★国庫負担基準で自治体の欠損が出ないようにする方法

★障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を

7月号
2007.7.30
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
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2007年7月号    目次

   

3・・・・関西に続き、東京・北海道でも月800時間以上の支給決定
4・・・・障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を
5・・・・空白地域で1人暮らししたい重度全身性障害者募集
6・・・・国庫負担基準の市町村での計算方法(再掲載)
7・・・・国庫負担基準で自治体の欠損が出ないようにする方法
9・・・・都道府県への不服審査請求の全国状況(続報)
11・・・西日本の政令指定都市で重度訪問介護を勘違い
13・・・CIL(自立生活センター)を作りたい方へ
15・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



関西に続き、東京・北海道でも月800時間以上の支給決定

(24時間365日のヘルパー利用+2人介護が必要な時間に2人目のヘルパーが利用可能になった事例)

 重度訪問介護で、月800時間以上の支給決定の事例が、関西に続き、東京都、北海道でも出ました。いずれも最重度の全身性の障害のため、24時間の付きっ切りの介護に加え、トイレ・入浴や外出などの時間帯に2人介護が必要な障害者です。主に重度訪問介護の支給決定ですが、一部、身体介護の支給もされている事例もあります。



障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を

 長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責務があります(障害者基本法・障害者自立支援法)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。
 ヘルパー制度の変わり目は交渉で大きく制度を伸ばすチャンスです。2003年の支援費制度開始時にも、多くの市町村で24時間介護保障や大幅なヘルパー制度のアップが実現しました。自立支援法でも、事情は同じです。ヘルパー制度も義務的経費になり、市町村行政の介護の公的責任も高まりました。
 2006年度以降は、自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中何月の新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫補助(正確には国庫負担)がつきます。
 市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、ヘルパー制度の必要な補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。
 交渉は今から行えます。元々1人暮らししている方も、今から時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(たとえば、「学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった」、「障害が進行した」、「制度が不足する部分のヘルパー時間を緊急対応で無料で介助派遣してくれていた事業所が、単価改正で赤字になり介護派遣できなくなったので、他事業所に切り替える」などの理由が必要です)。

 人口1万人以下の過疎の町から都会まで、どんな規模の自治体でも24時間の介護制度を作った際のサポートの実績があります。交渉をしたい方は、制度係までご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉の先進自治体の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった市町村の実績が多くあります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。

 制度係 0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時。

交渉のやり方ガイドブック 限定販売
ヘルパーの時間数アップの交渉をする障害者に限り販売します(当該自治体でヘルパー制度の上限を上げる最高時間数交渉を行う方)。
申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。(交渉を行う障害当事者かどうか、制度係から電話させていただいてからお送りします。) 500円+送料



空白地域で1人暮らししたい重度全身性障害者募集

 当会では、47都道府県のどの市町村に住んでいても、同じように必要な人に必要なサービスが受けられるように制度改善の交渉の方法の支援や、重度全身性障害者等の「最初の1人」の自立支援(主に1人暮らし)を技術的、財政的に(介護費用の助成など)サポートしています。
 現在、長時間のヘルパー制度のない(主に過疎地の)市町村にお住まいで1人暮らしをしたい全身性障害者を募集しています。1日16〜24時間の介護が必要な方を想定していますが、それ以外の方もお問い合わせください。
 全国1800市町村のうち、多くの市町村では、1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度が伸びていません。24時間介護が必要でも1日6時間程度しかヘルパー制度が出ない市町村は全国の市町村の6割程度にものぼります。
 これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。1人暮らしの重度の全身性障害者が住んできちんと交渉している都道府県では1日16時間や24時間介護の必要な障害者が1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域では交渉によりヘルパー制度が伸び、1日16時間や24時間の制度ができている市町村があります。
 そのような市町村では、「ヘルパー制度の上限」という古い考え方が行政内でなくなり、「その障害者が自立して地域で生活するためにどのようなサービスが必要か考えて支給決定する」という国の障害ヘルパー制度の理念に沿った制度に変わっていきます。これにより、1人暮らしの最重度の障害者だけではなくそれ以外の障害者もヘルパー制度を必要な水準まで受けやすくなっていきます。(実際に、10年前に1人暮らしの最重度障害者が交渉して24時間介護保障ができている市では、健常者家族1名と最重度全身性障害者が同居している世帯でも16〜24時間のサービスが受けられるようになっている事例があります)。



国庫負担基準 の市町村での計算方法(再掲載)

(勘違いする自治体がいまだに多いため、再掲載します)

 いまだに国庫負担基準の計算方法を理解しない市町村があり、「個々人で国庫負担基準を超えると全額市町村負担となると勘違いしている」という話をよく聞きます。国庫負担基準は個々人の持ち物でも権利でもありません。単に市町村全体で国庫負担額を決めるための計算式で、数字は平均利用実績を元に作られたものです。平均を超える利用者もいれば下回る利用者(こちらの方が多い)もいます。障害者団体は、このページを理解していない市町村に見せて、県を通して国に確認してもらうようにしてください。

A町の例 ヘルパー利用者13人の場合

利用者  区分  サービス 利用したヘルパー事業費  国庫負担基準
A1さん 区分6 居宅介護    5万円      18万6800円
A2さん 区分6 重度訪問   10万円      29万5900円
A3さん 区分6 重度訪問   90万円      29万5900円
A4さん 区分6 居宅介護    5万円      18万6800円
A5さん 区分6 居宅介護    6万円      18万6800円
A6さん 区分6 居宅介護    7万円      18万6800円
A7さん 区分6 重度訪問   12万円      29万5900円
A8さん 区分6 重度訪問   10万円      29万5900円
A9さん 区分6 重度訪問    8万円      29万5900円
(区分6の小計 153万円   222万6700円)
A10さん 区分5 重度訪問   10万円      23万8500円
A11さん 区分5 重度訪問   25万円      23万8500円
A12さん 区分5 居宅介護    3万円      12万9400円
A13さん 区分4 居宅介護    4万円       8万1100円
市町村合計 195万円     279万7740円

 
 A町の場合、利用したヘルパー事業費の合計額より国庫負担基準の合計が大きいため、ヘルパー事業費の全額が国庫負担の対象となる(195万円の50%が国負担となる)。また、区分間流用がなくなり、区分ごとの別計算に制度が改正されたとしても、各区分内でヘルパー事業費の合計よりも国庫負担基準の合計が大きいため、ヘルパー事業費の全額が国庫負担の対象となる。
 A町の場合、個々人ごとで見ると、国庫負担基準を超えている利用者(下線)が2名いるが、これらのサービスも全額が国庫負担対象になる。

・国庫負担基準について詳しくは、2006年2・3月合併号をご覧ください。

国庫負担基準で自治体の欠損が出ないようにする方法

・国庫負担基準は財務省の要求で仕方なく導入したものです。障害者団体も地方自治体も国庫負担基準の廃止(2002年度以前のように、ヘルパー事業費の全額を国庫補助対象にすること)を目指しています。

・国庫負担基準は、1つの市町村にヘルパーを平均よりも多く使う人も、平均よりも少なく使う人も満遍なくいると、事業費が国庫負担基準をオーバーすることがありません。
 市町村は、長時間ニーズの利用者にだけサービス提供するのではなく、月に数時間だけのヘルパー利用のニーズのある障害者にもヘルパー制度を周知して、広く利用してもらうことで、国庫負担基準オーバーすることはなくなります。

・例えば、ヘルパー制度を使っていない障害者が、月に1回通院するのに通院介助を月に1時間だけ使う場合、このような区分6の障害者が10人いれば、国庫負担基準が市町村全体で月182万円アップします。
市町村で国庫負担基準ぎりぎりまで事業費が達しそうな場合は、短時間しかニーズのない障害者にもヘルパー制度の利用を市町村が積極的に進めるなど、いろいろな対策があります。
市の全ての障害者に、病気などのときに使えるように、あらかじめ1人数時間の支給決定を行っておき、緊急時にすぐにヘルパー制度(短時間)が使えるようにしている市町村もあります。
障害者団体も、このような方法を市町村に情報提供することにより、事業費が国庫負担基準をオーバーする市町村が出ないように注意してください。

 なお、小規模の市町村の事業費が国庫負担基準オーバーして、国庫負担が欠損した場合、都道府県の地域生活支援事業で、欠損の全額を補填する制度も行うことが可能です。ただし、予算規模がもともと小さいので、東京都の一部自治体のような1自治体で数千万円を超えるような欠損が出ても、補助は不可能です。数十万円までの補填が可能性のあるラインです。いずれにしても、県にこの補填を実施するように各県の障害者団体が事前に県に交渉をすることが必要です。

参考資料 平成18年3月1日主管課長会議資料より



都道府県への不服審査請求の全国状況(続報)

 自立支援法では、市町村の支給決定に不服がある場合は、都道府県に不服審査請求を出すことができます。しかし、ヘルパー制度が長時間必要な障害者(非定型サービス利用者)が、ヘルパー時間の不足を理由に不服審査請求を出すと、ほとんどの都道府県では、市町村の支給決定基準に沿っているかどうかしか審査しませんので、支給決定基準を超える非定型の利用者の場合、「市町村の決定に問題なし」という決定が出てしまいます。このため、交渉の手段としては、通常は不服審査請求を出すことはかえってマイナスになります。(市の決定した内容にお墨付きを与えてしまう)。
 このような中、東日本の2箇所の県で、長時間サービス利用者からの不服審査請求に対して、県が市の決定を取り消した事例が出ました。

市の決定が取り消され、市は24時間の介護を認める

 B県では、24時間の介護の必要な最重度障害に対するA市の支給決定があまりにもお粗末なものであったため、県が市の決定を取り消しました。その結果、A市は24時間の介護を認めました。  

沖縄県では2度目の不服審査で県が障害者の請求を棄却

 沖縄県の事例は以前紙面で掲載しましたが、B県と同様に24時間の介護の必要な最重度の障害者が不服審査を請求し、1度は県が市の決定を取り消しました。しかし、市は予算等を理由に深夜の介護を30分増やしただけでした。2度目の不服審査請求では県が障害者の請求を棄却しました。(次ページに新聞記事掲載)。

 なお、県と事前に話し合いを障害者が行うなどをしないで、いきなり不服審査請求を出すのは、現状では危険なので、不服審査請求を考えている長時間ヘルパー利用者は、具体的な方法を制度係に電話でご相談ください。

筋ジス男性24時間介護、県が棄却

(琉球新報 6/30 9:49)

 N市が出した障害者自立支援法に基づく介護支給時間1日当たり11時間分の支給決定に対し「不十分だ」として、進行性の筋ジストロフィー症を患Oさん(21)が24時間介護を求めて3月に出した不服審査請求について、県は29日、請求を棄却する裁決を出した。同日、県庁で裁決書を受け取ったOさんは裁決理由を不服として、3カ月以内に那覇地裁に処分取り消し訴訟を提起する方針を明らかにした。
 Oさんを支援する障害者インターナショナル(DPI)によると介護給付費等支給決定に関する訴訟は「全国第1号になるのではないか」という。Oさんが24時間介護実現を求めてきた訴えは法廷闘争に移る。
 Oさんは、排たん、寝返り、排せつで支給決定以上の介護が必要だとして月に744時間(1日当たり24時間)の居宅介護給付の支給を求めている。2006年9月に支給量を増やしてほしいと県内初の不服審査請求を県に行った。同年末の県の裁決を受け、N市が今年1月に支給を決定したが1日当たりの支給時間は約11時間。1日当り30分の増加だったため、再度不服を申し立てた。
 県は、今回の請求について「審査請求人の主張は2006年9月に県知事に対して提起した審査請求と同様の主張」などを理由に審査請求を棄却し「審査会で24時間必要とする意見はなかった」と話した。
 Oさんは「(24時間介護の実現を)期待していた。どうしてこんな裁決を下されるのか理解できない。裁判で徹底的に戦いたい」と述べ、裁判闘争に向け強い意志を示した。



西日本の政令指定都市で重度訪問介護を勘違い

   見守り待機を認めず(国に問い合わせ解決)

 西日本の政令指定都市C市で、重度訪問介護の解釈をめぐって、「実際に身体介護や家事援助を行っている時間しか算定できない(見守り待機時間を算定させない)」という誤った解釈をしていたことがわかりました。当会に問い合わせをしたC市の障害者団体が市と交渉し、厚生労働省障害福祉課(訪問サービス係)に問い合わせをさせることで、解釈が誤っていることに市が気づきました。(当会も厚生労働省に事前に説明し問い合わせがスムーズに行くようにしました)。
 C市は、今までは、重度訪問介護の成り立ちを理解せず、介護保険の身体介護等の算定方法と同じ考え方で、短時間細切れ利用を認めたり、長時間ヘルパーが滞在する場合は、その滞在時間の内、実際に介護や家事を行った時間のみを請求するように事業所や障害者に説明していました。このため、深夜の泊り込みの介護が必要な最重度全身性障害者が深夜に重度訪問介護を事実上使えないケース(実際に寝返り等の介護を行った時間しか算定できないため、単価が低くなりすぎて、ヘルパーを派遣できる事業所が無い)や、日中、「いつトイレや体位調整や水分補給や体温調整の介護が発生するかわからないのでつねにヘルパーが付き添っていなければいけない」といった重度の全身性障害者が、重度訪問介護を(本来の使い方である)長時間滞在で利用をできない問題が起きていました。
 重度訪問介護(支援費制度時代は日常生活支援)は、「いつ介護が発生するかわからないが、しょっちゅう介護が不定期に発生する」重度の全身性障害者むけの制度です。元々は東京都の全身性障害者介護人派遣事業(8時間×365日の制度で2002年度まで実施されていた)や東京都内の自薦ヘルパー制度(最高16時間×365日で利用されていた)をモデルに作られています。
 重度訪問介護の正しい使い方は、1時間の内に何度も不定期に何らかの介護が発生する重度の全身性障害者に対し、24時間連続や16時間連続などの形で、ヘルパーがそばについて、見守り待機をしつつ、必要な介護が発生したときには、すぐに介護対応するという形です。これを身体介護で行うには、呼ばれたらすぐに介護しないといけない障害のため、重度の利用者の家の隣に市がヘルパーステーション分署を設置して、呼ばれたら30秒で行けるように、専用のヘルパーを24時間待機させておくしかありません。これでは、かえってコストがかかりますし、呼ばれてから介護を始めるまで時間がかかるなどの問題もあります。また、そもそも緊急時に通信手段でヘルパー詰め所に連絡できない重度の全身性障害者も多くいます。
 このような理由で、重度訪問介護では、8時間連続でヘルパーが付き添う形を基本として、単価が(身体介護にに比べて2.6対1と)低い体系になっています。(8時間勤務の常勤ヘルパーが1日3回の身体介護(1回は1時間から1.5時間)に従事するのと、8時間勤務の常勤ヘルパーが8時間連続の重度訪問介護に従事することがほぼ同じ単価になるようになっている)。  この制度の成り立ちや、理念をきちんと理解して、制度を運用することが各市町村には求められています。各地の障害者団体も、地元の自治体が間違った解釈をしている場合は、交渉をして、きちんと制度の仕組みを伝えてください。また、当会にご相談ください。



CIL(自立生活センター)を作りたい方へ

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的にCIL(事業&運動)を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。エンパワメント方式の自立支援サービスを行いながら地域の制度を変える運動を行うという理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。(通常、CILの立ち上げには、古参のCILでの数年の研修(勤務)が必要で、運動経験や社会経験がある人でも2年2000時間ほどの研修時間数が必要です。しかし、大都市部から離れた地域でCILを作るためには、数年間の勤務研修は難しいため、地元で生活しつつ、通信研修や合宿研修で基礎を学んだ後、実地で少しずつ小さなCILを始めながら、毎週連絡を取りつつ5〜10年ほどかけてノウハウを覚えて成長していく育成方法を行っています)。
くわしくはお問合せ下さい。フリーダイヤル0120−66−0009(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

 

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6)

身体障害に限らず、今後研修を積み、他の障害者にもエンパワメント方式のサービスを提供することを目標にしていること。

(注:個別ILプログラム等のエンパワメント方式のサポートや研修を行わずに、単にヘルパー派遣のみを知的・児童・身体・精神の各障害向けにすることは推進協会としては禁止しています。誤解がおきやすいので特に注意)

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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