★障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を

★ヘルパー制度と国庫負担基準特集

事務所移転のお知らせ
 当会の事務所は8月30日に武蔵野市から小平市に移転します。
 これに伴い電話番号が変更になります。フリーダイヤルには変更はありません。
 新所在地・電話番号は以下のとおりです。

8月号
2007.8.30
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒187−0003 東京都小平市花小金井南町1-11-20花壱番館1階D
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
  TEL・FAX 0120−870−222 (フリーダイヤル)
  TEL・FAX 042−467−1460 (新番号)
制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))        
  TEL 0037−80−4445 (全国からかけられます)
  TEL 042−467−1470 (新番号)
電子メール:
郵便
振込
口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2007年8月号    目次

   

3・・・・国のヘルパー制度の上限撤廃指導について
6・・・・国庫負担基準の市町村での計算方法
8・・・・国庫負担基準は個々人の持ち物や権利ではない
9・・・・国庫負担基準で自治体の欠損が出ないために
10・・・各地の障害者は、市町村が勘違いしていないか、確認を
11・・・障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を
14・・・関西の政令指定都市の重度訪問介護に対する勘違い その後
16・・・CIL(自立生活センター)を作りたい方へ
18・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



事務所移転のお知らせ

当会の事務所は8月30日に武蔵野市から小平市に移転します。
これに伴い電話番号が変更になります。
フリーダイヤルには変更はありません。
新所在地:187-0003東京都小平市花小金井南町1-11-20花壱番館1階D
新電話番号:発送係042−467−1460 制度係042−467−1470



国のヘルパー制度の上限撤廃指導について

(一部再掲載)

 厚生省は90年からヘルパー制度の上限を撤廃し、94年度から2002年度までは主管課長会議で、毎年厳しい口調で都道府県に対して、「障害ヘルパー制度にいまだに上限を設けている市町村があるが、直ちに撤廃させること」などと指示を出しています。現在も、もちろん変わらず、ヘルパー制度には上限がないことを毎年何らかの方法で自治体に対して周知しています。
 2003年度からは支援費制度に変わり、ヘルパー制度に国庫補助基準が導入されました(自立支援法では国庫負担基準)が、これは、個々人の上限を規定したものではなく、市町村全体で国庫補助の上限を決めるものです。厚生労働省も自治体に対して、何度も個々人のサービスに上限はないし、国庫補助もつくと説明しています。(国庫補助基準を個人の上限額と勘違いして、それ以上のサービスを行うと市町村の全額負担になると勘違いする市町村が支援費制度スタートの2003年度当時はたくさんあった)。
 ヘルパー利用時間の多い障害者のみにサービス提供していると、市町村全体で国庫補助基準を事業費がオーバーしますが、短時間ニーズの障害者にも満遍なくサービスを出していれば、市町村全体で国庫補助基準を事業費がオーバーすることはありません(24時間365日のサービス利用者がいても、市町村のヘルパー事業費の全額が国庫補助対象になる)。
 事実、最高24時間365日のサービスを行っている全国各地の市町村では、東京都以外では1箇所も国庫補助基準を事業費がオーバーする事態にはなっていません。(東京都内では4市区がオーバーしたが、これは東京都外から最重度の1人暮らしの障害者が多数転居してきている地域のため。このような問題はあるので、引き続き国に国庫負担基準の改善の要望中)。
 厚生労働省は支援費制度スタートと共に国庫補助基準を導入した後でも、ヘルパー制度に上限はないことや、障害ケアマネジメントの理念の周知を図っています。次ページの資料(国の検討会の厚生労働省作成資料)では24時間のサービス利用の事例を掲載しています。   (2ページ先に続く)

厚生労働省作成資料

  障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第7回)平成15年9月8日
(平日の大学とそのあとの3時間は学生ボランティアに、それ以外は24時間ヘルパー制度利用の事例 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/09/s0908-6b.html#3 )

(ケース2)  全身性障害者(20才・学生)筋ジス 家族:なし(単身)
 1.  サービスの利用
    (1)支援費制度におけるサービス

(2)その他のサービス
   補装具、日常生活用具、特別障害者手当、障害年金 各種相談事業

(つづき)  自立支援法になっても、国庫負担基準の仕組みの基本は同じで、
・国庫補助基準の名称が国庫負担基準になった(50%が確実に国の負担になり、国の予算不足で48%補助になるということはなくなった)。
・国庫補助基準の計算根拠が、一般・移動利用者・全身性の3ランクだったのが、自立支援法の国庫負担基準では16ランクになった。 の2点しかありません。(詳しくは2006年2・3月合併号を)

 なお、自立支援法施行3年後には障害程度区分(区分1〜6)ごと、サービス種類ごとに別計算にするという当初案もありましたが、現在では、政治状況も変わり、3年で今のやり方を変えたいと考えている与党議員も厚生労働省職員もいませんので、区分ごとの別計算になることはない見込みです。

 自立支援法になっても、いまだに国庫負担基準を個々人のサービスの上限と勘違いしている市町村があります。また、国庫負担基準が市町村ごとの合算計算ということを理解できずに、個々人の国庫負担の上限と勘違いして、この基準を超えたサービスは全額市町村負担と考えている市町村もあります。
 厚生労働省も、都道府県などを呼ぶ課長会議等の場で、何度も説明していますが、自立支援法になっても、市町村全体で国庫負担基準総額よりもヘルパー事業費が少なければ、全額が国庫負担対象で、その50%が確実に国の負担になります。全国的には、ヘルパー事業費の全額が国庫負担対象になる市町村がほとんどです。この場合、その市町村の中に毎日24時間のヘルパーを使っている障害者がいたとしても、そのサービスの全額は国庫負担対象です。
 国庫負担基準があるからといって、サービス水準に一律の上限などを設けることは法の趣旨に反することです。(自立支援法では「自立した社会生活ができるような援助を行う責務」が市町村に課せられている)



国庫負担基準の市町村での計算方法

 いまだに国庫負担基準の計算方法を理解しない市町村があり、「個々人で国庫負担基準を超えると全額市町村負担となると勘違いしている」という話をよく聞きます。国庫負担基準は市町村のヘルパー利用者全員の人数と基準額を掛け合わせ、その総額以下のヘルパー事業費はすべて国が国庫補助の対象にする、逆に、ヘルパー事業費が国庫負担基準の合計を超えたら、オーバー分は国庫負担がない、という仕組みです(東京の一部の自治体などでオーバーしている)。
 国庫負担基準は個々人の持ち物でも権利でもありません。単に市町村全体で国庫負担額を決めるための計算式で、数字は平均利用実績を元に作られたものです。平均を超える利用者もいれば下回る利用者(こちらの方が多い)もいます。障害者団体は、このページを理解していない市町村に見せて、県を通して国に確認してもらうようにしてください。

A町の例 ヘルパー利用者13人の場合
利用者  区分  サービス 利用したヘルパー事業費  国庫負担基準
A1さん 区分6 居宅介護    5万円      18万6800円
A2さん 区分6 重度訪問   10万円      29万5900円
A3さん 区分6 重度訪問   90万円      29万5900円
A4さん 区分6 居宅介護    5万円      18万6800円
A5さん 区分6 居宅介護    6万円      18万6800円
A6さん 区分6 居宅介護    7万円      18万6800円
A7さん 区分6 重度訪問   12万円      29万5900円
A8さん 区分6 重度訪問   10万円      29万5900円
A9さん 区分6 重度訪問    8万円      29万5900円
(区分6の小計 153万円   222万6700円)
A10さん 区分5 重度訪問   10万円      23万8500円
A11さん 区分5 重度訪問   25万円      23万8500円
A12さん 区分5 居宅介護    3万円      12万9400円
A13さん 区分4 居宅介護    4万円       8万1100円
市町村合計 195万円     279万7740円

 A町の場合、利用したヘルパー事業費の合計額より国庫負担基準の合計が大きいため、ヘルパー事業費の全額が国庫負担の対象となります(195万円の50%が国負担、25%が県負担となる。A町の負担は25%)。また、区分間流用(全区分合算)がなくなり、区分ごとの別計算に制度が改正されたとしても、A町の例では各区分内でヘルパー事業費の合計よりも国庫負担基準の合計が大きいため、ヘルパー事業費の全額が国庫負担の対象となります。
 A町の場合、個々人ごとで見ると、国庫負担基準を超えている利用者(下線)が2名いますが、これらのサービスも全額が国庫負担対象になります。 (次ページに続く) 参考資料 平成18年3月1日主管課長会議資料より

 



国庫負担基準は個々人の「持ち時間」や「権利」ではない

 全国の市町村の中には、国庫負担基準を障害者1人1人の「ヘルパー制度の持ち時間」のようなものと勘違いする自治体があります。これは間違いです。国庫負担基準は全国の利用者の平均値を元に計算された国庫負担金を清算するための基準額です。個々人の権利とはまったく関係がありません。
 障害者1人1人の誰もがこの国庫負担基準の金額まで自由にホームヘルプを使える権利を有するわけではありません。逆に、国庫負担基準を超えるサービスが必要な障害者に対して、市町村が「国庫負担基準を超えた部分は国が出さないから支給決定できない」と言うのも間違っています。
 ホームヘルプ制度は、少ししか必要としていない障害者も、たくさん必要な障害者もおり、国庫負担基準はあくまで平均値(を少し多めにしたもの)と考えてください。もし、ある市が、ホームヘルプサービスを積極的に広報せず短時間ニーズの障害者にヘルパー制度を使わせないという方法をとった場合、市全体の国庫負担基準は低くなり、市のヘルパー事業費が市の国庫負担基準をオーバーすることもありえます。
 介護力のある家族と同居の障害者にも、家族が介護できない障害者にも、まんべくなくヘルパー制度を支給決定することにより、市町村全体で国庫負担基準オーバーすることはありませんし、障害者の中には24時間365日のサービスを必要とする障害者もいますが、その全額が国庫負担の対象となります。  

介護保険対象者へのよくある間違い

 なお、介護保険対象者のALSなどの障害者で、介護保険に上乗せして障害ヘルパー制度を申請する場合、市町村が「介護保険利用者には居宅介護の基準額がない」ことを理由に、重度訪問介護だけを決定したがる場合があります。これは間違いです。国庫負担基準はあくまで平均値のようなものですから、実際の利用者は、国庫負担基準よりも少なくていい障害者もいれば、逆に多く必要な障害者もいます。介護保険対象者は介護保険の基準額が障害の国庫負担基準額よりも金額が多いため居宅介護の基準額は0となっているだけです。(一方、重度訪問介護の場合は、外出分が介護保険対象外なので介護保険対象者でも障害の基準額が存在するだけの理由)。
 介護保険対象であろうが、なかろうが、1回のサービスが短時間の場合は、居宅介護(身体介護・家事援助)を、1回のサービスが8時間など長時間の場合は、重度訪問介護を決定していかねばなりません。



国庫負担基準で自治体の欠損が出ないために

・国庫負担基準は、1つの市町村にヘルパーを平均よりも多く使う人も、平均よりも少なく使う人も満遍なくいると、事業費が国庫負担基準をオーバーすることがありません。
 市町村は、長時間ニーズの利用者にだけサービス提供するのではなく、月に少しだけのヘルパー利用障害者にも、利用してもらうことで、国庫負担基準を事業費がオーバーすることはなくなります。

・例えば、ヘルパー制度を使っていない最重度の障害者が、年に数回でも通院や外出するのに重度訪問介護を使い始めた場合、このような区分6の障害者が10人いれば、国庫負担基準の余裕が市町村全体で月296万円アップします。(この額は、24時間介護利用者がさらに2人出ても、市町村全体としては国庫負担基準額に収まるという金額です)。
 市町村で国庫負担基準ぎりぎりまで事業費が達しそうな場合は、短時間しかニーズのない障害者にもヘルパー制度の利用を市町村が積極的に進める・広報するなど、いろいろな対策があります。
 障害者団体も、このような方法を県や市町村に情報提供することにより、事業費が国庫負担基準をオーバーする市町村が出ないようにすることが可能です。

県の地域生活支援事業で小規模町市町村に補填も可能

 なお、小規模の市町村の事業費が国庫負担基準オーバーして、国庫負担が欠損した場合、都道府県の地域生活支援事業で、欠損の全額を補填する制度も行うことが可能です。ただし、予算規模がもともと小さいので、東京都の一部自治体のような1自治体で数千万円を超えるような欠損が出ても、補助は不可能です。数十万円までの補填が可能性のあるラインです。いずれにしても、県にこの補填を実施するように各県の障害者団体が事前に県に交渉をすることが必要です。
 ヘルパー利用者が1人しかいない村の場合などは、長時間介護が必要な場合、県に補助をしてもらうしかありません。(長期的には、村でもう1名以上、ホームヘルプサービスの利用者を増やすことも有効)。
 詳しくは、お問い合わせください。



各地の障害者は、市町村が勘違いしていないか、確認を

 市町村の中には、自立支援法の国庫負担基準を、「数年後に介護保険のような個々人の上限に切り替わる」と勘違いして、長時間利用者の支給決定時間の引き下げを実行しようとした自治体もありました(首都圏の人口50万人以上の自治体)。また、「個々人で国庫負担基準を超えた部分は全額市町村負担になる」という勘違いもかなり多くの市町村で見られます。中には、県の担当者が勘違いしていた事例もありました。 大規模な自治体でも勘違いするほど制度が複雑のため、サービスを受ける障害者や障害者団体で、自治体を監視して、間違いがないか、確認する必要があります。



障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を

 長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責務があります(障害者基本法・障害者自立支援法)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。
 ヘルパー制度の変わり目は交渉で大きく制度を伸ばすチャンスです。2003年の支援費制度開始時にも、多くの市町村で24時間介護保障や大幅なヘルパー制度のアップが実現しました。自立支援法でも、事情は同じです。ヘルパー制度も義務的経費になり、市町村行政の介護の公的責任も高まりました。
 2006年度以降は、自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫補助(正確には国庫負担)がつきます。  市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、ヘルパー制度の必要な補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。
 交渉は今から行えます。以前から1人暮らししている方も、今から時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(たとえば、「学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった」、「障害が進行した」、「制度が不足する部分のヘルパー時間を緊急対応で無料で介助派遣してくれていた事業所が、単価改正で赤字になり介護派遣できなくなったので、他事業所に切り替える」などの理由がある場合は、緊急で交渉が可能です)。

 当会には、人口1万人以下の過疎の町から都会まで、どんな規模の自治体でも24時間の介護制度を作った際のサポートの実績があります。交渉をしたい方は、制度係までご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉の先進自治体の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった市町村の実績が多くあります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。

 制度係 0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時。



空白地域で1人暮らししたい重度全身性障害者募集

 当会では、47都道府県のどの市町村に住んでいても、同じように必要な人に必要なサービスが受けられるように制度改善の交渉の方法の支援や、重度全身性障害者等の「最初の1人」の自立支援(主に1人暮らし)を技術的、財政的に(介護費用の助成など)サポートしています。
 現在、長時間のヘルパー制度のない(主に過疎地の)市町村にお住まいで1人暮らしをしたい全身性障害者を募集しています。1日16〜24時間の介護が必要な方を想定していますが、それ以外の方もお問い合わせください。
 全国1800市町村のうち、多くの市町村では、1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度が伸びていません。24時間介護が必要でも1日6時間程度しかヘルパー制度が出ない市町村は全国の市町村の6割程度にものぼります。
 これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。1人暮らしの重度の全身性障害者が住んできちんと交渉している都道府県では1日16時間や24時間介護の必要な障害者が1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域では交渉によりヘルパー制度が伸び、1日16時間や24時間の制度ができている市町村があります。
 そのような市町村では、「ヘルパー制度の上限」という古い考え方が行政内でなくなり、「その障害者が自立して地域で生活するためにどのようなサービスが必要か考えて支給決定する」という国の障害ヘルパー制度の理念に沿った制度に変わっていきます。これにより、1人暮らしの最重度の障害者だけではなくそれ以外の障害者もヘルパー制度を必要な水準まで受けやすくなっていきます。(実際に、10年前に1人暮らしの最重度障害者が交渉して24時間介護保障ができている市では、健常者家族1名と最重度全身性障害者が同居している世帯でも16〜24時間のサービスが受けられるようになっている事例があります)。



関西の政令指定都市の重度訪問介護に対する勘違い その後

 先月号で紹介した政令指定都市の重度訪問介護に対する勘違いですが、新聞記事として報道されています。
 重度訪問介護で、見守り待機の時間を認めずに、「実際に体に触っている時間しか算定できない」と市が間違った指導を事業者や障害者に対して行っていました。(正しくは、重度訪問介護は見守り待機が必要な重度の障害者を対象とした制度であり、長時間滞在して、いつ、体位調整やトイレや水分補給や体温調整などの介護が発生するしかわからない中で、見守りながら待機する時間を主に対象とした制度)。
 このほか、重度訪問介護で外出加算がついていない時間帯の外出を認めていなかったという間違いも起こしていました。(重度訪問介護は家の中でも外でも同じように介護が必要な重度の障害者を対象としている制度で、家の中でも外でも利用が可能。外出加算がついてもつかない時間も外出は可能)。 (新聞記事は次ページ)

京都新聞7/31
重度障害者の見守り介助 京都市、国と異なる運用

 重度障害者を対象にした重度訪問介護サービスで、京都市の運用が国の想定するサービス運用と異なっているとして、市内の障害者らでつくる日本自立生活センター(南区)がこのほど、市に申し入れを行った。市は指摘を受けて、見守り介助の運用を見直す。
 脳性まひで四肢や言語に障害があるYさん(43)は「寝返りやトイレが自分ではできないため、夜間も誰かヘルパーがそばにいて、介助が必要」という。だが、重度訪問介護のサービス時間を増やしてほしいと市と交渉したところ「見守りはだめ。介助者は何かをしてなくてはいけない。夜間は(短時間の)細切れの介助」と断られた。
 重度訪問介護は、昨年10月施行の障害自立支援法で新設された在宅の身体障害者向けの訪問系サービス。厚生労働省は「日常生活に生じるさまざまな事態に対応するため、見守りや外出介助などを比較的長時間行う支援」と通達を出していた。
 しかし、京都市は、ヘルパーが見守る時間そのものはサービス対象と認めず、トイレや寝返り介助の間の短時間に限った運用をしている。
 市障害保健福祉課のK担当課長は「国の通達と見守り介助の解釈に違いがあった。弾力的に運用する方向で、範囲や対象の検討を急ぎたい」と話している。
 3月現在、市内に重度訪問介護サービス利用者は約200人いるが、サービス時間数に上限はなく、ニーズを積み上げて1日24時間の公的介護になることもあるという。



CIL(自立生活センター)を作りたい方へ

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的にCIL(事業&運動)を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。エンパワメント方式の自立支援サービスを行いながら地域の制度を変える運動を行うという理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。(通常、CILの立ち上げには、古参のCILでの数年の研修(勤務)が必要で、運動経験や社会経験がある人でも2年2000時間ほどの研修時間数が必要です。しかし、大都市部から離れた地域でCILを作るためには、数年間の勤務研修は難しいため、地元で生活しつつ、通信研修や合宿研修で基礎を学んだ後、実地で少しずつ小さなCILを始めながら、毎週連絡を取りつつ5〜10年ほどかけてノウハウを覚えて成長していく育成方法を行っています)。
くわしくはお問合せ下さい。フリーダイヤル0120−66−0009(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

 

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6)

身体障害に限らず、今後研修を積み、他の障害者にもエンパワメント方式のサービスを提供することを目標にしていること。

(注:個別ILプログラム等のエンパワメント方式のサポートや研修を行わずに、単にヘルパー派遣のみを知的・児童・身体・精神の各障害向けにすることは推進協会としては禁止しています。誤解がおきやすいので特に注意)

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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