★障害者の地域生活支援の在り方検討会最終報告文書は大幅書き換えに

★大規模市のX市で24時間介護保障に(詳細解説)

★ヘルパー時間数のアップに向けて交渉を

8月号
2004.8.27
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒180−0022 東京都武蔵野市境2−2−18−302
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
  TEL・FAX 0120−870−222 (フリーダイヤル
  TEL・FAX 0037−80−4445  
制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))        
  TEL 0037−80−4445 (全国からかけられます)
  TEL 0422−51−1566  
電子メール: 
郵便
振込
口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2004年8月号    目次

   

4・・・・大規模市のX市で24時間介護保障
7・・・・生活保護の国庫補助75%補助を66%補助へ
8・・・・10月からの支援費ヘルパー新単価案が通知される
10・・・8月6日の第16回社会保障審議会障害者部会の報告
12・・・障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会の最終報告文書
15・・・長時間介護利用者に関する記述部分の各委員による訂正の履歴
17・・・社会保障審議会障害者部会(8月16日)の傍聴メモ
22・・・障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に
27・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



大規模市のX市で24時間介護保障

会員専用ページに掲載です。



生活保護の国庫補助75%補助を66%補助へ

 政府の進める国と地方の税財政を見直す三位一体改革で厚生省は8月5日の知事会で生活保護費の国庫補助率(現在は国4分の3、市町村4分の1)を引き下げ、3分の2補助にすることを表明しました。
 昨年官邸からの一般財源化の項目の求めで、厚生省から回答された生活保護の補助率ダウンですが、昨年は官邸が生保を選ぶことを許さず、ほかの補助金である、保育の国庫補助廃止などになりました。生保の補助率ダウンは今年の課題とされていましたが、予定通り補助率が下がることになりました。75%補助から66.6%への補助率低下(8ポイント低下)で約1700億円の補助金が削減されることになります。

生保利用障害者への影響は

 利用者への影響ですが、昔、80%補助から75%補助に国庫補助が低下したときも、利用者への締め付けが起こりました。国と自治体は建前上「生活保護の受けやすさには変更ない」と言うでしょうが、何割かの市町村では「申請書を出したがらない」「扶養義務照会がしつこくなる」などが起こると予想されます。
 生活保護の新規申請のときに申請書を出さない行為は法律違反です。現在でも言語障害のある障害者に申請書を出さない市町村があり、支援する障害者が同行して「法律違反であること」「県や国の保護課から指導してもらう」とけんか腰で言うことで、しぶしぶ申請書を出してくるという事例が2〜3割の自治体であります。厚生労働省保護課も法律違反行為には指導をしてくれますので、解決できない場合は当会にご相談ください。
 又、扶養義務については、障害者の親に大きな収入があっても、実際に独立した子供に仕送りを1円もしていなければ、収入認定はできません。子供の保護決定は行われ、親のほうに引き続き生保ワーカーが扶養のお願いに行くという方法が法律にのっとったやり方です。
 こういう方法ではなく、親の収入が多いことを理由に保護申請をさせなかったり、申請後決定を30日以上おくらせることは、法律違反です。解決できない場合は当会にご相談ください。

【広告】 資料集4巻「生活保護と住宅改造・福祉機器」 16年度版が出来上がりました。16年度単価を収録しています。(大臣承認介護料は掲載がありませんが昨年と同額です) 1000円+送料(会員700円) 申込みは発送係0120−870−222へFAXか電話で。



10月からの支援費ヘルパー新単価案が通知される

 厚生労働省は10月からの障害ヘルパーの単価案を都道府県等に送りました。
 日常生活支援に30分単価と60分単価を新設、 家事援助、移動介護に30分単価を新設する案です。

 日常生活支援の短時間単価は非常に問題があります。当会ほか複数の障害者団体では日常 生活支援は1回4時間以上の連続したサービスを原則にするよう要望してきました。

 これは、「もともと60分の身体介護(4020円)で決定されていた利用者に対し、市町村 が90分の日常生活支援(2410円)に勝手に変えてしまう」(その結果、低い単価で受ける 事業者がなく、1箇所しか選べなくなった)といった、市町村の制度悪用が後を絶たない からです。
 当会や複数の障害者団体は厚生労働省に対し、このような悪質な市町村を指導するよう 採算申し入れしていますが、厚生労働省障害福祉課は、まったく対応しようとしません。  このような中で、30分の日常生活支援単価を設けることは、非常に問題があります。

(以下が配布された厚生労働省文書です)

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

 障害保健福祉行政の推進につきましては、平素よりご尽力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、居宅生活支援サービスの事業運営上の工夫につきましては、3月3日の全国障害保健福祉関係主管課長会議で平成16年10月を目途に検討を進めるとお示ししたものについて検討を行ってきたところでありますが、このうち「ホームヘルプサービスの短時間の利用ニーズに対応して、30分未満単価を設定する」「乗降介助の単価を設定する」について、平成16年10月から実施することとしましたので、管内市区町村に周知いただくとともに、準備方よろしくお願い致します。(具体的な内容は別紙)
 なお、障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会において、ガイドヘルプサービスの単価の見直し等について意見があったことを踏まえ、更なる事業運営上の工夫について、引き続き検討を進めているところでありますので、よろしくお願いします。

敬具



(別紙)

平成16年8月17日

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課

   都道府県
各 指定都市 障害福祉主管課長 殿
   中核市

居宅生活支援費サービス事業運営上の工夫について
(16年10月に実施するもの)

○ホームヘルプサービスの短時間の利用ニーズに対応して、30分未満単価を設定する。

【単価案】
 家事援助 30分未満   800円
 移動介護(身体介護を伴うもの) 30分未満 2,310円
 移動介護(身体介護を伴わないもの) 30分未満   800円
 日常生活支援 30分未満   870円 30分以上1時間未満 1,660円

○乗降介助の単価を設定する。  

【単価案】  
 1回 1,000円



8月6日の第16回社会保障審議会障害者部会の報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

 8月6日の第16回社会保障審議会障害者部会において、「障害者の地域生活支援に関するありかた検討会」の最終報告が資料として出されました。

 報告書は4日の交渉で「包括」の言葉は7回から1回になりましたが、来年度の予算を取るためにどうしても必要な言葉だということで、他の言葉に置き換えるようにいったのですが、そうするともっと具体的に書くことになるので、残念ながらこのような結果です。
 DPI・JILは「包括」と高いサービスのところから低いサービスの地方にお金をまわすことには納得できないとして合意しないで帰りました。
 また、ケアマネは義務づけずに強制しないということで書き直しました。

今日の社会保障審議会障害者部会では介護保険審議会の中間まとめと、上記の検討会報告、精神の地域生活支援あり方検討会のまとめ、精神病床のあり方検討会まとめの、以上4つの報告が事務局からあり、それについての質疑が行われました。
まず、包括については妻屋委員から
「全文に生命・身体の維持に関するサービスは国の責任でとあるが、17年度の対応のところには包括的報酬が検討されている。このあたりはしっかり議論がされたのか」と質問があり、
これに対し、伊原企画官より
「17回で案を示し、17回・18回の2回で議論した。しかし具体的なことは何も議論されておらず、書いてあるとおり導入の是非を含め今後議論していきたい」 との発言がありました。
また京極氏より補足で「充分な議論ではなかった」との補足の発言があり、議論が尽くされておらず、導入の是非を含め今後の検討課題という消極的な発言となりました。

介護保険の報告書に対しては
妻屋委員より
「報告書は統合に関して両論併記になっている。これを基にスケジュール的には11月か12月に法案作成にとりかかるのか」と質問があり
厚労省側(老健局企画官渡辺氏)から
「それが前提。年末までにこの問題も含め一定の方向だす。介護保険部会の報告書は多岐にわたる。実際の実施は、サービス整備踏まえ、徐々にやっていく」、
京極氏より
「介護保険部会、障害者部会、両部会の報告が社会保障審議会(親会)に報告するこ とが手続き上必要になる。その後、秋以降は障害者部会でも個別事項、重要案件を議論しつつ継続審議が必要となってくる。しばらくは障害者部会・介護保険部会の平行線でやっ ていく。障害者部会から投げて、介護保険部会からは両論併記でかえってきたということ。 またキャッチボールになる。政治も絡む話しで、どうなるか正直わからない」
と発言がありました。

その他、統合問題については、
「障害児をどうするのか(親の扶養として0歳児からなのか、被保険者と同様に20歳から受給対象とするか)」、
「特に知的精神の要介護認定が低くなってしまい、かなりの混乱が起こるのでは」といった意見が出されました。

今後のスケジュール(事務局より)
・ 障害者部会は9月中旬に再開され、個別の事項に関して、具体案を出して議論していく。
・ 介護保険の問題は介護保険部会でも議論を進める。介護保険部会では秋以降「被保険者と受給者の問題に焦点をあてて進めていく
・ 障害者や市町村等とできるだけ話し合いを重ね、できるだけ努力し、17年の国会での法案提出を目指す。

※今日は1時間半と時間も短く、4つの報告書の説明に多くの時間が割かれ、質疑は短い時間で、全体的なもの、精神障害分野に関わるものが多かったです。

※障害者部会全体の議論については次ページからの検討会最終報告文書の次のページをご覧下さい。これは議事録ではなく個人の傍聴メモですので不正確な部分もあります。取り扱いご留意ください。



障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会の最終報告文書

  8月6日の審議会障害部会に報告された「あり方検討会」の最終報告文書より、先頭の要約部分を掲載します。
  この文書は最終報告文書の要約であり、最終報告文書(文書名は「障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会における議論の整理」)の全文は、後述の厚生労働省のホームページに掲載されています。この文書は、「ありかた検討会」の最終回のあと、全委員に最終案が送られ、各委員から訂正要求が出て、その結果をまとめて出来上がったものです。厚生省事務局が作った最終案に比べ、かなり大幅な書き換えが行われました。

最終報告文書全体は厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/08/s0806-7c.html
をご覧ください。介護保障協議会HPからもリンクしています。

障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会における議論の整理のポイント


I 地域生活支援の在り方に関する議論の整理

  1 地域生活を支える体系の在り方

 (1) 地域生活を支えるサービス体系(住・生活・活動等)の基本的な視点
 障害のある人もない人も、地域で共に暮らし、共に働く社会を目指すべき。
 住まいの確保、生活支援、就労等の活動支援、社会参加、相談支援、権利擁護などの障害者が地域で暮らす際の広範なニーズを踏まえ、施設の在り方も含め、サービス体系全体を再検討する。
 施設から地域生活への円滑な移行支援のための施策の充実を図るとともに、地域生活を安定的に継続、維持するため、入所施設サービスから地域生活支援サービスへと財源の比重を移すことが必要。

 (2) 住居支援
 ○  民間アパートや公営住宅で安心して暮らすことができるよう、障害者や家主に対して緊急時に対応できる地域の支援体制を推進すべき。
 ○  障害程度やライフステージに応じて必要なサービスを提供できる新しいタイプのグループホームの類型を検討。

 (3) 居宅生活支援
(1)  ホームヘルプサービス
 地域によってサービスの利用量に大きな格差があることから、サービスの底上げを図ることが必要。
(2)  ガイドヘルプサービス
 事前に支給決定が必要な支援費制度では臨機応変に応えられない面があることを踏まえ、社会参加を支援する事業者等を活用するなど柔軟な仕組みを検討。
(3)  視覚・聴覚障害者等の情報・コミュニケーション支援
 就労・就学・在宅での支援を一層推進すべきであり、手話等の支援の拡充と、人材の育成・確保が重要。
(4)  就労支援
 授産施設等から企業等での就労への円滑な移行が可能となるよう、地域における就労支援機能の充実等、一連の就労支援システムの構築を検討。

2 サービスを適切に供給するシステムの在り方

 (1) ケアマネジメントの必要性
 地域生活を総合的に支援するため、ケアマネジメントの制度化の方向で検討(利用の義務づけや強制することがあってはならない)。また併せてセルフケアマネジメントの仕組みも導入すべき。

 (2) 権利擁護等の在り方について
 地域での暮らしを支援するため、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度などの事業の活用促進方策を検討。
 障害者の虐待等の権利侵害に対する防止や救済の仕組みを検討。

3 サービス供給を支える基盤の在り方

 (1) 人材の育成・確保について
 第三者評価や苦情解決の仕組みの強化を検討。
 多様な主体によるサービス提供や多様な支払い方式を検討。

 (2) 財源・利用者負担等の在り方
 どのような支援が必要で、そのためにはどれくらい費用が必要なのかについて、社会的合意が必要。
 支援費制度の運営状態を踏まえた上で、利用条件や単価設定を見直し、より効率的にサービスが提供できる仕組みを検討。
 利用者負担については、扶養義務者負担の見直しとともに、現行の障害基礎年金等の給付水準など障害者の負担能力を配慮しつつ、施設入所の場合と在宅とのバランスや受けたサービスの量とのバランスを踏まえた適正な負担の在り方を検討。

II 国庫補助基準及び長時間利用サービスの在り方に関する議論の整理

1 ホームヘルプサービスに係る国庫補助基準について

 ○  国として必要なホームヘルプサービスを確保するため、十分な財源確保を図る責務があるが、今日の厳しい財政状況下では、サービス水準の低い地域の底上げを図る観点から、サービスの進んでいない市区町村に国庫補助金を手厚く配分することは、やむを得ない。
 ○  なお、高い水準のサービスを提供してきた市区町村の補助金を削り、サービス水準の低い市町村に振り向けることは、地域生活支援の充実、「施設から地域へ」という理念に反しており、納得できないとの強い意見があった。
 ○  今後、よりきめ細やかな障害種別等の区別の必要性等を含め、速やかに見直しを進めるべき。

2 長時間利用のホームヘルプサービス等の在り方について

 (1) 17年度の対応について
 費用について一定の制約を考慮しつつ、障害者が地域で暮らすために必要なサービスの質と量を確保する観点からの検討することが必要。
 例えば、一月当たり相当量を超えるサービス提供については、包括的な報酬体系の導入といった選択肢が考えられるが、現時点では判断できないため、今後、具体的な内容を吟味しながら、導入の是非を含め、検討。

 (2) 今後の長時間利用サービスの在り方について
 長時間利用サービスを必要とする障害者については、その特性に応じたきめ細やかなサービスを提供することが必要。
 現に長時間サービスを利用している障害者を大別すると、以下のような類型や、類型別のサービスの在り方が考えられるのではないか。

1. 生命・身体の維持等に重大な支障が生じるため、長時間の継続したサービスを利用する者
2. 上記以外で長時間サービスを利用している者

 1の類型について、生命・身体の維持等に関する医療・介護などのサービスが一体的に提供されるサービスの在り方、日々サービスの内容や量が変動しても一定範囲の費用で賄われるような報酬の在り方等を検討。
 2の類型について、事前に支給決定が必要な支援費制度では臨機応変に応えられない面があることを踏まえ、社会参加を支援する事業者等の活用など柔軟な仕組みを検討。


以下の部分が長時間介護利用者に関する記述部分の各委員による訂正の履歴です。(2重線部分が削除され、下線部分が追加された)
包括問題(先月号参照)については、各委員の反対で、「今後の検討で、包括制度を導入しない選択もありえる」という意味の文書に変更になりました。この問題は、秋に最終決着があります。日本のほとんどの地域で介護の手間の余りかからない障害者のみしか1人暮らしできないようになるという、問題の多い方式ですので、ALSや最重度障害者のいる団体では反対を明確にして抗議行動の準備をしています。

障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する議論の整理(案)

(2)国庫補助基準の在り方について

2 長時間利用のホームヘルプサービス等の在り方について

国庫補助基準は、国庫補助金の市区町村への配分についての基準であり、支援費制度における長時間利用のホームヘルプサービス等の在り方については、国庫補助基準の在り方の問題とは別に検討することが必要である。

長時間のサービスを必要とする障害者については、そのサービスを確保すること必要である。り、それは自立生活の理念に裏打ちされ、地域生活を可能とする質と量が保障されることが前提とならなければならないが、しかし、一方で、公費によるサービスである以上、その費用については一定の制約があるのはやむを得ない。その費用に対する社会的合意を求めていく必要がある。
  したがって、サービス提供体制や、費用の在り方について検討が不可欠と考えられる。
  このような観点から、長時間利用サービスの在り方については、以下のとおり議論の整理を行う。

(1)平成17年度の対応について

費用についての一定の制約を考慮しつつ、障害者が地域で暮らすために必要なサービスの質と量を確保する観点から、以下のような対応について検討する必要がある。を行うことを検討する。

○ サービス利用者間の公平を図る観点等から、例えば、一月当たり相当量を超えるサービス提供については、包括的な報酬体系の導入といった選択肢が考えられるが、具体的な内容が明らかではなく、現時点では判断できないため、今後、その内容を吟味しながら、導入の可否を含め、検討を進める。する。
また、包括的な報酬体系の導入の可否については、具体的な制度内容が示された上での十分な議論が必要であるとの意見があった。

○ 上記の相当量を超える長時間利用サービスの中にはについては、密度の高いサービスの部分とそれ以外の定常的なサービスの部分(単純な見守り等)があると考えられるが、定常的なサービスの部分については、0 従事者を幅広く確保できるような仕組みの検討を進める。
その際、障害者が地域で安心して暮らせるようにするためには、学生やボランティアなどがサービス提供の基礎に置かれるような仕組みとはならないようにする必要がある。は不適切であるとの意見があった。

○ ガイドヘルプサービスについては、身体介護の有無の区分の是非も含め、その在り方等を見直すとともに、長時間利用にかかる加算単価を見直すことを検討する。

○ ホームヘルプサービスの類型ごとにその利用条件が守られているかについて事業者等をチェックする仕組みを検討する。 なお、上記ガイドヘルプサービスの加算単価については、平成16年度中の実施も含め検討する。   

(2)今後の長時間利用サービスの在り方について

 長時間利用サービスを必要とする障害者については、その特性に応じたきめ細やかなサービスを提供する必要がある。 このような観点から、現に長時間サービスを利用している障害者を大別すると、例えば、次の類型が考えられるのではないかある。

1 生命・身体の維持等に重大な支障が生じるため、長時間の継続したサービスを利用している者

2 1以外の者で、社会参加等活動等のために長時間のサービスを利用している者

・ 1の類型に属する多くの者の例としては、日常生活において多くの場面で人的支援を必要とする障害の重い脳性マヒや、筋萎縮性側索硬化症、進行性筋ジストロフィー、頸椎損傷、ポリオなどの全身性障害であり、かつ、痰の吸引、人工呼吸器など医療的ケアと介護を日常的に組み合わせて利用することが必要な者等や、強度の行動障害のため、常時見守りが必要な者等である。

・ 2の利用実態については、個々人の社会的な立場やライフステージ、あるいは個人の選択を反映して極めて多様な利用がされるという特長がある。なお、この類型においても、生命・身体等に対する一定の介助等が必要である。    

  また、上記のこうした類型の在り方やを具体的なに区分するための基準については、今後専門的な検証を行っていく必要がある。



社会保障審議会障害者部会 (8月16日)の傍聴メモ

出席委員;嵐谷、安藤、猪俣、江上、岡田、岡谷、亀井、君塚、笹川、小坂、古畑、小林、新保、末安、高橋(清)、高橋(紘)、京極、武田、丹下、堂本、徳川、永井、妻屋、長尾、野中、広田、福島、町野、松友

京極;それでは定刻を過ぎましたので、第16回社会保障審議会障害者部会をはじめさせて頂きます。まずはじめに委員の出欠状況と資料の確認を事務局よりお願いします。

事務局(間課長補佐);まず、7月23日付で厚生労働省の人事異動がありましたのでご挨拶致します。障害者福祉課長松島氏、企画官伊原氏。 委員の北岡委員、斉藤委員が欠席、猪俣委員、岡谷委員、新保委員、堂本委員、永井委員、広田委員、町野委員、松友委員がおくれているようです。 資料確認の確認をさせて頂きます。資料1は前回承認頂いた中間まとめ、修正後のものです。資料2は介護保険部会の中間まとめで、被保険者のところを抜粋したものです。資料3は障害者(児)の地域生活支援のあり方に関する検討会について。別紙で議論の整理のポイントをまとめたものをつけております。資料4は精神障害者の地域生活支援のあり方に関する検討会の議論の整理。資料5は精神病床等に関する検討会にいて。最後に第5回障害者部会でお配りした資料を配布してあります。

京極;前回当部会で、中間的とりまとめをした。それを受けての介護保険部会の報告を事務局から。その次に3つの検討会の報告にいきます。

渡辺(老健局企画官);介護保険部会の報告をいたします。これまで16回開催し、7月30日にとりまとめたものです。目次が全体像で、大きく3つの視点からなっています。1つは基本理念を軸にこれまでの実績を踏まえること。2つ目は今後10年の展望とそれに伴う新た課題。被保険者・受給者の範囲についての3点です。
 障害施策と関係する被保険者と受給者のあり方に関しては、2回審議を行った。障害者部会の中間とりまとめからも議論した。結果からいうと、介護保険部会として一定の方向をとりまとめるに至らなかった。
 9月以降はこれに焦点を絞り審議する。ここでは主な論点、介護保険部会としての意見・問題点を示した。国民議論の素材になればと思う。ポイントだけ説明する。p6から被保険者受給者の問題について、介護保険との関わり、障害者施策との関わりで分けて論じている。介護保険からの視点では、被保険者の年齢を引き下げるかどうかと受給者に若年障害者を含むかは、表裏一体の関係で被保険者の年齢を下げれば、受給者も下げるのは前提。
 現在の介護保険は老化に伴う介護認定。老人のための制度。40歳からは特定疾病のみ。つまり受給者を引き下げることは介護の必要となる原因に対する制限をなくすことである。被保険者引き下げは担い手の拡大を意味する。また財政が安定することにより、長期的にプラスとなる。むしろ2号被保険者の保険料は世代間扶養の側面が強いが、引き下げは同世代間の支援の側面が強まる。
 障害者施策からみると、現在も65歳以上の障害者はまず介護保険使っている。それ以外、介護保険以外の部分は障害者施策を組み合わせて使っているが、これは保険優先の考え方で、健康保険、年金も同じである。現在の高齢障害者への適応を若年障害者にも広げることを意味する。対象とならないニーズへの対応の問題もある。若年障害者の社会参加、就労支援がこれに当たる。これをどうするかが論点。サービス内容も介護保険は地域ケアを目指している。これは障害者施策にも共通するものである。ケアマネジメント、支援のあり方ついてだが、ケアマネジメントは課題であり、早急な検討が必要。介護と就労支援が同時に行われているケースなどはどうするかなど。要介護認定については、特に知的、精神どうするかが課題。
 その上で、介護保険部会の積極的な考え方、慎重な考え方を示し、部会としては結論に至っていない。国民、市町村、障害者当事者、意見が必要としてある。
 積極的な考え方は4つ。1つ目はニーズの普遍性に関して。年齢や原因に関係なく介護が必要な状態に対応するのが普遍的である。2つめは地域ケアの展開から年齢・障害種別で分断があってはならない。3つ目は財政問題。被保険者拡大によって財政安定につながる。4つ目は障害者施策推進においても財源が確保され、介護保険ができたことにより老人のサービスが増えたので、障害者サービスの拡大につながる。
一方、慎重論もある。これも4つ。1つ目は保険システムという観点から。税金・公費で賄うものである。障害者になる確率は低く、被保険者の不公平感があり、納得が得られない。市町村が保険者だが、負担と給付の連動が図れるのか。2つ目、若者に負担が増え理解が得られるのか。3つ目は現行サービス水準の低下の不安。4つめは時期尚早という意見。支援費のこれまでの検証をし、改善の検討を優先するべき。サービスの受け皿も充分ではない。
 先にも述べたが、現時点では一定の結論は得られなかった。審議については2回程度で、時間面でも足りない。具体的な議論が今後必要と意見があった。引き続き焦点をここに絞り介護保険部会で議論していく。

京極;意見、質問等ありましたらどうぞ

徳川;聞いていて感じたのは、正にこういう議論を私たちがしなくてはいけなかったのではないかということ。議論が薄く、介護保険部会でやったように、慎重論・積極論をもっと考えるべきだった。もう一つ医療の問題、専門的医療ふれられてない。これについてはいかがか。

渡辺;全体の報告の第2部で医療と介護の関わりに言及している。介護報酬と診療報酬の関係などにふれているが、すべて網羅はしていない。障害者の医療についてはまだ障害者に関する問題の入り口だから、その段階までは至ってない。

笹川;支援費では障害児も対象となっているが、この問題はどう扱われるのか。

渡辺;そこも正にこれからの議論。被保険者、受給者は連動している。具体的に受給者をどこから考えるかは一つの論点で、扶養として0歳からということもある。まだその議論まで至ってない。

京極;これは非常に重要な論点です。

安藤;介護の普遍性に関して、介護保険部会、障害者部会の議論はできてきた。枠を越えた全体の方向性が必要。全体の福祉のあり方としてまとめが必要。その辺の関連をどう考えているのか。

村木;先日、社会保障全体を議論する懇談会ができた。しかし介護ニーズについては厚労省のテーマであり、ここで議論していく。社会保障は政府全体の大きなもので、当面平行して議論していく。あちらの結論を待っていては改革はできない。個別の議論を全体にも反映させていく。

広田;精神障害者にとって、退院後の地域での生活に関して関わりが大きく、本人が危惧している。慎重にと思っているが、私は前向きに考えている。障害者とってデメリット・メリットをしっかりと話してほしい。先日、学生達に聞いたら大半は保険料は払ってもいいと言っていた。聞きたいのは、障害者部会として出す意見で、介護保険に行きやすくなるのかどうか。

渡辺;4月に拡大の議論をしたとき、精神障害者や制度の谷間の人も視野に入れて検討をした。しかし対象となるのは大半は障害者。障害者部会での意見は出発点となるもの。議論の基本となるもの。介護保険部会には市町村や、企業、等様々な関係の人もいるので、さまざまが意見ある。

末安;p8のところについて。今後の目指す方向として「地域ケア」とあるが、これはどのようなイメージか。また最後の3行で、「現行の要介護認定によって」とあるが、今の介護認定をそのまま使うのか。障害者施策でも国もケアマネを強力に推進しているが、介護認定とケアマネはイコールではないが、障害者ケアマネジメントと要介護認定で、少し混乱が起きないか。

渡辺;これは将来展望の中の課題。今後2015年ぐらいまでに高齢の一人暮らしが増えること、夫婦のみの世帯が増えることが考えられ、1000万世帯にも上る。これを支えていくためのもの。身近なところでいえば緊急対応システムなど、新しいサービスが地域ケアでは必要となってくる。 後段は、大島に

大島(介護改革本部);要介護認定については、今のものはかなり時間かけてつくっった。障害者に適応する新しいものを考えると相当な時間がかかる。まずはそのまま原稿の要介護認定を使ったら、問題点はなにか調べる必要ある。それをスタートにして考えていきたい。ケアマネジメントに関しては、同じ言葉が使われるので概念整理が必要。介護以外、と介護の特化したケアマネジメントがあるが、ここでは広い意味でのマネジメントを書いている。介護保険部分の介護のケアマネジメントも包含される趣旨が前提になっている。改めて整理が必要。

末安;ドイツは精神障害者の要介護認定が低くなって、すぐに改正した。ご存じだとは思うが、その辺も考慮してやってほしい。

妻屋;両論併記となっているが今後のスケジュールから、11月から12月に法案の準備にかかるのか。来年の国会に提出するつもりか。

渡辺;それが前提で進めている。年末までに、この問題も含め一定の方向を出す。ここでは示していないが、この意見書は多岐にわたる。法改正したからすぐに変わるのではなく、実際の実施は、サービス整備を踏まえ、徐々にやっていく。

京極;介護保険部会、障害者部会として、社会審議会(親会)に報告する手続きがまず必要となる。秋以降は障害者部会でも個別事項・重要案件を議論しつつ継続審議が必要。しばらくは平行線でやっていく。介護保険部会からは両論併記で返ってきたということ。またキャッチボールになる。政治も絡む話しで、どうなるか正直わからない。さしあたりこの問題はここで切らせてもらいます。
それでは3つの検討会の報告を事務局よりお願いします。

伊原(障害福祉部企画官);資料3、障害者(児)の地域生活支援のあり方に関する検討会で昨年5月から計19回議論してきたまとめ。支援費の問題、国庫補助の問題を議論をまとめたものとなっている。別紙に付けた議論の整理のポイントで内容を説明したい。
2つに分かれており、地域生活支援のあり方と国庫補助基準のありかたで、読み上げます。
=資料読み上げ=

矢島(精神保健福祉課長);この検討委員会は精神疾患や精神障害者について国民各層が、正しく理解を深める取り組みを進め、精神医療、地域生活支援の充実という観点から検討を進めてきた。1枚目につけたポイントに沿って説明する。本文は13pある。資料もついている。
=資料読み上げ=

京極;ご質問等あれば随時ご発言頂きたい。

安藤;質問ですが、検討会は社会援護局長の諮問機関で個別問題論議する場だが、審議会とこれらとの関係はどのようなものか。

村木障害福祉部企画課長;秋以降の議論は、3つの報告を材料にしよくこななして、具体的な案を示し、議論してもらう。この報告書から議論の材料を示していく。

妻屋;長時間介助利用者について全文に「生命・身体の維持に関するサービスは国の責任で」とあるが、17年度の対応のところには包括的報酬が検討されている。このあたりはしっかり議論がされたのか」ここは充分議論してほしい部分だが。

伊原;確認したが、第17回に案をお示しし、17、18回と包括について議論された。しかし具体的内容は示されていない。内容はこれから検討し、導入の是非含め今後の議論となる。

京極;私も委員の一人だが、充分かといわれれば、充分ではない。

竹田;介護保険部会の報告では、今後の検討事項としてで介護予防に関することが入っている。最近現場では、様々な人が来るようになり、病気だけではなく、警察にお世話になる方や、青少年の健全育成に関することなど、壁が低くなっている。精神の現場にそういう依頼が多くなってきている。精神障害者の分野ではは予防の意味が大きい。もう少し関わっていれば重度にならなかった、ということもある。予防の視点を今後入れてほしい。

矢島;今日示したのは地域生活支援の検討会中間まとめからの説明だけで、予防の観点は重要だと考えている。

丹下;厚労省はこのテンポでの法改正を可能と思っているのか。知的、身体、精神、すべて17年度で期を一にしてできるつもりがあるのか。また障害者の就労促進法は、前倒しして来年には作るといっているが、福祉と就労の法の連携が命題なのに全く議論されていない。やるつもりがあるのか。わかる範囲でいいのでお答えいただけたら。

村木;精神障害者は17年度法改正でやっていくつもりです。知的・身体も、同じ形・タイミングでやっていきたい。促進法は、研究会の報告書あがったところ。これの審議会も秋には立ち上がると思われる。これも一緒に法改正できるのか、考えながらやっていきたい。

京極;法改正までは政治の絡みでわからない。今後の状況でもまた変わってくるでしょう。

笹川;4つの報告とも国民の理解を求めている。国際障害者年以降、障害者に対する理解が進んでいるがまだまだなのが現状。そうした中で、あと5ヶ月でコンセンサスができるのか。どういう事を考えているのか、コンセンサスができなかったら、このスケジュールでできるのか。

村木;財源確保を含めて、秋に具体的な議論をしていく。障害者とか市町村と話し合いを重ね、できるだけ17年度の法改正を進めたい。できるだけの努力をしたい。この問題は厚労省だけでは進められない。

京極;介護保険の話しは大きく扱われるが、障害者のことは割と大きく扱われない。マスコミ対策も必要。永井委員久々だが。何か意見ありますか。

徳川;医療の問題が薄い。最後のp4に出ているが、長時間の介護の必要な人だけ。そうではなく、障害者は医療になじみにくい現状がある。診察がなかなか受けられない事が多い。歯科診療を受けられなくて悪化することもある。施設はある程度ある医療の体制が整っているが、地域には整備が必要。医療が必要との考えは。

伊原;重要な指摘だとは思う。ただこの委員会は支援費がメインであり、どうしても焦点が支援費になる。ご指摘のポイントは議論されていない。

広田;兵庫県加古川の事件で、実名報道がされないので、精神障害者と思った。通院入院歴はなかったようだが。竹田委員と同じで、警察から相談を受けている。それは地域で24時間の相談体制がないから。それと事務局はがんばっているが、義務教育程度でもわかるように書いてほしい。きちんと分かり易く書くとマスコミにも載りやすいし私も傍聴者も分かり易い。私は今、自宅に被害妄想のおばあさんを預かっている。相談者してくる家族は、ケアマネジメントなんかでどうしてもつらくなり、本人を入院・施設にいれたいというのがある。これは家族が少し本人と離れ休むなどして、レスパイトサービスがあれば減らせる。現在ショートステイなどでレスパイトは使えないが、それも必要である。あと社会的入院に関して、病床を減らしていく数値目標はあるのか。

矢島;救急医療のところ、p10の一番上に2次医療圏=郡市の単位で構築していく供給システムがある。これには家族に対するものとしても重要と考えていいて、包括的なシステムといっているので、家族支援もふくまれてくる。
病床の数値目標は10年の目標としてある。中間年で5年後で示している。

京極;時間を過ぎたので終わりにします。今後は当部会の審議状況を親部会に報告する。その後に関しては事務局の方から。

村木;個別の事項に関して、具体案を出して議論して頂く。介護保険については介護保険部会でも議論がすすむが、それも随時報告していく。第5回に示したとおり、心神喪失者医療観察法に関する事項も諮りたい。次回は9月中旬以降になる。日程に関しては今後連絡する。



障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に

長時間要介護障害者などが運営する介助サービスのシステムと 24時間介護保障制度を全国に作ろう

 2003年からは障害ヘルパーも介護保険と同様、事業者市場が自由化されました。さまざまな事業者がホームヘルプなどのサービスを提供し、障害者は自由に事業者を選択できるようになりました。
 ホームヘルプサービスを行いたい事業者は、一定の基準を満たせば、都道府県が1〜2ヶ月弱で指定するようになりました。指定を受ければ、市町村境や県境を超えてサービス提供ができるようになりました。
 長時間介助の必要な障害者や高度な介護が必要な障害者の団体は、従来から、行政などの派遣するヘルパーは介助が満足にできなかったため、自分たちで介助者を雇い、団体を作り重度全身性障害者にも十分対応できる介助サービスを行ってきました。また、行政交渉を行い四国や東京を中心に、24時間の介助制度を作り上げてきました。
 これらの自立生活センター等の団体は実績がありながらなかなか障害ヘルパー委託を受けられませんでした。2000年4月からの介護保険施行で、老人向けのヘルパー等事業者が自由化され、それに影響されて障害ヘルパーも重度全身性障害者の運営する自立生活センター等に委託されるようになりました。(それでも3年以上の話し合いが行われた上での事でした)。これにより、各センターは予算規模1億円を超える団体も増えてきました。
 2003年にはこのような心配はなくなりました。一定の基準を満たせば、市町村の意向に関係なく必ず指定が受けられ、ヘルパー事業者になれます。

2010年ごろの目標

 介護保険や障害の指定事業者になってヘルパー派遣を行うと、十分な運営費が保障され、団体職員の人件費や運営費に十分な保障ができます。この仕組みを使って更なるサービス水準アップや制度を改善していく運動に使い、社会を変えていこうという計画です。まず取り組むことは、2010年までに全国に1000事業者を作り、24時間要介護の障害者の自立支援を行い、行政交渉し、24時間介護保障を3300市町村作り出すことです。
 その次は、知的・精神・身体(視覚・聴覚・盲ろう・肢体・内部)・難病および重複の全障害種別の参加を得て、全ての障害種別にサービス提供(当事者が主体的に)していくシステムを計画しています。
 また、3300市町村の多くで24時間に近い介護保障ができた際には、全国で予算が確保されますので、国に対してパーソナルアシスタント制度(労働時間や通学や運転・入院など使途の制限をされない24時間介護保障で全国一律制度)を作っていきます。

注:東京などの一部団体では24時間介助保障を交渉して作り、24時間の専従介助者による介助サービスを行い、人工呼吸器利用の24時間要介助の全身性障害者などを施設などから一人暮し支援できています。一人暮しの知的障害者や精神障害者への介助サービスも行なっています。もちろん短時間の介助サポートもできます。いずれも個別ILプログラムや様々な支援を(自立生活をしている長時間要介助の)障害者役員が管理し健常者のスタッフなどを部下として雇って(障害者と健常者で)運営しています。これら団体は市から障害ヘルパーを委託されており、介護保険指定事業者にもなっており、収入は(今までの障害者団体に比べると)相当大きなものになります。
 通常、このような水準の団体になるために、どれくらいの研修期間や運営期間が必要かといいますと、まず、近隣の市の障害者が研修を受ける場合には、週1回(マネージャー&コーディネーター会議の日に)通って1年間、そのほかに近隣市の自立生活プログラムやピアカウンセリング、行政交渉には必ず全部出席していきます。2年目から団体を立ち上げ、まず1人目の自立支援(施設や親元からの一人暮しの支援)を団体として行います。この際などにも事細かに研修先の団体にアドバイスを仰ぎながら進めます。こうして2人目、3人目と進み、ILP、ピアカンなども講座型から個別までこなし、介護制度交渉も行ない、専従介助者を確保していって介助サービス体制を強固にしていきます。この間も外部の講座などには出来るだけ参加します。これで最短の団体(実績)で4年ほどで上記のような総合的なサービスが行なえるようになります。なお介護保険の事業者指定は実績が全くなくても有資格ヘルパーが3人いれば取れるため、半年ほどで取ることが出来ます。障害ヘルパーも2003年からは同じ様になります。今は障害ヘルパーは市に委託の交渉が必要になりますが介護保険事業者になっていたらすぐに委託が受けられる市も増えてきました。
 上記の(近隣市の障害者が研修を受けて団体を立ち上げていく)モデルをもとに、必要な研修時間を計算すると、週10時間程度で、年500時間(初年度のみ)となります。これと全く同じ事を行なうには年400〜500時間に相当する研修が必要です。全国47都道府県の事業者になりたい団体・個人がこれを全部合宿研修で行うわけにはいきませんから、なるべく通信研修+電話相談でカバーして、合宿研修は少なめでやってみようと検討しています。そのほか、近隣県で受講できる基礎ILP・ピアカンなどは極力近隣地域で受けることで体力や時間、費用が節約できますので極力参加するようにお願いします。

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的に事業を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。推進協会の理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。

くわしくはお問合せ下さいフリーダイヤル0037−80−4455(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6) 身体障害に限らず、今後他の障害者にもサービスを提供すること。

 



全国47都道府県のCIL空白地域で、施設や親元から自立してCILを作りたい障害者の人材募集(介護が長時間必要な方)

 全国障害者介護保障協議会と自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会では、全国3300市町村で最重度障害者が運営する自立生活センター(CIL)のサービスが受けられるようになるように、各県で最低10箇所程度のCILを作ることを目標に金銭面や研修等で支援を行っています。当会は、どんな重度の障害者でも住み慣れた地域で暮らしていけるような状況が全国3300市町村で作られていくべきだと考えています。そのために、それらの地域で自立して地域で暮らしていきたい、さらにCIL設立につなげたいという障害者に対して情報提供や研修、それにかかる諸費用も含めた全面的なバックアップをしています。2001年度〜2002年度は空白県に最低1つのCILを作ることを目標に研修や助成などで支援を行いました。今年度からは各県に最低2〜3箇所のCILを作る支援を行います。
 現在、毎日24時間介護の必要な全身性障害者が施設や家族の元から出て1人暮らしし、CILを立ち上げています。こういった最重度の障害者が過疎地の県でたくさん出ています。近県CILや東京などで何度も研修を行い、介助者の雇い方、指示の出し方、アパートの借り方、介護制度の使い方、CILの作り方、など、1つ1つ研修を受けていくことで、やる気と努力で1つ1つ解決していきます。研修の交通費・介護者の費用などは助成いたします。1人暮らし開始時の介護費用なども交渉して制度がのびるまでの期間、助成・貸付します。実地の研修を補完する「通信研修」も行っています。
 募集する地域は、県庁所在地からはなれているCIL空白地域です。(秋田・宇都宮・群馬・徳島・高知は県庁所在地も募集)。また、これ以外の地域でも、現在すでに立ち上がっている団体で引き続き障害者の人材募集も行っています。
 自分も参加したい・・という方は、どしどしご相談ください。
 自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会 
0120−66−0009 10:00〜23:00

自立生活センター(CIL)とは
 理念はJILホームページhttp://www.j-il.jp/ などをご参照ください。
 障害者が主体的に運営するサービス提供団体&運動体です。介助利用者自身がエンパワメントしていく(力をつけていく)スタイルのホームヘルプサービスと運動を行います。24時間介護の必要な方などの1人暮らし支援も行い、介護制度の交渉も行い、地域の制度を改善していきます。



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル FAX 0037−80−4446

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
名前 (所属団体等)
渡辺正直  (静岡市議)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 24時間介護が必要ですが、1人暮らしをして24時間介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を広域協会と契約して、残り19時間は広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(東京都) 3月までは全身性障害者介護人派遣事業を使って自薦の介助者を使っていたのですが、4月1日にB市からC市に転居した関係で、新しい区で受給者証がなかなか発行されず、5月はじめに4月1日付の受給者証が送られてきました。区から広域協会を紹介され、電話したところ、緊急事態ですからということで、特別に4月1日にさかのぼって自薦介護者の介護を支援費の対象にしてくれるということで4月の介助者給与が出ることになり助かりました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえるようになりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は週3日勤務で月20万ほどの収入ができ、安定してきました。

★(東日本のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい広域協会に登録し、市から広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

 
HOMETOP戻る