療的ケア研修を義務化しないでほしい 6事業所 4事業所 10事業所 35.7%
地域医療の連絡体制をしっかりしてほしい 5事業所 12事業所 17事業所 60.7%
家族に対する指導や教育をしっかりしてほしい 2事業所 10事業所 12事業所 42.9%
医療的ケアのできる介護職の資格を定めてほしい 2事業所 3事業所 5事業所 17.9%
その他 0事業所 0事業所 0事業所 0.0%

次ページからは、同じくALS当事者の橋本操委員の提出資料より、人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)の大臣等への要望書です。とても参考になる内容が含まれていますので、抜粋して掲載します。

【添付資料1】

2010年 6月18日

内閣府特命担当大臣 荒井 聰 様
厚生労働大臣 長妻 昭 様
文部科学大臣 川端 達夫 様
衆議院議長 横路 隆弘 様
参議院議長 江田 五月 様

人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)
会長 大塚 孝司
医療的ケア連絡協議会 代表 折田 涼
岸本 彩

在宅で行っている「医療類似行為」(医療的ケア)を 「生活支援行為」としてすべての介護者や教職員が実施できる 体制整備を求める緊急要望書

  日頃より、人権と福祉づくりをすすめられていることに敬意を表し、感謝 申し上げます。
 私たちは、地域社会の中で、日常生活において「医療的ケア」を必要とし ながら日々生活している当事者、当事者団体、家族・医師・看護師・教員・ 介護者等関係個人・団体が集まり、「医療的ケア」を必要とする人々が安全で 安心な生活を送ることを保障され、地域社会の中であたりまえに自立して生 きられるよう、「医療的ケア」に関する諸問題を解決していくために力を合わ せ取り組んでいます。どんな障害があっても、日本国憲法25条で謳われて いる様に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を有しています。よ って、必要なケアは当然のこととして、必要なだけ認められなければなりま せん。
 前政権下では、医師法第17条の「医師でなければ医業をしてはならない」 とする一文により、当事者や家族が行える「医療的ケア」さえも、たんの吸引 以外は、ホームヘルパー等の福祉職や教育職など、障害者や高齢者、難病者等 の生活を身近で支える人でさえ行うことはできないとされてきました。在宅し て当事者や家族が行う時点で、医行為と区別して「医療的ケア」という言葉が 生まれたにもかかわらず、やはり法的には医行為の一環であり誰もがケアを行 うことが出来ないので、地域で生活する、また、子どもたちが地域の学校に通 学するといった、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が剥奪されて きました。日々の生活は、当事者・家族ともギリギリのところで送らざるを得 ない状況にあることはご承知の通りで、既に自らの家族を死に至らしめる等の 悲惨な事例も報告されています。
 2005年3月に、「在宅におけるALS以外の療養患者・障害者に対する たんの吸引の取扱いに関するまとめ」という通知が厚生労働省医政局より出さ れました。この通知では、2003年の「ALS患者」に限定されていた「気 管カニューレ内のたんの吸引に限り」、「当面やむを得ない措置としてヘルパ ーに認める」というものを、ALS患者に限定せず吸引を必要とする人すべて に拡大されました。しかし、対象行為がたんの吸引に限定されており、それ以 外の「医療的ケア」が全く検討されておらず、たんの吸引に関する見直しも行 われていません。当事者の生活実態が全く直視されていません。早急にすべて のケアについて、家族だけで抱えなくてもよい体制整備が必要です。通常のケ ア・生活支援行為でなければ、一人ひとりが人間に値する生活を営むことがで きません。また、2003年以降ヘルパーによるたんの吸引が行われるように なり、医療資格の有る無しに関わらず日常関わっている人による介護が、当事 者にとって一番安全で安心できる介護だと、私たちは実証してきました。むし ろ、医療従事者のいる病院や施設でのトラブルが続発しています。そこで、抜 本的な解決策を策定していただきたく、以下の点について要望いたします。

要望項目

1.病院以外で行っている「医療的ケア」には、呼吸管理(人工呼吸器の操作・口鼻腔や気管内のたんの吸引・気管カニューレの交換・酸素投与・パルスオキシメーターの着脱等)、水分・栄養管理(経管栄養チューブの挿入・注入・抜去、IVHの管理等)、服薬管理(座薬挿入・インシュリン投与等)、じょくそうの手当等、排泄管理(導尿、留置カテーテルの管理、摘便、人工肛門の処置等)等があります。在宅で行えるケアは全て、医行為ではなく「生活支援行為」として、すべての介護者や教職員が実施できるようにしてください。

2.必要なケアを、「生活支援行為」として安全に実施できるように、介護者や教職員の公的な研修制度を確立してください。

3.「いのちを守りたい」という施政方針である新しい政権により、新たな人権と福祉の枠組みづくりが進められるよう、強く要望します。

以上

【添付資料2】
2010/08/09
「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」検討委員のみなさんへ

人工呼吸器をつけて地域で暮らす子どもたちからの意見
人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)

★折田涼さんより(大阪府箕面市)
私は、生後6ヶ月から24時間人工呼吸器をつけて生活しています。21歳になりました。現在、週5日は親元を離れて、ヘルパーさんのサポートで自立生活を送っています。
気管内吸引をはじめ生活していく上で必要なケアは全てヘルパーさんにしてもらっています。必要な医療的ケアをヘルパーさんにしてもらうことによって安心で安全な生活を送っています。
「経管栄養のチューブをつなぐ」ことが、看護師さんでないといけないとなると、自由な生活は送れません。食事や水分補給などは一日合計6回になります。また、ずっと家にいるのではなく、外出もします。その度に、看護師さんが経管栄養を…というのは不可能だと思います。
たんの吸引や経管栄養のチューブを外すなどという一部の医療的ケアだけを介護職に認めるのではなく、必要な医療的ケア全てをできるようになって欲しいです。
私たちも医療的ケア講習会を開催していますが、研修時間は、医療的ケアの基礎知識と実習あわせて4時間ですが、基本的なことはそれで十分理解してもらえます。後は、個別の研修を積み重ねるしかありません。在宅での医療的ケアは、個別性が高く、個別研修を重視した、研修体制が必要です。

★岸本 彩さんより(大阪府箕面市)
ヘルパーさん2名の介助で、家から出て「ポムハウス」で折田涼さんとルームシェアをして2人で暮らしています。親がいてもいなくても、そんなことに関係なく、私は私の生活をしています。
吸引はもちろん、全て私のケアを良く知っていて、私の気持ちをわかってくれるヘルパーさんがいると安心です。
私は入院したり、施設に入っては生活できません。24時間必要なときに必要なケアをすぐにしてくれるヘルパーさんが傍にいる暮らし…地域であたりまえに好きなことをして、これからも暮らしていきたいです。
研修時間を50時間にする案があるとか…。そんな研修は必要ないかと思います。基礎的な知識の学びと、あとは当事者のケアをどうするのか個別に学べばよいと思います。経管栄養をつなぐのは看護師でなければならないとするのも、あまりにも生活実態とかけはなれています。
もっともっと私達のように地域で暮らしている当事者の実態を調べてください。そして、地域で暮らすためのハードルをあげるのではなく、下げる方向でいろんな意見を聞いて、もっと討論を深めてください。私達の暮らしを守るための検討会であってほしいです。

★佐藤 有未恵さんより(大阪市)
私は 23 歳です。0 歳のときから 24 時間人工呼吸器をつけています。3歳から在宅で家族と生活してきました。
在宅してからの20年、家族、ヘルパーさん、学校では教師が、吸引をはじめ生活にかかわるすべてのケアをしてくれ、今までやってきました。医療者でない家族・ヘルパーさん・教師がケアしてきたことで、危ない目にあったことはありません。いつでも近くにいる人がすべてのケアをできるということは、すごく安心なことです。
私の生活の中で、このケアは看護師しかしてはいけない、とか、吸引だけは認めるとか、細かく決めるのはやめてください。生活すべてを途切れることなくケアしてもらえなければ、私は自由に生活できません。
みなさんも自分の生活を想像してみてください。ご飯を食べたりお茶する度にいちいち看護師さんにきてもらわないといけない生活を。そんな不自由な生活を想像するだけで暗くなりませんか?
みなさんも私もおんなじ人間です。私だけ特別な生活をしないといけなくなるような決めごとをしないでください。生活すべてをうけいれるような改革を期待します。
私は 7 月から一人暮らしを始めました。これからの生活に夢がふくらんでいます。どうかよろしくお願いします。

★平本 歩さんより(兵庫県尼崎市)
私は、24時間人工呼吸器をつけて生活しています。24歳です。地域の保育園・小・中・高に通いました。小・中・高の12年間、学校にいる間ずっと、たんの吸引と経管栄養があるために、父が付き添っていました。その父が、4年前に亡くなりました。
現在、卒園した保育園に講師として行ったり、買い物に行ったり、映画を見に行ったり…と、母と同居していますが、ほとんどヘルパーさんのサポートで生活を送っています。普段の生活では、バス・電車等の公共交通機関で移動しています。新幹線等で、旅行もします。私は特定疾患に当たりませんし、私の住む県では、訪問看護療養費は、重度障害者医療助成の対象になっていないため、訪問看護は利用していません。けれども、必要なケアをヘルパーさんにしてもらうことによって、安心で安全な生活を送っています。
「経管栄養のチューブをつなぐ」ことが、看護師さんでないといけないとなると、自由な生活は送れません。食事や水分補給などは、一日合計 7 回になります。外出中や旅行中でもチューブをつなぐ度に、看護師さんの派遣が可能なのでしょうか。
たんの吸引や経管栄養のチューブを外すなどという一部の医療的ケアだけを介護職に認めるのではなく、必要な医療的ケア全てをできるようになって欲しいです。
私のケアは、私のことを一番よく知っている信頼できる慣れたヘルパーさんにして欲しいです。

(以下略)





障がい者制度改革推進会議の報告

 内閣府で行われている、推進会議では、6月下旬移行、以下の内容を議論しています。詳しくはHPを御覧ください。


第 15回 H22.06.28
・第一次意見に関する結果報告について
・今後検討すべき議題とスケジュールについて

第16回 H22.07.12
・有識者ヒアリング( 司法へのアクセスについて/ 虐待防止について/ 児童の権利に関する条約に基づき日本から提出された報告の審査について)
・障害のある女性について

第17回 H22.07.26
・意見交換等(文部科学省/教育関係団体)

第18回 H22.08.09
・今後の推進会議の進め方等

 この中でも、特に注目すべきことは、文部省関係者の動きです。文部省は、インクルーシブ(統合)教育に必死になって抵抗しています。
 巻き返しの政治力は侮れません。官僚やその天下り先などの組織のロビーイング力が障害者団体よりはるかに上です。みなさんのロビー活動のご協力をお願いします。大臣や政務官・民主党政策調査会へ、ご自身の体験や意見をお送りください。

障害連事務局FAXレター No.186 2010.8.9(月)より転載

作業チームの位置づけで沸騰
―第18回推進会議、障害者基本法改正議論に入る―


作業チームのあり方について議論が白熱した。
8月9日(月)第18回推進会議が行われた。
前半、総合福祉部会から報告があり、今年の秋から7つの作業チームを設置し、児童、就労、医療など、総合福祉をこえる分野については、推進会議と合同で作業チームをつくりたい、とした。
質問に答える形で、東室長は「この3分野については、推進会議の下に置く」としたため、「はじめの提案とは違う」「外部に対して分かりづらい」などの意見があがり、この件について相当多くの時間を割いた。

結局、総合福祉法部会固有の部会と推進会議の委員を交えた上記3つの作業チームの設置についてネーミングを変えることによって承認した。

続いて、障害者基本法改正の総則部分についてのたたき台が担当室より明かにされた。これは第一次意見書に基づいてつくったとのことである。
目玉は、障害者の定義について社会モデルの観点を入れるということと、障害を理由とする差別禁止について、合理的配慮を行わないことも差別に含めるということである。
議論では、情報・コミュニケーションの権利をきちんと位置付けてほしい、総論ばかりではなく各論においても、様々な権利を明かにし、それに基づいた施策を明かにしていくことが課題である、とする発言もあった。
また、前文を付けるべきだ、とする意見や、“予防”はいれるべきではないとする発言もあった。
さらに、差別禁止については、差別禁止法が数年後になるという見込みから、裁判には役立たないという考え方でいいのか、という議論もあった。

次回は9月6日(月)。

 



推進会議の下部会 総合福祉部会の報告

 7月の推進会議総合福祉部会では、論点ABCが話し合われました。8月の検討会では、論点DEFが話し合われます。


A 法の理念・目的・範囲
B 障害の範囲
C 支給決定
 自己決定支援相談支援・障害程度区分の評価・役割
  ・支給決定プロセスとツールなど

D サービス体系
 生活実態に即した介助サービス等・社会参加サービス・地域での住まいの確保
  ・居住サポートについてほか
E 地域移行
 地域移行の支援、並びにその法定化・社会的入院等の解消など
F 地域生活の資源整備
  長時間介助の保障・義務的経費化と国庫負担基準など

G 利用者負担
H 報酬や人材確保等
I その他


なお、秋から7つの作業チームを設置して議論することになっています。



北関東のA県の不服審査請求でB市の決定を県が取り消す

 弁護士を立てて障害者の交渉を全面的に拒否した全国初のB市が負け、非定形に上限を設けた市の支給決定基準の誤りを県が指摘


 北関東のA県では、関東地方で唯一、県内に24時間の重度訪問介護を実施している事例がありません。A県のB市では、支給決定基準に非定型に関する上限規定も設けており、非定型でも1日11時間を上限と定めていました。B市には24時間介護が必要な重度の全身性障害者Cさんが1人暮らししており、24時間の介護が必要なことはB市も認めていました。
 Cさんは制度空白をボランティアでやりくりし、何度も市役所に出向いて課長などに交渉を行っていましたが、市は1日11時間以上は支給決定しないと言い、話し合いに応じなくなり、ついには、何度か市役所に出向くCさんを業務妨害をする人物だと、弁護士に市役所としての対応を委託しました。弁護士からCさんに「今後の市への要件はすべて弁護士を通すように」との内容証明郵便が送られてきました。こんなことは全国の自治体でも初のことで、自治体の対応としては非常に問題があります。
 Cさんは数ヶ月以上も一切市と話しができなくなってしまいましたが、全国団体の情報支援を受け、県に不服審査請求を出しました。その結果、県は市の決定を取り消し、裁決書で非定形に上限を設けた市の支給決定基準は国の通知の誤った解釈であって、上限を設けてはいけないことを指摘しました。
 これを受けて、市は即座に支給決定基準から非定型の上限の規定を削除し、同時にCさんの支給量を大幅に増やしました。しかし、Cさんの話を一切聞かずに支給決定案を作って審査会に出したため、24時間の支給決定には至っていません。Cさんは弁護士を通じて交渉を申し込んだところ、1時間だけ交渉に応じると回答が来ました。前代未聞のB市の対応が今後も注目されます。



過疎地で自立生活センターを作りたい障害者を大募集。過疎地対策で助成や貸付も実施。

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会

 全国各地で障害当事者が主体的にCIL(重度の障害者が施設や親元から出て地域で自立生活できるように支援する事業体&運動体)を立ち上げるための助成や貸付、さまざまな研修を提供しています。(通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を行っています)。エンパワメント(サービスを使う障害者自身が社会力などをつける)方式の自立支援サービスを行いながら地域の制度を変える運動を行うという理念にそった当事者団体を作るという方は研修受講料無料です。研修参加の交通費も助成されます。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。通信研修の参加者を募集しています。(通常、CILの立ち上げには、古参のCILでの数年の研修(勤務)が必要で、運動経験や社会経験がある人でも2年ほどの研修時間数が必要です。しかし、大都市部から離れた地域でCILを作るためには、数年間の勤務研修は難しいため、地元で生活しつつ、通信研修や合宿研修で基礎を学んだ後、実地で少しずつ小さなCILを始めながら、毎週連絡を取りつつ5〜10年ほどかけてノウハウを覚えて成長していく育成方法を行っています)。 くわしくはお問合せ下さい。フリーダイヤル0120−66−0009(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル FAX 0037−80−4446

2009年5月より重度訪問介護の給与に12%加算手当開始(条件あり)
(区分6むけ時給1250円の方は、加算がつくと、+150円で時給1400円に。)

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は求人して人が集まる金額にアップする個別相談システムもあります。

利用の方法
 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から障害や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行いヘルパー制度の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京都と周辺県は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、重度訪問介護で区分により時給1100(区分5以下)・1250円(区分6)・1450円(最重度)が基本ですが、長時間利用の場合、求人広告して(広告費用助成あり)人が確保できる水準になるよう時給アップの相談に乗ります。(なお、2009年5月より重度訪問介護のヘルパーには12%の手当てを加算します。(手当ては、厚生年金に入れない短時間の方のみ。また、契約時間120時間未満の利用者の介護者は加算がつきません)。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、重度訪問介護研修修了者などのいずれかの方である必要があります。(3級は障害の制度のみ。介護保険には入れません)。重度訪問介護は、障害者が新規に無資格者を求人広告等して確保し、2日で20時間研修受講してもらえば介護に入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

2009年10月よりさらに大幅時給アップ(東京ブロックほか)

 

 補正予算による基金事業を財源に、2009年10月より臨時手当がつきます。各地で額は違いますが、広域協会東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部)では、以下のように臨時手当により時給がアップします。

<09年10月以降の時給体系>(東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部))

重度訪問介護(最重度) 1830円(基本給1450円+保険手当170円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分6) 1610円(基本給1250円+保険手当150円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分5以下) 1440円(基本給1100円+保険手当130円(※2)+臨時手当210円)
身体介護型(※1) 1.5hまで時給2110円(基本給1900円+臨時手当210円)
1.5h以降時給1510円(基本給1300円+臨時手当210円)
家事援助型(※1) 時給1210円(基本給1000円+臨時手当210円)
介護保険身体介護型(※1) 1.5hまで時給2090円(基本給1900円+臨時手当190円)
1.5h以降1490円(1300円+臨時手当190円)
介護保険生活援助型(※1) 時給1190円(基本給1000円+臨時手当190円)

(※1)身体介護型に3級ヘルパーやみなし資格者が入る場合、時給が70%(東京地区以外の場合1.5時間まで1050円、1.5時間以降840円)、家事援助・生活援助は90%(900円)になります。

(※2)保険手当は、当会で重度訪問介護を120h以上利用している利用者のヘルパーのうち、社会保険非加入者に対して支給されます。常勤の4分の3以上稼動して社会保険に加入した場合、手当の支給はありません

 

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます
求人広告費助成・フリーダイヤルでの求人電話受付代行なども実施

 全国広域協会の利用者の登録介助者向けに重度訪問介護研修を開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。(東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でOK。残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。障害の身体介護に入れる3級ヘルパー通信研修も開催しています。通信部分(2週間)は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能。3級受講で身体介護に入ることができます。3級や重度訪問介護の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、研修参加費・東京までの交通費・宿泊費・求人広告費を全額助成します。(3級は身体介護時給3割減のため、働きながら2級をとればその費用も助成対象です)。求人広告費助成・フリーダイヤル求人電話受付代行、必ず人が雇える効果的な広告方法のアドバイスなども実施。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の自薦の利用についてのQ&A 求人広告費用を助成・ヘルパー研修の費用や交通費・宿泊費を助成

 自薦ヘルパーの確保は、みなさん、どうしているのでしょうか?
  知人などに声をかけるのでしょうか?

 多くの障害者は、求人広告を使っています。多いのはコンビニなどで無料で駅やコンビニなどで配布しているタウンワークなどです。掲載料は1週間掲載で1番小さい枠で2〜3万円ほどです。
  重度訪問介護は、かならず8時間程度以上の連続勤務にし、日給1万円以上で広告掲載します。無資格・未経験者を対象に広告を出します。
  全国広域協会では、求人広告費用も助成しています。(広告内容のアドバイスを広域協会に受け、OKが出てから広告掲載した場合で、雇った介護者が一定時間介護に入ったあとに全額助成)長時間連続の勤務体系を組めば、かならず介護者を雇用できるようにアドバイスいたします。
  また、求人広告は利用者各自の責任で出すものですが、問い合わせ電話はフリーダイヤル番号を貸付します。電話の受付も全国広域協会で代行します。   

  つぎに、数人〜数十人を面接し、採用者を決めます。採用後、自分の考え方や生活のこと、介護方法などをしっかり伝え、教育します。
  その次に、たとえば重度訪問介護利用者は、雇った介護者に重度訪問介護研修(20時間)を受講させる必要があるので、東京本部や東海・関西・西日本の関係団体などで、重度訪問介護研修(東京で受講の場合は2日間で受講完了)を受講させます。
  全国広域協会では、研修受講料・交通費・宿泊費も助成しています(自薦ヘルパーが一定期間介護に入ったあとに、全額助成します。)
 (障害のヘルパー制度で身体介護利用者は、3級研修を受講することが必要で、2週間の自宅学習のあと2泊3日で東京や西日本に受講に行く必要があります。3級は時給が3割ダウンです。働きながら2級研修を地元などで受講します。3級や2級の受講料は一定期間働いたあとに全額助成します)
 (介護保険で身体介護利用者のヘルパーは、2級を受講する必要がありますので、無資格者をいきなり雇用するのは困難です。2級限定の求人を出すしかありませんが、2級を持っている労働人口が無資格者に比べてとても少ないので、かなり給与が高くないと、求人しても人が集まりにくいです。最重度の場合は介護保険を受けていても、上乗せして障害の重度訪問介護などを利用できますので、まずは障害の制度部分のみで自薦ヘルパーを雇用して、働きながら2級をとり、介護保険も自薦にするという方法があります。この場合でも2級受講料を一定時間後に助成します)

ヘルパーの保険や保障も充実

 全国広域協会を使う障害者の自薦ヘルパーの怪我や物品損傷などの保険・保障は?

 民間の損害保険に入っているので、障害者の持ち物や福祉機器を壊したり、外出介護先で無くしたりしても、損害保険で全額保障されます。
 また、ヘルパーの怪我は労災保険で、治療代や収入保障が得られます。病気で連続4日以上休むと社会保険から(常勤の4分の3以上の人に限る)保障されます。通院・入院などは民間の損害保険からも給付が出る場合があります。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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