★障害者自立支援法の審議情報

★全国主管課長会議新情報

★ヘルパー時間数アップに向けて交渉を

7月号
2005.7.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒180−0022 東京都武蔵野市境2−2−18−302
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
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口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2005年7月号    目次

   

4・・・・過疎地域で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集
6・・・・障害者自立支援法の審議について
7・・・・議員への要望内容の例など
10・・・障害者自立支援法の付帯決議
12・・・7月22日課長会議の報告
14・・・課長会議資料での新情報(在宅分)
15・・・(課長会議資料)生活保護・境界層に対する負担軽減措置
19・・・(課長会議資料)市町村と厚生労働省のQ&A
22・・・障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に
26・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



交渉団体会員募集  

 10月に全国障害者介護保障協議会の常任委員会の選挙(2年に1回)が行われます。選挙は正会員に当たる交渉団体会員により行われます。交渉団体会員は年会費6000円で3人まで月刊誌をお送りします。団体会員・相談会員の方は追加費用なしで交渉団体会員に移行可能です。(交渉団体会員は障害者主体の団体で、ヘルパー制度の交渉を行っている1人暮らしの重度障害者が含まれることが条件です。常任委員会で審査があります)。

常任委員立候補者募集の予告

 10月に選挙を行います。交渉団体会員には9月に選挙の案内と、常任委員立候補の手続きをお送りします。常任委員候補になるには交渉団体会員の構成員であることが必要です。全国9の地方ブロック区と全国区の重複立候補で選挙が行われ、ブロックごとに1〜2人、全国区で3人が選出されます。任期は2年です。



過疎地域で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集

 施設や家族のもとから出て、自立生活を始めませんか?

 多くの市町村では、1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度も伸びていません。これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。1人暮らしの重度の全身性障害者の住んでいる都道府県では1日16時間や24時間介護の必要な障害者がヘルパーや他人介助者を確保して1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域ではヘルパー制度が伸び、1日16時間や24時間の制度ができているところがたくさんあります。そのような市町村では、ヘルパー制度の上限という考え方がなくなり、「その障害者が自立して地域で生活するためにどのようなサービスが必要か考えて支給決定する」という考え方に変わっていきますので、1人暮らしの障害者だけではなくそれ以外の障害者もヘルパー制度を必要な水準まで受けやすくなっていきます。
 当会では、47都道府県のどこに住んでいても、同じようなサービスが受けられるように制度改善の交渉の方法の支援や、「最初の1人」の自立支援を技術的、財政的に(介護料)サポートしています。 現在、長時間のヘルパー制度のない(主に過疎地の)市町村にお住まいで1人暮らしをしたい全身性障害者を募集します。1日16〜24時間の介護が必要な方を想定していますが、それ以外の方もお問い合わせください。
 自立のあと、一定期間の介助者の費用のサポートをいたします。
 制度交渉してヘルパー制度を延ばすバックアップをします。
 アパートを借りる方法なども研修でサポートいたします(毎日介助がつく場合はきちんと方法を学べば簡単に借りることが可能)。住宅改造制度もあり、生活できるように改造も可能です。
 研修参加の交通費や介助費用は助成いたします。
 自立生活をするためのノウハウを持つための講座(ILP)を受講していただきます。
 なお、複数募集がある場合は、当会ほかが進めている、公益的な障害福祉活動に参加していただける方を優先いたします。

全国障害者介護保障協議会・広域協会・自薦ヘルパー推進協会
お問い合わせは  0120−66−0009 10:00〜23:00



障害者自立支援法の審議について

 8月13日まで国会会期延長が決まりました。
 自立支援法は、衆議院本会議で採決されました。その後、参議院本会議での厚生労働委員会の審議が始まっています。
 参議院での日程は7月26日の厚生労働委員会で提案、審議入りになります。その後は、郵政民営化法案絡みで全てのスケジュールが流動的です。
 参議院の厚生労働委員会は、火曜日、木曜日が委員会予定日です。つまり、全く空転が無い状況だとしても、7月26、28日、8月2、4、9日(参議院本会議での採決を考えると11日は開催されるかどうか 分かりません)の5回です。1回の審議が5〜6時間程度と考えると、最大で30時間くらいです。もし、衆議院の委員会の時間並は必要ということになると、委員会が1回飛んでも時間切れとなり、秋の国会で継続審議ということになります。
 さらに、自立支援法は、参議院で重要広範法案に格上げになり、今までの委員会与野党理事ではなく、与野党の国対レベルで委員会日時を決めるということに変わりました。質問により首相も委員会に出席します。郵政民営化の特別委員会と厚生労働委員会が重なる場合は、厚生労働大臣も郵政の委員会で質問が出てそれに出席しなければいけないため、厚生労働委員会は郵政の委員会の与党の質問時間のみしか開けなくなります。
 現状では、「審議時間不足で、継続審議・秋の国会の冒頭に再提出」の可能性が高まってきました。この場合、議員への問題点の説明のチャンスが増えます。厚生労働省もこの法案のいい点を議員に何度も説明していますから、その量を超える説明が必要です。

 参議院の厚生労働委員会の議員への説明を行いましょう。GOOGLEなどのインターネット検索で検索すると厚生労働委員の名簿などがいろいろ出ています。該当議員の地元の障害者団体は特に与党の厚生労働委員会議員に何度か面会して説明をお願いします。
 現在、困ったことに、政治でもマスコミでも自己負担の問題ばかりが注目されています。今回の課長会議で厚生労働省が出した新しい資料も自己負担の一部軽減の資料ばかりです。
 自己負担の問題で、生命にかかわることはありません。現在、命にかかわる生活をしている最重度の1人暮らしの障害者は生活保護を使い、ヘルパー制度の不足で生命の危機と共に暮らしています。この「独居・最重度のヘルパー制度」の問題が命にかかわる最重要の課題です。議員への説明では、これ以上自己負担の問題を話すことなく、「独居・最重度のヘルパー制度」の問題を話していただけるようにお願いします。

(前頁からの続き)

議員への要望の内容の例など

 議員へ回って説明する内容ですが、現時点では、以下のような見本内容のうち、各団体の実情に沿ったものを考えて行ってください。
 ここでは、法改正ではなく政省令で対応できる要望を書き出しましたので、与党への要望もこの内容で行えます。
(なお、自分たちの生活を最初に説明してください)

1 最重度の独居障害者等のヘルパー予算確保と国庫補助について

・2003年度厚労省定点調査資料(注1)では、1日20時間以上のヘルパー制度利用者はヘルパー制度利用者全体の0.1%です。
(注1)障害者の地域生活支援のあり方に関する検討委員会の資料の基礎データより

・現在、独居の24時間介護が必要な障害者に必要な時間数(場合によっては毎日20時間や24時間)を決定している市町村は数十箇所ですが、その市町村の障害ヘルパー事業費はそれほど大きくなく(注2)、日本全体に換算しても、1800億円(国900億円)ですみます。(17年度障害ヘルパー予算は約1066億円(国533億円))。障害施設予算1兆2000億円(国6000億円)、介護保険6兆円に比べても、それほど過大ではありません。
 早期に1800億円の予算を確保し、命にかかわる、1人暮らしの最重度障害者に、必要な時間が決定されることが必要です。
(注2)厚生労働省へ国庫補助請求した全国市町村の15年度事業費実績より算出

・家族の介護の得られない独居などの最重度障害者が、地域生活をできるよう、1人暮らしの最重度のヘルパー制度の一律の上限を設けず、必要不可欠なヘルパー時間はつけるようにしてください。また、そのために、予算確保と、国庫補助を確実に行える方式を整備してください。

・最重度の人工呼吸器利用者などが想定されている、重度包括の単価は現状のヘルパー制度の日常生活支援の月744時間の合計単価より下がると、引き受ける事業所がなくなるので、対象者の範囲は限定し、きちんとした単価を設定してください。(現状の単価でも大幅に資金が不足していて、他の利用者の黒字をまわして最重度の人工呼吸器利用者をサポートしている実態がある)。

・審査会に市町村が意見を聞く前に、市町村は利用者の利用計画を作りますが、この利用計画を作る際に、最重度の独居の障害者は自分の説明をするのに慣れていないので、確実に説明ができるまで、何度でも市町村に説明をできるように、その機会を(政省令または通知等で)保障してください。

・障害程度区分に、独居の場合は別区分をもうけ、特別障害者手当受給者(全介助の全身性障害者など)の独居者は、国庫補助基準を月800時間分の「国庫補助上限(この時間以下なら市町村が必要性を認めて重度訪問介護を実施すれば国庫補助がつく数字)」としてください。

2 外出介護について

(1)居宅支援事業(市町村事業)のガイドヘルパー制度について

・重度訪問介護や行動援護以外に区分される障害者の場合でも、重度で、なれた介護者でないと、外出が困難な全身性障害者や知的障害者については、現状のヘルパー指定事業者がガイドヘルパー制度を行え、利用者が自由に選択できるようにしてください。
(注:全身性障害者でも、重度訪問介護の利用者はごく一部)

(2)重度訪問介護について

・重度全身性障害者の1〜2時間の外出介護は、身体介護と同単価を適用してください。(理由:重度訪問介護(現:日常生活支援)は、介護保険の生活援助(家事援助)よりも単価が低いため、1〜2時間の重度全身性障害者の外出を引き受けてくれる事業所はありません。現日常生活支援は8時間などの長時間連続利用を想定した制度だからです。通常のヘルパー利用者よりも重度な利用者向けの制度ですので、短時間利用の場合、単価は身体介護と同じにすべきです。)

自己負担問題の要望を行わないように注意を

 現在、議員などに出されている99%以上の要望内容が自己負担の問題の要望であると考えられます。このため、議員の注目点も、厚生労省の妥協案も自己負担問題ばかりで、非常に弊害が出てきています。
 介護サービス利用者の99%以上は家族と暮らしており、それらの障害者にとっては自己負担の問題も大きなことだとは理解します。が、1人暮らしや障害者のみの世帯、家族が介護できない状態の最重度障害者の場合、1番の問題は、命に関わるヘルパー制度の長時間利用の問題です。これらの最重度の独居者などは、自己負担の問題の要望はあえて行わないようにし、「独居・最重度の長時間の介護制度」の要望に集中してください。
 どんな障害者もやがて家族の介護を得られなくなるときが来る可能性があります。いま、その問題をきちんと要望して伝えられるのは、現在そのような厳しい状況にいる障害者だけです。



障害者自立支援法案の付帯決議

7月13日、衆議院厚生労働委員会で障害者自立支援法案が可決されましたが、同時に付 帯決議も可決されました。

民主党は法案には反対しましたが、付帯決議には賛成しました。

この付帯決議は自民党議員と民主党議員が下書きしたもので、最終日に突然出ました。障 害者団体との相談はありませんでした。政省令にも影響する重要なものですので、参議院 では障害者団体に事前に相談していただきたいと思います。

なお、参議院では衆議院の2倍ほどの付帯決議がつくのが普通です。付帯決議の案を障害者団体に聞いている政党もあります。

障害者自立支援法案に対する附帯決議

1 附則第三条第一項に規定する障害者の範囲の検討については、障害者などの福祉に 関する他の法律の施行状況を踏まえ、発達障害・難病などを含め、サービスを必要と するすべての障害者が適切に利用できる普遍的な仕組みにするよう検討を行うこと。

2 附帯第三条第三項に規定する検討については、就労の支援も含め、障害者の生活の 安定を図ることを目的とし、社会保障に関する制度全般についての一体的な見直しと 併せて、障害者の所得の確保に係る施策のあり方の検討を速やかに開始し、三年以内 にその結論を得ること。

3 障害福祉サービス及び自立支援医療の自己負担の上限を決める際の所得の認定に当 たっては、障害者自立の観点から、税制及び医療保険において親・子・兄弟の被扶養 者でない場合には、生計を一にする世帯の所得ではなく、障害者本人及び配偶者の所 得に基づくことも選択可能な仕組みとすること。また、今回設けられる負担軽減の措 置が必要な者に確実に適用されるよう、障害者及び障害児の保護者に周知徹底するこ と。

4 市町村の審査会は、障害者に実情に通じた者が委員として選ばれるようにするこ と。特に障害保健福祉の学識経験を有する者であって、中立かつ公正な立場で審査が 行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいことを市町村に周知するこ と。また、市町村が支給決定を行うに当たっては、障害者の実情がよりよく反映され たものとなるよう、市町村職員による面接調査の結果や福祉サービスの利用に関する 意向を十分踏まえるとともに、不服がある場合には都道府県知事に申し立てをおこな い、自ら意見を述べる機会が与えられることを障害者及び障害児の保護者に十分周知 すること。

5 国及び地方自治体は、障害者が居住する地域においては、円滑にサービスを利用で きるよう、サービス提供体制の整備を図ることを障害福祉計画に充分に盛り込むとと もに、地域生活支援事業として位置づけられる移動支援事業、コミュニケーション支 援事業、相談支援事業、地域活動支援センター事業などについては、障害者の社会参 加と自立生活を維持、向上することを目的として、障害福祉計画の中に地域の実情に 応じて、これらサービスの数値目標を記載することとするとともに、これらの水準が これまでの水準を下回らないための十分な予算の確保を図ること。

6 自立支援医療については、医療上の必要性から継続的に相当額医療費負担が発生 することを理由に、月ごとの利用者負担の上限を設ける者の範囲については、速やか に検討を進め、施行前において適切に対応するとともに、施行後も必要な見直しを図 ること。
  自立支援医療費のうち、児童の健全育成を目的としたものについては、その趣旨 に鑑み、施行までに利用者負担の適切な水準について充分検討すること。

7 精神病院におけるいわゆる7.2万人の社会的入院患者の解消を図るとともに、それ らの者の地域における生活が円滑におこなわれるよう、必要な措置を講ずること。

8 居住支援サービスの実施にあたっては、サービスの質の確保を前提に障害程度別に 入居の振り分けがおこなわれない仕組みや重度障害者が入居可能なサービス基準の確 保、グループホームの事業者の責任においてホームヘルパーの利用を可能とすること などについて必要な措置を講ずること。

9 良質なサービスを提供する小規模作業所については、新たな障害福祉サービス体系 において、その柔軟な機能が発揮できるよう位置づけるとともに、新たな施設体系へ の移行がスムーズに行えるよう、必要な措置を講じること。

10 障害者の虐待防止のための取り組み、障害を理由とする差別禁止に係わる取り組 み、成年後見制度その他障害者の権利擁護のための取り組みについて、より実効的な ものとなるよう検討し必要な措置を講じること。



7月22日、障害保健福祉関係主管課長会議報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

7月22日、障害保健福祉関係主管課長会議が開催されました。
今回は障害福祉サービスの利用者負担についての説明に多くの時間がつかわれまし た。

配布された資料は以下です。
資料1−1 障害福祉サービスに係る利用者負担につうて
1−2 利用者負担の見直し
1−参考@ 利用者負担のフローチャート
1−参考A パンフレット案
資料2 心神喪失者等医療観察法の施行について
資料3−1 障害者自立支援法案の審議状況(衆議院)
資料3−2 障害者自立支援法案に対する修正案要綱
資料3−3 障害者自立支援法案に対する附帯決議
資料3−4 衆議院厚生労働委員会において与党より確認的に行われた質問及びそれ に対する答弁

 衆議院の委員会審議、修正、付帯決議等を踏まえ示された方向性を制度上どのよう に反映していくかを中心に、上限額の設定、個別減免、高額サービス給付費、入祖施 設食費・住居費の補足給付、社会福祉法人減免、生保移行防止の個別減免、それぞれ について資料に基づき、細かいしくみの説明(資料1−1)と実際の事務処理(資料 2−1)についての概要が示されました。

 今回、国会審議を受けて新に出されたものは主に、
・利用者負担上限額を税制控除・社会保険の被扶養者を受けない場合本人のみの収入 に応じて決定していくしくみ
・低所得者1に該当する場合の本人のみの収入に応じて上限額を決定のしくみ
・グループホームの方の個別減免に関わる、一定程度の預貯金・資産についての認定 について
・通所施設、児童入所施設、ホームヘルプの社会福祉法人減免制度について
の4点です。

次いで、医療観察法の施行に関する簡単な報告、 午後はこれまでの国会(衆議院)での審議状況、与党提出の修正案、付帯決議につい ての解説、質疑応答がありました。

質疑応答では市町村事務の細かい事項が多くありましたが大きな部分に関わるものを 下記に掲載します。

Q.「申請書などの各様式は示されるのか。示されるのであればいつ頃になるか」
A.「次回以降、随時出せるものは出していく。作業をいそいでいる」

Q.「現在支給決定に関わる障害程度区分の試行事業が行われているが、この試行事 業の体制・内容がそのまま本制度に移行するのか」
A.「今回の障害程度区分の試行事業はあくまでモデルで、実際につかう調査項目や 障害程度区分は今回の試行事業の結果から検討し示したい。審査会も試行事業におけ る審査会がそのまま移行するわけではなく、人数、委員の要件(例えば医者が入るの かなど)は施行に向けて検討することになる」

Q.「上限額設定に関わる世帯の認定は住民基本台帳(=住民票)で行うとされてい るが、住民票上世帯分離されていれば、税制控除を受け社会保険被扶養者となってい ても本人にのみの所得とするのか」
A.「まず、住民基本台帳が基本になるので、そこで世帯分離されていれば本人(と その配偶者)のみの収入で認定する」

Q.「社会福祉法人減免は、利用者の地域に社会福祉法人が提供するサービスがない 場合NPO法人でも減免が可能か」
A.「当該地域をカバーする社福法人がなければ、NPO法人でも減免は可能。この部 分の整理のは国が定める部分はガイドラインで示し、あとは市町村の裁量で決めて頂 く」



主管課長会議資料での新情報(在宅分)

生活保護基準より収入の少ない障害者(国民障害基礎年金と手当のみの収入など)の自己負担免除について

 いままで、1人暮らしや障害者のみの世帯などで、就労していない場合、障害基礎年金と手当てだけなら生保基準以下なので、ヘルパー制度の自己負担は(個別減免で)0になると思われていましたが、今回、新しい資料が出ました。
 自己負担を0にするためには、まず、障害者が生活保護担当係に生活保護の申請をして、「ヘルパー制度の自己負担減免をしたら生保にならなくていい場合」に障害福祉担当係より自己負担分が補填される・・・・という案が出ました。
 これでは、貯金が15万もあれば、却下ですし、資産の保有もあると却下になります(最低限の自宅の保有などは生活保護が認められるのでそれは除く)。
詳しくは次ページからの4ページ分の課長会議資料をご覧ください。

 2万4000円の自己負担を払えなくなる方は、いまから生活保護申請の準備をしておくしかありません。たとえば、親類が障害者名義で土地登記や貯金をすることがよくありますが、そのような資産がないか確かめ、今すぐ返上して、生活保護を受けることができるようにしておくことをお勧めします。
 また、生活保護でも、車の保有は、週に4回ほど通う作業所や障害者団体事務所があれば、重度の全身性障害者なら認められます(徒歩やバスで通えない場合)。ただし、車の維持経費は団体などから援助されていることが条件となります。小さな「支援する会」などを作ってそこからの援助を実際に受けるということでもかまいません。通所先からの援助でもかまいません。
 生活保護の詳しいことはHOWTO介護保障資料4巻をご覧ください。
 また、生活保護になると、他人介護料大臣承認(月13万円代〜19万円台)が受けられます。これはヘルパー制度など他の制度では、「その障害者に必要な介護時間に1日4時間以上空白ができてしまう」という場合に受けられます。


(3 )生活保護・境界層対象者に対する負担軽減措置について

<考え方>

  利用者負担の見直しにより、障害福祉サービスを利用する者が生活保護の受給の対象者となる場合には、生活保護の適用対象でなくなるまで利用料を減額することとする。
  また、受給対象者施設に入所する障害者が、食費等実費負担が重いことにより、生活保護受給対象者となる場合については、定率負担にあわせ、食費等実費負担についても、一定額まで軽減することとする。

<軽減の方法>

@ 定率負担の軽減措置(居宅・施設共通)
 障害福祉サービスの定率負担を負担しなければ、生活保護の適用対象でなくなる場合には、生活保護の適用対象でなくなるまで月額負担上限額の区分を下げる。
  負担上限額 40,200円 → 24,600円 → 15,000円 → 0円

A 施設入所者の食費負担軽減措置
(20歳以上)
 定率負担の利用者負担を0円まで減免しても生活保護対象者となる場合は、生活保護の適用対象にならなくなる範囲まで食費等を軽減する。
 軽減する範囲については、食費実費基準額(5.8万円)から食費最低負担額である2 .2 万円控除した額(3.6万円)を上限とし、生活保護の受給対象とならなくなるまで補足給付を支給。
 なお、生活保護の対象者については、収入額にかかわらず、3.6万円(5.8万円−2.2万円)を支給する。
※2.2万円については、もっとも所得の低い世帯においても必ず負担 する食費・光熱費等であるため、2.2万円までは負担を求めること とする。

    生保世帯 低所得世帯 一般世帯
@ 定率負担 24,600 →15,000 →0 40,200 →24,600 →15,000 →0
A 実費負担 22,000 58,000 〜22,000 (生保適用対象でなくなるまで減免)
補足給付 36,000 36,000 〜10

(20 歳未満)
 一般世帯において、定率負担の利用者負担を0 円まで減免しても生活保護対象者となる場合は、低所得者世帯とみなして、補足給付を支給。
 すでに低所得者世帯の補足給付を支給されている場合は、どこで暮らしていてもかかる費用の負担を求める考え方から、それ以上の補足給付の特例措置は講じないこととする。
 生活保護の対象者については、低所得者世帯と同様の実費負担を求めることとする。

※ 補足給付の計算方法
・低所得者世帯、生活保護世帯
 補足給付額=2.5(その他生活費*)+1.5(定率負担相当分として固定)+5.8(食費等実費基準額)−5.0 (所得階層ごとの標準支出額)=1.0万円
・一般世帯
 補足給付額=2.5(その他生活費*)+定率負担相当分(一人当たり報酬単価/日×30.4 日×0.1 )+5.8 (食費等実費基準額)−7.9 (所得階層ごとの標準支出額)
*18 歳未満の場合は0.9 万円加算して、3.4 万円とする。 定率負担を1 .9 万円とした場合

    生保世帯 低所得世帯* 一般世帯
@ 定率負担 24,600→15,000→0 40,200→24,600→15,000→0
A 実費負担 10,000
(1,000)
10,000
(1,000)
35,000 →10,000
(26,000 →1,000)
補足給付 48,000
(57,000)
48,000
(57,000)
23,000 →48,000
(32,000 →57,000)

( )内は18 歳未満の場合
*低所得者世帯については、補足給付の特例措置は行われない。

<手続き>

 福祉事務所において、生活保護の申請をした者について、

@ 定率負担のみ軽減すれば生活保護の対象者とならない場合 保護の却下を行うとともに、却下通知書に定率負担を24,600円または15,000円または0円とすることを記載する。
 利用者は保護の却下通知書を添えて、市町村に定率負担の減免の申請を行う。
 市町村においては、申請を受けた場合は、定率負担の減免措置を講ず る。なお、申請された日の属する月の初日にさかのぼって、当該上限額を適用し、次の定期月額負担上限額の見直し(年に1回の支給決定の見直し)が行われるまで適用する。

A @に加え、食費負担を減免すれば生活保護の対象者とならない場合保護の却下を行うとともに、却下通知書に、下記事項を記載する。
 ・「特例補足給付対象者」
 ・生活保護において認定した収入額、その者に適用される生活保護の最低生活費の額
 利用者は保護の却下申請書を添えて、市町村に定率負担の減免及び補足給付の特例額の申請を行う。
 市町村においては、保護の却下申請通知書に記載された情報を元に、特例補足給付の額を決定する。
 なお、申請された日の属する月の初日にさかのぼって、当該補足給付の額を適用し、次の定期月額負担上限額の見直し(年に1回の支給決定の見直し)が行われるまで適用する。

<市町村及び福祉事務所での具体的な事務の流れ>

1 障害福祉サービスを利用する者が、福祉事務所に生活保護の申請を行った場合、福祉事務所に対し、市町村の障害部局は
@ 該当者の定率負担の額(個別減免後の額)
A 食費等実費負担額(すでに支給されている補足給付の額を控除した額)
B 補足給付の額 を情報提供する。

2 福祉事務所においては、生活保護基準に上記@及びAの額を加算した額と、申請者の収入額を比較し、
A @の額を減免しなくても生活保護の受給対象とならない場合 生活保護を却下する。(障害部局での対応は不要)
B @の額を24,600 →15,000 →0 に減免すれば生活保護の受給対象とならない場合
 保護を却下し、却下通知書に「定率負担減免相当」及びどの段階であるかを記載する。
C @の額を0 円にしても、生活保護の受給対象となるが、Bの額を最大3.6万円まで増額すれば食費等実費負担額が軽減され、生活保護の受給対象とならない場合
 保護を却下し、却下通知書に以下のことを記載する。
 ・「定率負担減免相当」及びその額が0 円であること。
 ・「補足給付特例対象」であること。
D @の額を0 円にしても、Bの額を3 .6 万円まで増額しても食費等実費負担額が重く、生活保護基準を下回る場合
 生活保護の対象となる。

3 利用者は却下通知書を添えて、市町村の障害部局に定率負担減免または補足給付特例申請を行う。

4 利用者から申請された市町村の障害部局は、
 B の場合は、却下通知書に記載された額まで定率負担を減免する。
 C の場合は、定率負担を0 円にしたうえで、却下申請書に記載された情報を元に、生活保護基準に1 Aの額を加えた額から認定収入額を控除した額を、現在支給している補足給付の額に加えて支給することとする。
 変更後の定率負担及び補足給付の額は申請のあった月の属する日の初 日にさかのぼって適用する。

5 市町村の障害部局はD の場合については、補足給付を3 .6 万円支給 する。この場合、保護が開始された月に属する月にさかのぼって効力を 有するものとする。


これ以外にも、施設やグループホームを中心に新規情報がたくさん課長介護資料に掲載されています。ホームページに掲載していますので、ご覧ください。


引き続き、課長会議資料の自治体からの質問と厚生労働省の回答を掲載します

平成17 年7 月22 日

6 月9 日全国会議へ提出された質問事項(制度改正関係)について

(注)6 月9 日の全国会議に地方自治体から提出された主な質問事項(制度改正関係)について、整理したもの。

分類 質問の内容 現段階の考え方
新支給決定手続き

@現在、既に支援費に基づき施設入所の決定を受けている者については、新支給決定に係る障害程度区分の認定を受ける必要がないということで良いのか。



A精神の居宅サービスについても、18 年1 月から利用者負担が変更となるのか。また、精神については、現行支給決定制度がないがどのように取り扱うのか。




B認定調査員等の研修の経費については助成はないのか。

@18 年9 月末において、現に支援費の決定に基づき施設に入所している者で、10 月以降引き続き入所している者については、新支給決定を受けなくても、現に受けている支給決定に係るサービスの支給を受けることができる経過措置を設けている。

A利用者負担については18 年1 月より1 割負担となる。 また、精神の居宅サービスについては、法律上「みなし支給決定」という仕組みがないので、18 年1 月までに自立支援法に基づく新しい支給決定を行っていただくことになるが、施行が円滑に行われるような方策を検討しているところ。

B都道府県が実施する認定調査員等の研修については国庫補助(二分の一)を予定している。

利用者負担

@グループホーム利用者の費用尺度について、6.6万円の数字の根拠は何か。
  また、これまでの資料では6.6万円の内訳が示されていたが今回の資料で内訳を示していないのはなぜか。













A自県内のグループホームに入所している、障害年金2級受給のみの者については、前回資料に示されている費用内訳以上に食費等の負担が生じるが、利用者負担の改正に加え、地域生活支援事業のサービスを受けるとなれば更なる負担が生じる状況にあり十分考慮してほしい。











B6 月9 日全国課長会議資料1 のP14 について、低所得者に対する通所施設の食費の人件費部分については、どのような形で支払われるのか。

C6 月9 日全国課長会議資料1 のP22 の就労継続支援について、事業主が負担して減免が行われる場合について、障害者雇用調整金が支給されているケースが挙げられているが、なぜなのか。

D個別減免した場合の国・県・市町村の負担割合はどうなるのか。


E収入認定の基準となる6 .6 万円や2 .5 万円は生保基準より低いが生活保護世帯とそれ以外の世帯との逆転現象は起きないのか。








F補足給付については利用者の医療費を考慮して決めることになるのか。




G施設の相互利用制度における18 年1 月以降の利用者負担額については施設サービスの取り扱いに準ずるとかんがえてよいか。

H入所施設の個別減免を行なう場合、成年後見人制度にかかる費用も考慮する必要があると考えるがどうか。

@6.6万円というのは障害年金2級をイメージしているが、グループホームで生活する障害年金2級のみの者については、利用者負担が非常に厳しいということから、今回の利用者負担については新たな負担をいただかないということにしている。6.6万円を超える収入を超えた場合については、一定の割合により負担頂くということにしている。
 従来、この個別減免の基準となる費用尺度のうちの居住費については、内訳で示した額を上限とし、実際の支出額がその内訳よりも少ない場合には、その少ない額を費用尺度とすることも検討していたがより簡便でわかりやすくするため、実際の支出額にかかわらず、6.6万円を費用尺度とすることとしたものであり、この取扱いの方が利用者にとって有利になるものと考えている。

Aグループホームの個別減免については、一定額以上の預貯金がない場合については、障害基礎年金2級(月額6 .6 万円)のみの収入で生活する方が、新たに定率負担を負担することにより、生活できなくなることがないよう、定率負担がゼロとなるよう設定しているところであり、障害者の収入が6 .6 万円以下の場合、定率負担は生じない。その場合、6 .6 万円の中で食費やその他生活費を賄うこととなる。 なお、自治体によっては、家賃が高くて6 .6 万円では生活ができないという意見もあるが、このことについては、地域格差があることは承知しているが、全国一本の制度であり、基準は統一せざるを得ないと考えている。
 なお、自治体が行っている家賃補助については、それは全額家賃に充当されるので、収入として認定しないこととしている。

B報酬として施設に支払われる(法定代理受領)。



C事業者減免は事業主による判断となるが、障害者雇用調整金が支給されていること等も考慮して、減免措置を行うことを可能としたものである。


D減免した部分は給付を行うことになるが、この給付についての負担は通常の給付と同様、国1 /2 、都道府県1 /4 、市町村1 /4 となる。

E生活保護の場合は、資産等がないこと、扶養義務がないこと等が受給の前提となっていること等、収入面だけではなく、他に負担能力が全くないことが求められているが、本制度においては預貯金についても350 万円まで保持してもよいこととしているので、必ずしも生活保護と同じ考え方をとっているわけではない。ちなみにその他生活費2 .5 万円というのは家計調査で把握した最小限必要とされる1 人当たりの金額であり、低所得者とのバランスも考慮している。

F補足給付については20 歳以上と20 歳未満で異なるが、医療費は在宅で暮らす者との均衡からその他生活費に含まれており、医療費を別枠で考慮して補足給付を出すということではない。

G利用者負担額については、サービスにかかる費用の1 割をご負担いただくこととしており、相互利用の場合であっても、同様の取り扱いである。

H個別減免を行う際に収入から控除する必要経費は、税、医療保険の保険料としており、成年後見人制度にかかる費用を控除することとはしていない。なお、知的障害者及び精神障害者の成年後見制度利用への支援については、平成18 年度予算に向けて、今後、具体的なあり方等について検討することとしている。

事業体系・サービス内容(現行を含む)

@新体系サービスの施設において、身体障害者デイサービス事業と知的障害者デイサービス事業の相互利用、地域生活支援事業の相互利用並びに65 歳未満の身体障害者による介護保険法の指定通所介護事業所及び指定短期入所生活介護事業の利用について、障害者自立支援法上どうなるのか。












A障害者自立支援法上、身体障害者、知的障害者及び精神障害者に係る旧体系の授産施設の相互利用制度についてはどうなるのか。

@障害者自立支援法における新しい事業体系については、サービスの対象者を障害種別により限定するものではなく、サービスの内容・目的・性格といった「機能」に着目し、今までの事業体系とは全く異なる再編を行うものである。
 したがって、今後、各サービスにおいては、障害種別にかかわらず、共通の制度により提供することとなり、具体的には、一つの施設において異なる障害を持つ人にサービス提供することが可能となることからも、現行の相互利用制度は、新しい事業体系の中で普遍化されることとなる(なお、事業者においては、専門とする障害種別を明らかにするなど一つの障害種別に係るサービス提供も可能)
 なお、障害者自立支援法に定める障害者が介護保険法による指定事業所を利用する場合の取扱いについては、今後、関係部局と検討してまいりたい。

A旧体系施設については、身体障害者、知的障害者、精神障害者がそれぞれ、異なる障害種別を利用できる制度は引き続き行う方向で検討を進めているが、具体的な方法については、現在検討中であり、サービスの基準や報酬の見直しと併せて速やかにお示ししたいと考えている。

指定・運営基準、報酬 @訓練等給付については、一定期間満了すれば原則更新しないとあるが、成果が上がらなかった者については、もう1 度別の訓練等給付を支給決定するのか、あるいは以降は支給決定自体を行なわないこととなるのか。
 また、訓練等給付の一つである、共同生活援助については、何が成果の判断基準となるのか。効果が上がらなければ住まいの場自体を失いかねないと考えられるがどうか。
@訓練等給付に係る支給決定の更新については、原則として行わないこととしているが、訓練終了時に行う個別プログラムに基づく訓練結果を評価した上で、その結果、
(1)訓練により一定の改善が見られ、
(2)給付の継続により、更なる成果が期待できるようなケースについては、訓練期間を延長することがあり、現時点におけるイメージとしては、追加訓練期間等を明示した個別支援計画を作成し、支給決定の更新を行うこととしている(H17.4.28 全国課長会議で提示済)。
 共同生活援助は、自立訓練や就労移行支援とは異なり、サービス提供期間は限定せず、地域において共同生活を営むのに支障のない障害者を対象に、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助を行うサービスである。さらに
(1)利用者ごとに、個別支援に関するプログラムを作成し、当該プログラムに沿ったサービスを提供すること
(2)プログラムの作成や継続的な評価を行う責任者を配置することなど、より個々の利用者の特性に応じた適切な支援が行われるよう、提供するサービスの質の向上を図ることに重点を置いて、現行制度を見直していくこととしており、具体的なサービスの評価方法については、今後、関係者の意見を伺いながら、検討してまいりたい。
事業者指定

@現行の身体・知的障害者デイサービスの指定を受けている事業所について、18 年1 月以降は、身体・知的それぞれで指定を受けるのか。それとも3 障害のデイサービスとして指定を受けるのか。3 障害で指定を受ける場合、例えば、現行身体で指定を受けている事業所について、精神障害者のサービス受給希望に対して、応諾しなければならないのか。








A事業所のみなし指定事務はどのような事務を想定しているのか。また、公示も行なうのか。









B事業者のみなし指定について、現在は事業者番号を法別・サービス別に設定しているが、新しく設定することとなるのか。また、WAM ネットに台帳システムがあるがそのシステムとの関係はどうなるのか。










C事業者指定について、大都市特例はどうなるのか。











D施設の設置届についても、都道府県に一本化されるのか。

@現行支援費制度で指定を受けている身体障害者デイサービス及び知的障害者デイサービス事業所は、18 年1 月に新法に基づく障害者デイサービス事業所としてみなし指定されるこの場合新法では3 障害を統合しているので制度上は3 障害を対象としたデイサービスを行う事業所として指定を受けたこととなる。
 ただし、応諾義務については、制度上は3 障害の区別はしていないが、一方ではサービス提供に係る専門性を認めてもいいのではないかと考えており、また現在、障害種別毎にサービスを提供している状況も踏まえ、制度施行当初においては、他の障害種別からの受給希望に対しては、応諾しないことも認める方向で検討中である。

A事業者のみなし指定は、法律上何らの手続なしに指定の効果が生ずるものであるが(精神保健福祉法上の居宅支援事業者については、現行において指定制度がなく届出制度であるため、省令でみなし指定の範囲、手続を定める。)、障害者自立支援法第51 条の規定に基づく指定事業者の公示を行う必要がある。これらの点も含めてみなし指定に係る具体的な事務処理方法は現在検討中であり、できるだけ早期にお示ししたい。

B平成18 年10 月の新体系移行までの間は、指定障害福祉サービス事業者の事業者番号については、都道府県及び市町村のシステム改修等に係る負担軽減を図る観点から、基本的に現行支援費制度における事業者番号の桁数や付番ルールによることとし、みなし指定事業者にあっては、原則として平成18 年9 月以前までは支援費制度での事業者番号を引き継ぐ方向で考えている。
 WAM ネットにおける支援費事業者情報については、上記の措置等により、円滑に新法に対応したものとなるよう、運営主体である独立行政法人社会福祉・医療機構と調整していく予定である。

C18 年1 月から9 月までの間においては、大都市特例に基づき、現行支援費制度において指定を行っている都道府県・政令市・中核市がこれまでどおり指定を行い、18 年10 月以降においては、大都市特例を廃止し都道府県に一本化することとしている。
 なお、精神保健福祉法上の居宅支援事業者については、現行において指定制度がなく届出制度であるため、みなし指定を含めた18 年1 月から9 月までの間の指定の主体等については、現在検討中であり、今後お示ししたいと考えている。

D国、都道府県及び市町村以外の者が障害者支援施設の設置する場合の届出等については、社会福祉法に定めるところにより行うこととしており(法第83 条第4 項、社会福祉法における大都市特例の取扱いに基づき、現行支援費制度にお)ける施設と同様、政令市・中核市が届出・指導監督等を所管する方向で検討している。

費用負担

@自立支援給付に係る国庫負担金は国から県・市町村に直接交付されると考えてよいか。




A従前の例により運営する精神障害者社会復帰施設については、18 年10 月から現行運営費補助が基本的に90 /100 相当と理解しているがどうか。

@障害福祉サービスに係る自立支援給付費の国庫負担金は、国から市町村に直接交付されるまた自立支援医療に係る自立支援給付費の国庫負担金についても国から都道府県又は市町村に直接交付される。

A精神障害者社会復帰施設については、平成18 年10 月から新体系への移行が始まるが、平成24 年3 月31 日までの経過措置期間中における現行の精神障害者社会復帰施設運営費補助金の詳細な内容については、平成18 年度概算要求において検討していく。

補装具 @補装具の利用者負担について、負担上限額、介護給付費等の利用者負担額との合算による給付ついてはどうなるのか。 @18 年10 月以降については、要した費用の一割負担となる。また、所得に応じて上限額を設定する予定である。
 なお、負担上限額については検討中である。
 また、合算については、介護給付・訓練等給付と、自立支援医療、補装具は別の制度であるので、補装具と介護給付・訓練等給付との合算は行わない。
地域生活支援事業

@地域生活支援事業は市町村の判断とされているが、障害程度に応じたサービス標準類型や利用者負担額の考え方について国で何か基準を示す予定はあるのか。
  また、相談事業については無料と聞いているが、その他はどうなるのか。

A福祉ホームについて、地域生活支援事業に移行する場合、福祉ホームの入所の決定等、援護の実施者はどこが行なうこととなるのか。また、運営費基準は、1 箇所当たりになるのか、人員あたりとなるのか。

@基本的には地域生活支援事業は実施する自治体の裁量をもって弾力的に運用されるということとなり、利用者負担についてもその方向で検討中であるが、具体的にサービス内容をどのように設定するか等については、今後検討してお示しすることとなる。

A福祉ホームについては、18 年10 月以降は原則として市町村の地域生活支援事業の一環として実施することとなる。
  なお、運営費基準については、今後予算編成課程の中で検討することとしている。

審査支払システム @審査支払システムについて、19 年10 月運用開始とあるが、なぜ法の施行に合わせた早期の対応ができないのか。 @国保連の支払いシステムの構築に向けて準備を進めているところであるが、現在、各々の自治体などで個々に運用されている事務処理方式について全国統一となる標準方式の検討を行い、平成18 年10 月にスタートする新たな施設・事業体系に沿った報酬体系が決まってから、本格的なシステム開発が行えるようになるため、相当な期間を要することなどから、平成19 年10 月からの運用することとしている。
その他

@市町村審査会、介護給付等不服審査会の定数については、条例で定める必要がある。 介護保険導入時においては、定数を定める条例の準則を示されたが、今回も同様に準則が示されるのか。示されるとしてそれはいつ頃になるのか。

A障害福祉サービス関係の周知用リーフレットやポスターの作成予定はあるか。

@市町村審査会の定数を定める条例及び障害者介護給付費等不服審査会の設置条例については、本年の11 〜12 月議会への条例案提出のための準備作業に間に合う時期に参考例をお示ししたいと考えている。

A法案の成立後できるだけ早い時期に、障害者自立支援法の周知用リーフレットを作成し、地方自治体等に配布したいと考えている。



障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に

長時間要介護障害者などが運営する介助サービスのシステムと 24時間介護保障制度を全国に作ろう

 2003年からは障害ヘルパーも介護保険と同様、事業者市場が自由化されました。さまざまな事業者がホームヘルプなどのサービスを提供し、障害者は自由に事業者を選択できるようになりました。
 ホームヘルプサービスを行いたい事業者は、一定の基準を満たせば、都道府県が1〜2ヶ月弱で指定するようになりました。指定を受ければ、市町村境や県境を超えてサービス提供ができるようになりました。
 長時間介助の必要な障害者や高度な介護が必要な障害者の団体は、従来から、行政などの派遣するヘルパーは介助が満足にできなかったため、自分たちで介助者を雇い、団体を作り重度全身性障害者にも十分対応できる介助サービスを行ってきました。また、行政交渉を行い四国や東京を中心に、24時間の介助制度を作り上げてきました。
 これらの自立生活センター等の団体は実績がありながらなかなか障害ヘルパー委託を受けられませんでした。2000年4月からの介護保険施行で、老人向けのヘルパー等事業者が自由化され、それに影響されて障害ヘルパーも重度全身性障害者の運営する自立生活センター等に委託されるようになりました。(それでも3年以上の話し合いが行われた上での事でした)。これにより、各センターは予算規模1億円を超える団体も増えてきました。
 2003年にはこのような心配はなくなりました。一定の基準を満たせば、市町村の意向に関係なく必ず指定が受けられ、ヘルパー事業者になれます。

2010年ごろの目標

 介護保険や障害の指定事業者になってヘルパー派遣を行うと、十分な運営費が保障され、団体職員の人件費や運営費に十分な保障ができます。この仕組みを使って更なるサービス水準アップや制度を改善していく運動に使い、社会を変えていこうという計画です。まず取り組むことは、2010年までに全国に1000事業者を作り、24時間要介護の障害者の自立支援を行い、行政交渉し、24時間介護保障を3300市町村作り出すことです。
 その次は、知的・精神・身体(視覚・聴覚・盲ろう・肢体・内部)・難病および重複の全障害種別の参加を得て、全ての障害種別にサービス提供(当事者が主体的に)していくシステムを計画しています。
 また、3300市町村の多くで24時間に近い介護保障ができた際には、全国で予算が確保されますので、国に対してパーソナルアシスタント制度(労働時間や通学や運転・入院など使途の制限をされない24時間介護保障で全国一律制度)を作っていきます。

注:東京などの一部団体では24時間介助保障を交渉して作り、24時間の専従介助者による介助サービスを行い、人工呼吸器利用の24時間要介助の全身性障害者などを施設などから一人暮し支援できています。一人暮しの知的障害者や精神障害者への介助サービスも行なっています。もちろん短時間の介助サポートもできます。いずれも個別ILプログラムや様々な支援を(自立生活をしている長時間要介助の)障害者役員が管理し健常者のスタッフなどを部下として雇って(障害者と健常者で)運営しています。これら団体は市から障害ヘルパーを委託されており、介護保険指定事業者にもなっており、収入は(今までの障害者団体に比べると)相当大きなものになります。
 通常、このような水準の団体になるために、どれくらいの研修期間や運営期間が必要かといいますと、まず、近隣の市の障害者が研修を受ける場合には、週1回(マネージャー&コーディネーター会議の日に)通って1年間、そのほかに近隣市の自立生活プログラムやピアカウンセリング、行政交渉には必ず全部出席していきます。2年目から団体を立ち上げ、まず1人目の自立支援(施設や親元からの一人暮しの支援)を団体として行います。この際などにも事細かに研修先の団体にアドバイスを仰ぎながら進めます。こうして2人目、3人目と進み、ILP、ピアカンなども講座型から個別までこなし、介護制度交渉も行ない、専従介助者を確保していって介助サービス体制を強固にしていきます。この間も外部の講座などには出来るだけ参加します。これで最短の団体(実績)で4年ほどで上記のような総合的なサービスが行なえるようになります。なお介護保険の事業者指定は実績が全くなくても有資格ヘルパーが3人いれば取れるため、半年ほどで取ることが出来ます。障害ヘルパーも2003年からは同じ様になります。今は障害ヘルパーは市に委託の交渉が必要になりますが介護保険事業者になっていたらすぐに委託が受けられる市も増えてきました。
 上記の(近隣市の障害者が研修を受けて団体を立ち上げていく)モデルをもとに、必要な研修時間を計算すると、週10時間程度で、年500時間(初年度のみ)となります。これと全く同じ事を行なうには年400〜500時間に相当する研修が必要です。全国47都道府県の事業者になりたい団体・個人がこれを全部合宿研修で行うわけにはいきませんから、なるべく通信研修+電話相談でカバーして、合宿研修は少なめでやってみようと検討しています。そのほか、近隣県で受講できる基礎ILP・ピアカンなどは極力近隣地域で受けることで体力や時間、費用が節約できますので極力参加するようにお願いします。

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的に事業を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。推進協会の理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。

くわしくはお問合せ下さいフリーダイヤル0037−80−4455(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6) 身体障害に限らず、今後他の障害者にもサービスを提供すること。

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
名前 (所属団体等)
渡辺正直  (静岡市議)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。
 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。
 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。
 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。
 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。
 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。
 支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になります。
 全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになります。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。
47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行えば、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになります。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。(できれば各県に2〜3ヶ所あれば、よりいい)。 全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。(他薦ヘルパーでは時間数をのばすと、各自の障害や生活スタイルに合わず、いろんな規制で生活しにくくなるので、交渉して時間数をのばさない)
自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)
例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります) 自薦登録の受付けは各団体のほか、全国共通フリーダイヤルで広域協会でも受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。
自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。
 これにより、将来は3300市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(東日本のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい広域協会に登録し、市から広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(東京都) 3月までは全身性障害者介護人派遣事業を使って自薦の介助者を使っていたのですが、4月1日にB市からC市に転居した関係で、新しい区で受給者証がなかなか発行されず、5月はじめに4月1日付の受給者証が送られてきました。区から広域協会を紹介され、電話したところ、緊急事態ですからということで、特別に4月1日にさかのぼって自薦介護者の介護を支援費の対象にしてくれるということで4月の介助者給与が出ることになり助かりました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえるようになりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は週3日勤務で月20万ほどの収入ができ、安定してきました。

 
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