鹿児島県の離島や過疎地など10箇所以上で24時間介護保障が1年で実現
鹿児島のALS患者会と全国広域協会の連携で
鹿児島の患者会が支援中のALS患者リスト(重度訪問介護24時間申請または準備中事例など)2020年4月現在
(離島の2人が1人ぐらし、ほかは家族同居ケースです)
市町村(島名)
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重度訪問介護支給時間
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障害区分
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呼吸器と胃ろうの状態
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与論町(与論島)
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744時間
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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天城町(徳之島)
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505時間
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区分6
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徳之島町(徳之島)
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744時間
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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奄美市(奄美大島)
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744時間
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区分6
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奄美市(奄美大島)
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744時間
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区分6
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気管切開・NPPV・胃瘻
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龍郷町(奄美大島)
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620時間
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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南九州市(本土 薩摩半島)
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744時間
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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鹿屋市(本土 大隅半島)
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578時間
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区分6
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胃瘻・NPPV
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さつま町(本土 北部)
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744時間
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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さつま町(本土 北部)
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620時間
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区分6
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NPPV・胃瘻
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介助未実施
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阿久根市(本土 北部)
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744時間
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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出水市(本土 北部)
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744時間
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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未退院
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南九州市(本土 薩摩半島)
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申請中
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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いちき串木野市(本土 西部)
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申請中
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胃瘻
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出水市(本土 北部)
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申請中
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区分6
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呼吸器装着・胃瘻
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与論町(与論島)
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申請中
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出水市(本土 北部)
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申請中
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胃瘻
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注:744h=24時間✕31日 40歳以上のケースでは、介護保険の訪問介護もあわせて利用
鹿児島県のALS患者の皆さんは、県の中でも地方や離島に多く暮らしており、2018年まで、全く24時間の重度訪問介護のような長時間介護を使っていませんでした。
鹿児島県の離島や本土の(都市部を除く)過疎地域では、重度訪問介護の制度利用が全くない地域でしたので、重度訪問介護を長時間連続で提供できる事業所もありませんでした。
ALS協会鹿児島県支部は、患者と、患者の家族を中心としたボランタリーな団体でしたので、療養相談などを長年患者会として行っていましたが、介護問題の解決ができずにいました。まず、鹿児島から沖縄までの間に広く点在する離島や本土の過疎地の患者のいる地域を回り、役場、患者に関わる医者・訪問看護・リハビリなど専門職の皆さん、地域の皆さんへのプレゼンや勉強会などを重ねると同時に、患者や家族に、24時間の長時間ヘルパー利用に備えての心構えも伝えていきました。離島にヘルパー研修講師を本土から派遣したり、離島から本土に飛行機できてもらったり、丁寧に種まきをしました。
そして、自前でのヘルパー事業運営まで手が回らないことから、2018年に、全国広域協会と連携して、24時間重度訪問介護を鹿児島の離島や本土の過疎地で始めることにしました。
それまでは鹿児島の過疎地で重度訪問介護の支給決定が出なかった最も大きな原因は、24時間のサービス提供ができる重度訪問介護事業所がなかったことです。そこで、全国広域協会からの拠出金で無資格等のヘルパーを求人して確保し、給与を払いながら重度訪問介護従業者養成研修(21.5時間)を受講してもらい、教育した上で、本土から離島等に数ヶ月などの単位で派遣し、ALS専属のヘルパーとしました。
離島で毎日24時間の重度訪問介護を支給決定してもらい、島でもヘルパーになりたい人を募集し、重度訪問介護従業者養成研修を受講してもらい、毎日24時間の介護を交代制で常勤4〜5人程度で介護できるようにしました。ヘルパーが揃ったら、本土から派遣したヘルパーは本土に戻ったり、他の離島の患者の立ち上げ支援に回ったりします。
本土の過疎地である北部や西部、本土南部の大隅半島や薩摩半島の地域でも、同様に、無資格者を常勤中心に雇用して給与を払いながら資格をとってもらい、介護方法を教えて、ヘルパーになっていく方法を取りました。
事業所については、最初は、奄美大島の患者は鹿児島市の事業所にヘルパーを登録し、阿久根市の患者は、福岡県の事業所に登録、沖縄の隣の与論島の患者は東京の事業所にヘルパーを登録しました(法的には問題ないですが、市町村の了解のもと行いました)。介護がスタートして数カ月後に、全国広域協会が、鹿児島県にALS専門の事業所をつくり、全利用者がこの事業所の利用に移りました。
患者会の頑張りで、1例目の24時間介護スタートからたった1年で10例以上の24時間介護体制をつくりました(離島の5市町を含みます)。また、24時間の重度訪問介護の申請中や支給決定後の介護サービス準備中事例も7例あります。ほとんどのケースは健常者の家族と同居のケースで24時間かそれに近い重度訪問介護が支給決定されています(1人ぐらしは離島の2ケースのみ)。
患者会は、いま、長年の準備が一度に花開き、今、目が回るように忙しい状況だそうです。
多くのヘルパー(男女)が離島や過疎地で雇用され、まとめていくために、中心メンバーとしても、これまでのボランティア仲間ではない、志を共にできるような仲間集めに苦労しているところだそうです。離島に支援に何度も飛行機で行くために、今までは寄付募集のコンサートなどを行ったりしてボランティアで活動していたのですが、ヘルパー事業所の収入で交通費をまかなえるようになり、各地や全県で飛び回って患者や家族やヘルパーを支えるスタッフも、ボランティアではなく常勤雇用の給与が出るようになったので、新しく人材求人できるようになりました。
いままで目の前の患者をなんとかしたくても、どうすることもできなかった、市町村や地域医療の人たちも、全く新しい24時間重度訪問介護での在宅生活が始まるのを目にして、目からウロコが落ちるような感想だそうです。もちろん、ALSの皆さんは、各地域で主治医や訪問看護、訪問リハなどの支援も受けて在宅生活をしています。
北海道・福島ほかでも
地域のALS患者会が全国広域協会と連携して24時間重度訪問介護を地域で作り出す取り組みは、各地で広がってきています。
北海道の帯広地域では、患者の家族である東 洋(アズマヒロシ)さんが中心に、4市町村で6人のALS患者の自薦ヘルパー支援をしています。そのうち4人は24時間介護です。
北海道は石狩地区(札幌の近く)でもALS患者家族の松山裕子さん(恵庭市・東広島市)が同様の活動をしています。
福島県では、ALS患者家族の長谷川智美さん(郡山市)が活動しています。太平洋側の南相馬市や県南部の石川郡などで24時間の重度訪問介護の支給決定が出て、これから介護体制を組み上げるところです。
富山県、新潟県、長野県、徳島県等でも、重度訪問介護の24時間介護体制を作りあげ、これから他の患者や家族の支援をしていきたいというALS患者や家族がいます。
全国障害者介護保障協議会と傘下団体の全国広域協会では、地域のちいさな患者団体や個人で、同じ様に問題解決に取り組みたいという方を支援しています。公益活動でしたら、資金含め、様々な支援を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
鹿児島県(本土)北部のさつま町 看護師の吸引を学ぶヘルパー3名です。
患者は ALS協会県副支部長 城ケ峰繁さんです。
4月13日退院した 徳之島の里見晟さんと透明文字盤を使ってコミュニケーションを取るヘルパーです。
奄美大島の龍郷町 岡山星子さん。(左右の4人がヘルパー)
理学療法士の寄本先生(中央)に 呼吸器の仕組みや カフアシスト、アンビューの使い方について学んだ後の記念撮影です。
与論島
他の鹿児島の各地の皆さんの写真
(この記事は、医学書院の月刊「訪問看護と介護」 の介護保障協議会大野の記事の抜粋に紙面の関係でカットされた表と写真を加えた記事です)
その後の鹿児島の情報