★障害者自立支援法に改正の動き 14p

★平成20年度当初予算の概算要求 6p

9月号
2007.9.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒187−0003 東京都小平市花小金井南町1-11-20花壱番館1階D
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2007年9月号    目次

   

5・・・・障害保健福祉主管課長会議が開かれました
6・・・・平成20年度当初予算の概算要求
8・・・・自薦ヘルパーと24時間介護保障(ALSなど最重度の皆様へ)
12・・・ホームページの掲示板より (家事援助について)
14・・・障害者自立支援法に改正の動き
16・・・CIL(自立生活センター)を作りたい方へ
18・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を

 長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責務があります(障害者基本法・障害者自立支援法)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。
 ヘルパー制度の変わり目は交渉で大きく制度を伸ばすチャンスです。2003年の支援費制度開始時にも、多くの市町村で24時間介護保障や大幅なヘルパー制度のアップが実現しました。自立支援法でも、事情は同じです。ヘルパー制度も義務的経費になり、市町村行政の介護の公的責任も高まりました。
 2006年度以降は、自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫補助(正確には国庫負担)がつきます。
 市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、ヘルパー制度の必要な補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。
 交渉は今から行えます。以前から1人暮らししている方も、今から時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(たとえば、「学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった」、「障害が進行した」、「制度が不足する部分のヘルパー時間を緊急対応で無料で介助派遣してくれていた事業所が、単価改正で赤字になり介護派遣できなくなったので、他事業所に切り替える」などの理由がある場合は、緊急で交渉が可能です)。

 当会には、人口1万人以下の過疎の町から都会まで、どんな規模の自治体でも24時間の介護制度を作った際のサポートの実績があります。交渉をしたい方は、制度係までご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉の先進自治体の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった市町村の実績が多くあります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。  

制度係 0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時。

交渉のやり方ガイドブック
 限定販売ヘルパーの時間数アップの交渉をする障害者に限り販売します(当該自治体でヘルパー制度の上限を上げる最高時間数交渉を行う方)。 申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。(交渉を行う障害当事者かどうか、制度係から電話させていただいてからお送りします。) 500円+送料



障害保健福祉主管課長会議が開かれました

 9月18日に厚生労働省は障害保健福祉関係主管課長会議を開催しました。内容は概算要求の説明と、就労関係のほか、企画課・精神障害者保健福祉課の所管するものが主で、今回はヘルパー制度関係の情報は特にありません。
 課長会議資料はホームページからリンクしています。

注目ページ

・資料4    
47都道府県の障害福祉計画の全国集計が掲載されています。 集計の結果、施設入所者14.6万人のうち、1.9万人が地域移行(主にグループホーム等へ)することが計画されています。(そのうち今後4年では1.1万人)  
47都道府県の計画上では精神障害者で退院可能とされたのはたった4.9万人ですが、23年度までに3.7万人が地域移行すると計画されています。  

ホームヘルプサービスの見込み量では、平成18年度340万時間が23年度には1.5倍の522万時間と計画されています。  

・資料6−2
障害者雇用の少ない企業から罰金を取って、障害者雇用の多い企業に支払われる調整金の制度があります。現在は労働者数300人以上の企業が対象ですが、これを56人以上の企業に拡大することが検討されています。



平成20年度当初予算の概算要求

厚生労働省は、平成20年度当初予算の概算要求を8月末に財務省に提出し、9月6日に公表しました。

 

障害保健福祉部の予算

障害福祉サービスの予算

※ホームヘルプや施設などの

介護給付や訓練等給付

※義務的経費

平成17年度

(支援費制度)

当初予算

7525億円

3769億円

平成18年度

(自立支援法)

概算要求

前年度の当初予算に

比べて+9.5%を要求

 

前年度の

当初予算

に比べて

8.1%が

認められた

 

前年度の当初予算に

比べて+9.9%を要求

 

前年度の

当初予算

に比べて

9.6%が

認められた

 

8237億円

4143億円

当初予算

概算要求の98.7

が認められた

概算要求の99.7

が認められた

8131億円

4131億円

平成19年度

(自立支援法)

概算要求

前年度の当初予算に

比べて+11.3%を要求

 

前年度の

当初予算

に比べて

10.7%が

認められた

 

前年度の当初予算に

比べて+7.2%を要求

 

前年度の

当初予算

に比べて

8.3%が

認められた

 

9050億円

4430億円

当初予算

概算要求の99.5

が認められた

概算要求の101.0

が認められた

9004億円

4473億円

平成20年度

(自立支援法)

概算要求

前年度の当初予算に

比べて+5.9%を要求

 

???

 

前年度の当初予算に

比べて+9.1%を要求

 

???

 

9532億円

4882億円

当初予算

???

???

???億円

???億円

 

障害保健福祉部の所管予算は9532億円(他局計上予算を除く)で、そのうち障害福祉サービス予算(地域生活支援事業や自立支援医療などを含まない)は4882億円です。支援費制度の頃と違って在宅福祉と施設福祉が1つの勘定科目で計上されているため、ホームヘルプサービスの内訳金額はわかりません。
  また、国から区市町村と都道府県へ配分される地域生活支援事業の補助金予算は450億円です。19年度予算では400億円でしたので、50億円の増額要求です。

 

地域生活支援事業の予算

※ガイドヘルプなど

※裁量的経費

平成18年度

概算要求

200億円 /6ヵ月予算

当初予算

200億円 /6ヵ月予算

平成19年度

概算要求

400億円 /12ヵ月予算

当初予算

400億円 /12ヵ月予算

平成20年度

概算要求

450億円 /12ヵ月予算

当初予算

???億円 /12ヵ月予算

 なお、「骨太の方針2006」に基づき、今回の概算要求でも19年度予算に続いて社会保障関係費を2200億円切り詰め、(高齢化に伴う自然増7500億円との差し引きで)伸びを5300億円に抑える概算要求基準(シーリング)が課せられています。厚労省は政府管掌健康保険の国庫負担削減や薬価引下げ等によって2200億円を圧縮する方針ですが、概算要求総括表の注意書きには「概算要求基準額の範囲内に収めるための方策については、予算編成過程において引き続き検討する」と記載されていて、まだ少し流動的です。



自薦ヘルパーと24時間介護保障

(ALSなど最重度の皆様へ)

 現在、ALSなどの重度全身性障害者で、24時間365日の自薦ヘルパー(障害者が自分で面接採用し、教育し、介護ローテーションを決める他人介護者)を使いながら、自宅で暮らす人が、全国各地に増えています。

制度の歴史

 70年代から東京では重度の全身性障害者が施設から出て1人暮らしを始めました。最初は駅や大学で募集のビラまきをして介護者を集めていました。障害者は東京都と交渉して、全身性障害者介護人派遣事業が制度化されました。この制度は、障害者が自分で確保した他人介護者に働いた時間に応じ、公的に給与が出る制度です。
 重度の全身性障害者にとって、昔は、ホームヘルパー制度は使い物にならない制度でした。90年代までは、多くの地域では、ヘルパー制度を使おうとしても、個々人の障害に応じた介護ができない、抱えができない、言語障害は聞き取れない、など、ひどい有様でした(これに対して、従来から自分たちで確保した介護者は自分専用で長時間の介護に入るので障害者個々人ごとの特殊な介護ができていました)。ところが1990年にはヘルパー制度の上限が国で撤廃され、予算がどんどん増えました。介護人派遣事業では、1日24時間のうち一部しか介護がまかなえませんでした。そのため、最重度の障害者は、ヘルパー制度も改善交渉し、自分たちで確保した介護者を行政の登録ヘルパーとして推薦し、自分自身の専属ヘルパーとすることに成功しました(これを介護保障の運動体では、「自薦ヘルパー方式」と呼んでいます)。大勢の全身性障害者がその方式を次々ととりいれ、公的な仕組みとして確立されていきました。次に、24時間介護の必要な全身性障害者が各市町村とその地域の交渉し、24時間介護の必要な1人暮らしの障害者には、ヘルパー制度と介護人派遣事業をあわせて、24時間365日の介護が保障される市町村が増えました。障害者自身で確保して教育した介護者を2つの制度に登録し、公的に介護者に給与が払われる仕組みが出来上がりました。(1人の障害者に週に4〜5人ほどの(主に)常勤の介護者が入っていました)。
 東京都以外でも90年代には九州・四国で後に続く市が出て、それが2007年には、北海道地方から九州地方の全地方に24時間介護保障の市町村が存在するようになりました。今では、離島の市や過疎地の人口1万人以下の町でも、1人暮らしの人工呼吸器利用者の場合は24時間365日の介護制度を認めるようになっています。すべて障害者の運動で実現されています。また、ALSの場合、同居家族が1名のみの場合も、過疎地の市町村でも、1日16時間以上の介護制度が認められる例が増えてきています。
 いわゆる自薦ヘルパーの方式や全身性障害者介護人派遣事業を実施する市町村数は、2002年度には全国で200箇所を超え、それらの市町村の人口合計は4000万人を超えていました。

支援費制度以後

 2003年度より、ヘルパー制度は支援費制度に変わり、それまで市町村が(委託を含めて)実施していたヘルパー事業は、NPOや株式会社など民間事業者が自由に行えるようになりました。これにより、行政が行っていた自薦ヘルパー方式や全身性障害者介護人派遣事業は廃止され、支援費制度のヘルパー制度に統合されました。一方で、47都道府県で、自立生活運動系の障害者団体が全国団体の支援を受け、NPO法人のヘルパー事業所を運営するようになりました。
 全身性障害者介護人派遣事業を実施していた自治体では、自立生活センターなどのNPOにそれまでの自薦の制度の利用者の登録受け入れを依頼しました。また、1つの市町村内ではなく、おおむね通勤範囲であれば他の市や他の県のヘルパー事業所も使えるようになりました。
 この2003年の大きな改正にあわせ、全国障害者介護保障協議会と全国自立生活センター協議会など全国の障害者団体が共同し、全国ホームヘルパー広域自薦登録協会(略称:全国広域)を設立しました。障害者が自薦ヘルパーを使いたければ、全国どこに住んでいても、全国広域のフリーダイヤルに申し込めば、介護保険でも障害ヘルパー制度でも、地元の事業所に自薦登録できる仕組みになっています。

事例

 現在、ALSの自薦登録ヘルパーの利用者も全国各地におり、自分で求人広告し、面接・採用したヘルパーを、自分で教育して、自分専用のヘルパーに育てながら生活しています。
 たとえば、Aさんは北日本の過疎地に住んでいます。同居家族は1名。介護保険のヘルパー事業所は吸引をしてくれないため、使い物にならず、長らく自費で介助者を雇用して1日16時間の介護を使っていましたが貯金も尽きてきました。そこで、自薦の介助者に全国広域で3級の通信ヘルパー研修を受講させ、介護保険を全部ヘルパーに使って全国広域に登録して自薦ヘルパーにしました。その上、介護保険を全部使い切ったので、障害ヘルパーの時間数も出すように市役所に交渉が可能になり、障害ヘルパー制度の支給決定も受け、これも全国広域に自薦登録しました。その後交渉を続け、1日16時間の介護(1日2交代)を介護保険と障害ヘルパー制度ですべて自薦ヘルパーでまかなえるようになりました。介護者が退職するときは、求人専門誌に8時間勤務の日給で求人広告を出して新人介護者を面接・雇用し、古い介護者と一緒に介護方法を教えます。
 求人広告の費用や採用された介護者のヘルパー研修受講費用(求人広告は盆暮れ正月も働けるいい人材を確保するために無資格者を対象に行います)なども一定時間働けば全国広域から全額助成される仕組みを作っています。
 別の過疎地のBさんの場合は、同様に自薦ヘルパーを使っていますが、同居家族がほとんど介護できない状態のため、市と話をして、ほぼ24時間の介護が介護保険と障害ヘルパーでまかなえるようになっています。
 Cさんの場合は、さらに過疎の土地に住んでいます。通勤圏内に全国広域の提携事業所がなかったため、Cさんが声をかけた実際に介護に入れる人材3人で、全国広域が事業所を1ヶ月で作りました。
 Dさんの場合、自薦ヘルパーを使い始めながら、地域の難病や重度障害者の地域生活支援を行う自立生活センター(CIL)を作りたいとの希望がありました。その地域では、ほとんどの重度障害者は介護が必要になってもヘルパーを使って自宅で生活できるとは思っていません。入所施設の中にいる障害者もまったく外に出ることができず、刑務所のような生活を送っています。外に出たいという相談もあります。そこで、CIL立ち上げのための研修を東京などで受講してもらうことになりました。飛行機に乗って自薦介護者と毎月通ってきてもらっています。その費用もヘルパー事業費の事業所収益の中から捻出可能です。

自分で自分の介護に責任を持つことが必要

 ALSの地域生活支援での失敗例があります。Eさんは社協等からヘルパー派遣を24時間滞在で受けていましたが、介護が少しでもうまくいかないと、ヘルパーにつらく当たり、事業所にヘルパー交代を求め、ついには事業所では介護を派遣できる人材がいなくなり、Eさんは病院に入ることになりました。
 長時間の高度な介護の必要な場合、通常のサービス形態では無理なのです。ヘルパー利用者自身が自分で介護体勢全体をコントロールし、人材育成に責任をもつ体勢でないとうまくいきません。そのためにはALSの当事者が専用の研修(雇用主としてのプログラム等)を受ける必要があります。現在は講師はALS以外の全身性障害者ですが、ALSの当事者が講師をできるよう、講師養成も徐々に行われ始めたところです。

 自薦についてお問合せは0120-66-0009全国ホームヘルパー広域自薦登録協会まで。介護制度の交渉については全国障害者介護保障協議会ホームページhttp://www.kaigoseido.netもご覧ください。月刊誌バックナンバーを数年さかのぼって読むと全国の状況がわかります。

(JALSA(日本ALS協会会報)72号より転載)



ホームページの掲示板より

 (家事援助について)

 自立支援法による訪問介護サービスについ
私自身重度身体障害者です。夫(健常者)は働きに出ていて出社も早く、帰宅時間も遅く、自分のことすらままならない小学校低学年の娘がいる家庭です。日中は電動車椅子を利用し屋内外の移動をしています。
 重度訪問介護サービスにおいて、調理、洗濯等の家事全般にかかる一般的に主婦が行う家庭内の仕事について、重度訪問介護を利用する障害者本人のみの家事だけ行えて、その他の家族の分の家事は利用者が希望してもサービスをしてもらえないのか?

 

 健常者の時に主婦として家の家事を全部行っていたという理由で、主婦が重度の障害者になったあとも、家の全ての家事を行うのをヘルパー制度で認められるかと言うと、そうではありません。
 しかし、逆に、同居の健常者家族がいるからと言って、全ての家事援助を使えないかと言うと、それも間違いです。(具体的には育児は障害ヘルパーの対象ですので、子供の食事作りは、ほぼどこの市町村でも可能でしょう。子供の洗濯も明日学校で着なければいけないものは昼に障害者がヘルパーと行うしかないでしょう。これは市との話し合いで認められる可能性はあると思います)。
 障害者自立支援法では、法令通知上は、家事援助については、介護保険と同じ書きぶりに変わっています。
 介護保険の場合は多くの自治体で、「同居家族がいる場合は一切の家事援助はまかりならぬ」という間違った運用をする自治体が多いのですが、それは間違っています。
 ちなみに厚生労働省の介護保険の担当職員の見解などは、以下の福祉・介護オンブズマンのホームページの7/15のページに詳しく紹介されています。 http://www.eonet.ne.jp/~ombudsman/inde-ombudsman-home.htm
 障害ヘルパーの制度は「自立した生活ができるように支援する」ことが目的です。介護保険とは理念が違うので、一般的に、介護保険よりは同居家族がいる場合の家事援助について、広く認めています。市町村に細かく生活状況を説明して、話し合ってみてください。 (一部変えてあります)



障害者自立支援法に与野党で改正の動き

高齢者医療費、障害者自立支援法、負担増の凍結を検討・与党が一致

(日経新聞9/25)

 自民、公明両党は24日、伊吹文明、北側一雄両幹事長らによる政権協議で、高齢者医療費の負担増凍結と障害者自立支援法の抜本見直しを巡り、今後、具体 的な検討を急ぐことで一致した。「政治とカネ」を巡る問題では、政治団体の「1円以上」の経常経費と政治活動費に関する領収書添付の義務付けで合意したが、領収書の公開方法では折り合わず、事実上、結論を先送りした。
 両党は25日午前に開く福田康夫自民党総裁と太田昭宏公明党代表による党首会談で合意文書に署名し、正式に連立政権の継続を確認する予定だ。

医療費など負担増凍結、国庫負担1000億円超も・厚労省試算

(日経新聞9/25)

 与党内で検討されている高齢者の医療費負担増の凍結、障害者自立支援法の抜本見直しなどが実施されると、年1000億円を超える国庫負担が発生する可能性があることが厚生労働省の試算でわかった。厚労省は「他の社会保障費を1000億円超も削るのは不可能」としており、社会保障費の膨張につながるのは必 至。この臨時国会で法改正が必要になる可能性もあり、国会運営の焦点の1つになりそうだ。
 厚労省によると、2008年4月から70―74歳の低所得者らの医療費の自己負担を現行の1割から2割に引き上げる措置の凍結で発生する国庫負担は500億円。確実に来年4月の実施を凍結するには、健康保険法をこの臨時国会で再改正する必要がある。
 費用の原則1割負担を自己負担させる障害者自立支援法はすでに施行済み。この1割負担を撤回すると、国庫負担は4百億円増える。撤回のためには、同法を改正する必要があり、すでに民主党も臨時国会に自己負担見直しを盛り込んだ改正案を出す方針を示している。

解説 自己負担の撤廃先行では困る

障害者自立支援法の改正について(介護保障協議会解説)

 民主党は自己負担と、施設の単価保障だけを法案に入れています。自民党がその同じ線上で同調するのでは、困ったことになります。
 現在、障害者自立支援法の最大の問題は、(生活保護を取れば解決する)自己負担の問題ではありません。命にかかわるような事態が起きていることです。具体的には、地域で暮らす重度の全身性 障害者にとって、重度訪問介護では(制度改正で単価が低くなりすぎて)事業所が見つからず、支給決定を受けてもその半分以下しかサービスが受けられない利用者が全国で多発しています。また、家族の介護が得られない障害者が毎日24時間や16時間の介護が必要でも、国庫負担基準の制度ができたおかげで、必要 な介護の半分設けられない状態が全国各地にあります。
 自己負担や施設の単価の問題よりも、これらの命にかかわる緊急事態のほうが、はるかに重要事項です。



CIL(自立生活センター)を作りたい方へ

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的にCIL(事業&運動)を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。エンパワメント方式の自立支援サービスを行いながら地域の制度を変える運動を行うという理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。(通常、CILの立ち上げには、古参のCILでの数年の研修(勤務)が必要で、運動経験や社会経験がある人でも2年2000時間ほどの研修時間数が必要です。しかし、大都市部から離れた地域でCILを作るためには、数年間の勤務研修は難しいため、地元で生活しつつ、通信研修や合宿研修で基礎を学んだ後、実地で少しずつ小さなCILを始めながら、毎週連絡を取りつつ5〜10年ほどかけてノウハウを覚えて成長していく育成方法を行っています)。
くわしくはお問合せ下さい。フリーダイヤル0120−66−0009(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

 

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6)

身体障害に限らず、今後研修を積み、他の障害者にもエンパワメント方式のサービスを提供することを目標にしていること。

(注:個別ILプログラム等のエンパワメント方式のサポートや研修を行わずに、単にヘルパー派遣のみを知的・児童・身体・精神の各障害向けにすることは推進協会としては禁止しています。誤解がおきやすいので特に注意)

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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