★障がい者制度改革推進会議の中間報告出る

 24時間介護が盛り込まれる

 

★大分市の入院介護制度の交渉経過詳細

 

 

 

 

 

6月号
2010..
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
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2010年6月号 

 

   

目次

 

4・・・・大分市でコミュニケーション支援事業を使った入院介護制度

     交渉経過の詳細解説

17・・・政府の推進会議が中間報告(第1次意見)

22・・・生活保護基準・22年度版

28・・・平成22年度生活保護の住宅扶助特別基準額全国一覧表

31・・・過疎地で自立生活センターを作りたい障害者を大募集

32・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

 

 

 

 

 

 


 

大分市でもコミュニケーション支援事業の国庫補助を使った入院介護制度2010年4月1日開始)

 

兵庫県西宮市や愛媛県松山市に続いて、言語障害を持つ障害者限定ではない入院介護制度ができました。障害程度区分5・6の重度訪問利用者なら頚損でも筋ジスでも対象です。

1回の入院に付き150時間が上限。上限内なら1日何時間使っても良い制度となりました。

制度を交渉した団体の1つ、ぐっとらいふ大分に詳しく書いていただきました。

 

「大分市重度障がい者入院時コミュニケーション支援事業」確定までの詳細

 自立生活センターぐっどらいふ大分 丸子

 私たちは他団体と一緒に(福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会)活動している。今回他団体と共に折衝し「重度障がい者入院時コミュニケーション支援事業」が確定するまでの詳細をここに書き出したいと思う。

 

2009年2月12日

「障害者の生活と権利を守る大分県連絡協議会」(障大協)が大分市に「障がい者施策に関する要望書」を提出していた。その回答日にぐっどらいふ大分も参加してくださいと要請された。その中で特に次の二点が早急に対処してほしいと考え参加した。

C福祉サービスの併用禁止や支給制限をなくし病院にもホームヘルパーが派遣できるように。

要請に対して市の回答は 「サービスの併用については、重複サービスとなるため障害者自立支援法を遵守いたします。通院については居宅介護の対象となります」

J重度重複障がい者の入院時にヘルパー派遣を要請に対して市の回答は「ヘルパー業務につきましては、居宅介護、移動支援の制度上の範囲内で対応してまいります」

この回答に納得がいくはずもなく閉会後に障大協の代表に「インフルエンザも流行っていることですし重度障がい者の入院時にヘルパー派遣ができるように再度要請しましょう」と伝えた。すると、代表から「要請してください」と逆にお願いされてしまった。「入院時のヘルパー派遣の必要性を福祉課に伝えます」と了承した。

 

2009年3月6日

 以下の内容のメール(要約)を市役所の係長に送った。

先日の要望書の中にあった病院へのヘルパー派遣の件ですが、他県の現状をお伝えします。

東京都内では地域生活支援事業を使わないで在宅のヘルパーをそのまま病院内で使えるようにしている自治体もあります。東北と北海道にもありますが名前を公表していません。

一人暮らしの全身性障がい者が自宅で毎日24時間の重度訪問介護を使っている場合は、

入院しても24時間をそのまま同じヘルパーを使うことが出来ます。(市町村が入院中も慣れたヘルパーの介護が必要と認めた重度障がい者限定)しかも、言語障害のない頸椎損傷やキンジスなど、コミュニケーションが取れる障がい者も制度の対象です。

自立支援法の地域支援事業が始まるまでは、市町村の裁量で介護制度を実施できなかったため、国庫補助は付かず、自治体の単独制度として行うしかありませんでした。

従来の国の立場は「重度障がい者の入院中のホームヘルパー利用は、市町村が必要と認めれば行って良いが、ヘルパー制度の国庫補助はつきません」という物でした。しかし今回の改定によりコミュニケーション事業には国庫補助がつくのですから財政的にも問題はなく、より重度の障がい者の立場に立った制度が作れるものと思われます。

コミュニケーション支援事業の対象者をもう少し広く考えて頂き頸椎損傷やキンジスなど重度障がい者にも当てはまるようにしてもらいたいのです。

厚生労働省は「あくまで看護士の仕事の代わりは出来ないが、ヘルパーという名目ではなく、コミュニケーション支援という名目ならば、地域生活支援事業の対象になる」という見解です。

高熱やら肺炎の時など緊急入院の時は言葉など出ませんし、大多数の病院スタッフは重度障がい者には不慣れです。

重度障がい者になると、寝返り一つとっても1ミリ単位でその障がい者特有の体制が必要で、それを初めて介護を行う病院スタッフに介護方法を障害者が一つ一つ指示を出すことは出来ませんし、介護方法が伝わらないと、どんどん体力が落ちていき病状が悪化して死んでしまいます。

そうならないためにも安心して入院できる体制にして頂きたいのです。

 

私も肺炎で入院した時にタンが喉に絡み呼吸が出来にくくなり看護士を呼ぼうにもナースコールは届かないは声は出ないわで人を呼べませんでした。運良く食事のおばさんが入ってきてくれたおかげで難は逃れたのですが、あのときは本当に怖かったですね。

長々と書きましたが今一度福祉課でご再考をお願いいたします。

 安心して、安全に暮らせる大分市であって欲しいし、他県に自慢できる大分市であって欲しいです。

 

 

2009年3月末〜4月

 大分市より「重度障害者が入院時にヘルパー派遣して、コミュニケーション事業でこれを行っている市町村を教えてください」と話しがある。ほかの要望項目は0回答。

 

2009年4月前半

 0回答が多かったことに対して、障大協が折衝し、5団体の代表と話し合いが決まる。大分市在住の丸子がその後の窓口となる。交渉日が5月26日に決まる。

 

2009年5月8日

丸子が介護保障協議会に電話相談。

「大分市の担当者が「入院中の介助サービス利用を認めている自治体を教えてください」と言うのですが、電話をしてもOKでうまい事大分の担当者に説明してくれる自治体はどこかありませんか?」と問い合わせ。

「悪い制度の市には問い合わせをしない方がいいです。そこそこいい制度の市は今のところ西宮だけです。西宮のメインストリーム協会にメールの上、電話して、市から市への問い合わせの根回しをお願いしてみてください」

とのアドバイスあり。(編注:当時、松山市は情報解禁前)

 メインストリーム協会からは、「大分市から問い合わせるときは、「言語障害がなくても、入院時にコミュニケーションが取れない状態の人は医師の診断書でそれが証明できれば対象になる」ということを、必ず確認してもらってください。これがポイントです。」

とのアドバイスをいただく。

 

2009年5月26日

 大分市との交渉が行われた。

 福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会が大分市に出した要望書。

             2009年 5月 26日

大分市長 ○○○○殿

福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会

NPO法人自立支援センターおおいた

自立生活センターぐっどらいふ大分

障害者の生活と権利を守る大分県連絡協議会

在宅障害者支援ネットワーク

 

2009年度障がい者施策に関する緊急要請

 

日頃より障がい福祉の向上にご尽力を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、2009年4月、障害者自立支援法施行後3年の見直しの時期を迎え、国庫負担の在り方やサービス単価の改訂等、さまざまな施策の変更が図られております。

支援法施行後、私共の団体は、地域で生活を送る障がいのある方々のサポート支援を全力で行ってきました。しかしながら、現在、実際のサポート支援を行う現場ではいくつかの問題を抱えております。

今回、この点に関しまして、早急に対応して頂きますよう要請致します。

 

 

1,地域生活支援事業で通勤・通学、帰省の移動支援を行って頂きたい

  (略)

2,病院へのヘルパー派遣を行って頂きたい

理由  命に関わる病院へのヘルパー派遣の件ですが、地域生活支援事業(市町村判断で障がい福祉なら何をやっても自由の制度)ができたため、厚生労働省障害保健福祉部の地域生活支援室(地域生活支援事業の所管)では「コミュニケーション支援ということであれば、入院中の重度全身性障がい者等に地域生活支援事業(国庫補助対象)の付き添い人をつけるのはOK」という見解になっています。
 東北、北海道、東京都の一人暮らしの全身性障がい者が自宅で毎日24時間の重度訪問介護を使っている場合は、入院しても24時間そのまま同じヘルパーを使うことが出来ます。(市町村が入院中も慣れたヘルパーの介護が必要と認めた重度障がい者限定)しかも、言語障害のない頸椎損傷や筋ジスなど、コミュニケーションが取れる障がい者も制度の対象です。現在多くの市町村で地域生活支援事業を使って病院にヘルパーを派遣されております。

コミュニケーション支援事業の対象者は、「聴覚、言語機能、音声機能、視覚その他の障害のため、意志疎通を図ることに支障がある障がい者等に手話通訳等の方法により、障がい者等とその他の者の意志疎通を仲介する手話通訳者等の派遣等を行い、意志疎通の円滑化を図ることを目的とする」とありますが、対象者を「言語障害がなくても、対象に認める」など重度障がい者にも当てはまるように柔軟な対応をして下さい。

重度障がい者が高熱や、肺炎の時など緊急入院の時は言葉など出ませんし、息をするのもままならないような状態です。そんな時、話すことが困難という理由や話すことに体力がいる障がい者は、「自分の適切な介護の方法を病院スタッフに伝えることが出来ない」と言う理由で対象に加えることは、市町村の判断で可能です。

介護方法が特殊な場合や複雑な場合、初めて介護を行う人がきちんと出来るようになるまで時間がかかる障がい者の場合、肺炎や痛みなどで緊急に入院した全身性障がい者は介護方法を伝えることが出来ません。最重度障がい者になると寝返り時に足の重なりでミリ単位の調整が必要など、介護方法が特殊です。きちんと介護が出来るようになるためには、数ヶ月から数年以上介護に入っている慣れたヘルパーが不可欠です。それを初めて介護を行う病院スタッフに介護方法を障がい者が一つ一つ指示を出すことは出来ません。介護方法が伝わらないと、どんどん体力が消耗して病状が悪化して死んでしまいます。そうならないためにも入院中の介護制度は、言語障害があるなしに関係なく必要不可欠です。安心して入院できる体制にして頂きたいのです。

また、一人暮らしの障がい者は、病院での汚れ物の洗濯や必要品の買い物を頼める人がいません。これも併せて使えるようにして下さい。

 

3,自立支援協議会に障がい者を参加させて頂きたい

  (略)

 


2009年5月26日

福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会の交渉報告より

日時 平成21年5月26日 14時00分〜

場所 大分市市役所議員会館1階 

参加者は市役所側が障害福祉課○○課長、○○係長含め5名、フォーラム側は16名、合同新聞記者1名、でした。

定刻時刻より少し早目に始まり○○係長の司会で進行しました。

要望した項目の回答は○○課長自ら答えられました。

ここからは自立支援センターおおいたの○○君の報告を踏まえながら要請書を出す前との違いも含め報告いたします。

 

1、地域生活支援事業で通勤・通学、帰省の移動支援(略)

2、病院へのヘルパー派遣を行っていただきたい。

 ・今の病院側の対応を実際に入院してひどい目にあった二人が体験談を話しました。

    ナースコールを押しても看護師が来ない。夜間50人も入院しているような病棟にたった二人の看護師で重度障がい者を見られるわけがない。病院にいるよりも自宅で介助者を付けていたほうが安心だと言っておられました。

    風邪で入院中呼吸器に痰が絡み苦しくてナースコールを押したが、看護師が返事をしたにもかかわらず来なくて、また呼ぼうにもナースコールは落としてしまいどうすることもできず苦しんでいました。そんな時、食事係のおばさんが入ってきて気づき看護師を呼んでくれたおかげで助かりました。

    いかに今の病院が重度障がい者には大変なところか、まして最重度になると要望書にも書いてある通り体位変換にもミリ単位の調整が必要です。

 ・フォーラム側が一同に大ブーイングをしたときの市側のあせった態度は印象に残りました。おかしいことはおかしいと訴えることはとても大事だと思います。

3、自立支援協議会に障がい者を参加(略)

 

2009年7月29日

 福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会で今度は県と交渉を行った。

 以下はその要望書。

                           2009年 7月29日

大分県知事 ○○○○ 殿

福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会

NPO法人自立支援センターおおいた

自立生活センターぐっどらいふ大分

障害者の生活と権利を守る大分県連絡協議会

在宅障害者支援ネットワーク

 

2009年度障がい者施策に関する緊急要請

 

日頃より障がい福祉の向上にご尽力を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、2009年4月、障がい者自立支援法施行後3年の見直しの時期を迎え、国庫負担の在り方やサービス単価の改訂等、さまざまな施策の変更が図られております。

支援法施行後、私共の団体は、地域で生活を送る障がいのある方々のサポート支援を全力で行ってきました。しかしながら、現在、実際のサポート支援を行う現場ではいくつかの問題を抱えております。このため、私たちは大分市と別府市に要請を提出し、話し合いを行っています。

私たちが、要請した事項は以下の3項目です。

 1,地域生活支援事業で通勤・通学、帰省の移動支援を行って頂きたい。

 2,病院へのヘルパー派遣を行って頂きたい。

 3,自立支援協議会に障がい者を参加させて頂きたい。

大分市と別府市の文書による回答は7月中旬にいただくことになっていますが、現時点では

@通勤・通学の移動支援は認めないが、帰省の移動支援については原則として認める。

A病院のヘルパー派遣については両市とも検討するが、大分市は「地域格差をつくらないようにしないと」、「病院が対応すべきこと。皆さんは病院に要請しましたか」、別府市は「圏域の調整をしなければ」「大分市の状況も含め検討」。

B自立支援協議会(略)

 という見解を示しています。

 私たちが問題だと思うのは、以下の3点です。

1,「地域格差(自治体格差)をつくらない」という言葉が、自治体施策の向上になるのではなく、むしろ自治体独自の判断を阻害し、施策を低く抑える理由に使われている。

2,病院へのヘルパー派遣について、実体験に基づいた私たちの要望の緊急性を十分に受けとめてもらえない。その理由として財源がないことが上げられる。

3,自立支援協議会(略)

このような問題点が出てきたことから、私たちは県に障がい者福祉の現状についてご理解をいただき、積極的な取り組みを行っていただきたいと考え、要請を行うことにしました。

 下記の点について、早急に取り組んでいただきますよう要請いたします。

 

 

1,障害者自立支援法の地域生活支援事業は市町村の判断でできることになっていますが、その趣旨が「障がい者及び障がい児の福祉の増進を図る」こと、及び「障がい者等の権利の擁護のために必要な援助を行う」ことにあり、「他市町村がしていないことはしない」という考え方がこの法律及び事業の趣旨に添わないことを、市町村に対して指導すること。

2,病院へのヘルパー派遣は、重度障がい者にとって切実かつ緊急の課題です。早急に実態を調査し、不安解消のために財政を含めた措置を講じること。

3,自立支援協議会(略)

 

福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会の交渉報告より

 

日時 平成21年7月29日(水)13時30分〜15時

場所 県庁内

 県からは、課長、他6名。要請側は、障害者の生活と権利を守る大分県連絡協議会7名、自立支援センターおおいた5名、あっとほぅむぷれいす2名、自立生活センターぐっどらいふ大分5名、計19人でした。

 県庁の対応はさすがに他の市と比べて今までで一番良かったのではないかと思います。

 基本的に市町村の独自性に任せているという姿勢でした。

 しかし、話し合いを続けているうちに気付いたのですが、制度が国から降りてきて書類上では理解していても「なぜ」そのような制度が下りてきたのかまで深く理解していないように思えました。次から次と制度が変わっていくのですから無理もないとは思いますが…

そこで、私たちも自分に必要な制度は深く理解して行政に指摘するぐらいでないと、行政側に押し切られてしまうと思います。

現場(当事者の生活)が困っている事を全く知らない、それもそうですよね。市町村に任せているのですから知る由もないですよね。課長から皆さんの生の声が聞けて良かった。というような発言がありましたが、現場・当事者の声を県にドンドン発信していかなくては理解してもらえないと思います。○○さんが言われていたように、県には市町村を管理監督する責任があるのではないでしょうか。

今回の話し合いで県が前向きな対応に少し変わったような気がします。

良い回答が返ってくることを祈ります。

 

2009年7月17日

 大分市からの回答日

福祉フォーラムIN別杵速見実行委員会
               委員長 殿
                        大分市長 ○○○○
2009年度障がい者施策に関する緊急要請(回答)
1.地域生活支援事業で通勤・通学、帰省の移動支援を行っていただきたい。
 (略)
2.病院へのヘルパー派遣を行っていただきたい。
(回答)
 コミュニケーション事業は、障がい者等とその他の者との意思疎通の円滑化を図ることの目的に手話通訳者等の派遣を行っております。
 ヘルパー派遣につきましては、居宅での提供が原則であり、コミュニケーション支援事業でのヘルパー派遣を行ってほしいとのことですが、病院内につきましては、医療サービスの提供の場であり、障がい福祉サービス等の提供を想定しておりません。しかし、意思疎通の困難な重度障がい者につきましては、医師・看護師等が医療行為を行う場合等に意思の疎通が困難な場面が想定されますことから、他市の状況等を調査研究してまいりたいと思います。

 開口一番、「予算を確保してからでないとこのようなことはできません。各関係課と話し合い決めていかなくてはいけないので緊急要請とはありますが、来年度に向けて調査研究してまいります。」「本来は病院側が配慮するべき問題で医療関係にも調査してまいります。」という話でした。
 課長から「現実問題、病院で手が足りなくて皆さんが困るというのはわかります」と言うだけで、すぐにどうにかしようという風には見えない。
 命にかかわる問題なのだと伝える。

2009年10月2日

 大分県から回答があり、話し合う。

回答内容

 コミュニケーション支援事業として、入院時に手話通訳者の派遣を受けることは可能となっていますので、市町村の取組を尊重していきたいと考えています。

[協議の内容]

(当事者)

病院でのコミュニケーションの問題は切実。

兵庫県や愛媛県等がコミュニケーションの部分を拡大的な解釈で捉えており大分県でも認めて頂きたい。また、緊急時の対応や、病院から要請が実例としてあった場合はどうするのか?

(県)

病院からの付き添いの要請については、障がいの有無に関係なく実例があることは理解できるので、国や厚生労働省へ情報を上げます。

大分市、別府市で施策としてたてて、先行していけば県としては他の地域へ広めていけるのではと考える。


2009年秋

 たびたび市の窓口に出向いたり、電話して係長と話したりして、継続的に入院介護制度の導入に向けて取り組みを続けた。

 

2010年2月

他団体と合同で市と話し合いを行う。市より入院制度について「議会にかけているので、通れば実施を考えています」との話が出る。          

(大分市には1人暮らしの重度全身性障害者が少ないので、初年度は少ない予算で実施が可能になったのではないだろうか。)

 

2010年2〜3月

 市と細かい詰めを行う。

 要綱には書かれてないが、頸損、キンジスなど言語障害のない障害者も対象になる。

 障害福祉課の課長・係長に対し、要綱に「医師の診断書があれば対象に認める」と書き込んでもらえないか話し合いをしたが「柔軟に対応しますから安心してください」の一点張りだった。「課長、係長が部署が変わったらどうしますか」の問いに「しっかりと申し送りをしますから大丈夫です」「それでも認めてくれないような課長が来たらどうします」かの問いに「私のところに来てください説明に行きますから」と言われた。

 また、「入院時には第三者でもいいので電話をかけていただければ柔軟に対応する」とのこと。

 

2010年4月1日

 制度開始。

 

(編注:入院介護制度の交渉には、兵庫県西宮市・松山市・大分市の制度を参考にしてください。介護制度情報HPに詳細資料を掲載しています。)


大分市重度障がい者入院時コミュニケーション支援事業

平成22年4月1日より実施された。

 

事業名

大分市重度障害者入院時コミュニケーション支援事業

事業目的

重度障害者で発語困難等により、医療機関において入院時に医療従事者との意思疎通が十分に図れない場合、障害福祉サービスで利用中のヘルパー(居宅介護従事者)をコミュニケーション支援員として派遣し、円滑な診療行為などが行えるように支援する。

対象者

居宅介護または重度訪問介護のサービスを利用しており次の要件をすべて満たす意思疎通が困難な者

@     障害程度区分5、6の者のうち「重度訪問介護」対象者

A     発語困難等のため意思表示が困難

単身世帯等の理由で介護者がいない方またはこれに準じる者

サービス内容

コミュニケーション支援事業者より派遣されるコミュニケーション支援者により行うものとする。

・コミュニケーション支援員は現に利用している指定サービス利用者の従事者であって、支援対象者と意思疎通に熟達した者とする。

・入院時における医療従事者との意思疎通の円滑化を図る支援とし診療報酬の対象となるサービスは対象としない。

・1回の入院にあたり150時間の利用を上限とし、1年度で2回までの利用ができるものとする。

申請の流れ

 

 

 

 

 

 

登録申請

 

申請

 
<利用者>                    <事業者>

 コミュニケーション支援員派遣承諾書添付

 

登録

 

支給決定

 
     要否の決定

        ・決定通知書                 3年更新

               

支援・報告

 

利用

 
              利用契約

 

報酬単価

コミュニケーション支援事業にかかる費用の額は、

報酬単価:1時間あたり1,500円

1回の入院にあたり150時間を上限とする。

(利用者負担)

・報酬単価の1割負担

・利用者の上限負担月額は、障害福祉サービス費の上限額に準じて決定を行う。

・利用者負担額の上限負担額管理については、本事業単独での管理とする。

事業実施

平成22年4月1日

注:要綱には書かれていないが、頸損・キンジスなど言語障害のない障害者も対象


■病院の診療報酬の通知

 




 

政府の推進会議が中間報告(第1次意見)

子部会も来年度予算編成に向け文書まとめる

 

 内閣府に事務局をおいて行われている推進会議ですが、月2回のペースで開催され、差別禁止法・自立支援法・教育・児童・医療・労働など各政策のテーマ別の大まかな意見を出す会議が一巡し、中間報告(第1次意見)が数回の会議でまとめられました。当初予定ではこの内容に沿って閣議決定することで全省庁を拘束する予定です。

 当会に関係する部分では、24時間介護についての記述が以下のように入っています(下線部)。

 

障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)

平成22年6月7日

障がい者制度改革推進会議

(中略)

4.「地域生活」を可能とするための支援

すべての障害者が家族への依存から脱却し、自ら選択した地域において自立した生活を営む権利を有することを確認するとともに、その実現のために24時間介助等を含む支援制度の構築を目指す。制度の構築に当たっては、地域間格差が生じないよう十分に留意する。

 

(中略)

3)「障害者総合福祉法」(仮称)の制定

 現行の障害者自立支援法を廃止して、新たな「障害者総合福祉法」(仮称)を制定する。

 この制定に当たっては、制度の谷間を生まない障害の定義のもとに、すべての障害者が地域において自立した生活を営むことができる制度構築を目指すべきである。具体的には、医学モデルに偏った障害程度区分を見直すとともに応益負担を廃止し、一人一人のニーズに基づいた地域生活支援体系を整備し、最重度であっても、どの地域であっても安心して暮らせる、24時間介助制度を始めとするサービスを提供するものとする。そのためにも、入所者・入院者の地域移行を可能とする仕組みを整備するものとする。

これによって、障害者総合福祉法を作る際に、24時間介護は標準装備となります。

 また、推進会議の子部会にあたる総合福祉部会でも、来年度概算要求へ要望を反映するために、以下の4点がまとめられました。(下線部が注目点)

障がい者総合福祉法(仮称)の制定以前に早急に対応を要する課題の整理(当面の課題)

(中略)

来年度概算要求に反映してほしい事項について、作業チームで検討し、「重点課題」として、以下の4点にまとめた。

 

@利用者負担の見直し

・基本合意文書でも合意された応益負担廃止の積み残し課題として、自立支援医療において障害福祉サービスと同様に低所得者(市町村税非課税者)の自己負担の無料化を図ること。

・所得区分の認定においては利用者本人を基本とし配偶者を含めないこと。

・障害福祉サービス、補装具、自立支援医療、地域生活支援事業、介護保険の利用者負担を合算し過大な負担とならないようにすること。

 

A法の対象となる障害の範囲の見直し

制度の谷間にこれまで置かれていた人たちが、必要な支援を受けられるような対応が必要である。手帳を所持しない発達障害、高次脳機能障害、軽度障害などとともに、難病、慢性疾患を有する人たちが必要な支援を受けられるように、申請に際しての必要な手続きを定める。

 

B地域での自立した暮らしのための支援の充実

どんなに障害が重い人であっても、自分で選んだ地域で暮らすために必要な支援の質と量の充実にむけて必要な対応をすること。

具体的には

障害程度区分(国庫負担基準)を支給決定量の上限としてはならないことについて、自治体への周知・技術的助言をさらに徹底する。国庫負担基準を超える分の国から市町村への財政支援の強化

・地域生活支援事業の地域格差の解消のための予算確保

視覚障害以外も含む移動支援の個別給付化や重度訪問介護の知的・精神障害者、障害児への対象拡大

・児童一般施策における障害児支援の強化、重症心身障害などそれぞれの生活ニーズに着目した支援サービスの強化

 

C新法作成準備のための調査、情報収集、試行事業実施についての予算措置

新たな法律策定にむけて、今後部会などで検討する論点にそって、次年度以降実施されなければならない調査、情報収集、試行的な事業実施評価のための適切な予算措置を講じること。

具体的には

・地域移行にむけての施設入所者、入院患者への実態調査、試行事業、評価活動などの開始

・新たな支給決定の仕組みのための試行事業や研究などの開始

・障害者の「社会的事業所」や賃金補てん制度の試行的事業や研究などの開始

 


推進会議を受けた法改正など今後のスケジュールについて

 推進会議の中間報告(第1次意見)には、以下の抜粋のように今後の審議や法改正スケジュールについても記載があります。障害者基本法は来年(2011年)1月からの通常国会で改正、障害者総合福祉法は再来年(2012年)1月からの通常国会で成立し、その翌年(2013年)施行を計画しています。この年の夏に次回の衆議院選挙があり、政権がまた変わるかもしれないので、それまでに新制度施行を狙っての日程です。

 

第3 障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方

 

第2の基本的考え方を踏まえ、障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方については次のとおりとする。

 

.全体的な当面の進め方

 

1)平成22年内の進め方

・ 推進会議は、第一次意見を基に、障害者基本法の抜本改正を始め、改革が必要な分野について個別に部会や作業チーム等を設け、分野別課題の検討に着手する。

  また、推進会議は、改革の推進体制、モニタリング機関の在り方、これまで議論していない事項を含め各分野において更に検討すべき課題等の事項について引き続き議論を行い、平成22年秋から年末を目途に、制度改革の重要方針に関する第二次意見を取りまとめる。

 

・ 政府は、第一次意見を踏まえ、速やかに制度改革の方向性を決定するとともに、第二次意見を踏まえ、制度改革の重要方針を決定すべきである。

 

 2)平成23年以降の進め方

・ 政府は、制度改革の重要方針に基づき、障害者基本法の抜本改正や制度改革の推進体制等に関する法律案を平成23年の常会に提出すべきである。

(編注:常会とは1月からの通常国会のこと。)

 

・ 推進会議は、改革集中期間内において、改革が必要な分野の制度・施策の在り方や次期障害者基本計画の在り方・方向性等を具体化するため、部会・作業チーム等での議論を踏まえ、必要に応じ政府に対する意見提出を行っていくこととする。

 

・ 上記の法律案が成立し、施行された後は、3の1)−2において後述する、推進会議の機能を継承する審議会組織において、検討すべき課題について引き続き議論を行い、必要に応じ政府に対する意見提出等を行っていくべきである。

 

(略)

 3)「障害者総合福祉法」(仮称)の制定

(略)

(今後の進め方)

 本年4月から推進会議の下に「総合福祉部会」を設けたところである。当面対応が必要な課題について、同部会において整理された意見を踏まえ、政府は必要な対応策を講ずるべきである。同部会では、推進会議における大枠の議論の枠内で、障害者に係る総合的な福祉法制である「障害者総合福祉法」(仮称)の制定に向けた検討に着手しているところであり、平成23年夏から秋までを目途に結論を得る。これを受けて、政府は、24年の常会への法案提出、25年8月までの施行を目指すべきである。

(編注:常会とは1月からの通常国会のこと。)

 

推進会議の中間報告(第1次意見)と総合福祉部会の取りまとめ文書は全文をHPに掲載します。


 



 

生活保護基準・22年度版 (1人暮らしの場合の月額)

(この額より収入が少なかったら生保開始になる基準)

 

                1級地の1(都会)

                 の保護基準

                 計26万4690円

  2級地の1

  の保護基準

 計23万8480円

   3級地の2

   の保護基準

  計20万3310円

 1類(食費)20〜40歳の額

 2類(光熱・衣服・雑費)

 障害者加算(手帳1・2級)

 重度障害者加算

 他人介護料一般基準(全国同額)

 住宅扶助(1.3倍額)

 (↑各県で違う)

40270円

43430円

26850円

14380円

69810円

69800円

(↑東京都の額)

 

 

 

 

 

 

 

 

36650円

39520円

24970円

14380円

69810円

53000円

(↑高松市の額)

 

 

 

 

 

 

31210円

33660円

23100円

14380円

69810円

31000円

(↑北海道の額)

 介護の必要ない人は69810+14380(重度障害者加算と他人介護料一般基準)を引いた額が生保基準になります。

 ★実際には他人介護料特別基準の所長承認や大臣承認で生保額は増えます。

 ★この表に載っている部分は申請して原則14日以内に受けられます。特別基準の部分はそれ以上かかります。(電話で毎日進行を聞かないと特別基準の書類は棚ざらしにされることがあるので注意)

 

 ◆厚労省保護課係長談:「生保を受けられるかどうかの『生保基準』の算定に、『介護の必要な車椅子障害者の場合は、住宅扶助(1.3倍額)と他人介護料一般基準を入れるよう』各地の福祉事務所のワーカーに指導しているのですが、守られていない場合は指導しますので連絡ください。」

 

★↑生保基準について、福祉事務所のワーカーが無知な場合、@この表を見せて指摘してください。Aそれでもだめなら、当会制度係に連絡いただけば、厚労省保護課から指導してもらいます。

 


生活保護を受けると、介護料・敷金礼金・家賃・住宅改造費・福祉機器費を受けられる

 

 障害者が使える家賃助成制度・20万円以上の住宅改造費・介護料制度で、全国どこでも同一制度で利用できるものは生活保護の中にある制度だけです。

 生活保護でなくても使える、他の介護等の制度を作っていく行政交渉は引き続き続けていかねばなりませんが、行政交渉をする前提として、いま現在一人暮らしの重度障害者が1人以上いないと「当事者としての効果のある交渉」はできないので、とりあえず自分で制度を作るまでは生活保護をとって生活するしかありません。

 

22年度の生保の基準額は、以下のようになります。

他人介護料

一般基準6万円台から大臣承認は13万円台〜18万円台

家賃

住宅扶助特別基準1.3倍額=東京都の1・2級地例

 月6万9800円

住宅改造

生活福祉資金と生保を併用して 全国一律240万円

高額福祉機器

生活福祉資金と生保を併用して 全国一律73万円

*詳しくは資料集4巻「生活保護と住宅改造・福祉機器の制度」をご覧下さい。

 

★生活保護は、資産がなくて、収入が「年金と特別障害者手当」だけの一人暮らし障害者(介護の必要な人)なら、誰でも受けられます。

★いわゆる憲法で定められた「最低限度の生活」以下の生活状態の人は生活保護でその差額を公費で埋められると保護法で規定されています。「最低限度の生活」は、お金に直すと「生保基準」(最も田舎の“3級地の2”の所で20万円以上、東京の“1級地の1”の所で26万円以上)というものになり、月々の収入がこの金額以下なら生保が開始されます。

★現在「年金と特別障害者手当(11万円弱)」だけで暮らしている一人暮らし障害者は、全員『憲法違反の低レベルの生活』をしていることになります。

生活保護の受け方

 

単身の全身性障害者は生活保護を受けやすく、全国どこでも、収入が月20万円〜26万円以下なら受けられます。(貯金などの資産があれば、生活保護で受けられる額を毎月介護料・家賃などに使い、使い切り次第申請できます。)
 収入とは、@障害年金、A特別障害者手当(この2つ合計で11万円弱)、 B仕送りなど、C給与(ただし一定の控除あり)、D保険の受取額、などの合計になります。これらの合計が、(1人暮らしの場合)3級地の2なら月20万円以下、1級地の1なら26万円以下なら生活保護を受けられます。

 資産がある場合、すぐには生活保護を受けられません。例えば、貯金がある場合、アパートを借りる敷金礼金に使う、住宅改造をする、リフトカーを買う、福祉機器、介護費用、研修旅行、東京などで行われている自立生活プログラムやピアカウンセリングの集中講座などに参加(いずれも、介護者2人の交通費と介護料も支払えば、かなりの額になります)、などに使い切ってください。それでも余る場合、毎月、「大臣承認介護料+家賃」の額(約20万円)を毎月貯金から下ろして、介護料や家賃に使っていってください。(この額は、生活保護が開始されたら生活保護制度として受けられますので、貯金が尽きても、同じ生活を生活保護を受けながら継続できます)。
 家や土地の資産がある場合、基本的には売却してお金を使い切るまでは、生活保護は受けられません。ただし、現在、住居として使っている家屋は、その地域の生保の家賃基準で借りられる広さ程度の場合、保有が認められます。もっと広い場合は、空いている部屋を間貸しに出すなどして、収入に加える努力をすることで、保有が認められます。これらの場合、自分の家があるので、生活保護の住宅扶助は受けられません。

 


生活保護22年度基準表(月額)

 

 3ページ前の生活保護基準額の表を見ながらこのページの基準額詳細をご覧ください。生活保護基準額以下の収入の障害者は、資産がなければ、生活保護を受けられます。(たとえば、基礎年金と特別障害者手当のみの方は収入が月11万円以下ですが、生保基準は月20万円から26万円です)。

(ここ数年、物価等が変わっていないため生活保護費はほとんど変わっていません。今年度は他人介護加算以外は特に大きな変更はありません)

 

第1類 基準額  

級地別

 

年齢区分

1級地

−1

1級地

−2

2級地

−1

2級地

−2

3級地

−1

3級地

−2

0歳  〜 2歳

20,900

19,960

19,020

18,080

17,140

16,200

3歳  〜 5歳

26,350

25,160

23,980

22,790

21,610

20,420

 6歳  〜 11歳

34,070

32,540

31,000

29,470

27,940

26,400

12歳  〜 19歳

42,080

40,190

38,290

36,400

34,510

32,610

20歳  〜 40歳

40,270

38,460

36,650

34,830

33,020

31,210

41歳  〜 59歳

38,180

36,460

34,740

33,030

31,310

29,590

60歳  〜 69歳

36,100

34,480

32.850

31,230

29,600

27,980

70歳以上

32,340

31,120

29,430

28,300

26,520

25,510

 

 1類は主に食費の出費を想定した基準額。1人1人ごとに上記の額を足す。例えば、(1級地−1)に住む25歳と30歳の夫婦と3歳児の世帯の場合、40,270+40,270+26,350円の合計がその世帯の1類の額となる。17年度より、4人以上の多人数の家族の場合は単純に人数分を足すのではなく、2%〜4%減額となる改正がされた。

 

 

第2類 基準額  

基準額

(冬季加算は省略)

世  帯  人  員  別

1人

2人

3人

4人

5人以上1人を増すごとに加算する額

1級地−1

43,430

48,070

53,290

55,160

440

1級地−2

41,480

45,910

50,890

52,680

440

2級地−1

39,520

43,740

48,490

50,200

400

2級地−2

37,570

41,580

46,100

47,710

400

3級地−1

35,610

39,420

43,700

45,230

360

3級地−2

33,660

37,250

41,300

42,750

360

 2類は世帯ごとの光熱費・備品経費を想定した基準額。世帯ごとに、人数に応じて基準額が決まる。夫婦と子供1人の3人世帯の場合、(1級地−1で)53,290円が基準額となる。上記の表のほか冬場では北国は冬季加算がある

 

 

 


障害者加算(1・2級)

 

いわゆる重度障害者加算

級地別

在宅

入院入所

 

特別障害者手当対象者(常時の介護を必要とするもの)

1級地

26,850

22,340

全級地共通 14,380円

2級地

24,970

3級地

23,100

 

 

 

家賃扶助

全都道府県・指定都市・中核市ごとに、1〜2級地と3級地の基準額がある。全国一覧表は、次々ページに掲載しています。

 


以上は生活費で、以下は生活費に使えない(介護者に支払う)もの

 

他人介護加算(22年度基準)  

他 人 介 護 加 算

(いわゆる一般基準):全級地共通

 69,810円

福祉事務所長承認):全級地共通

10,730円

(大臣承認):級地とは別の基準 

各都道府県の賃金水準で全国を四段階に分けている

 

月18万5200円(東京ほか)

月16万9700円(大阪ほか)

月15万7500円(兵庫ほか)

月13万8900円(その他地域)

※家族介護の場合は他人介護ではなく家族介護料12,060円となる

 

なお、大臣承認の継続申請書セットは月刊誌への掲載をいたしません。
相談会員には、指定介護事業所や税務報告をしている法人などと介護契約をしているか確認のうえ継続申請セットをお送りしますので、制度係にお問い合わせください。

 

 

 生活保護には、以上のほか、様々な加算や、控除、特例などがあります。1〜3級地の区別は全国1800市町村ごとに物価等を元に決められています。(大都市部が「1級地−1」)自分の市町村の級地を知るには、自分の市町村役場の保護課に電話して聞くか、以下の冊子巻末に掲載されていますので参照してください。

 

@生活保護手帳:全社協発行:2500円程度:毎年、新年度版が夏頃に発行される。書店で注文可能。(役所の生活保護の担当者(ケースワーカー)は、これを見ながら仕事をしています)

A平成22年度生活保護基準・生活保護実施要領等 (当会ホームページに丸ごと掲載。前ページで紹介)(上記「生活保護手帳」の前半部分(医療扶助以外)とほぼ同じ内容です)


平成22年度生活保護の住宅扶助特別基準額 

 

(部屋の中で車椅子を使う場合は1人暮らしでも基準額ではなく、1.3倍額を使えます)

 

 

1、2級地

3級地

基準額

1.3倍額

7人世帯基準

基準額

1.3倍額

7人世帯基準

 

 

 

 

 

 

1

北海道

29,000

37,000

45,000

24,000

31,000

38,000

2

青森県

-

-

-

23,100

31,000

37,000

3

岩手県

-

-

-

25,000

33,000

39,000

4

宮城県

35,000

45,100

55,000

28,000

37,000

45,000

5

秋田県

-

-

-

28,000

37,000

45,000

6

山形県

31,000

40,000

48,000

28,000

37,000

45,000

7

福島県

31,000

41,000

49,000

29,000

38,000

45,000

8

茨城県

35,400

46,000

55,000

35,400

46,000

55,200

9

栃木県

32,000

41,800

50,000

32,200

41,800

50,200

10

群馬県

34,200

44,500

53,400

30,700

39,900

47,900

11

埼玉県

47,700

62,000

74,400

41,500

53,900

64,700

12

千葉県

46,000

59,800

71,800

37,200

48,400

58,100

13

東京都

53,700

69,800

83,800

40,900

53,200

63,800

14

神奈川県

46,000

59,800

71,800

43,000

56,000

67,000

15

新潟県

31,800

41,000

49,700

28,000

36,400

43,700

16

富山県

30,000

39,000

47,000

21,300

27,700

33,200

17

石川県

33,100

43,000

52,000

31,000

40,100

48,100

18

福井県

32,000

41,000

49,000

24,600

32,000

38,400

19

山梨県

28,400

36,900

44,300

28,400

36,900

44,300

20

長野県

37,600

48,900

58,700

31,800

41,300

49,600

21

岐阜県

32,200

41,800

50,200

29,000

37,700

45,200

22

静岡県

37,000

48,000

58,000

37,200

48,300

58,000

23

愛知県

37,000

48,100

58,000

36,000

46,600

56,000

24

三重県

35,200

45,800

55,000

33,400

43,400

52,100

25

滋賀県

41,000

53,000

63,000

39,000

50,700

60,800

26

京都府

41,000

53,000

64,000

38,200

49,700

59,600

27

大阪府

42,000

55,000

66,000

30,800

40,000

48,000

28

兵庫県

42,500

55,300

66,400

32,300

42,000

50,400

29

奈良県

40,000

52,000

63,000

35,700

46,000

55,000

30

和歌山県

-

-

-

29,800

38,800

46,600

31

鳥取県

36,000

46,000

56,000

34,000

44,000

53,000

32

島根県

35,000

46,000

55,000

28,200

37,000

44,000

33

岡山県

34,800

45,000

54,000

30,000

40,000

48,000

 


 

 

 

1、2級地

3級地

基準額

1.3倍額

7人世帯基準

基準額

1.3倍額

7人世帯基準

34

広島県

35,000

46,000

55,000

33,000

43,000

52,000

35

山口県

31,000

40,000

48,000

28,200

37,000

45,000

36

徳島県

29,000

38,000

45,000

28,000

36,000

43,000

37

香川県

-

-

-

33,000

43,000

52,000

38

愛媛県

-

-

-

27,000

35,000

42,000

39

高知県

-

-

-

26,000

34,000

41,000

40

福岡県

32,000

41,100

49,300

26,500

34,400

41,300

41

佐賀県

30,300

39,400

47,300

28,200

37,000

44,000

42

長崎県

29,000

37,600

45,000

28,000

36,400

44,000

43

熊本県

30,200

39,200

47,000

26,200

34,100

41,000

44

大分県

27,500

35,700

42,800

26,600

34,600

42,000

45

宮崎県

-

-

-

23,000

29,700

36,000

46

鹿児島県

-

-

-

24,200

31,500

38,000

47

沖縄県

32,000

41,800

50,000

30,800

40,000

48,000

48

札幌市

36,000

46,000

56,000

-

-

-

49

仙台市

37,000

48,000

58,000

-

-

-

50

さいたま市

47,700

62,000

74,400

-

-

-

51

千葉市

45,000

59,000

71,000

-

-

-

52

横浜市

53,700

69,800

83,800

-

-

-

53

川崎市

53,700

69,800

83,800

-

-

-

54

新潟市

35,500

46,200

55,400

-

-

-

55

静岡市

39,900

51,900

62,000

-

-

-

56

浜松市

37,700

49,000

59,000

-

-

-

57

名古屋市

35,800

46,600

56,000

-

-

-

58

京都市

42,500

55,000

66,000

-

-

-

59

大阪市

42,000

54,000

64,000

-

-

-

60

境市

40,000

52,000

62,000

-

-

-

61

神戸市

42,500

55,300

66,400

-

-

-

62

岡山市

37,000

48,000

58,000

-

-

-

63

広島市

42,000

55,000

66,000

-

-

-

64

北九州市

31,500

40,900

49,000

-

-

-

65

福岡市

37,000

48,000

58,000

-

-

-

66

旭川市

28,000

36,000

44,000

-

-

-

67

函館市

29,000

37,000

45,000

-

-

-

68

青森市

31,000

40,300

48,000

-

-

-

69

盛岡市

31,000

40,000

48,000

-

-

-

70

秋田市

31,000

40,000

48,000

-

-

-

71

郡山市

-

-

-

30,000

39,000

47,000

72

いわき市

-

-

-

30,000

40,000

48,000

73

宇都宮市

38,100

49,500

59,400

-

-

-


 

 

 

1、2級地

3級地

基準額

1.3倍額

7人世帯基準

基準額

1.3倍額

7人世帯基準

74

前橋市

34,200

44,500

53,400

-

-

-

75

川越市

47,000

61,000

73,000

-

-

-

76

船橋市

46,000

59,800

71,000

-

-

-

77

柏市

46,000

59,800

71,800

-

-

-

78

横須賀市

46,000

59,800

71,800

-

-

-

79

相模原市

46,000

59,800

71,800

-

-

-

80

富山市

30,800

40,000

48,000

-

-

-

81

金沢市

34,000

44,000

53,000

-

-

-

82

長野市

37,600

48,900

58,700

-

-

-

83

岐阜市

32,000

41,600

50,000

-

-

-

84

豊橋市

38,000

49,000

59,000

-

-

-

85

豊田市

37,400

48,600

58,300

-

-

-

86

岡崎市

37,000

48,000

57,000

-

-

-

87

大津市

41,000

53,000

63,000

-

-

-

88

高槻市

42,000

54,000

65,000

-

-

-

89

東大阪市

42,000

55,000

66,000

-

-

-

90

姫路市

40,000

51,000

62,000

-

-

-

91

西宮市

42,500

55,300

66,400

-

-

-

92

尼崎市

42,500

55,300

66,400

-

-

-

93

奈良市

42,500

55,300

66,400

-

-

-

94

和歌山市

35,000

45,000

54,000

-

-

-

95

倉敷市

35,000

46,000

55,000

-

-

-

96

福山市

35,100

46,000

55,000

-

-

-

97

下関市

31,000

40,000

48,000

-

-

-

98

高松市

41,000

53,000

64,000

-

-

-

99

松山市

32,000

42,000

50,000

-

-

-

100

高知市

32,000

42,000

50,000

-

-

-

101

久留米市

32,000

41,100

49,300

-

-

-

102

長崎市

30,000

39,000

47,000

-

-

-

103

熊本市

31,100

40,400

49,000

-

-

-

104

大分市

31,000

40,000

48,000

-

-

-

105

宮崎市

29,500

38,300

46,000

-

-

-

106

鹿児島市

31,600

41,100

49,300

-

-

-

3




全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009

2009年5月より重度訪問介護の給与に12%加算手当開始(条件あり)
(区分6むけ時給1250円の方は、加算がつくと、+150円で時給1400円に。)

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は求人して人が集まる金額にアップする個別相談システムもあります。

利用の方法
 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から障害や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行いヘルパー制度の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京都と周辺県は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、重度訪問介護で区分により時給1100(区分5以下)・1250円(区分6)・1450円(最重度)が基本ですが、長時間利用の場合、求人広告して(広告費用助成あり)人が確保できる水準になるよう時給アップの相談に乗ります。(なお、2009年5月より重度訪問介護のヘルパーには12%の手当てを加算します。(手当ては、厚生年金に入れない短時間の方のみ。また、契約時間120時間未満の利用者の介護者は加算がつきません)。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、重度訪問介護研修修了者などのいずれかの方である必要があります。(3級は障害の制度のみ。介護保険には入れません)。重度訪問介護は、障害者が新規に無資格者を求人広告等して確保し、2日で20時間研修受講してもらえば介護に入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

2009年10月よりさらに大幅時給アップ(東京ブロックほか)

 

 補正予算による基金事業を財源に、2009年10月より臨時手当がつきます。各地で額は違いますが、広域協会東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部)では、以下のように臨時手当により時給がアップします。

<09年10月以降の時給体系>(東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部))

重度訪問介護(最重度) 1830円(基本給1450円+保険手当170円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分6) 1610円(基本給1250円+保険手当150円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分5以下) 1440円(基本給1100円+保険手当130円(※2)+臨時手当210円)
身体介護型(※1) 1.5hまで時給2110円(基本給1900円+臨時手当210円)
1.5h以降時給1510円(基本給1300円+臨時手当210円)
家事援助型(※1) 時給1210円(基本給1000円+臨時手当210円)
介護保険身体介護型(※1) 1.5hまで時給2090円(基本給1900円+臨時手当190円)
1.5h以降1490円(1300円+臨時手当190円)
介護保険生活援助型(※1) 時給1190円(基本給1000円+臨時手当190円)

(※1)身体介護型に3級ヘルパーやみなし資格者が入る場合、時給が70%(東京地区以外の場合1.5時間まで1050円、1.5時間以降840円)、家事援助・生活援助は90%(900円)になります。

(※2)保険手当は、当会で重度訪問介護を120h以上利用している利用者のヘルパーのうち、社会保険非加入者に対して支給されます。常勤の4分の3以上稼動して社会保険に加入した場合、手当の支給はありません

 

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます
求人広告費助成・フリーダイヤルでの求人電話受付代行なども実施

 全国広域協会の利用者の登録介助者向けに重度訪問介護研修を開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。(東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でOK。残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。障害の身体介護に入れる3級ヘルパー通信研修も開催しています。通信部分(2週間)は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能。3級受講で身体介護に入ることができます。3級や重度訪問介護の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、研修参加費・東京までの交通費・宿泊費・求人広告費を全額助成します。(3級は身体介護時給3割減のため、働きながら2級をとればその費用も助成対象です)。求人広告費助成・フリーダイヤル求人電話受付代行、必ず人が雇える効果的な広告方法のアドバイスなども実施。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の自薦の利用についてのQ&A 求人広告費用を助成・ヘルパー研修の費用や交通費・宿泊費を助成

 自薦ヘルパーの確保は、みなさん、どうしているのでしょうか?
  知人などに声をかけるのでしょうか?

 多くの障害者は、求人広告を使っています。多いのはコンビニなどで無料で駅やコンビニなどで配布しているタウンワークなどです。掲載料は1週間掲載で1番小さい枠で2〜3万円ほどです。
  重度訪問介護は、かならず8時間程度以上の連続勤務にし、日給1万円以上で広告掲載します。無資格・未経験者を対象に広告を出します。
  全国広域協会では、求人広告費用も助成しています。(広告内容のアドバイスを広域協会に受け、OKが出てから広告掲載した場合で、雇った介護者が一定時間介護に入ったあとに全額助成)長時間連続の勤務体系を組めば、かならず介護者を雇用できるようにアドバイスいたします。
  また、求人広告は利用者各自の責任で出すものですが、問い合わせ電話はフリーダイヤル番号を貸付します。電話の受付も全国広域協会で代行します。   

  つぎに、数人〜数十人を面接し、採用者を決めます。採用後、自分の考え方や生活のこと、介護方法などをしっかり伝え、教育します。
  その次に、たとえば重度訪問介護利用者は、雇った介護者に重度訪問介護研修(20時間)を受講させる必要があるので、東京本部や東海・関西・西日本の関係団体などで、重度訪問介護研修(東京で受講の場合は2日間で受講完了)を受講させます。
  全国広域協会では、研修受講料・交通費・宿泊費も助成しています(自薦ヘルパーが一定期間介護に入ったあとに、全額助成します。)
 (障害のヘルパー制度で身体介護利用者は、3級研修を受講することが必要で、2週間の自宅学習のあと2泊3日で東京や西日本に受講に行く必要があります。3級は時給が3割ダウンです。働きながら2級研修を地元などで受講します。3級や2級の受講料は一定期間働いたあとに全額助成します)
 (介護保険で身体介護利用者のヘルパーは、2級を受講する必要がありますので、無資格者をいきなり雇用するのは困難です。2級限定の求人を出すしかありませんが、2級を持っている労働人口が無資格者に比べてとても少ないので、かなり給与が高くないと、求人しても人が集まりにくいです。最重度の場合は介護保険を受けていても、上乗せして障害の重度訪問介護などを利用できますので、まずは障害の制度部分のみで自薦ヘルパーを雇用して、働きながら2級をとり、介護保険も自薦にするという方法があります。この場合でも2級受講料を一定時間後に助成します)

ヘルパーの保険や保障も充実

 全国広域協会を使う障害者の自薦ヘルパーの怪我や物品損傷などの保険・保障は?

 民間の損害保険に入っているので、障害者の持ち物や福祉機器を壊したり、外出介護先で無くしたりしても、損害保険で全額保障されます。
 また、ヘルパーの怪我は労災保険で、治療代や収入保障が得られます。病気で連続4日以上休むと社会保険から(常勤の4分の3以上の人に限る)保障されます。通院・入院などは民間の損害保険からも給付が出る場合があります。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 

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