★障害者自立支援法の与野党修正協議暗礁に
★介護保険法改正が成立
★ヘルパー時間数アップに向けて交渉を

6月号
2005.6.27
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒180−0022 東京都武蔵野市境2−2−18−302
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
  TEL・FAX 0120−870−222 (フリーダイヤル
  TEL・FAX 0037−80−4445  
制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))        
  TEL 0037−80−4445 (全国からかけられます)
  TEL 0422−51−1566  
電子メール: 
郵便
振込
口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2005年6月号    目次

   

4・・・・障害者自立支援法の審議について
5・・・・ニュースジャパンの誤報について
9・・・・複数の障害者全国団体の資料より自立支援法の問題点・論点
15・・・過疎地域で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集
16・・・<改正>介護保険法が成立
18・・・兵庫県X市で1日8時間の入院時介護制度
18・・・名古屋でも2事業所が同一事務所スペースにでOKに
20・・・「近い将来にヘルパーを介護福祉士に一本化」のその後の情報
24・・・6月9日障害保健福祉全国主管課長会議の解説
26・・・課長会議で配られた市町村向け新法Q&A
32・・・障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に
36・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



障害者自立支援法の審議について 7月8日にも厚生労働委員会で可決予定

民主党、修正協議から離脱

 5月11日から障害者自立支援法の衆議院厚生労働委員会での実質審議が始まり、5月20日から国会は郵政関連で一時厚生労働委員会はストップしましたが、数日で再開しました。しかし、委員会では、障害者自立支援法以外の法案を先に審議することになり、その間に自民党と民主党で修正協議を行うことになりました。
 5月22日に民主党は修正協議打ち切りを決めました。民主党内部では、厚生労働委員会の所属議員は協議の継続の意見でしたが、岡田党首と古川ネクスト官房副長官らが打ち切りを強く主張し、決定したということです。これに対しては、多くの障害者団体や関係者から、7月3日の東京都議会選挙の対策としてのパフォーマンスであるとの批判が起こっています。障害者団体と法案の問題点についてやり取りしていた厚生労働委員会の議員の意見を採用せず、現場と関係ない党幹部が協議打ち切りを決めたということは、批判されて当然です。

 現在、国会は与党が過半数ですので、野党との修正協議が行われないと、政府原案通りで可決されます。これは最悪のシナリオです。民主党は修正協議に戻るべきです。 (詳しくは次ページもご覧ください)  

 今後の審議日程ですが、修正協議決裂のため、自立支援法審議はあと2回で終わり、7月8日採決予定です。与党が過半数の状況なので、原案通り可決されます。民主党が協議に戻るとなれば、また日程が延びます。また、郵政関係で日程が変更になる可能性もあります。



「障害者8団体が1割負担受け入れで合意」というニュースジャパンの誤報について

6月24日・25日のマスコミ2社の報道で事実と違う内容がありました。当会は報道された「障害者8団体」には入っておりませんが、不正確な報道はよくないと思いますので、記者会見の65分の内容をすべて公開します。(当会ホームページに掲載しています)

24日金曜の夕方5:45からの8団体の共同記者会見の録音記録です。 http://www.kaigoseido.net/kisyakaiken2005-06-24.wma
(ウインドウメディアプレーヤーファイル12MB 65分)
(右クリックして「対象をファイルに保存」を選べばダウンロードできます)

・この記者会見は民主党に修正協議に戻るように、その意見を言うためだけに8団体が行ったものです。

・記者会見の場に集まった団体は8団体のうち6団体です。8団体の共同文書は「与野党で修正協議を再開してほしい」という内容です。1割負担のことには触れていません。

・記者のなかに「民主党に修正協議に戻ることを求めるということは(イコール)1割負担容認ですか」との趣旨を質問している人が多くいました。(この法案の最大の問題は1割負担のことではありません。審査会や国庫補助基準の問題ことで、これは重度障害者の命に関わります。生活費の問題である「自己負担問題」は命に関わることはありません。日本では生活保護制度があるので、障害者が生活費の問題で死ぬことはありません。当会の会員である全国の重度障害者は介護制度の不足で毎年死んでいるのです。)マスコミも政党もその多くはこの法案の問題点を「1割負担」のことが重要なこととしか考えてないように見受けられます。多くの障害者も自己負担の問題ばかりをマスコミや政党に言いすぎです。これが誤報の原因だと考えられます。すでに7月8日には与党過半数で厚生労働委員会で可決の予定です。修正協議を離脱した民主党に対して協議にもどれと要望するのは当然です。現状の法案のいろいろな問題点を容認していようが、してなかろうが、修正協議がされないと、沢山の問題が少しも解決されない政府原案のままで可決されてしまいます。(これに対して、与野党協議が行われれば、少しは改善されます。厚生労働省も水面下で各政党にそれぞれの項目の問題点についての改善できる範囲の話を提示している最中だったのです。これも、修正協議が中止になったため、日の目を見ないことになってしまいます)。

「修正協議に戻れと言うことは1割負担を容認したんですね」・・・・・と考え、8団体で合意などしていない内容を「合意した」と事実を変えてニュースにするのは、おかしいことです。

[記者会見で8団体が発表した文書]

2005年6月24日

障害者自立支援法案に関する障害関係8団体の緊急声明

各党間における修正協議の継続を求める

 この間の政党間の修正協議をめぐる動きに対し、われわれは大きな危惧をいだいています。
 そのため、本日、障害関係8団体は緊急に会合をもち、協議が継続されることを各党に要請することを確認しました。政争の具とすることなく、障害のある人の地域生活の確立のために、真摯な協議を継続され、障害当事者に納得のできる結論をだされることを一致して強く望みます。

社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会 会長 小川榮一
日本障害者協議会 代表 勝又和夫
特定非営利活動法人 DPI日本会議 議長 三澤了
社会福祉法人 日本盲人会連合 会長 笹川吉彦
財団法人 全日本聾唖連盟 理事長 安藤豊喜
社団法人 全国脊髄損傷者連合会 理事長 妻屋明
社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会 理事長 藤原治
財団法人 全国精神障害者家族会連合会 理事長 小松正泰

なお、DPI日本会議はフジテレビと毎日新聞に対し、抗議文を送り、このような報道をされた経緯をホームページに掲載しています。

追加解説として下に当会のホームページ掲示板でのやり取りを掲載しておきます。(投稿者名は仮名にしてあります。)

[656] 自立支援法 投稿者:a 投稿日:2005/06/25(Sat) 10:17

8団体のトップが条件付で応益負担を飲む方向で動いているという情報が流れています。これは、事実でしょうか?デマでしょうか?ご教示ください。

[657] Re:[656] 自立支援法 投稿者:事務局 投稿日:2005/06/25(Sat) 10:42

結論から言うと、間違いです。

昨日、6月24日金曜日、障害者8団体は15時から緊急に集まり、民主党が修正協議を打ち切ったことに対し、「与野党で協議を再開してほしい」と記者会見することに急遽決まり、その1点だけで合意し、共同で17:45より厚生省記者クラブで記者会見しました。

国会は与党過半数ですから、民主党が与野党協議を打ち切ると、政府原案のまま一切修正なしで7月8日にも可決されてしまいます。

それは困るので「修正協議に戻ってほしい」という1点だけの記者会見だったのですが、声明を読み上げたあと、記者からの質問時間で、1時間以上も質問が続き、「民主党に協議にもどれということは、応益負担に賛成なのですか」「取材した地方の当事者は一致して応益負担反対といっていますが、幹部が意見が違うように聞こえるのはなぜか」等の応益負担の質問ばかりが出ていました。 これには、各団体がばらばらに答えていましたが、答えていない団体もあります。

金曜日24時ごろのフジテレビニュースジャパンで 「障害者8団体が1割負担を飲むことを合意」と流れました。

8団体でこんな合意はしてませんし、記者に正確に伝わっていないのだと思います。

[660] 失望しました 投稿者:b 投稿日:2005/06/25(Sat) 20:15

昨日の会見正直失望です。 あれだけ反対してた負担のことどうして受け入れたのですか。廃案を目指すという選択肢はなかったのですか? 8団体の皆さんはきちんと説明すべきだと思うんですが

[661] Re:[660] 失望しました 投稿者:事務局 投稿日:2005/06/25(Sat) 22:39

「8団体が1割負担受け入れで合意」というニュースが24日24時ごろフジ系ニュースジャパンで流れました。しかし、記者会見の全部の録音記録を聞きましたが、そのような事実はありません。誤報です。

 記者会見は民主党が与野党協議に戻るように声明を出すことを求めてその1点だけを8団体で合意して行ったものです。
 記者会見で8団体側がそのことを説明後、1時間以上記者からの質問が続きましたが、会見と直接関係ない話の、1割負担の話題ばかり話したのは記者の側です。それに対して、それぞれの団体がてんでばらばらに各団体の意見を言っただけです。(記者会見に出席していない団体もあります)。

 それを、「8団体が1割負担に容認の合意」といった誤報を流した社が2社あります。(2社目は最初の社の報道に影響されて見出しをつけるデスクが間違った可能性があります。記事自体はそれほど悪くありませんが、見出しが「8団体が容認」となっています)。
記者会見の録音記録がありますので、聞いていただくことが可能です。

[662] 自立支援法案の状況 投稿者:事務局 投稿日:2005/06/25(Sat) 22:53

国会状況をご案内します

 現在自民党と公明党が国会の過半数です。
 このため、自立支援法案は7月8日には与党過半数で委員会で可決の予定です。
 民主党が自民党と修正協議を行っていましたが、修正協議から離脱しました。
 このため、法案は何の修正もされないまま、政府原案のまま与党過半数で可決されそうです。
 現在、さまざまな障害者団体は、民主党に対し、修正協議に戻るように言っています。

現在の状況は、与党過半数ですので、廃案はありません。 あとは、
1 民主が自民との修正協議に戻り、修正されて可決か、
2 修正協議が行われないまま、修正されずに原案通りで可決
の2つしかありません。

いろいろな団体ががんばって与党野党に働きかけを行いましたが、現在の状況はこのような状況です。

 



複数の障害者全国団体の資料より自立支援法の問題点・論点を紹介します

1 審査会
 審査会は要介護区分の2次判定と、長時間ヘルパー利用者の時間数の査定を行う2つの仕事を持っているが、前者だけにとどめるべきである。
 審査会の委員は市町村が任命するので、サービス水準の低い市町村や支出を減らしたい市町村はその考えにあった委員を選ぶ。突然家族の介護が得られなくなった重度障害者が出ても、当初の予算計画の範囲でヘルパー時間数を決めるようになる(市町村が委員選定時にそう説明するので)。審査会で決まったことは市長でも覆せない。これが制度を伸ばさない言い訳に使われ、ヘルパー制度の水準の低い市町村で、制度改善がされないまま固定化することになる。
 日本の障害者福祉は各市町村で緊急の命に関わる障害者が出るたびに補正予算を組んで制度改善してきたから現在の姿になっている。補正予算を組めないようになる傾向の強い外部の審査会は大きな問題。命に関わる障害者の現場を見ている市町村が従来どおり責任を持って決定すべきである。
 また、業務を2次判定だけにとどめたとしても、障害者の地域生活に詳しい、障害者の委員を入れるよう義務付けるべきである。

2 国庫補助基準
 厚労省の原案では、障害程度区分(国庫補助基準)を身体状況を元に8〜9区分に分け、それぞれの区分の中で「その区分の人数×基準額」を国庫補助基準の上限とするとされている。(それ以上は市町村の100%持ち出しになる)。
 ヘルパー制度利用者は家族と同居の場合はきわめて少ししかサービスを得られていない実態があり、たとえば24時間介護が必要でも毎日2〜3時間程度しかヘルパーを使えないことがほとんどである。一方、1人暮らしの場合は24時間介護が必要ならば、12〜16時間のヘルパー制度を受けている場合がある(それでも足りないので自費やボランティア確保など相当の苦労を強いられる)。しかし、障害程度区分は障害の程度だけを判定し、1人暮らしかどうかなどは無視される。最重度の場合、全国の利用者のほとんどは家族と同居のため、区分ごとの国庫補助の平均金額は家族と同居の利用者の制度利用実態に近い額となる。このため、小規模市町村では、1区分に数人しかいないこともあり、その中で1人でも家族の入院などで1人暮らしの状態になると、たちまち、国庫補助が不足し、最低限の命に関わるサービスが受けられなくなる。都市部でも、施設から在宅への移行が活発な地域では、1人暮らしが増えると、国庫補助が不足しサービスが切り下げられることになる。1人暮らしの重度障害者の場合は引っ越して専門病院の近くや支援組織の近くなど、1箇所に集まる傾向があり、現状の案では問題が起きる。
 これを防止するためには、1人暮らしの場合は別基準を設け、複数区分で流用できる現在の方式に戻すべきである。

3 移動介護
 移動介護が廃止され、現在使っているヘルパー事業所は使えなくなる。かわりに市町村が実施するガイドヘルパー事業ができる。市町村から社会福祉協議会など市町村と関係の深い団体に委託されることもある。ヘルパー報酬は市町村の自由に変わるので、多くの市町村は、(主婦のパートなどしか働けない)最低賃金に近い給与設定にする可能性がある。
 このため、きわめて重度の障害者の外出介護になれた今までのヘルパー事業所のヘルパーは来なくなるため、外出できない障害者が出る。土日や夜間の外出はヘルパー不足で依頼できなくなる可能性がある。市町村によっては外出利用回数や行き先に(市内限定や官公庁のみなど)制限を設けるところもあると思われる(支援費制度前はそうだったため)。
 また、ガイドヘルパー制度は地域生活支援事業の1メニューになるため当初裁量的経費で始まり、数年後には三位一体改革で一般財源化されると予想されている。そうなると、道路などに予算を使う割合の強い市町村では、財源が福祉以外にまわされて、外出が認められる時間数などがますます縮小されてしまう。

 現在の日常生活支援利用者は日常生活支援で外出もできるようになるので、厚生省はこれをもって全身性障害者への対策は済んでいるといっている。しかし、日常生活支援は長時間連続利用を想定した低い単価(身体介護の2.5分の1)のヘルパー制度であるので、一部の大都市部で1人暮らししている長時間ヘルパー利用者などしか対象者がいない状態。全国のほとんどの全身性障害者は日常生活支援は使ってはおらず、「身体介護と移動介護」を組み合わせて使っている。こうした人たちが外出できなくなる恐れがある。

 移動介護は法律の「居宅介護」か「重度訪問介護」の中に残すべきである(法改正不要。政省令で規定可能)

障害程度区分ごとの国庫補助(障害者団体案)

         軽度                         重度

 

 

一般

区分1

区分2

区分3

区分4

区分5

30時間

60時間

150時間

210時間

240時間

 

1人暮らし

または

人工呼吸器利用者

区分6

区分7

区分8

区分9

区分10

120時間

240時間

480時間

600時間

800時間

・区分1と6は同じADL、区分2と7は同じADL、区分3と8は同じADL、区分4と9は同じADL、区分5と10は同じADL。
・単位は国庫補助上限の月ヘルパー時間数。この時間が提供されるわけではなく、市町村が個々人に応じて決めるサービス量と上記基準のどちらか少ない方に対して国は2分の1の補助を行う。つまり、上記の基準を超えて市町村がサービスを行うと、その越えた部分には国庫補助が行われない。
(解説)1人暮らしの重度の障害者は極めて少ないため、ほとんどの市町村では、区分8・9・10などの重度の1人暮らしの区分は0人か1人となる。このため、想定できる最も長時間の介護が必要な事例に対応できるように国庫補助上限時間数を設定する必要がある。
 また、利用者が1人しかいない離島でも最重度の1人暮らしの利用者を守るためには、1人暮らしの区分の国庫補助上限基準を十分あげておくことで対応可能。繰り返すが、この時間数が全額補助されるわけではない。市町村が決めた事業費の2分の1が国庫補助されるが、この国庫補助基準を超えると補助されないという意味である。
 1人暮らし以外で長時間介護が必要な場合があるので、区分間の流用が現在の方式と同様に認められる必要がある。

(6月上旬時点での情報)

民主党の修正協議文章出来上がる

 6月上旬に民主党が記者会見して与党との修正協議を求める事項を発表しました。この内容に入らなかったことは、今後、一切話題にもされなくなります。30年の運動をくつがえす、最重要の審査会の問題は、各団体が何度も要望したことが入っていません。(本人の意見聴取を義務付ける・・・としか書かれていません)。
 一方、自己負担は「所得保障がされるまで定率負担は凍結」などと、絶対与党がのめないような内容が入っています。
 単に「通りそうのないものは入れられなかった」というようなものではないようです。 アンバランスな、この審査会の扱いについては、最重度の障害者の団体から批判があがっています。制度の低い地域の1人暮らしの全身性障害者の命に関わる問題です。

民主党文書

「障害者自立支援法案」の主要な論点と修正協議項目
(中略)
2 修正協議を求める事項

 前記の多くの論点を踏まえれば、本法案に対して民主党は反対である。
 しかし、本法案が障害者等の生活を直接に左右するものであることから、障害者・児、家族及び関係団体からは一歩でも法案の改善を求める悲痛な叫び声が国会に届けられている。この当事者の声に真摯に応えていくことは政治の重大な責任である。民主党としては、障害者が差別を感じることなく、自己選択・自己決定に基づき社会の構成員としてその能力を存分に発揮できる社会を構築していくことを目指すものであるが、その一環として、今回、法案にとどまらず、障害者等の生活を実質的に左右する政省令事項等についても、与党と政治レベルの協議を行うこととしたい。具体的には以下の事項について、法案の修正、実質的な障害者福祉サービスの水準確保・向上等を求め、これを実現することにより障害者等の生活維持、自立と社会参加を実現していくこととする。

1.法の目的
 法案の目的に、障害者基本法の目的に明記されている「自立及び社会参加」を加える。

2.定率負担の凍結・所得保障
 新たな障害福祉サービス等に係わる利用者負担について考える時、その大前提として、障害者の所得保障の確立等が必須条件となる。そこで利用者に負担を求めるにあたっては障害当事者のみの収入に着目することとした上で、障害者の所得保障制度の確立及び低所得者の負担軽減策の具体的な拡充が実現するまでの間、定率負担の導入を凍結する。

3.移動の保障
 地域生活支援事業における「移動支援事業」は据え置きつつ、個別給付の「重度訪問介護」「行動援護」の対象を拡大し、サービス受給者の範囲を実質的に現状水準に維持することにより障害者の社会参加を保障する。

4.「自立支援医療」の凍結
 公費負担医療を自立支援医療とする本年10月からの実施は凍結し、改めて医療を必要とする者の範囲、自己負担の在り方を検討する。

5.重度障害者の長時間介護サービスの保障
 国及び都道府県の障害福祉サービス費に係わる費用負担については、障害程度区分の基準サービスに該当しない非定型・長時間サービス利用者の場合でも義務的経費の負担対象とする。

6.居住支援サービスの水準確保
 障害程度別にグループホーム・ケアホームへの入居の振り分けは行わないこと。またグループホームにおけるホームヘルパーの利用を可能とするなど、重度障害者の入居可能なサービス水準を確保すること。

7.本人の意見聴取
 「障害程度区分の認定」「支給要否決定等」を行うにあたり、障害者等又は保護者の求めがある場合には、その意見を聴取することを義務づける。

8.対象拡大及び障害定義の見直し
 発達障害・難病等の者に対する本法の適用について、障害者等の福祉に関する他の法律に定める障害者の範囲の見直しと併せて速やかに検討し、必要な措置を講ずる。

9.権利擁護に係わる制度の確立
 障害者の虐待防止に係わる制度、障害を理由とする差別禁止に係わる制度、成年後見制度その他障害者の権利擁護のために制度について、速やかに検討し、必要な措置を講ずる。

以上

 



[毎日新聞 2005年5月24日]

不正受給: 無資格ヘルパー派遣で、支援費を受給−−名古屋の介護事業者

 知的障害児らの移動介護事業などを行う、名古屋市西区江向町の居宅介護事業会社「ハウス」(山下正枝社長)が、実際は無資格のヘルパーを派遣していたのに有資格者を派遣したかのように装って、同市から障害者支援費を不正に受給していたことが24日分かった。不正受給額は、約1年間で数千万円に上るとみられる。同市は返還を求め、事業者指定の取り消しも検討している。
 同市によると、同社は04年2月に事業者指定を受けた。主に、知的障害児の外出に付き添う移動介護事業をしているという。不正は事業開始直後から始まり、市に支援費を請求する際、申請書に、無資格の職員を派遣したのにもかかわらず、ヘルパー有資格者を派遣したように記入して不正を繰り返していた。
 市から指摘を受けた同社は「需要が多く、ヘルパー有資格者だけでは間に合わなかった」と不正を認めているという。
 障害者支援費制度は、03年度にスタート。障害者の希望や程度に応じて、受けるサービス内容を市が決定。障害者は業者と契約を結び、業者が提供した内容に応じた支援費を、市が業者に支払う。



過疎地域で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集

 施設や家族のもとから出て、自立生活を始めませんか?

 多くの市町村では、1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度も伸びていません。これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。1人暮らしの重度の全身性障害者の住んでいる都道府県では1日16時間や24時間介護の必要な障害者がヘルパーや他人介助者を確保して1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域ではヘルパー制度が伸び、1日16時間や24時間の制度ができているところがたくさんあります。そのような市町村では、ヘルパー制度の上限という考え方がなくなり、「その障害者が自立して地域で生活するためにどのようなサービスが必要か考えて支給決定する」という考え方に変わっていきますので、1人暮らしの障害者だけではなくそれ以外の障害者もヘルパー制度を必要な水準まで受けやすくなっていきます。
 当会では、47都道府県のどこに住んでいても、同じようなサービスが受けられるように制度改善の交渉の方法の支援や、「最初の1人」の自立支援を技術的、財政的に(介護料)サポートしています。 現在、長時間のヘルパー制度のない(主に過疎地の)市町村にお住まいで1人暮らしをしたい全身性障害者を募集します。1日16〜24時間の介護が必要な方を想定していますが、それ以外の方もお問い合わせください。
 自立のあと、一定期間の介助者の費用のサポートをいたします。
 制度交渉してヘルパー制度を延ばすバックアップをします。
 アパートを借りる方法なども研修でサポートいたします(毎日介助がつく場合はきちんと方法を学べば簡単に借りることが可能)。住宅改造制度もあり、生活できるように改造も可能です。
 研修参加の交通費や介助費用は助成いたします。
 自立生活をするためのノウハウを持つための講座(ILP)を受講していただきます。
 なお、複数募集がある場合は、当会ほかが進めている、公益的な障害福祉活動に参加していただける方を優先いたします。

全国障害者介護保障協議会・広域協会・自薦ヘルパー推進協会
お問い合わせは  0120−66−0009 10:00〜23:00



<改正>介護保険法が成立

 介護保険の対象に障害者を入れるかどうかは、政府内に検討機関を新設し、来年度末までの結論を目指して来年夏までに国会に中間報告を行う予定です。
 また、事業所の検査指導権限が市町村にも付与されます。支援費では、中核市のように障害者団体の交渉現場の市と、事業所の検査指導が同じ市の部署で行われる弊害が報告されています。たとえば、国の指示を無視して長年ヘルパー制度に一律の上限を設けている中核市に対し、障害者団体がヘルパー制度に上限を作らないように交渉を行っていると、その障害者団体のヘルパー事業所に交渉を妨害するような日程で検査指導を突然行うといった実例が、複数の中核市で報告されています。このような自治体の乱用を防ぐためにも、検査指導権限は都道府県に限定すべきです。(障害者自立支援法では事業所指定事務は都道府県に一元化されますが、介護保険の改正で一定の調査権限は市町村に持たせると予想されます)。
 また、障害者団体も、交渉団体や自立生活センターはヘルパー事業所とは別法人にして、行政からコントロールされないようにすべきです。

改正介護保険法成立 介護予防サービス新設

(産経新聞) - 6月22日

筋トレや栄養指導 施設居住・食費は負担増
 平成十二年に施行された介護保険法の初の大幅見直しとなる介護保険制度改革関連法が、二十二日の参院本会議で自民、民主、公明三党などの賛成多数で可決、成立した。
 同法は、(1)筋力トレーニングなど介護予防サービスの新設(2)特別養護老人ホームなど介護施設の居住費(部屋代など)と食費の原則自己負担化(3)事業者指定やケアマネジャー資格の更新制導入−などが柱。
 施行日は平成十八年四月一日だが、介護施設居住費・食費の自己負担化に伴う費用徴収は今年十月から始まる。
 介護予防サービスについては、施行三年後をめどに効果を検証し、再検討する。保険料徴収と受給者の対象年齢拡大は、政府内に検討機関を新設し、十八年度末までの結論を目指して同年夏までに国会に中間報告を行う予定だ。
 介護保険制度改革関連法が二十二日に成立したことを受けて、厚生労働省は平成十八年度から事業者に適用する介護報酬など、制度の詳細な具体案づくりに着手する。今回の改正の目玉である、要介護度が軽い人の重症化を防ぐ目的で導入する新たな「介護予防サービス」の報酬については、月単位やプログラム単位の包括的な設定も視野に入れて検討する。
 二十七日の全国介護保険担当者会議にサービス内容や提供方法の素案を示す予定で、社会保障審議会介護給付費分科会の答申を経て、十八年二月には正式決定する運びだ。

●具体内容「?」
 新介護予防サービスは、(1)筋力トレーニングなどによる運動機能の向上(2)栄養改善指導(3)歯磨きや義歯調整などの口腔(こうくう)ケア−の三種類で、都道府県の指定を受けた事業者が厚労省の定めた運営基準に沿って実施する。
 厚労省は閉じこもり予防の観点から、三種類の新サービスを「予防通所介護事業所」(予防デイサービス)などに通ってもらう形で提供する方針。一人ひとりに適した目標を立てて、一定期間サービスを受けた後、地域包括支援センターの保健師らが改善度を評価する仕組みとする。
 しかし、具体的なサービス内容や提供期間、評価方法などの詳細な内容については、国会審議の中でも明らかになっていない。お年寄り本人や要介護者を抱えた家族らには、「どんなサービスを受けることになるのかわからない」といった不安が広がっている。
 多くの介護保険利用者が注目している「筋力トレーニング」では、高齢者を対象とするため慎重な実施が求められ、機能訓練指導員を配置する。指導員の対象範囲をどんな専門職にまで広げるかや、指導員一人あたり何人のお年寄りを担当するかなどの運営基準について、厚労省は今秋をめどに明らかにする。
 厚労省は国会審議で「筋力トレーニングは強制しない」との方針を明確にしており、十分な事前説明や、本人の同意に基づいてサービスメニューを決める。筋力トレーニングを受けたくない人には、筋力トレーニングが含まれないサービスメニューを用意する。

●お年寄り心配
 一方、従来型のサービスである家事援助に関しては、生活能力を低下させるような家事代行型のヘルパーの使い方を基本的に廃止する代わりに、ヘルパーが一緒に家事を行う形でお年寄りを手助けするなどのサービスを提案している。
 ただ、ヘルパーの家事援助を利用しているお年寄りからは「今まで通りの使い方ができなくなるのは困る」との心配も広がっている。そこで、厚労省は「一律カットはしない」との方針の下で、独居や要介護者同士の夫婦には従来通りの家事代行型ヘルパーも認める。
 家事援助の基準や報酬体系については、社会保障審議会の介護保険部会が、現在の「身体介護型」「家事援助型」という区分を行為別、機能別に再編し、見直すよう提言しており、厚労省はこれらを踏まえて介護報酬の改定作業にあたる予定だ。(清水麻子)      

≪介護保険制度改革のポイント≫
 ・筋力トレーニングや栄養改善指導などの「介護予防サービス」の新設
 ・介護施設の居住費(部屋代、光熱費、水道代)と食費の原則自己負担化
 ・ケアマネジャーの資格を5年ごとの更新制に
 ・総合的な介護相談を行う「地域包括支援センター」の創設
 ・介護サービス事業者にサービス内容や施設情報の開示の義務付け
 ・市町村長の介護事業所への調査権限の強化



兵庫県X市で1日8時間の入院時介護制度

 兵庫県X市で最重度全身性障害児・者が入院時に介護者をつける制度が1年ほど前から実施されていることがわかりました。1日8時間までで、入院中は毎日利用できます。1時間単価は日常生活支援単価で、ヘルパー事業所が支援費(日常生活支援)と同じ様式の請求書類で請求する方式です。
 現在、24時間ヘルパー制度を利用中の障害児が対象になっています。1年ほど前に医師等の働きかけもあって制度ができたそうです。
 制度は市の単独制度で国や県の補助はつかっていません。
 1日8時間以上の入院時の介護制度は東京都以外では初登場となります。



名古屋でも「日常生活支援専門事業所」と「全類型のヘルパー事業所」が同一事務所スペースにおいてOKに

 名古屋市でも「日常生活支援専門事業所」と「全類型のヘルパー事業所」が同一法人・同一事務所スペースにおいて許可になりました。兵庫県と同じ方式です。
 そもそも同一法人の別事業所が1つの事務室に同居するのは介護保険では常識(たとえば、ケアマネ事業所と訪問介護事業所が同一事務所で事務机は独立して、相談スペースは共用で設置されるのは常識)です。兵庫県や名古屋市の考え方が正しいと言えます。
 また、名古屋市では、「日常生活支援専用の事業所のサービス提供責任者」は日常生活支援研修を最低限の資格として従事年数を一年以上ということになりました。いずれもCILエクモが交渉しました。
 なお、東京都では「日常生活支援専門事業所」のサービス提供責任者の資格は、無資格でよかった全身性障害者介護人派遣事業や生活保護の他人介護料大臣承認の介護経験者も多いことから、書類上の資格は不要としており、「全身性障害者の介護の経験があり、サービス提供責任者を務める能力があればよい」としています。このため、みなし資格などでもかまいません。支援費制度での勤務経験数も問われません。



共同通信2005年6月2日

 訪問介護料金を細分化

       06年度から厚労省方針
          内容に応じ定額払い

 厚生労働省は1日、介護保険制度でヘルパーが要介護高齢者の自宅でケアをする現行の訪問介護の報酬(料金)体系を身体介護、生活援助の2種類から「食事介助」「認知症(痴呆症)の見守り」などに細分化する方針を固めた。介護負担の質や重さなどに応じた報酬体系に変更することで、利用者が対価に見合ったサービスを受けられるようにする。
 訪問介護の事業者報酬は現在、時間や回数に応じて支払われる出来高払い制となっているが、サービス内容に時間も加味した定額払いを導入する方針。2006年度に改定する報酬単価に反映させる。
 訪問介護は現在、食事や排せつ介助などの身体介護と掃除など家事を代行する生活支援の二種類。単価は30分以上1時間未満で、それぞれ4020円と2080円。利用者が支払う料金はその一割となっている。
 しかし、同じ身体介護でも寝たきりの人と認知症の人では、仕事の負担や必要とされる能力や知識は異なる。
 このため、現在の身体介護を「食事介助」「排せつ介助」「入浴介助」「認知症の見守り」などに、生活援助を「調理」「掃除」「洗濯」などサービスごとに分ける方向で検討する。
 手間のかかる介護や専門性の高い行為など介護負担と実際にかかる標準的な時間に見合う定額払いを導入したい考え。



「近い将来にヘルパーを介護福祉士に一本化」のその後の情報

 昨年11月に新聞各紙に載った「近い将来に介護福祉士に一本化」の件ですが、その後の進行状況を、担当の厚労省老健局振興課人材研修係に聞きました。

 「去年11月の中間報告のまま、大きく方針は変わっていない」とのことです。「これは法律事項ではない」ので、「介護保険法改正後に、この検討作業に入る」ということです。微調整はありえるものの、「大きな方向はそのまま」とのことです。
 今後介護保険は、資格によって単価を変えるということも予定されているため、3年ごとの単価改正にあわせるのか、聞きました。
 2006年改正は間に合わないので、2009年の改正ぐらいをめどに考えているのかどうか聞きましたが、「その時期も、できるところから、ばらばらにやっていくので、まだ決まっていない」・・・ということでした。

以上が最新情報。

解説

 通常、介護保険で改正があれば、障害ヘルパーも翌年には改正されます。身体介護や家事援助は介護保険と同様の資格制度に代わる可能性が大きいです。当面は既存の1〜3級ヘルパーは仕事ができなくなるということはありませんが、介護福祉士と単価に差がつく可能性があります。
 さらに中間報告ではその次のステップとして「近い将来」介護福祉士に一本化と書いています。ただ、これは実施段階までに現状の10万人のヘルパーの多くが介護福祉士に移行している必要があるので、そんなに簡単にはいかない可能性もあります。

 なお、障害ヘルパーの日常生活支援(新法では重度訪問介護)については、介護保険とは違う流れに落ち着きつつありますので、資格制度は変更されない可能性もあります。今後の制度改変時の交渉しだいです。

参考
2004年11月のシルバー新報記事

ヘルパー養成に「基礎研修」創設 400〜500時間に拡充
介護福祉士に段階的移行へ

検討会が中間報告
 将来的に介護職員に国家資格である介護福祉士資格を義務付ける方策を検討していた「介護サービス従事者の研修体系のあり方に関する検討会」(座長・堀田力さわやか福祉財団理事長)は、段階的移行策として現在ヘルパーの基礎資格となっている二級研修(一三〇時間)を大幅に拡充して、四〇〇時間程度の「介護職員基礎研修」を創設することを骨子とする中間まとめを行った。さらに介護福祉士資格へ移行できるよう支援策も設ける。また、介護福祉士の資格者にも、チームリーダー、施設長などの職種別や特定機能を習得するためのキャリアアップ研修を実施するなど施設・在宅の研修体系を全面的に刷新する内容だ。こうした研修を受けることを認定資格とし、報酬に連動し、インセンティブが働くようにすることを求めており、実施されれば労使の双方に影響は大きい。これを受けて、厚生労働省は来年度具体的なカリキュラムの作成にとりかかる。なるべく早期に実施したい考えだが、体制整備には時間がかかるものとみており時期はまだ未定だ。

  キャリアアップ研修 資格取得者にも導入
 七月末にまとめられた社会保障審議会の意見書では、介護職員の資格は将来的には介護福祉士を基本とすべきであり、これを前提に研修体系も見直すべきと初めて個人の職員の資格に踏み込んで提言した。検討会はこれを受け、具体策を検討していた。
 中間まとめでは、現在のヘルパー二級研修(一三〇時間)では養成時間が不十分と指摘。介護福祉士の一六五〇時間に比べると差は大きい。このため、両者の中間の位置付けとして、介護福祉士の資格を持たないヘルパーのレベルアップを図るために「介護職員基礎研修」を創設することを提言した。カリキュラムは現在の一・二級を合わせた三六〇時間を上回る四〇〇〜五〇〇時間程度とする。
 さらに介護福祉士資格への移行を促すために、研修修了者には、現在は受験資格に必要な三年の実務経験を短縮するなど「特典」を設ける方向。また実務につきながら養成課程を修了できる道も検討するとした。(以下略)

(記事で「検討会」とあるのは、「研究会」の間違いです。実施主体も書かれていませんが、全社協です)

介護サービス従事者の研修体系のあり方に関する研究会 研究実施主体:社会福祉法人 全国社会福祉協議会 平成16 年度 厚生労働省「老人保健事業推進費等補助金」により実施 (といっても厚生省が実質直営で行っているようなもので、毎回厚生省の以下の3つの課が参加しています)

厚生労働省老健局振興課
厚生労働省老健局計画課
厚生労働省社会・援護局福祉基盤課

全社協ホームページ
「介護サービス従事者の研修体系のあり方に関する研究会」の中間報告の全文などの掲載ページ
http://www.shakyo.or.jp/houkoku/houkoku.html

2004年11月の厚労省の全国課長会議資料にもこの中間報告の概要が掲載されています
全国介護保険担当課長会議資料 平成16年11月10日
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/3FD148951BFD36FC49256F490009B9EC?OpenDocument
の中の、
1.介護保険制度改正関係
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/vAdmPBigcategory20/5A5311A58116052449256F4900224117?OpenDocument
(3)介護サービス従事者の資質の向上について の3本のPDFファイルが、該当部分です

参考

介護サービス従事者の研修体系のあり方に関する研究事業について

1. 研究の目的
高齢者の尊厳を支えるケアの実現という観点から、介護職員のキャリアの開発を支援する研修体系等のシステムのあり方を検討し、介護職員が継続的な能力、キャリア開発 の意欲をもって就業できる環境の整備を図るとともに、介護職に対する社会的評価の向 上、介護サービスの質の向上に資する。

2. 研究実施主体
社会福祉法人 全国社会福祉協議会平成16 年度「老人保健事業推進費等補助金」により実施する

3. 委員名簿(順不同/敬称略)
【委員】
委員長 堀田力    さわやか福祉財団理事長
副委員長 樋口恵子   高齢社会をよくする女性の会代表
  石原美智子   新生メディカル代表取締役
  川越博美   聖路加看護大学教授
  須永誠    東京都社会福祉協議会研修室室長
  田中雅子   (社)日本介護福祉士会会長
※ 栃本一三郎   上智大学文学部社会福祉学科教授
※ 中島健一   日本社会事業大学教授
  西川真規子   法政大学経営学部助教授
  堀越栄子   日本女子大学家政学部家政経済学科教授
※ 山田尋志   (福)健光園高齢者福祉総合施設ももやま理事 園長
  若月健一   佐久総合病院老人保健施設施設長
  和田敏明   (福)全国社会福祉協議会事務局長
※…作業委員会も担当

【オブザーバー】
厚生労働省老健局振興課
厚生労働省老健局計画課
厚生労働省社会・援護局福祉基盤課

4. 開催経過
第1 回委員会 7 月15 日 研究計画及び研究の視点・論点について
作業委員会 7 月15 日 研究の進め方について
第2 回委員会 8 月6 日 求められる介護職員像とその技能・職務遂行行動等について
作業委員会 8 月6 日 研究の進め方について
作業委員会 8 月27 日 ドイツにおける介護職員の現任研修等について、介護職員に求められる専門性と技能について、介護職員のキャリアパスと人材養成・研修体系について
第3 回委員会 9 月13 日 介護職員に求められる専門性と技能、介護職員のキャリアパスと人材養成・研修体系について
作業委員会 9 月27 日 中間まとめ案について}
第4 回委員会 10 月14 日 中間まとめ案について
第5 回委員会 10 月28 日 中間まとめ案について



全国障害者介護保障協議会 交渉団体会員募集 

  10月に全国障害者介護保障協議会の常任委員会の選挙(2年に1回)が行われます。選挙は正会員に当たる交渉団体会員により行われます。交渉団体会員は年会費6000円で3人まで月刊誌をお送りします。団体会員・相談会員の方は追加費用なしで交渉団体会員に移行可能です。(交渉団体会員は障害者主体の団体で、ヘルパー制度の交渉を行っている団体・個人で、1人暮らしの重度障害者が含まれることが条件です。常任委員会で加入審査があります)。

常任委員立候補者募集の予告

 10月に選挙を行います。交渉団体会員には9月に選挙の案内と、常任委員立候補の手続きをお送りします。常任委員候補になるには交渉団体会員の構成員であることが必要です。全国9の地方ブロック区と全国区の重複立候補で選挙が行われ、ブロックごとに1〜2人、全国区で3人が選出されます。任期は2年です。



6月9日障害保健福祉全国主管課長会議

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

6月9日(木)、障害保健福祉全国主管課長会議が開催されました。
資料として
資料1 障害福祉サービスの利用者負担の見直し
資料2−1 17年度研修体制(ケアマネジメント・支給決定調査)等について
資料2−2 障害者自立支援法案関係自治体施行準備スケジュールモデル
資料2−3 4月28日全国会議及びヘルプデスクへ提出された質問事項(制度改正関係)について
資料3 自立支援医療について
資料4 心神喪失等の重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の概要 が出され、 順次資料にそって説明が行われました。

前回同様、支援法案が成立することを前提に自治体事務の準備についてが主で新しい資料、事項はあまりでていません。

資料1の負担については従来出されている資料です。 焦点とされている上限設定にかかる世帯の範囲については国会審議を踏まえて検討中と従来の説明を繰り返しています。

資料2−1は今年度の国、都道府県のケアマネ研修と、新制度の障害程度区分調査員の研修についてで、今年度の国の研修は11月に3日間、新制度のケアマネの活用についてとケアマネの演習等を行うとのことです。
これまで国の指導者養成研修に参加した人も受け入れて研修を行い、その参加した人を中心に都道府県のケアマネ研修、障害程度区分調査員研修が行なわれます。
資料2−2は制度施行に向けての自治体の事務準備のスケジュールを一覧にして示したもの
資料2−3は自治体の問い合わせに関するQ&Aで、主には制度関係事務(支給決定や事業所指定関係の事務等)の取り扱いついてですが、中には自立支援医療の10月実施に疑問を示す意見もありました。
資料3は自立支援医療の施行に向けた事務準備について
資料4は心神喪失者医療観察法の施行についてで、準備状況を10分ぐらいの早口の説明しました。

総じて、施行までの準備を進めてはいるが、これ以上詳しいことは法案が成立しないと何も出せないといった状況で、4月の会議からあまり新しい資料も出されず終わりました。

次ページから課長会議資料のうち、新しいQ&A資料(文書名: 4月28日全国会議及びヘルプデスクへ提出された質問事項(制度改正関係)について)を掲載します。

(資料全体はホームページをご覧ください)

4月28日全国会議及びヘルプデスクへ提出された質問事項(制度改正関係)について

■全国主管課長会議(05年6月9日開催)資料参照



障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に

長時間要介護障害者などが運営する介助サービスのシステムと 24時間介護保障制度を全国に作ろう

 2003年からは障害ヘルパーも介護保険と同様、事業者市場が自由化されました。さまざまな事業者がホームヘルプなどのサービスを提供し、障害者は自由に事業者を選択できるようになりました。
 ホームヘルプサービスを行いたい事業者は、一定の基準を満たせば、都道府県が1〜2ヶ月弱で指定するようになりました。指定を受ければ、市町村境や県境を超えてサービス提供ができるようになりました。
 長時間介助の必要な障害者や高度な介護が必要な障害者の団体は、従来から、行政などの派遣するヘルパーは介助が満足にできなかったため、自分たちで介助者を雇い、団体を作り重度全身性障害者にも十分対応できる介助サービスを行ってきました。また、行政交渉を行い四国や東京を中心に、24時間の介助制度を作り上げてきました。
 これらの自立生活センター等の団体は実績がありながらなかなか障害ヘルパー委託を受けられませんでした。2000年4月からの介護保険施行で、老人向けのヘルパー等事業者が自由化され、それに影響されて障害ヘルパーも重度全身性障害者の運営する自立生活センター等に委託されるようになりました。(それでも3年以上の話し合いが行われた上での事でした)。これにより、各センターは予算規模1億円を超える団体も増えてきました。
 2003年にはこのような心配はなくなりました。一定の基準を満たせば、市町村の意向に関係なく必ず指定が受けられ、ヘルパー事業者になれます。

2010年ごろの目標

 介護保険や障害の指定事業者になってヘルパー派遣を行うと、十分な運営費が保障され、団体職員の人件費や運営費に十分な保障ができます。この仕組みを使って更なるサービス水準アップや制度を改善していく運動に使い、社会を変えていこうという計画です。まず取り組むことは、2010年までに全国に1000事業者を作り、24時間要介護の障害者の自立支援を行い、行政交渉し、24時間介護保障を3300市町村作り出すことです。
 その次は、知的・精神・身体(視覚・聴覚・盲ろう・肢体・内部)・難病および重複の全障害種別の参加を得て、全ての障害種別にサービス提供(当事者が主体的に)していくシステムを計画しています。
 また、3300市町村の多くで24時間に近い介護保障ができた際には、全国で予算が確保されますので、国に対してパーソナルアシスタント制度(労働時間や通学や運転・入院など使途の制限をされない24時間介護保障で全国一律制度)を作っていきます。

注:東京などの一部団体では24時間介助保障を交渉して作り、24時間の専従介助者による介助サービスを行い、人工呼吸器利用の24時間要介助の全身性障害者などを施設などから一人暮し支援できています。一人暮しの知的障害者や精神障害者への介助サービスも行なっています。もちろん短時間の介助サポートもできます。いずれも個別ILプログラムや様々な支援を(自立生活をしている長時間要介助の)障害者役員が管理し健常者のスタッフなどを部下として雇って(障害者と健常者で)運営しています。これら団体は市から障害ヘルパーを委託されており、介護保険指定事業者にもなっており、収入は(今までの障害者団体に比べると)相当大きなものになります。
 通常、このような水準の団体になるために、どれくらいの研修期間や運営期間が必要かといいますと、まず、近隣の市の障害者が研修を受ける場合には、週1回(マネージャー&コーディネーター会議の日に)通って1年間、そのほかに近隣市の自立生活プログラムやピアカウンセリング、行政交渉には必ず全部出席していきます。2年目から団体を立ち上げ、まず1人目の自立支援(施設や親元からの一人暮しの支援)を団体として行います。この際などにも事細かに研修先の団体にアドバイスを仰ぎながら進めます。こうして2人目、3人目と進み、ILP、ピアカンなども講座型から個別までこなし、介護制度交渉も行ない、専従介助者を確保していって介助サービス体制を強固にしていきます。この間も外部の講座などには出来るだけ参加します。これで最短の団体(実績)で4年ほどで上記のような総合的なサービスが行なえるようになります。なお介護保険の事業者指定は実績が全くなくても有資格ヘルパーが3人いれば取れるため、半年ほどで取ることが出来ます。障害ヘルパーも2003年からは同じ様になります。今は障害ヘルパーは市に委託の交渉が必要になりますが介護保険事業者になっていたらすぐに委託が受けられる市も増えてきました。
 上記の(近隣市の障害者が研修を受けて団体を立ち上げていく)モデルをもとに、必要な研修時間を計算すると、週10時間程度で、年500時間(初年度のみ)となります。これと全く同じ事を行なうには年400〜500時間に相当する研修が必要です。全国47都道府県の事業者になりたい団体・個人がこれを全部合宿研修で行うわけにはいきませんから、なるべく通信研修+電話相談でカバーして、合宿研修は少なめでやってみようと検討しています。そのほか、近隣県で受講できる基礎ILP・ピアカンなどは極力近隣地域で受けることで体力や時間、費用が節約できますので極力参加するようにお願いします。

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的に事業を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。推進協会の理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。

くわしくはお問合せ下さいフリーダイヤル0037−80−4455(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6) 身体障害に限らず、今後他の障害者にもサービスを提供すること。

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
名前 (所属団体等)
渡辺正直  (静岡市議)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)
 
HOMETOP戻る