★障害者の地域生活支援の在り方検討会1年半で終了

★介護保険改正の大まかな厚生労働省案が出る

★ヘルパー時間数のアップに向けて交渉を

7月号
2004.7.27
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2004年7月号    目次

   

4・・・・障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会1年半で終了
14・・・介護保険改正の大まかな厚生労働省案が出る
18・・・第14回社会保障審議会・障害者部会の報告
23・・・審議会・介護保険部会の報告書案 支援費との統合の結論出さず
26・・・介護保険・支援費統合問題で特別検討部会設置へ
26・・・全国市長会、障害施策と介護保険の統合は「慎重に検討すること」
27・・・新宿区、別居家族によるヘルパーサービスを禁止に
28・・・介護福祉士試験申し込み概要が発表
29・・・支援費事業所でも不正による指定取り消し
30・・・障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に
35・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会 1年半で終了

・国庫補助基準は何も変わらず
・長時間利用者に包括払い制度の厚生省提案
いずれも過半数の委員の反対があるが、厚生労働省は強行のかまえ

 7月6日、障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会が全19回を終了しました。6月の第18回の検討会で突然、国庫補助基準に関する提案文書が厚生労働省から出され、最後の2回の検討会では国庫補助基準に関する議論は厚生省案に対する反対意見だけが出されましたが、座長が議決も行わずに終了しました。
  また、長時間利用者に対する包括払い方式も厚生省提案文書に入っています。これは18回の検討会で突然出されたものです。これについて、19回の検討会では多くの委員が反対を行い、賛成意見は3〜4人の少数意見でした。(包括払い方式とは、ヘルパーの支援費総額が一定金額を超えた場合は施設と同様に一定金額を上限として1箇所の事業所に支払い、それで24時間などのサービスを出す方式。例えば、1ヶ月60万を超えたら60万円の包括払い方式になるなどの方法などが考えられる。例示の60万の金額は、80万になるのか、100万円になるのか、まったく分からない)。この方式では、ALSや人工呼吸器利用者では1人暮らしできるヘルパーを確保できないことになります。また、何十年も施設や親元で社会生活を奪われてきた24時間介護利用の先天性障害者などは、自立生活のサポートに非常に手間隙がかかるため、現状の単価でもコスト的には足りないこともあります。これらの重度の障害者が施設や親元から自立できなくなってしまいます。
  全19回の検討会がすべて終了した後、厚生労働省は第18回検討会に出してきた国庫補助基準に関する文書をほとんど変えずに、最終とりまとめ文書案として委員に送付してくるという、検討会の議論を無視した行動を取っています。
  この厚生労働省事務局のやり方には、委員だけではなく、新聞記者なども批判的です。 介護保障協議会としても、最重度の障害者の事例などを調査すると、現状の単価でも足りないという事例がたくさん出てきました。1度低い単価を作ると、これから24時間の介護制度を整備していく市町村は必ず低い単価の制度を選択し、全国のほとんどが最低単価の制度になってしまいます。これでは最重度の障害者は1人暮らしできない世の中になります。全国3300市町村で24時間介護保障ができた後に検討するのなら分かりますが、現状の厚生省案には全面的に反対せざるを得ません。
  今後の厚生労働省の動きによっては、8〜9月に大規模抗議行動を行う予定です。ホームページや電子メールでお知らせいたします。情報をメールで手に入れたい方は、ホームページからメールマガジンをご登録下さい。
 厚生労働省の出した国庫補助基準と包括払い方式に関する資料については、以下をご覧ください。

障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第18回)資料より

資料2

 

 

@ 国庫補助基準及び長時間利用サービスの在り方に関する議論の整理(案)

1  国庫補助基準について

(1) 国庫補助基準の役割について

 現在の基準は、以下のように国庫補助金の市町村への配分の基準であり、市町村によって、それぞれ策定されている個人の支援費支給決定の基準とはその役割を異にするものである。

○ 現行の国庫補助基準は、「予算の範囲内で補助することができる」こととされているホームヘルプサービス等に係る国庫補助金を、サービス水準の低い地域の底上げを図るという観点から、障害種別等ごとの平均的な利用量の違いを考慮しつつ、一人当たりの平均サービス量の少ない自治体に相対的に手厚く配分する基準である。

○ また、この基準を一律に適用した場合、サービス量の多い自治体の補助金額が減少するため、従前のサービス水準が確保されるよう、経過措置として一定の従前額保障を行っている。

(2) 国庫補助基準の在り方について

 ホームヘルプサービス等に係る国庫補助金の確保については、国は所要額の確保について最大限努力するとともに、支援費制度の運営の実態を踏まえて、サービス利用の要件や単価を見直し、より効率的に制度が運営できるようにしていくことが重要である。これを前提として、当面の国庫補助基準については、本検討会では、以下のとおり議論の整理を行う。

○ 現在、ホームヘルプサービス等の利用量が地域により大きく異なっているという現状を踏まえると、サービス水準の低い地域の底上げを図るという観点から、サービスの進んでいない自治体に国庫補助金を手厚く配分することが合理的であると考えられる。

○ また、障害種別等により、一般の障害者、視覚障害等特別のニーズを有する障害者、全身性障害者に区分して基準を定めていることについては、障害種別等ごとにサービスの平均的な利用量が異なることから、国庫補助基準としては合理性があると考えられる。

○ 障害種別等による基準の区分については、よりきめ細やかな区分を設けることも可能であるが、直ちに納得の得られる合理的な区分が可能か、その区分について実務が可能な具体的かつ明確な要件を設けられるかといった問題があると考えられる。

○ 国庫補助基準については、今後の実績から、市町村ごとのサービス利用量の変化や、市町村への国庫補助金の配分の具体的状況を把握し、サービス水準の低い地域の底上げという役割が適切に果たされているかを検証するとともに、より細やかな障害種別等の区分の必要性等を含め、その見直しを検討すべきである。

2  長時間利用のホームヘルプサービス等の在り方について

 国庫補助基準は、国庫補助金の市町村への配分についての基準であり、支援費制度における長時間利用のホームヘルプサービス等の在り方については、国庫補助基準の在り方の問題とは別に検討することが必要である。

 長時間のサービスを必要とする障害者については、そのサービスを確保することは必要である。しかし、公費によるサービスである以上、その費用については一定の制約があるのはやむを得ない。
 したがって、サービス提供体制や、費用の在り方について検討が不可欠と考えられる。
 このような観点から、長時間利用サービスの在り方については、以下のとおり議論の整理を行う。

(1) 平成17年度の対応について

以下の対応を行うことを検討する。

○  サービス利用者間の公平を図る観点等から、一月当たり相当量を越えるサービス提供については、包括的な報酬体系を導入するとともに、定常的に長時間サービスを行う従事者を確保するため、一定の条件の下にヘルパー資格要件を緩和すること

○  ガイドヘルプサービスについては、身体介護の有無の区分の是非も含め、その在り方等を見直すとともに、長時間利用にかかる加算単価を見直すこと

○  ホームヘルプサービスの類型ごとにその利用条件が守られているかについて事業者等をチェックする仕組みを構築すること-

(2) 今後の長時間利用サービスの在り方について

 現に長時間サービスを利用している障害者を大別すると、次の類型がある。

1. 生命・身体の維持等に重大な支障が生じるため、長時間の継続したサービスを利用している者

2. 1.以外の者で、社会参加活動のために長時間のサービスを利用している者

  •  1の類型に属する多くの者は、日常生活において多くの場面で人的支援を必要とする障害の重い脳性マヒや、進行性筋ジストロフィー、頸椎損傷、ポリオなどの全身性障害に加えて、吸痰、人口呼吸器など医療的ケアと介護を日常的に組み合わせて利用することが必要な者や強度の行動障害のため、常時見守りが必要な者等である。
  •  2の利用実態については、個々人の社会的な立場やライフステージ、あるいは個人の選択を反映して極めて多様な利用がされるという特長がある。

上記1,2の類型ごとにサービスの在り方について検討する。

○ 1の類型について

  •  医療や介護など必要なサービスが一体的・包括的に提供されるサービスの在り方やそのようなサービスを実施できる事業者の要件等
  •  上記の要件を満たすサービスについて、身体の状況等により、日々、内容や量が変動するような場合にも一定範囲の費用で賄えるような包括的な報酬の在り方

○ 2の類型について

  •  事前に支給決定が必要な支援費制度によるガイドヘルプサービスでは、視覚障害者等のあらかじめ予期できないニーズに臨機応変に応えられない面があることを踏まえ、社会参加を支援する事業者の活用などこのようなニーズにも柔軟に対応できる仕組みへの移行の在り方

以上

  包括方式のほか、移動介護について、長時間の場合は秋から単価引き下げをするという提案になっています。

第19回 障害者(児)の地域生活支援に在り方に関する検討会 報告 (H16.7.6)

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

 今回で最終回を迎えた検討会は、障害者(児)の地域生活支援に在り方に関する議論の整理(案)【資料1】、国庫補助基準及び長時間利用者サービスの在り方に関する議論の整理(案)【資料2】が事務局より示され、これに対する各委員から意見が出された。
  議論は特に包括的な報酬体系のありかた(いわゆる「包括払い」)と長時間利用者のサービスについてに集中し、反対・賛成両論の意見が出された。長時間介助利用者への包括払いについては、
「生命の維持に関わる部分を削ることはすべきでない」
「長時間介助利用者を1類・2類に分ける意味があるのか」
といった意見が多く出され、「包括払い導入には調査研究を進め、さらに議論を重ね、慎重に検討すべき」との意見がだされた。

 しかし、何らかの見直し、制度運営の工夫を求める意見もだされ、結論は出ないままに議論が終了した。

 今後は、今回の議論を踏まえた上で、事務局より修正案がだされ、さらに委員の意見を聞いた上でとりまとめがされ、社会保障審議会障害者部会へ報告される見通し。


■ 各委員意見の要旨

●大濱委員

 国庫補助基準案はサービス水準が低い地域の底上げのため水準が高いサービスは切って、低いサービス水準の地域にまわすと書いてある。この結論には至っていないほんとうに重度の全身性障害者のサービスにいくらかかるのか。目に見えないところ、介助者の育成、二人介護の必要性もある。包括払が1類で220万円の金額になるのなら良いが、そうはならないだろう。包括で100万円などの数字がでてはこれから地域に障害者は出てこれない。ほんとに費用はどのくらいかかるのか精査しないと命に関わる危険な問題になる

●中西委員

 この案を見ると検討会の議論は何だったのか、勝手に事務局が作ったものかと思う。議論したことが入っていない。1類、2類と分けているがこれを実際どう仕分けるのか。1類の包括、資格緩和は何を想定しているのか。2類についは「社会参加を支援する事業所」あり何をイメージしているのか?ボランティアをしろということか。その当たりを説明してほしい。

●高原課長

 長時間サービスの必要な人を、1と2の類型に区分をしている。全身性の作業班や自治体の聞き取り調査、関係者から話を聞く中で、全身性障害者が全て重度で、長時間サービスがないと生命の維持が困難ではなくて、全身性の中でも多様なかたがいる。また、強度の行動障害のように全身性でなくても長時間のサービスが必要な重度のかたがいる。
 長時間サービスを考える際に、本当に重いかた、長時間サービスがないと生命維持が難しい場合と、そうでない場合と整理をさせていただく。長時間サービスがないと生命維持が困難のかたは医療のウェイトをかなりしめることは事実なので、こういう書き方をした。1と2とどういう仕分けをしていくのか。厚生労働科学研究などでも調査研究をしている。専門的な見地を踏まえた、研究をして、仕分けについては整理をしていく必要がある。
 社会参加を支援する事業者の実態についてどう認識しているかということだが、各委員からは意見もいただきたい。そういう実体が全くなくなっているとは認識していない。イメージとしては資料2の7p。具体的にはこれからつめていく必要があるが、現段階のイメージとしては、支援費のように一人一人に何時間と支給決定するのではなくて、一定の事業費を自治体が法人に補助をして、社会参加事業を実施すると言うイメージである。

●大熊委員

 2類型にわけた理由が分からない。全体のパイを施設から地域へ転換し地域支援のお金増やすことは共通認識。検討会の報告書は、それを国民・マスコミ・政治家にアピールし社会通念を変えていくためのもの。傍聴にきているALS方と隣の太田さんとどうちがうのか教えてほしい。1類・2類を分ける意味があるのか。2つにわけ、包括でやっていくというのはみみっちい話である

●室崎委員

 長時間のヘルプのとこは、強度行動障害のことも含むので、今後の議論に期待する。知的障害者のヘルパーには単なる見守りではなく障害特性を理解した力量が必要で包括の低い単価で回るのか疑問。

●森委員

 具体的なことが書かれていない。家族の協力など時代遅れのものもある。1類2類を分けるのは難しい。何か新しいもの何も出ていないので残念

●山路委員

 命に関わるサービスに上限がかかることは危険。命にかかわるサービスは削ってはならない。支援費は物差しがなく青天井。それで本当に必要な人に必要なサービスがいっているのか。包括払いについては段階を踏んで。慎重にやらないといけない。今の支援費の状況、青天井・物差しなしでは国民の納得は得られない。それでは制度として機能しない。

●有留委員

 国庫補助金基準の在り方については高いところ削り、低いところ底上げとあるが、これは国の責務であり、国・自治体の協働責務である。限られた資源の中で財政運営、当面の予算増は仕方なく、中長期的財源確保について議論が必要。本当に必要な人に、必要なサービスいきわたらせることが大切。包括案の従事者については、支援費で資格要件を設け透明な制度になった。これを後戻りさせて無資格やボランティアはない。

●安藤委員

 障害者の期待にまったく応えられていない。具体的に17年度予算についてあるが、包括払い、長時間加算の見直し等厚労省は単に値下げしか示さないということ。今までの検討なんだったのかという反省が必要。

●板山座長代理

 今の厚労省は精神障害者の地域移行を歓迎しておらず障害者地域支援をやっていこうという姿勢がみられない。本当に必要なサービスは後退させてはならない。支援費制度でも、公的責任で地域自治体も含めやっていかないといけない。国も東京都の地域移行3カ年計画を見習ってほしい

●京極委員

 支援費は検討が不十分なままスタートしたので財源問題が起きた。だから介護保険統合云々の前に見直しの必要もある。骨格となるサービスは資格もった人が必要だがそれで画一化して国が縛ってしまった面もある。少し丁寧に議論しないといけない。財源問題の議論は必要で、合理的な使い方は何か考えなくては。画一的サービスと弾力的サービスと分けるのも工夫の一つ。弾力的サービスは地域特性が違うので、どんな使い方するか地域で考えればいいし、根幹サービスを緩やかにするのは無理。全身性の長時間サービスの財源確保は必要だが、社会参加は地域によって違う。ボランティアがいる地域もあるし、ない地域もある。移動介護も山村でも時間がかかる。

●笹川委員

 これを見て安心して地域で暮らせるかといえば、そうはいかない。もっと具体性のあるものにしてほしい。財政、限りあることは我々も認識必要だが、命の危険がある人は財源の問題ではない。今の実態調査は実態と合っていない。もっと精査し、安心して暮らせるものをつくってほしい

●佐藤委員

 今後の制度設計は支援費は介護保険より後退したものとの認識にたって、介護保険統合で障害福祉のレベルあげ、今の後障害者福祉を起爆剤にはなりうると思っている。包括払については、介護保険はいわば包括払いであり、この考えを導入するのは介護保険へのステップとしては良い。しかし死んでしまう人はきちっと守らないといけない。障害者福祉が国の責任というが、なかなかそう思っている人はいない。そういう中で、多くの人達が制度を活用できるものをつくって必要があり、厚労省は統合を正面に掲げいろんな意味でいろいろな場所で、いろんな人が議論できるようにしてほしい。

●高橋委員

 在宅障害者の数をみると在宅の支援費600億は到底足りない。結論ははっきりしている。地域生活を後退させることはしてはならないことは大前提だが支援費はここ1,2年で有無をいわせない改革が必要で、何をするのか選択の幅は限られている。統合については介護保険が矮小されて語られていて、1日3時間といわれるのは困る。そうではなく、いまは政治的に出せないだけ。また国の責任が言われているが、法廷受託事務に戻せと言っている印象を受ける。そうであるなら国が枠をつくることになるが、一方では市町村に自由にさせろと言っており、これは無理である。ホームヘルプは地方自治体と国の協働の仕事である。

●竹中委員

 障害者福祉の分水嶺にきている。たくさんの人達がたくさんの人をどのように支えようか、どうすべきかを考えるとき。障害者に働く権利・義務があり、納税の義務・権利ある。それを全うする日本になってほしい。「家族」の記載については、本人の支援のためにとあるので、協力者は家族だけでなく、関わるすべての人々だと思う。支えられる事だけ議論していては破綻する、役割全うすることについて、納税者になっていくことについて議論しなくてはならない

●谷口委員

 財源は介護保険で、システムは支援費でと考えている。支援費のいいところは残してほしい。支援費で障害者の生活が変わったことは確か。財源的には全てを日常生活支援にしてもいいのでは。単価見直しは必要。家族の支援は重要でこの書き方大切だと思う。ボランティアについては、アメリカのケアマネは7、8割がボランティアを活用し、遊びに行くのはボランティアベースでやっている。包括払いは、これを認めないとダイレクトペイメントにつながらない。そのための最初の一歩である。

■オブザーバー発言

●小田島氏

 施設を出る人はたくさんいるので、そのお金もでるように厚労省でがんばってほしい。一人で暮らすのにはお金がかかる。お金が出ないのはさびしい。寝たきりの人だけがお金がでるというのはおかしい。僕らは親の会とはちがう。親の会はグループホーム作っているが、僕らは自立をしたい。

●佐々木氏

 このまま介護保険になったら自立はできなくなります。やっぱりやめてもらいたい。サービスがどんどんへったらやっぱり最後は親の面倒を受けることになってしまう、そういうのは勘弁してほしい。

●ならさき氏

 西駒郷に行って本人に話し聞いた。施設では1日の予定が組まれているのがいやだと言っていた。グループホームに行きたいといっていたが、グループホームを知らないしサービス内容も知らない。それで地域でてもいいのか疑問に思う。分かり易いも言葉もつかってほしい。

●山田氏

 われわれも知的障害者も委員にしてほしい。セルフケアマネジメントの導入が書かれているが、知的障害者も自分たちのことを決める時は自分たちを入れて下さいというのが願い。住居支援も、アパート、公営住宅に枠がないので単身で住めないことが多い。親がなくなると追い出される。グループホームや公営住宅みたいなところで暮らしたい。

事務局から●高原課長

 委員から意見がでた包括払いについて、重度の人の生活を保障するためにサービスの質と量を確保する事が基本である。現実の支援費制度は必要なかたに必要なサービスがいっているのか。
 コストでいうと、支給量が多い人については、平均的なサラリーマンの3世帯、4世帯の年収のコストがかかっている。これは、一般の人には理解してもらいにくい。
 制度設計の問題があって、「ケアマネジメントが制度化されていない」「これまでは自治体で様々な単価や工夫が行われていたのを、単価を画一化してしまった。」「支援費が青天井になっている」「生命維持に必要がある人とそうでない人の区分けがされていない。」
 そういう観点で制度の見直しをさせていただきたい。どうすれば包括的に、夜間や緊急時も含めた対応ができるのか。ちゃんとした調査や対応は必要であり、今後、つめていきたい。一定の範囲の中できちんとしたサービスが提供できるように検討していきたい。


第19回の大濱委員(全脊連)資料(抜粋)

(介護保障協議会が資料提供)

命にかかわる障害者の介護コスト事例

(命にかかわる障害者とは、全身性障害者のうち、重度頚損・重度脳性まひ・重度筋ジス・呼吸器利用者などで24時間介護の必要な障害者である。人口10万人に1人程度であり、全体からするとその予算はわずかであるが、命にかかわるので最も保障しなくてはいけない。)

1日24時間介護が必要な人(独居や家族が病気)の場合

人間として最低限の生活を保障するためには、二人体制が必要な場合ももちろんあります。

人間らしい最低限の生活を保障する場合

1日3時間の外出(家族の通院・銀行などの留守番ふくむ)介助=月90時間    
1日3回トイレ介助1回1時間=1日3時間=月90時間    
週3回入浴介助 1回2時間=週6時間=月26時間
一ヶ月最低でも90+90+26=206時間分を加算して
  24時間×31日+206時間 =950時間必要です。

◆ ヘルパーの人件費(950時間)

一般ヘルパー賃金 1,500円×778時間   =1167,000円
主任ヘルパー賃金 2,200円×172時間 =378,400円
新人介助者研修    800円×100時間 = 80,000円
(この月の新人介助者1人の場合)
主任手当て 15,000円
コーディネーター訪問時間 概算月20時間 44,000円
ヘルパー交通費 240,000円
社会保険・各種保険料等 332,000円
管理者・コーディネーター・ヘルパー会議の時間帯の給与のべ150h 270,000円
事務所維持費・事務員人件費のうちこの利用者にかかる時間で按分した額 95,000円
重度の全身性障害者で1日24時間介護に最低必要な費用 合計月 262万1400円
(このケースを日常生活支援で請求した場合222万6760円。現状では、他の身体介護利用者の黒字でまかなっている状態)
コストがかかる理由(東京都N区ALSのAさんの場合)

*新人介護者が呼吸器のことや吸引のことを覚えるのに時間がかかるので、数ヶ月のあいだ、新人とコーディネーター(や管理者)が一緒に介護に入って教えている。
*呼吸器関連以外の介助内容も複雑であり、命にかかわるので、介助者が1人でできるようになるまで、時間をかけて2人体制などで教えないといけない。
*夜も一睡もできない苛酷な労働なので、介助者の入れ替えがたびたび有り、そのたびに長期の研修を行っている。
*介護内容が高度で、長期間(できたら10年以上)介護に入ってくれる常勤のベテラン介助者でないといけない。高齢者の介護をしているパートの人などは勤務時間が少なく、介助を覚えるのに数年かかるのでまったく使えない。過酷な介助内容であり、常勤で介助者の家族を養えるきちんとした給与を出さないと長期にわたって働けないので、コストもかかる。  

●コミュニケーション
*利用者独自のコミュニケーション方法を習得するのに時間がかかる。これができないうちは研修扱いになってしまう。(役に立たないので。)  

●利用者の最低限の生活の質の保証
*呼吸器管理をしつつ移動をする必要がある、車椅子への移乗や外出、トイレ介助、お風呂介助などは介護者は2人以上いる。安全のためにどうしても多人数で行う必要がある。
 これらの人間として最低限の日常的な営みに人手がかかることを贅沢だとはいえない。

地方では

ALSなど重度障害者は「身体介護」でないと働いてくれる人がいないところが多い。(特にCIL型の事業者がない地域では)
 ヘルパーの時給は身体介護単価で給与をもらっている。それが制度改悪で給与が下がったら、介護を受けられなくなる。
 これらヘルパーの多くは介護保険の事業所から派遣されてくるので人材も老人のほうに流れていっていくのが現状です。このような現状下での単価引き下げは、重度障害者の地域での暮らしを否定することです。

包括払い方式の問題点と反対理由

全国の状況などを調査した結果、以下の問題点があり、包括払い方式には反対である。

  1. 地方でこれから初めての「24時間介護の必要な命にかかわる1人暮らしの障害者」が地域に出た場合に、必要な予算がつかなくなる。つまり、市町村財務部は最低限の予算しか認めようとしないので、低い単価ができれば、最低のものまでしか出さない。このため、例えば包括払いに障害に応じて5段階の区分を作っても、最重度でも1番低い区分で決定されてしまう。そうなると、近隣市町村を見ている各自治体はますます低い類型だけを適用することになり、最低区分が全国の事実上の上限になってしまう。そうなると、最重度の障害者は生きていけない日本になる。
  2. 命にかかわる最重度の24時間介護の必要な障害者は、現在最高24時間のヘルパー制度がある自治体の中でも、人口10万人に1人程度であり、しかもその数の過半数は全国から移転してきた障害者である。これの、現在の予算額に占める割合は0.3%程度のわずかな予算である。この1番重度の命にかかわる予算を削るのは本末転倒である。

(大濱委員の資料は以上)



介護保険改正の大まかな厚生労働省案が出る

  7月16日に社会保障審議会の介護保険部会があり、厚生労働省は「制度見直しの具体的内容(案)」を出しました。また、介護保険の範囲を20歳からに拡大することについては賛成・反対意見の両論併記となりました。
 「制度見直しの具体的内容(案)」では、大まかな方向として、以下の制度改正の方向が示されました。
  支援費制度は介護保険の制度の多くの部分とおなじ制度設計がされており、介護保険の改正にあわせて支援費も改正される可能性が大きくなっています。

介護予防の重視

 老人を以下の3分類にわけ、2の廃用症候群モデルについては、ホームヘルプの利用を制限して介護予防・リハビリテーションを行う。

1、脳卒中モデル(要介護3〜5が多い)   2、廃用症候群モデル(徐々に生活機能が低下するモデル。要介護1以下に多い)   3、痴呆モデル(要介護1〜5いろいろ)

  また要介護認定のほかに上記2に該当する老人のスクリーニング(振り分け)を行うシステムを作る。この予防給付は民間事業所やボランティア組織も活用する。介護報酬についても月単位やプログラム単位の包括的な設定とする。

施設給付の見直し

 個室化を勧め、施設の家賃部分や食費の自己負担をとり、介護の費用のみ保険の対象にする。
 利用者負担を2〜3割にする意見もあるが、これには否定的な案となっている。

ホームヘルプについて

 「身体介護」「生活援助」という現行の区分を、行為別・機能別に再編し、基準・報酬の設定について見直す。
 利用者が自らできるにもかかわらず、掃除・調理等を代行する「家事代行」は見直し。

通所サービスについて

 デイサービス、通所リハなどについては、「リハビリ中心型」「痴呆対応型」「社会参加型」に類型化し、基準・単価を見直す。

福祉用具・住宅改造について

 福祉用具の購入については、事業者の指定制度を導入する。
 住宅改造は市町村への事前申請制度を導入する。

地域密着サービスの創設

 「痴呆モデル」「独居モデル」に対応できるように、地域密着型サービスを創設。
 地域密着型サービスの例として、「小規模多機能型」サービスや、「地域夜間対象型」「痴呆専門デイサービス」「小規模住宅系サービス」「小規模入所系サービス」がある。
 地域密着型サービスは市町村が指定を行う。
 グループホームも市町村が指定できることに変更。その設置数も市町村が制限できるようにする。
*「小規模多機能型サービス」とは、「通い」「泊まり」「訪問」「居住」などの機能を小規模で利用者に合わせて自由に組み合わせて実施する形態の総称。

居住系サービスの体系的見直し

 「特定施設入所者生活介護」の対象を現行の介護有料老人ホームやケアハウス以外のも拡大する。
 入所施設は、現行の「包括型」(1ヶ月定額で介護報酬を支払う方法)だけでなく、「外部サービス利用型」も認める。

「地域夜間対応型」や「地域見守り型」のサービスについて

 現行制度は夜間も定時巡回ホームヘルプしかないうえ、日中も一定の時間帯のサービスに限られている。夜間や緊急時のニーズに対応するため、一定の地域を単位に、高齢者からの通報で直ちに対応が取れる体制などを導入。

ケアマネジメント

 ケアマネージャーの研修を強化。更新時も研修を実施。基準や報酬と連動した研修・資格の体系見直し。罰則強化。  事業所の指定とケアマネージャーの指定を2重に行う「2重指定制度」の導入。

人材について

 ホームヘルパーは26万人の実働者のうち介護福祉士は1割。2級ヘルパーが事実上標準的な任用資格となっている。将来的には任用資格は介護福祉士を基本とすべきなので、これを前提に現任者の研修も見直しを進める。

介護保険料

  65歳以上の1号については、保険料の軽減の範囲を検討。  (65歳未満の2号については、現行は全国1律)

市町村の関与の強化

 利用が主に市町村の範囲のサービスについては、市町村が子弟・指導鑑査を行う。
 複数の市町村にまたがるサービスの場合も、都道府県の指定にあたって、市町村の意見聴取を義務付ける。

見直しの進め方

・ 上記の「介護要望システムの確立」や「新たなサービス体系の確立」など、一定の準備時間が必要なものは、3〜4年かけて開始。
・ 「施設給付の見直し」や、グループホームなどへの市町村指定については、制度改正ですぐに実施される。

*全文は介護制度情報ホームページからリンクしています

障害者への影響は?

 介護保険と支援費が統合されない場合でも、介護保険の制度改正に合わせて、支援費制度も同様の改正がされると予想されます。身体介護や家事援助の体系が変わることが予想されます。また、障害者に影響が予想されるものとしては、「地域夜間対応型」があります。これが全国に導入されると、夜間滞在介護が必要な障害者も、夜間緊急サービスがあれば命にはかかわらないだろうと市に言われ、夜間のホームヘルプの決定が受けられないことになる可能性が大きいです。今後の介護保険の動向に注目が必要です。




第14回社会保障審議会・障害者部会の報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局
(議事内容聞き取りメモの全文はホームページに掲載しています)

 支援費と介護保険との統合問題についてほかについて、6月25日の障害者部会で中間とりまとめをおこない、6月28日の介護保険部会に提案するということになっていました。
 介護保険との統合について、どのようなとりまとめがなされるのか注目を集めていましたが、とりまとめ案では以下のような表現となりました。

(2)新たな障害保健福祉施策と介護保険の関係

○上記のような状況の中で、今後、地域福祉の考え方に立って障害保健福祉施策を推 進するため、国民の共同連帯の考え方に基づいており、また、給付と負担のルールが 明確である介護保険制度の仕組みを活用することは、現実的な選択肢の一つとして広 く国民の間で議論されるべきである。
○この場合において、第12回障害者部会(平成16年6月4日)において三人の委員が示し た考え方(「障害者福祉を確実・安定的に支えていくために〜支援費制度と介護保険 制度をめぐる論点の整理と対応の方向性」)のように、介護保険制度によりすべての 障 害者サービスを担うのではなく、介護保険制度とそれ以外の障害者サービス等とを組 み 合わせて、総合的な支援体制を整備する必要がある。
○また、介護保険制度の仕組みを活用することについては、障害特性を踏まえたもの となるのかどうか等について関係者から課題や懸念が示されており、これらについて 十分検討し対応することが必要である。
○現時点においては、障害保健福祉施策の推進のために介護保険制度の仕組みを活用 することについては、賛成する意見や課題を示しつつ選択肢の一つであることを認め る意見のほか、判断する材料が十分ではないとの意見や反対する意見もある。
○今後、よりよい制度を模索していく中で、障害者、医療関係者をはじめ多くの関係 者の意見を十分聴いて検討を進める必要があるとともに、障害保健福祉施策の実施者 であり、介護保険制度の保険者でもある市町村と十分協議することが必要である。
○いずれにしても、介護保険制度の仕組みを活用することを含め障害保健福祉施策を どうするかについては、今後、国民一人ひとりが「障害」の問題を、他人事としてで はなく、自分に関係のある問題との認識に立ち、広く議論が行われ、その理解と協力 が 得られることを期待したい。

 これを受けて、各委員から、統合に反対する意見、支援費を継続する選択肢もいれ るべきという意見、介護保険統合にもっと踏むこむべきだという意見など様々な意見 がでました。

○丹下委員(NPO障害者雇用部会 日経連)
 介護保険に組み入れる事、20歳に被保険者を広げることは時期尚早である。わが国の障害者施策の方向がどこにあるのか、多くの選択肢を吟味し、議論することから はじめるべき。すでに統合へ決まったかのような方向があることはおかしい。
 20歳以上から保険料をとるなら、対象の人が理解、共感を持つのか。所得補足率の問題もあり、学生・フリーターからはとれない、勤労者しかとれない。
 産業界が障害者問題を拒否しているのではない。産業界が求めているのは福祉にも合理化を求めている。高福祉・高コスト体質ができている。福祉においてもコストをどう下げるかを産業界は求めている。
 支援費をどう再生するかの選択肢があり、これがまだ議論されていない。障害者福祉と雇用を結ぶ法体系を提起して欲しい。提供されるサービスが過剰でないのか、そのためのルールが必要で、これはケアマネジメントの議論にかかってくる。このような検討をして支援費制度の再生をすべきであるというのが産業界のおおかたの意見である。
 介護保険との統合が将来的にあるのかもしれないが、議論をつくしてから考えるべき。

○京極部会長
 私のメモでは、"有力な選択肢"ではなく"現実的な選択肢の一つ"ということである。保険徴収が20歳から、30歳からということはふれていない。

○安藤委員(ろうあ連盟)
 介護保険との統合は現実的な選択肢というが、支援費制度も現実的な選択肢であり、それが全く触れられていない。統合が強くでていて、検討を求めたい。
 手話通訳、要約筆記はホームヘルプとは別にというのは評価できる。この中間報告の方向で進めていって欲しい。

○福島委員(東京大学)
 選択肢と言うからには、介護保険を選択肢の一つとすると、介護保険統合だけに向いてしまう。支援費の再生を検討する選択肢があればバランスはとれる。
 "介護保険制度によりすべての障害者サービスを担うのではなく、介護保険制度とそれ以外の障害者サービス等を組み合わせて、総合的な支援体制を整備する"とある が、介護保険制度にのる場合に、他の制度も組み合わせるという考えを支持しているのであり、3人の委員の案をそのまま支持するものではない。今回のとりまとめは明確な方向性を示してはいない、あえて示さない事が様々な可能性があることを示している。

○松友委員(育成会)
 タイムリミットの中で、ある種の結論をださないといけない。本質は大事だが、7年前の積み残しの議論があり、今回の見直しの中で、障害者部会で結論がでなければ 介護保険部会は議論しない。京極座長には介護保険部会で7年前の積み残しをきちんと議論してほしいと言って欲しい。年齢による差別、明らかな排除である。

○徳川委員(身体障害者施設協議会)
 統合と決めたわけではなく、"現実的な選択肢"として投げかけることには問題はない。介護保険部会になげて、それを受けてまた議論したい。

○武田委員((福)桑友)
 退院促進が言われているが、退院した人が地域で生活を送れる手立てはなされていない。統合を断定ではなくボールを投げるための議論を始めようとしている。これまで議論すらしなかったが、議論を始めていただきたい。治療の必要のない入院している人たちの保障のためにまず介護保険を議論していただきたい。

○新保委員(精神障害者社会復帰施設協会)
 前回、介護保険との統合に賛成する意見をだした。支援費の再生といわれても、精神障害は支援費に入っていない。介護保険ならば義務的経費として活用できる。介護保険の選択肢がないなら、精神の施策を支援費に入れてくれるのかという約束をして欲しい。私たちには何の選択肢もない。精神の社会復帰施設が介護保険に賛成した意をくんで欲しい。

○高橋清久委員(国立精神・神経センター)
 多くの選択肢があるだろうと思う。しかし、いろいろな選択肢を考えた上で、介護 保険制度の仕組みを活用することが有力な選択肢である。
 経済的な理由で結論を得たのでなく、介護保険制度がユニバーサルという考え方、高齢者も、どのような障害も含むという考え方で、介護保険の仕組みを活用する。
 介護保険は国は負担の責任をもっている。理念的な面で介護保険制度が持つ優れた面の議論を深めていく。

○岡谷委員(看護協会)
 必要なサービスは介護保険で全てまかなえるのではなく、税の部分がでてくるが、どこまでが税で、どこからが保険なのか。そういうことを判断する材料がほとんどない。
 統合がいい、そうではないという判断が、これではできない。サービスを使っている障害者の立場にたって、統合の是非が判断できる中で検討したい。
 こちらからボールを投げて、介護保険部会ではどうなるのか。部会での結論がこちらに投げ返されるのか。

○京極部会長
 介護保険部会でも議論があるし、医療保険との議論もある。ボランティアもある。そういうすみわけをどうするのかが課題である。
 来週の介護保険部会でボールを投げる。障害者部会と介護保険部会をいったりきたりするようなことになるかもしれない。
 これは部会長案であるので、医療関係者、市町村、経済界と少し詰めた議論をして、中間まとめをする。それをあらためて介護保険部会に出す。
 介護保険部会も7月末に向けて精力的な議論をする。

○村木企画課長
 ここでの議論を28日の介護保険部会になげて議論をいただく。この部会もそれをながめながら中間まとめをする。あと1回か2回開催して、中間まとめをする。
 その後の議論は、介護保険部会がどう結論を出すかを見ながら、ご相談させていただきたい。

○北岡委員(滋賀県社会福祉事業団)
 今回の中間のとりまとめでは現実的な選択肢の一つとして議論をすることを介護保険部会になげられればと思う。
 しかし、何をもって現実的なのかが、このまとめでは不十分だ。支援費の財政的な欠陥、在宅が裁量である、給付と負担の問題、知的障害者のサービス利用増、国家財政が厳しい、地域格差の是正などを議論して、現実的な選択肢が導き出された、ということから議論していくことだと思う。
 自立の概念、費用負担、サービスの上限、横だし・上乗せ、などの議論がこれから必要になる。介護保険がどこまで改革されるのかということもある。
 支援費制度と介護保険が発展的に自立と共生を生み出す新たな制度の創出を期待していて、そのための議論をしたい。

○広田委員(精神医療サバイバー)
 統合を考えるときに、地域生活保険、社会保障保険などのいろんな言い方ができる。統合といっても精神は支援費に入っていない。
 講演に行って学生に、20歳以上に介護保険をはらうことをどう思うかを聞くと、1 /3は抵抗がない、2/3は抵抗があると答える。
 これを業界で考えるのではなく、いろんな人に語りかけることである。世間の人がわかりやすいようにマスコミは伝えて欲しい。障害になっても安心して暮らしていける社会保障制度、日本に住む人間全体の問題として考える。障害者の業界の議論では だめだ。

○堂本委員(千葉県知事)
 自治体の立場でいうと、介護保険部会に投げられるという議論がされているが、それ以前に社会保障制度が作られる場合、特に市町村に主体性が確保できるようにする 必要がある。かつての機関委任事務のように微にいり、細にいり決まりができてはいけない。かっちり制度ができると地方の自主性をもった運用ができない。誰もがその人らしく住むという可能性が狭くなってしまう。

○妻屋委員(全脊連)
  "判断する材料が不十分、反対する意見があった"とあるが、ここは介護保険部会にもっていく際には、"国の責任として税でまかなうべき"なので反対という意見をはっきりいれて欲しい。

○安藤委員(聾唖連盟)
 確認だが、この中間まとめについては、立場によって読み方が変わってくる。どちらでもとれるものでは、障害者部会の見解も問われる。座長はどのように介護保険部会で説明するか確認したい。

○京極部会長
 現実的な選択肢として検討せよと投げかける。両論併記をとっているのではなく、限りになく賛成に近い。

○安藤委員(聾唖連盟)
 賛成に近いという方向なら、部会で確認が必要だ。

○京極部会長
 "賛成"という表現はいいすぎた。いろんな意見がでたことが伝える。しかし、向こうで検討してもらうためには、現実的な選択肢としてという表現を使う。

○福島委員(東京大学)
 安藤委員の質問への部会長のお答えはかなり重要なポイントがある。限りなく賛成というのなら、とりまとめには賛成できない。
 介護保険を利用する際にどういうパターンがあるのかを今後を検討する。その時にあらためて、賛否をとうべきである。現段階で限りなく賛成はおかしい。部会長個人の意見でないととりまとめを支持できない。

○京極部会長
 部会長の失言ということで理解を。中間とりまとめでは今までの議論をすべてもりこんだ。これほどの大きな方向性をだしたのは厚労省でいままかつてないことである。
 介護保険を私たちの現実的な選択肢として検討しなくてはならない。これまでの議論は入口にしかすぎない。介護保険のメリット、デメリットある。市町村も含めて、国民的な議論が必要。さしあたりは介護保険部会にだすが、医療関係、市町村、いろんなかたがたにボールを投げる。私たちももっとつっこんで議論する必要がある。

○高橋紘士委員(立教大学)
 介護保険部会になげることで、介護保険部会との共同作業となるのかどうかはわからないが、障害者を介護保険でこう考えようという、障害者団体にも判断材料がでてくる。

○嵐谷委員(日身連)
 当事者の意見が有効である。投げかけて帰ってきた球をどうするかという論議になってているが、将来にわたって障害者施策はどうなるかという議論をして欲しい。国民の理解と共感を得る、障害者施策トータル的な部分をもう少し論議した上で、この話をすすめていって欲しい。もっと材料がないと判断できない。

○斉藤委員(社会就労センター協議会)
 介護保険制度に就労は入るのか。

○京極部会長
 そこは明確には議論していない。授産が介護施設なのかどうか、福祉工場は介護施設ではない。個別の施設体系はこれから議論する。

○徳川委員(身体障害者施設協議会)
 上乗せ・横だしの議論はされていない。介護保険と障害者施策の関係ではこれは重要なことである。高齢も障害も人間として同じニーズをもっている。それを含めた新たなものをつくる。単に介護保険にあるものを利用するだけでなく、国民全体のあり かたについて新しい社会保障を作る。

○高橋紘士委員(立教大学教授)
 高齢ケアも介護保険だけでなく、介護保険以外のサービスを別立てで行っている現実がある。これは今の介護保険制度を前提とした議論である。
 介護保険そのものが将来がどうなるのかというのはその次の議論である。現状の制度を前提として、介護保険も持続可能な制度として厳しい目が注がれている。ピッチャーがキャッチャーに投げて、それが投げ返されてきてから議論が始まる。

○京極部会長
 今度の介護保険の見直しでは、介護保険部会でも生活支援保険にするという議論はしていない。今回の見直しでなく、次の見直しになる。介護保険部会では介護保険をどう定着するかという見直しを今やっている。生活支援保険は議論としては将来あるが、当面の議論でない。
 今日の意見を聞いて修正をした上で、最終的なものを委員にみてもらった上で、介護保険部会にだしたい。介護保険部会では、障害者部会からボールをなげるという意味で今日の議論をふくめて説明したい。

 以上のような議論がなされ、障害者部会では統合を決定したわけではないが、"現 実的な選択肢の一つ"として介護保険部会で検討をしてもらうために、部会長メモと して中間とりまとめを28日の介護保険部会に提出することになりました。
 また、障害者部会は本日でいったん終了と思われていましたが、あと1〜2回開催 し、介護保険部会の状況をみながら、また、障害者団体・市町村・医療関係との協議 をしながら、最終的な中間とりまとめを行うことが示されました。
 これまでの部会の議論の中では「介護保険自体を大きく改革して地域で生活するた めの支援を行う制度にする」という介護保険改革を念頭においた賛成意見がありまし たが、部会長からは「介護保険部会では、介護保険をどう定着するかという見直しを 今やっていて、生活支援保険にするという議論はしていない。生活支援保険は議論と しては将来あるが、当面の議論でない。」という否定的な見解が示されました。ま た、介護保険との統合で小規模通所授産、無認可作業所の問題が改善されるとの期待 もありましたが、今日のやりとりの中では通所授産を介護保険にいれるかどうかは トーンダウンした議論がなされています。
 また、支援費の今年度の予算が170億円の不足がでるという報道についての質問 が委員からありました。これに対して、障害福祉課長は「今の段階で不足の確たる数 字はない。新年度始まって3ヶ月、利用の伸びの状況もある、4月から工夫もしてい る。適切にデータをとる努力をしている。昨年は初年度であったので緊急避難的に確 保し、当面は回避できたが今年は同じような流用は困難である。補正予算も困難であ る。不足した財源確保は、4月から加算の算定の合理化、長時間の単価の逓減などの 対応をしている。今年度の状況を見ながら更なる運営上の工夫を対応する。」と答え、追加的な財源確保を否定しています。



審議会・介護保険部会の報告書案
   介護保険と支援費統合の結論出さず

  審議会の障害部会では、介護保険統合に向けた報告書が出されましたが、それを受けた介護保険部会では、両論併記の報告書案が出ました。

  社会保障審議会の「介護保険部会」が7月16日に開かれ、報告書案が配られました。 注目の、「被保険者・受給者の範囲について」では統合賛成意見と、反対意見の両論併記になりました。文書量では賛成意見がわずかに多く書かれており、厚生労働省は賛成意見のようですが、マスコミでは「両論併記」との報道がされました。

介護保険改革、徴収拡大の結論先送り…社保審部会案 

読売新聞 2004/7/16

 2006年度実施の介護保険制度改革へ向けた社会保障審議会介護保険部会の意見書案が、15日明らかになった。最大の論点である保険料徴収拡大・障害者福祉統合に関しては、結論を先送りした。
 制度見直しの内容としては、〈1〉新たな「予防給付」の創設〈2〉施設入所者からの居住費徴収〈3〉独自性重視の「地域密着型サービス」創設――などを挙げている。今月末にも最終的な意見書がまとまるのを受け、厚生労働省は秋に改革案を公表、来年の通常国会に介護保険法改正案を提出する予定だ。
 障害者福祉との統合は、保険料の徴収(現行40歳以上)を「20歳以上」などに拡大することと一体で議論されたが、サービス削減などを懸念する障害者団体や、経済界の反発は強く、踏み込んだ議論には至らなかった。意見書案は賛否両論を併記、「国民各層の十分な理解と合意を得ながらを進めていくことが求められる」とするにとどまり、調整は難航が予想される。

介護保険見直し、社保審部会案、障害者支援費統合、先送り

【日経新聞】2004年7月15日(木) (記事の1部抜粋)

 来年の介護保険制度の改正に向けた社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護 保険部会の報告書案が十四日明らかになった。焦点だった障害者向け支援費制度との 統合は賛否両論を併記し方向性を示さなかった。議論を秋以降に先送りしたが、負担 増となる企業や市町村からは反発も多く難航が必至。変更点として施設入所者から居 住費や食費を徴収、予防を重視する方針などを打ち出した。
 報告書案は十六日の部会に提出、七月末にもまとめる。介護保険は施行から五年 たった二〇〇五年に見直すことが決まっている。秋に改革案をまとめ、来年の通常国 会に法案を提出する。
 最大の論点である支援費制度との統合では、保険料を負担する層を現行の「四十歳 以上」から「二十歳以上」に広げることもあわせて議論。報告書案は「広く関心と議 論を喚起する」として統合へ積極的な意見と消極的な意見を並べ、統合するかどうか の方向性を明確にするには至らなかった。
 積極的な意見は「介護ニーズを年齢で区分する合理性は見出し難い」「財政が安定 する」「障害者の福祉が改善される」など。消極的な意見では「障害者施策は全額税 金を基本とすべきだ」「若者や企業に新たな負担が生じる」「支援費導入から一年 で、時期尚早である」などを記した。
 障害者が自らサービスを選ぶ支援費制度は二〇〇三年度に発足。利用者の急増で初 年度から補助金が大幅に不足し、今年度も約百七十億円足りない見通しで財源不足が 課題となっている。障害者施策を検討する障害者部会は十三日、介護保険との統合を 「現実的な選択肢の一つ」とする中間報告を了承した。

 

人事異動

厚生労働省の大塚義治事務次官が退任、後任に戸苅利和厚生労働審議官が回り、厚生労働審議官に辻哲夫保険局長が就く。

その他関係の人事異動は
障害保健福祉部障害福祉課長に、松島賢社会・援護局地域福祉課長
北海道厚生局長に、河幹夫内閣府審議官(国民生活局担当)


介護保険見直し 急いてはことを仕損ずる

毎日新聞社説:2004年7月19日

 介護保険制度の見直しに向けて議論が大詰めを迎えている。最大の課題は介護保険 制度と障害者支援費制度の統合だが、社会保障審議会介護保険部会での議論は賛成、 反対、慎重論に割れており、収れんしそうにない。今月末にまとめられる同部会報告 は3論併記とならざるを得ないだろう。政府が「年金の経験」から、制度への信頼感 がいかに大切かを学んだならば、国民の声を無視した見直し論議はできないはずだ。

 介護保険と障害者支援費制度は共に厳しい財政問題を抱えており、このままでは破 たんしかねない。介護保険は40歳から加入が義務化され、原則65歳からサービス が受けられる。当初、20歳からの加入が検討されたが、若者がそっぽを向くのを心 配して、40歳以上に変わった。

 施行後3年間で在宅介護サービス利用者は2倍の200万人以上に増加、現在も1 カ月3万人増のペースで拡大が続いている。この結果、介護給付費はスタート時(0 0年度)の3・2兆円から、今年度予算では5・5兆円に急増した。給付額は25年 度には19兆円に膨らむ見通しだ。

 一方、昨年度から始まった障害者支援費制度も導入当初から大幅な予算不足が出 た。身体・知的障害者が自立に必要な福祉サービスを自ら選び、費用を公費で負担す る制度だが、ここでも利用者が増え、国は昨年度予算に512億円の補助金を計上し たが128億円の不足が出た。今年度もこれを上回る予算不足が見込まれている。三 位一体改革で補助金が大幅削減となれば、支援費制度の存続さえ危ぶまれる。

 このため厚生労働省は介護と障害者福祉の統合を打ち出した。介護保険の対象に障 害者を加え、年齢や障害、疾病の種類を問わず、介護が必要な人を全体で支え合う仕 組みを目ざしている。

 だが、ちょっと待ってもらいたい。議論は生煮えで、結論を出す状況ではない。越 えなければならないハードルが山ほどある。

 新たに20歳〜39歳からも保険料を徴収するというが、若い層の理解が得られる のか▽20歳以上からの保険料徴収により未納・未加入が増える恐れがある▽日本経 団連などから企業の負担増に反対が強い▽社会保険方式の介護制度と税財源でやって きた障害者福祉が統合できるのか▽障害者へのサービス低下の恐れがある−−などが 主な論点だ。両制度はそれぞれに問題を抱えており、統合ですべてが片付くという考 えは安易だ。

   介護保険の財政健全化のためには、介護予防の徹底を図り利用者急増に歯止めをか けることが最優先だ。保険の不正請求の根絶、要介護認定の適正化や過剰なサービス による給付の膨張なども厳しくチェックすべきだ。障害者支援費制度も導入からまだ 2年目だ。予算不足の背景を分析し改善を図ることが緊急の課題である。

 介護部会の委員の意見も割れている。急(せ)いてはことを仕損ずる。拙速に結論 を出し、年金改革の轍(てつ)を踏んではならない。  


日身連ホームページ2004/07/21より(要約)

介護保険・支援費統合問題で特別検討部会設置へ

  来年の介護保険制度の見直しについて検討してきた厚生労働省主管・社会保障審議会介護保険部会で7月16日に示された報告書案で、介護保険と支援費制度の統合については、賛否両論が併記されていました。{
  介護保険制度改革法案は来年1月の通常国会での上程をめざし厚労省内で調整が進められていますが、こうした中、両論併記で結論の出なかった「統合問題」の解決を図るため、社会保障審議会に特別部会を設置し、進むべき方向性を検討する方針が固まった模様です。



全国市長会、障害施策と介護保険の統合は「慎重に検討すること」と要望

 全国市長会では、6月9日に開催した第74回全国市長会議において、各支部から提出された議案について審議、採択し、介護保険制度など14項目について要望事項として取りまとめました。これら要望事項については、7月2日、全国会議員をはじめ関係省庁などの各方面に提出されました。(http://www.mayors.or.jp/ より)

 [平成16年6月9日 第74回全国市長会議決定]重点要望事項より抜粋

7 介護保険制度に関する重点要望

 介護保険制度の円滑な運営を図るため、国は、特に次の事項について積極的な措置を講じられたい。

2.国が実施している低所得者対策は、保険料及び利用料の軽減策が十分でないことから、国の制度として、財政措置を含めて総合的かつ統一的な対策を講じるよう、抜本的な見直しを行うこと。
4.保険料納付の利便性、徴収事務の効率化及び収納率の向上を図るため、全ての年金を特別徴収の対象とすること。
5.現行の第1号保険料の区分については、第2段階の対象者における収入の格差が大きく、所得の低い者にとって負担が大きいので、住民の所得状況に応じた多段階制の採用等、よりきめ細かい保険料段階区分を設定すること。
6.障害者施策との統合及び被保険者の年齢の範囲の拡大については、慎重に検討すること。



新宿区、別居家族によるヘルパーサービスを禁止に

  東京都新宿区は、区の障害者にホームヘルプサービス提供している支援費事業所に対し、別居親族等のヘルパーを認めない旨の通知しました。
  通知によると、「同居家族へのサービス提供の禁止」について新宿区が厚生労働省へ紹介したところ、「直系血族・配偶者・兄弟姉妹については、別居であっても、サービス提供者としては認められない」と回答を得、新宿区は今後この方針をとるとのことです。
 支援費制度では、制度開始時に、介護保険のホームヘルプの規定をほとんど丸写しにしたため、「同居家族へのサービス提供の禁止」は、介護保険と同様、明文化されていますが、別居の家族がヘルパーになりサービス提供することは国の規定では禁止とはなっていませんでした。
 介護保障協議会では、支援費制度開始前の厚生省交渉で、別居家族によるヘルパーは禁止にするよう要望しています。支援費制度前の全身性障害者介護人派遣事業などでは、3親等以内の者が介護人になるのを禁止していた自治体がほとんどでした。別居の家族がヘルパーになることができる制度では、嫁いだ娘が親の介護に入る行為や、1人暮らしを始めた子供の介護に親が入る行為が可能になります。これでは、市民の合意を得られず、介護制度が伸びていきません。
  また、介助者は他人から選ぶべきであり、家族が介護に入るべきではありません。家族の介護の場合は、障害者による人選ができないため、介助者の立場が障害者よりも高くなり、虐待などが発生しているためです。
 (他人介助者でも、泊まりこみの家政婦の例のように、特定の介助者にしか介護を頼めない状況を作ってしまうと、介助者のほうの力関係が大きくなり、虐待が発生します)。



介護福祉士試験申し込み概要が発表になりました。

 支援費や介護保険のヘルパー事業所ではサービス提供450時間/月ごとに1名のサー ビス提供責任者が必要です。(905時間なら3人)
 サービス提供責任者は常勤で、介護福祉士、1級ヘルパー、3年経験の2級のいずれか でないといけません。
 また、介護福祉士をとると自分の団体で県指定のヘルパー研修を実施するときにほとん どの科目の講師になれるので、便利です。

介護福祉士試験はみなし資格者や日常生活支援ヘルパーや無資格者でも、受験可能です。 (介護経験3年以上でなおかつ540日以上であれば受験可能です。介護経験とは、自費 利用を含む介護事業を行う法人のヘルパー経験や、自薦ヘルパーや全身性派遣事業の行政 制度の介護者経験や、行政から介助のお金の出ている作業所や任意団体の介助者などが経 験日数として認められます)

 古いCILではサービス提供責任者不足対策に3年を超えた介護者は毎年全員受験して もらっている団体もいくつかあります。 今年、厚生省より介護福祉士試験改革の方向性が出され、数年後には、3年経験者の受験 ができなくなり、介護福祉士養成校を出た人だけが試験受講できるように変わっていく予 定です。

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第17回介護福祉士国家試験の施行について

1  試験期日

(1)筆記試験  平成17年1月23日(日曜日)
(2)実技試験  平成17年3月 6日(日曜日)

6  受験手続

(1) 受験書類の受付期間
 平成16年8月11日(水曜日)〜9月10日(金曜日)
  ※当日の消印のあるものに限り有効
(2) 受験書類の提出先
 財団法人 社会福祉振興・試験センター

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/07/h0715-3.html http://www.sssc.or.jp/index2.html



支援費事業所でも不正による指定取り消し

  介護保険制度は2000年度にスタートして以降、不正請求などで2003年度までの4年間で232事業所が指定取り消しを受け、報酬返還額は29億円になっています。
 2003年度に始まった支援費制度でも76・7月に奈良県と兵庫県で2件の指定取り消しがありました。介護保険事業所では有限会社などの営利法人の指定取り消しが多くなっていますが、支援費の指定取り消しは2件ともNPO法人でした。NPO法人は誰でも設立できる法人ですが、まだ数が少ないため、NPO法人が不正を行うと、ほかのNPO法人に悪影響を与えます。NPO法人に対する市民の監視がよりいっそう必要です。
 特に問題なことに、兵庫県で指定取り消しを受けたNPO法人は障害者が代表者をしており、サービス提供責任者の名義かりや、架空のサービスを請求していました。この団体は自立生活センターや自薦ヘルパー推進協会とは関係ありませんが、このような犯罪を行う障害者が出ると、全国のほかの障害者団体に悪影響を及ぼします。

  わらわれ介護保障運動は歴史的にこのような介護制度の不正利用を厳しく糾弾してきました。介護制度の不正利用があると、その地域の最重度の障害者で時間数が足りなくて交渉中の方の介護制度がそれ以上伸びなくなり、最重度の人の命を危機にさらす結果になります。実際に、支援費制度前に自薦制度で不正が過去に行われた大阪や東京のいくつかの自治体では24時間介護制度ができずに、介護制度の最高時間の水準が極めて低いままになっています。その自治体では不正とは関係ない24時間介護の必要な障害者は命の危機にさらされています。また、過去の不正利用の情報は隠すことは不可能で、年月を経て、審議会に出ている研究者や厚生省職員にも伝わっています。こういうことがある限り、介護制度の改善にブレーキがかかります。全国の障害者を苦しめることにもつながります。 このような不正行為を行うことは、絶対に許されません。介護保障運動の先人が命を懸けて作ってきた苦労を踏みにじるものです。



障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に

長時間要介護障害者などが運営する介助サービスのシステムと 24時間介護保障制度を全国に作ろう

 2003年からは障害ヘルパーも介護保険と同様、事業者市場が自由化されました。さまざまな事業者がホームヘルプなどのサービスを提供し、障害者は自由に事業者を選択できるようになりました。
 ホームヘルプサービスを行いたい事業者は、一定の基準を満たせば、都道府県が1〜2ヶ月弱で指定するようになりました。指定を受ければ、市町村境や県境を超えてサービス提供ができるようになりました。
 長時間介助の必要な障害者や高度な介護が必要な障害者の団体は、従来から、行政などの派遣するヘルパーは介助が満足にできなかったため、自分たちで介助者を雇い、団体を作り重度全身性障害者にも十分対応できる介助サービスを行ってきました。また、行政交渉を行い四国や東京を中心に、24時間の介助制度を作り上げてきました。
 これらの自立生活センター等の団体は実績がありながらなかなか障害ヘルパー委託を受けられませんでした。2000年4月からの介護保険施行で、老人向けのヘルパー等事業者が自由化され、それに影響されて障害ヘルパーも重度全身性障害者の運営する自立生活センター等に委託されるようになりました。(それでも3年以上の話し合いが行われた上での事でした)。これにより、各センターは予算規模1億円を超える団体も増えてきました。
 2003年にはこのような心配はなくなりました。一定の基準を満たせば、市町村の意向に関係なく必ず指定が受けられ、ヘルパー事業者になれます。

2010年ごろの目標

 介護保険や障害の指定事業者になってヘルパー派遣を行うと、十分な運営費が保障され、団体職員の人件費や運営費に十分な保障ができます。この仕組みを使って更なるサービス水準アップや制度を改善していく運動に使い、社会を変えていこうという計画です。まず取り組むことは、2010年までに全国に1000事業者を作り、24時間要介護の障害者の自立支援を行い、行政交渉し、24時間介護保障を3300市町村作り出すことです。
 その次は、知的・精神・身体(視覚・聴覚・盲ろう・肢体・内部)・難病および重複の全障害種別の参加を得て、全ての障害種別にサービス提供(当事者が主体的に)していくシステムを計画しています。
 また、3300市町村の多くで24時間に近い介護保障ができた際には、全国で予算が確保されますので、国に対してパーソナルアシスタント制度(労働時間や通学や運転・入院など使途の制限をされない24時間介護保障で全国一律制度)を作っていきます。

注:東京などの一部団体では24時間介助保障を交渉して作り、24時間の専従介助者による介助サービスを行い、人工呼吸器利用の24時間要介助の全身性障害者などを施設などから一人暮し支援できています。一人暮しの知的障害者や精神障害者への介助サービスも行なっています。もちろん短時間の介助サポートもできます。いずれも個別ILプログラムや様々な支援を(自立生活をしている長時間要介助の)障害者役員が管理し健常者のスタッフなどを部下として雇って(障害者と健常者で)運営しています。これら団体は市から障害ヘルパーを委託されており、介護保険指定事業者にもなっており、収入は(今までの障害者団体に比べると)相当大きなものになります。
 通常、このような水準の団体になるために、どれくらいの研修期間や運営期間が必要かといいますと、まず、近隣の市の障害者が研修を受ける場合には、週1回(マネージャー&コーディネーター会議の日に)通って1年間、そのほかに近隣市の自立生活プログラムやピアカウンセリング、行政交渉には必ず全部出席していきます。2年目から団体を立ち上げ、まず1人目の自立支援(施設や親元からの一人暮しの支援)を団体として行います。この際などにも事細かに研修先の団体にアドバイスを仰ぎながら進めます。こうして2人目、3人目と進み、ILP、ピアカンなども講座型から個別までこなし、介護制度交渉も行ない、専従介助者を確保していって介助サービス体制を強固にしていきます。この間も外部の講座などには出来るだけ参加します。これで最短の団体(実績)で4年ほどで上記のような総合的なサービスが行なえるようになります。なお介護保険の事業者指定は実績が全くなくても有資格ヘルパーが3人いれば取れるため、半年ほどで取ることが出来ます。障害ヘルパーも2003年からは同じ様になります。今は障害ヘルパーは市に委託の交渉が必要になりますが介護保険事業者になっていたらすぐに委託が受けられる市も増えてきました。
 上記の(近隣市の障害者が研修を受けて団体を立ち上げていく)モデルをもとに、必要な研修時間を計算すると、週10時間程度で、年500時間(初年度のみ)となります。これと全く同じ事を行なうには年400〜500時間に相当する研修が必要です。全国47都道府県の事業者になりたい団体・個人がこれを全部合宿研修で行うわけにはいきませんから、なるべく通信研修+電話相談でカバーして、合宿研修は少なめでやってみようと検討しています。そのほか、近隣県で受講できる基礎ILP・ピアカンなどは極力近隣地域で受けることで体力や時間、費用が節約できますので極力参加するようにお願いします。

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的に事業を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。推進協会の理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。

くわしくはお問合せ下さいフリーダイヤル0037−80−4455(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6) 身体障害に限らず、今後他の障害者にもサービスを提供すること。

 



全国47都道府県のCIL空白地域で、施設や親元から自立してCILを作りたい障害者の人材募集(介護が長時間必要な方)

 全国障害者介護保障協議会と自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会では、全国3300市町村で最重度障害者が運営する自立生活センター(CIL)のサービスが受けられるようになるように、各県で最低10箇所程度のCILを作ることを目標に金銭面や研修等で支援を行っています。当会は、どんな重度の障害者でも住み慣れた地域で暮らしていけるような状況が全国3300市町村で作られていくべきだと考えています。そのために、それらの地域で自立して地域で暮らしていきたい、さらにCIL設立につなげたいという障害者に対して情報提供や研修、それにかかる諸費用も含めた全面的なバックアップをしています。2001年度〜2002年度は空白県に最低1つのCILを作ることを目標に研修や助成などで支援を行いました。今年度からは各県に最低2〜3箇所のCILを作る支援を行います。
 現在、毎日24時間介護の必要な全身性障害者が施設や家族の元から出て1人暮らしし、CILを立ち上げています。こういった最重度の障害者が過疎地の県でたくさん出ています。近県CILや東京などで何度も研修を行い、介助者の雇い方、指示の出し方、アパートの借り方、介護制度の使い方、CILの作り方、など、1つ1つ研修を受けていくことで、やる気と努力で1つ1つ解決していきます。研修の交通費・介護者の費用などは助成いたします。1人暮らし開始時の介護費用なども交渉して制度がのびるまでの期間、助成・貸付します。実地の研修を補完する「通信研修」も行っています。
 募集する地域は、県庁所在地からはなれているCIL空白地域です。(秋田・宇都宮・群馬・徳島・高知は県庁所在地も募集)。また、これ以外の地域でも、現在すでに立ち上がっている団体で引き続き障害者の人材募集も行っています。
 自分も参加したい・・という方は、どしどしご相談ください。
 自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会 
0120−66−0009 10:00〜23:00

自立生活センター(CIL)とは
 理念はJILホームページhttp://www.j-il.jp/ などをご参照ください。
 障害者が主体的に運営するサービス提供団体&運動体です。介助利用者自身がエンパワメントしていく(力をつけていく)スタイルのホームヘルプサービスと運動を行います。24時間介護の必要な方などの1人暮らし支援も行い、介護制度の交渉も行い、地域の制度を改善していきます。



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル FAX 0037−80−4446

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。(最新時給はこちら)また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
名前 (所属団体等)
渡辺正直  (静岡市議)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 24時間介護が必要ですが、1人暮らしをして24時間介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を広域協会と契約して、残り19時間は広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(東京都) 3月までは全身性障害者介護人派遣事業を使って自薦の介助者を使っていたのですが、4月1日にB市からC市に転居した関係で、新しい区で受給者証がなかなか発行されず、5月はじめに4月1日付の受給者証が送られてきました。区から広域協会を紹介され、電話したところ、緊急事態ですからということで、特別に4月1日にさかのぼって自薦介護者の介護を支援費の対象にしてくれるということで4月の介助者給与が出ることになり助かりました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえるようになりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は週3日勤務で月20万ほどの収入ができ、安定してきました。

★(東日本のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい広域協会に登録し、市から広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

 
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