第14回社会保障審議会・障害者部会が開催されました。
自薦ヘルパー推進協会本部事務局
3月に第5回が開催され、介護保険との統合議論だけでなく、障害保健福祉施策の 体系、就労支援、住宅、ケアマネジメントなどの議論をハイペースで行ってきました
が、本日で中間とりまとめをおこない、28日の介護保険部会に提案するということ になっていました。
特に介護保険との統合について、どのようなとりまとめがなされるのか注目を集め ていましたが、とりまとめ案では以下のような表現となっていました。
(2)新たな障害保健福祉施策と介護保険の関係
○上記のような状況の中で、今後、地域福祉の考え方に立って障害保健福祉施策を推 進するため、国民の共同連帯の考え方に基づいており、また、給付と負担のルールが
明確である介護保険制度の仕組みを活用することは、現実的な選択肢の一つとして広 く国民の間で議論されるべきである。
○この場合において、第12回障害者部会(平成16年6月4日)において三人の委員が示し た考え方(「障害者福祉を確実・安定的に支えていくために〜支援費制度と介護保険
制度をめぐる論点の整理と対応の方向性」)のように、介護保険制度によりすべての 障 害者サービスを担うのではなく、介護保険制度とそれ以外の障害者サービス等とを組
み 合わせて、総合的な支援体制を整備する必要がある。
○また、介護保険制度の仕組みを活用することについては、障害特性を踏まえたもの となるのかどうか等について関係者から課題や懸念が示されており、これらについて
十分検討し対応することが必要である。
○現時点においては、障害保健福祉施策の推進のために介護保険制度の仕組みを活用 することについては、賛成する意見や課題を示しつつ選択肢の一つであることを認め
る意見のほか、判断する材料が十分ではないとの意見や反対する意見もある。
○今後、よりよい制度を模索していく中で、障害者、医療関係者をはじめ多くの関係 者の意見を十分聴いて検討を進める必要があるとともに、障害保健福祉施策の実施者
であり、介護保険制度の保険者でもある市町村と十分協議することが必要である。
○いずれにしても、介護保険制度の仕組みを活用することを含め障害保健福祉施策を どうするかについては、今後、国民一人ひとりが「障害」の問題を、他人事としてで
はなく、自分に関係のある問題との認識に立ち、広く議論が行われ、その理解と協力 が 得られることを期待したい。
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これを受けて、各委員から、統合に反対する意見、支援費を継続する選択肢もいれ るべきという意見、介護保険統合にもっと踏むこむべきだという意見など様々な意見
がでました。
○丹下委員(障害者雇用部会)
介護保険に組み入れる事、20歳に被保険者を広げることは時期尚早である。わが 国の障害者施策の方向がどこにあるのか、多くの選択肢を吟味し、議論することから
はじめるべき。すでに統合へ決まったかのような方向があることはおかしい。
20歳以上から保険料をとるなら、対象の人が理解、共感を持つのか。所得補足率の 問題もあり、学生・フリーターからはとれない、勤労者しかとれない。
産業界が障害者問題を拒否しているのではない。産業界が求めているのは福祉にも 合理化を求めている。高福祉・高コスト体質ができている。福祉においてもコストを
どう下げるかを産業界は求めている。
支援費をどう再生するかの選択肢があり、これがまだ議論されていない。障害者福 祉と雇用を結ぶ法体系を提起して欲しい。提供されるサービスが過剰でないのか、そ
のためのルールが必要で、これはケアマネジメントの議論にかかってくる。このよう な検討をして支援費制度の再生をすべきであるというのが産業界のおおかたの意見で
ある。
介護保険との統合が将来的にあるのかもしれないが、議論をつくしてから考えるべ き。
○京極部会長
私のメモでは、”有力な選択肢”ではなく”現実的な選択肢の一つ”ということで ある。保険徴収が20歳から、30歳からということはふれていない。
○安藤委員(ろうあ連盟)
介護保険との統合は現実的な選択肢というが、支援費制度も現実的な選択肢であ り、それが全く触れられていない。統合が強くでていて、検討を求めたい。
手話通訳、要約筆記はホームヘルプとは別にというのは評価できる。この中間報告 の方向で進めていって欲しい。
○福島委員(東京大学)
選択肢と言うからには、介護保険を選択肢の一つとすると、介護保険統合だけに向 いてしまう。支援費の再生を検討する選択肢があればバランスはとれる。
”介護保険制度によりすべての障害者サービスを担うのではなく、介護保険制度と それ以外の障害者サービス等を組み合わせて、総合的な支援体制を整備する”とある
が、介護保険制度にのる場合に、他の制度も組み合わせるという考えを支持している のであり、3人の委員の案をそのまま支持するものではない。今回のとりまとめは明
確な方向性を示してはいない、あえて示さない事が様々な可能性があることを示して いる。
○松友委員(育成会)
タイムリミットの中で、ある種の結論をださないといけない。本質は大事だが、7 年前の積み残しの議論があり、今回の見直しの中で、障害者部会で結論がでなければ
介護保険部会は議論しない。京極座長には介護保険部会で7年前の積み残しをきちん と議論してほしいと言って欲しい。年齢による差別、明らかな排除である。
○徳川委員(身体障害者施設協議会)
統合と決めたわけではなく、”現実的な選択肢”として投げかけることには問題は ない。介護保険部会になげて、それを受けてまた議論したい。
○武田委員((福)桑友)
退院促進が言われているが、退院した人が地域で生活を送れる手立てはなされてい ない。統合を断定ではなくボールを投げるための議論を始めようとしている。これま
で議論すらしなかったが、議論を始めていただきたい。治療の必要のない入院してい る人たちの保障のためにまず介護保険を議論していただきたい。
○新保委員(精神障害者社会復帰施設協会)
前回、介護保険との統合に賛成する意見をだした。支援費の再生といわれても、精 神障害は支援費に入っていない。介護保険ならば義務的経費として活用できる。介護
保険の選択肢がないなら、精神の施策を支援費に入れてくれるのかという約束をして 欲しい。私たちには何の選択肢もない。精神の社会復帰施設が介護保険に賛成した意
をくんで欲しい。
○高橋清久委員(国立精神・神経センター)
多くの選択肢があるだろうと思う。しかし、いろいろな選択肢を考えた上で、介護 保険制度の仕組みを活用することが有力な選択肢である。
経済的な理由で結論を得たのでなく、介護保険制度がユニバーサルという考え方、 高齢者も、どのような障害も含むという考え方で、介護保険の仕組みを活用する。
介護保険は国は負担の責任をもっている。理念的な面で介護保険制度が持つ優れた 面の議論を深めていく。
○岡谷委員(看護協会)
必要なサービスは介護保険で全てまかなえるのではなく、税の部分がでてくるが、 どこまでが税で、どこからが保険なのか。そういうことを判断する材料がほとんどな
い。
統合がいい、そうではないという判断が、これではできない。サービスを使ってい る障害者の立場にたって、統合の是非が判断できる中で検討したい。
こちらからボールを投げて、介護保険部会ではどうなるのか。部会での結論がこち らに投げ返されるのか。
○京極部会長
介護保険部会でも議論があるし、医療保険との議論もある。ボランティアもある。 そういうすみわけをどうするのかが課題である。
来週の介護保険部会でボールを投げる。障害者部会と介護保険部会をいったりきた りするようなことになるかもしれない。
これは部会長案であるので、医療関係者、市町村、経済界と少し詰めた議論をし て、中間まとめをする。それをあらためて介護保険部会に出す。
介護保険部会も7月末に向けて精力的な議論をする。
○村木企画課長
ここでの議論を28日の介護保険部会になげて議論をいただく。この部会もそれを ながめながら中間まとめをする。あと1回か2回開催して、中間まとめをする。
その後の議論は、介護保険部会がどう結論を出すかを見ながら、ご相談させていた だきたい。
○北岡委員(滋賀県社会福祉事業団)
今回の中間のとりまとめでは現実的な選択肢の一つとして議論をすることを介護保 険部会になげられればと思う。
しかし、何をもって現実的なのかが、このまとめでは不十分だ。支援費の財政的な 欠陥、在宅が裁量である、給付と負担の問題、知的障害者のサービス利用増、国家財
政が厳しい、地域格差の是正などを議論して、現実的な選択肢が導き出された、とい うことから議論していくことだと思う。
自立の概念、費用負担、サービスの上限、横だし・上乗せ、などの議論がこれから 必要になる。介護保険がどこまで改革されるのかということもある。
支援費制度と介護保険が発展的に自立と共生を生み出す新たな制度の創出を期待し ていて、そのための議論をしたい。
○広田委員(精神医療サバイバー)
統合を考えるときに、地域生活保険、社会保障保険などのいろんな言い方ができ る。統合といっても精神は支援費に入っていない。
講演に行って学生に、20歳以上に介護保険をはらうことをどう思うかを聞くと、1 /3は抵抗がない、2/3は抵抗があると答える。
これを業界で考えるのではなく、いろんな人に語りかけることである。世間の人が わかりやすいようにマスコミは伝えて欲しい。障害になっても安心して暮らしていけ
る社会保障制度、日本に住む人間全体の問題として考える。障害者の業界の議論では だめだ。
○堂本委員(千葉県知事)
自治体の立場でいうと、介護保険部会に投げられるという議論がされているが、そ れ以前に社会保障制度が作られる場合、特に市町村に主体性が確保できるようにする
必要がある。かつての機関委任事務のように微にいり、細にいり決まりができてはい けない。かっちり制度ができると地方の自主性をもった運用ができない。誰もがその
人らしく住むという可能性が狭くなってしまう。
○妻屋委員(全脊連)
”判断する材料が不十分、反対する意見があった”とあるが、ここは介護保険部 会にもっていく際には、”国の責任として税でまかなうべき”なので反対という意見
をはっきりいれて欲しい。
○安藤委員(聾唖連盟)
確認だが、この中間まとめについては、立場によって読み方が変わってくる。どち らでもとれるものでは、障害者部会の見解も問われる。座長はどのように介護保険部
会で説明するか確認したい。
○京極部会長
現実的な選択肢として検討せよと投げかける。両論併記をとっているのではなく、 限りになく賛成に近い。
○安藤委員(聾唖連盟)
賛成に近いという方向なら、部会で確認が必要だ。
○京極部会長
”賛成”という表現はいいすぎた。いろんな意見がでたことが伝える。しかし、向 こうで検討してもらうためには、現実的な選択肢としてという表現を使う。
○福島委員(東京大学)
安藤委員の質問への部会長のお答えはかなり重要なポイントがある。限りなく賛成 というのなら、とりまとめには賛成できない。
介護保険を利用する際にどういうパターンがあるのかを今後を検討する。その時に あらためて、賛否をとうべきである。現段階で限りなく賛成はおかしい。部会長個人
の意見でないととりまとめを支持できない。
○京極部会長
部会長の失言ということで理解を。中間とりまとめでは今までの議論をすべてもり こんだ。これほどの大きな方向性をだしたのは厚労省でいままかつてないことであ
る。
介護保険を私たちの現実的な選択肢として検討しなくてはならない。これまでの議 論は入口にしかすぎない。介護保険のメリット、デメリットある。市町村も含めて、
国民的な議論が必要。さしあたりは介護保険部会にだすが、医療関係、市町村、いろ んなかたがたにボールを投げる。私たちももっとつっこんで議論する必要がある。
○高橋紘士委員(立教大学)
介護保険部会になげることで、介護保険部会との共同作業となるのかどうかはわか らないが、障害者を介護保険でこう考えようという、障害者団体にも判断材料がでて
くる。
○嵐谷委員(日身連)
当事者の意見が有効である。投げかけて帰ってきた球をどうするかという論議に なってているが、将来にわたって障害者施策はどうなるかという議論をして欲しい。
国民の理解と共感を得る、障害者施策トータル的な部分をもう少し論議した上で、こ の話をすすめていって欲しい。もっと材料がないと判断できない。
○斉藤委員(社会就労センター協議会)
介護保険制度に就労は入るのか。
○京極部会長
そこは明確には議論していない。授産が介護施設なのかどうか、福祉工場は介護施 設ではない。個別の施設体系はこれから議論する。
○徳川委員(身体障害者施設協議会)
上乗せ・横だしの議論はされていない。介護保険と障害者施策の関係ではこれは重 要なことである。高齢も障害も人間として同じニーズをもっている。それを含めた新
たなものをつくる。単に介護保険にあるものを利用するだけでなく、国民全体のあり かたについて新しい社会保障を作る。
○高橋紘士委員(立教大学教授)
高齢ケアも介護保険だけでなく、介護保険以外のサービスを別立てで行っている現 実がある。これは今の介護保険制度を前提とした議論である。
介護保険そのものが将来がどうなるのかというのはその次の議論である。現状の制 度を前提として、介護保険も持続可能な制度として厳しい目が注がれている。ピッ
チャーがキャッチャーに投げて、それが投げ返されてきてから議論が始まる。
○京極部会長
今度の介護保険の見直しでは、介護保険部会でも生活支援保険にするという議論は していない。今回の見直しでなく、次の見直しになる。介護保険部会では介護保険を
どう定着するかという見直しを今やっている。生活支援保険は議論としては将来ある が、当面の議論でない。
今日の意見を聞いて修正をした上で、最終的なものを委員にみてもらった上で、介 護保険部会にだしたい。介護保険部会では、障害者部会からボールをなげるという意
味で今日の議論をふくめて説明したい。
以上のような議論がなされ、障害者部会では統合を決定したわけではないが、”現 実的な選択肢の一つ”として介護保険部会で検討をしてもらうために、部会長メモと
して中間とりまとめを28日の介護保険部会に提出することになりました。
また、障害者部会は本日でいったん終了と思われていましたが、あと1〜2回開催 し、介護保険部会の状況をみながら、また、障害者団体・市町村・医療関係との協議
をしながら、最終的な中間とりまとめを行うことが示されました。
これまでの部会の議論の中では「介護保険自体を大きく改革して地域で生活するた めの支援を行う制度にする」という介護保険改革を念頭においた賛成意見がありまし
たが、部会長からは「介護保険部会では、介護保険をどう定着するかという見直しを 今やっていて、生活支援保険にするという議論はしていない。生活支援保険は議論と
しては将来あるが、当面の議論でない。」という否定的な見解が示されました。ま た、介護保険との統合で小規模通所授産、無認可作業所の問題が改善されるとの期待
もありましたが、今日のやりとりの中では通所授産を介護保険にいれるかどうかは トーンダウンした議論がなされています。
また、支援費の今年度の予算が170億円の不足がでるという報道についての質問 が委員からありました。これに対して、障害福祉課長は「今の段階で不足の確たる数
字はない。新年度始まって3ヶ月、利用の伸びの状況もある、4月から工夫もしてい る。適切にデータをとる努力をしている。昨年は初年度であったので緊急避難的に確
保し、当面は回避できたが今年は同じような流用は困難である。補正予算も困難であ る。不足した財源確保は、4月から加算の算定の合理化、長時間の単価の逓減などの
対応をしている。今年度の状況を見ながら更なる運営上の工夫を対応する。」と答 え、追加的な財源確保を否定しています。
2004.06.25
15:00〜17:30
社会保障審議会障害者部会傍聴メモ
ご注意
これは傍聴者の個人の要約メモですので、細かい発言内容に間違いや抜けも多いと思います。あくまで全体の流れの雰囲気を感じる参考にとどめてください。
転用はお断りいたします。順次訂正していきますのでほかの方にお知らせする場合はホームページアドレスのみお知らせください。繰り返しますがこれは短時間で個人がまとめたメモですので、委員各自の発言内容を正確に反映できていませんので、これをもとに各委員に対し抗議や批判を行うようのないようにお願いします。
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京極部会長
定刻になりましたのではじめます。委員の皆様ありがとうございます。
事務局から出欠と資料について。
間課長補佐(企画課)
岡田、亀井、末安、永井委員が欠席。
資料の確認。「資料1 論点整理」。「資料2 前回までの議事概要」、「資料3 今後の障害者保健福祉施策について(中間的なとりまとめ)」、「資料4 障害者部会の審議状況」
委員の皆様には前々回の議事録を配布した。
京極部会長
それでは議事に入る。
今まで論点整理をしながら、障害者の自立支援のための保健福祉施策の体系在り方について、ライフステージに応じたサービス、就労、ケアマネジメント、サービスの計画的な整備と財源配分について議論をしてきた。また3委員の提案や障害者団体からのヒアリングを受けて、部会長のほうでとりまとめした。
とりまとめでは大きな方向性を示した。単に介護保険との統合のみを取り扱っていない。
第2に前回までの議事概要にあるようなこれまでの議論をできる限り盛り込んだ。
第3に障害者団体のヒアリングを踏まえて、第4に介護保険部会に提出するために提言をまとめた。
これを踏まえてご議論をいただければ。
事務局から読み上げていただきたい。
間課長補佐(企画課)
※「資料3 今後の障害保健福祉施策について(中間的なとりまとめ)」のよみあげ
京極部会長
補足すると、障害者部会から介護保険部会にボールを投げなければ試合は始まらない。技術的、制度的検証だけではなく、国民全体の議論をしなくてはならない。そして、まず介護保険部会が議論をはじめないといけない。障害者団体や関係団体の意見を受けて、現実的な選択肢の一つとして議論を呼びかける。支援費制度の一部を介護保険に組み入れ、介護保険以外のサービスと総合的な組み合わせてサービスを提供する観点で中間とりまとめは書かれている。
委員から意見を。
丹下委員(障害者雇用部会)
前回、ヒアリングに終始したので、今から申し上げることとをとりまとめに反映して欲しい。
6月4日に出された、たたき台の内容は評価しているが、全体として私は残念である。どういうことかと言うと、支援費制度の改革の方向性として保険に組み入れる事は有力な選択肢としたこと、またその際の質疑では20歳に被保険者を広げると言い切った。
これは時期尚早であり、わが国の障害者施策の方向がどこにあるのか、委員の自由な意見のもと論ずるべきである。そのためには多くの選択肢を吟味し、議論することからはじめないとおかしい。すでに統合へ決まったかのような方向があることはおかしい。委員の意見の大勢がそうだというのなら、まだわかるが、決してそうではない。31人の委員がそれぞれの立場で考えている。委員の構成は国民の構成とはちがう。産業界は社会経済の中では小さくはない。その立場からの意見は私の意見のみである。産業界は支援費制度の介護保険の統合を前提とした検討には絶対反対である。その趣旨は常に申しいれしてきた。
年金改革法をみても国民の期待は社会保障の確立であった。高齢化は不可避である。対症療法でやってきたのが今日であり、社会保障全体の在り方を見定め、その上で、その中の障害者の介護の姿を考えた結果として介護保険との統合を言うならともかく、財政問題で統合をいうなら妥当ではない。
高齢者にくらべて障害者は金額的なボリュームは小さいので、統合しても体制に影響がないと考えたのであれば、それはそういう問題ではない。介護保険との統合で、どれだけ予算が浮くのかというの議論もない。
20歳以上から保険料をとるなら、統合は可能かもしれない。しかし、その層は負担が増える。対象の人が理解、共感を持つのか。所得補足率の問題もあり、学生・フリーターからはとれない、勤労者しかとれない。
産業界が障害者問題を拒否しているのではない。産業界が求めているのは福祉にも合理化を求めている。合理化をネガティブでなく、不必要なものは廃止する。そういう取組をしてきたのか。高齢化の中で負担が増える事は誰でもわかっている。しかし、経済状況では負担が難しくなっている。
産業界のエゴという理解はあたらない。高福祉・高コスト体質ができている。経済界はぞうきんをしぼるようにコストを下げている、福祉においてもコストをどう下げるかが産業界は求めている。
今、本当に必要なたたき台は、支援費を継続するのではなく、支援費をどう再生するかの選択肢があり、これがまだ議論されていない。これを行って社会保障の中に障害者施策を位置づける。委員が発言し、事務局もまとめているが、例としては、障害者福祉と雇用を結ぶ法体系を提起して欲しい。福祉の中から就労のステージに結びつけるのか。福祉と雇用をどのようにつなげるかの体系がない。自助努力の効果予測をしないといけない。雇用の進展で、給付を受ける人が減ることがおこらないといけない。現在の福祉に無駄があるとは言わないが、そのような話を聞く。支援費をいかにふくらませないかが重要である。
施策の体系と機能を示して、どうのような問題があるのか、どう直せばいいのか、そういうことが分かるような資料が欲しい。今の障害者問題のプロセスにどこに不具合があるのか。この資料をお願いしたが示されていない。
給付に対して地域の独自性の幅を拡大しない実施基準と地域格差是正が必要である。
支援費、精神障害者の問題、提供されるサービスが過剰でないのか、そのためのルールが必要で、これはケアマネジメントの議論にかかってくる。ケアマネジメントもサービス提供者との関係が濃厚である。福祉サービスにビジネスチャンスと参入するのはいいが、利益のための草刈場ではいけない。ケアマネジメントの公正さをどう保つのか。
今挙げた課題以外にもあるだろうが、このような検討をして支援費制度の再生をすべきである。の意見は産業界のおおかたが同様の意見である。支援費制度の再生を検討、統合を前提とする事は反対。なぜ、産業界からのヒアリングがないのか。
支援費制度の再生のための材料、真のたたき台、この中間まとめの中にこれをいれて、今後の審議をしていただきたい。
このことを介護保険部会にもしかと伝えていただきたい。
京極部会
私のメモでは、”有力な選択肢”ではなく”現実的な選択肢の一つ”ということである。保険徴収が20歳から、30歳からということはふれていない。
支援費制度の再生について。国の基準よりもサービスが増えても、負担は国が行う。こういう若干無理をしてスタートした。しかし、保険ではなく、税金なので措置から転換がしやすかった。
経済界として支援費制度の再生を言っている。部会以外にも検討会で支援費制度について様々な議論がされている。その議論も踏まえてやっていきたい。
安藤委員(ろうあ連盟)
中間報告の書き方では、支援費制度についての全体的課題が書かれていない。私たち障害者が心配してきた問題があって、サービスをどう確保していくか、基盤整備、サービス質などの課題があった。中間報告の書き方には問題がある。
介護保険との統合は現実的な選択肢というが、支援費制度も現実的な選択肢であり、それが全く触れられていない。統合が強くでている。これについては検討を求めたい。
手話通訳、要約筆記はホームヘルプとは別にというのは評価できる。この中間報告の方向で進めていって欲しい。
福島委員(東京大学)
丹下委員と安藤委員から指摘があった。支援費制度の再生、新たに組みなおす、充実という可能性、選択肢を記述することも一つの案である。
選択肢と言うからには、介護保険を選択肢の一つとすると、介護保険統合だけに向いてしまう。支援費の再生を検討する選択肢があればバランスはとれる。
私の感想は、まとめの案は全体としては妥当である。6月4日の案の時点では”有力な選択肢”という表現が、”現実的な選択肢の一つ”という表現になっている。介護保険の検討はするが、統合するとはいっていない。一方、現時点で検討しないと言う表現は妥当でない。この書き方は良い。
また、”3人の委員が示した考え方のように、介護保険制度によりすべての障害者サービスを担うのではなく、介護保険制度とそれ以外の障害者サービス等を組み合わせて、総合的な支援体制を整備する”とあるが、介護保険制度にのる場合に、他の制度も組み合わせるという考えを支持しているのであり、3人の委員の案をそのまま支持し、提唱するとは読めない。
この文章では、基本的な方針が示されているが、明確なベクトル、方向性を示せない、様々な意見が錯綜している、それを踏まえて、望ましい制度設計について継続的な議論をしていくと読み取った。そういう解釈でないと疑問の余地がある。
この表現は妥当であり、いろんな読み方はできるが、字句どおりに読めば、なんでもありの状況を示している。
介護保険の賛成から反対まで、4つの立場を書いている。とりまとめは明確な方向性を示してはいない、あえて示さない事が様々な可能性があることを示している。もしそういう解釈でないなら言っていただきたい。
京極部会長
3人の委員の提案を踏まえて、若干の表現を変えている。
介護保険部会に検討してもらうために、支援費制度がいいなら検討できないので、こちらから選択肢として言わないと検討が始まらない。表現はこれが最終のものではないので、意見を聞きたい。
丹下委員(障害者雇用部会)
介護保険との統合が将来的にあるのかもしれないが、議論をつくしてから考えるべきだということを言った。
松友委員(育成会)
丹下委員の話はうなずきながら聞いた。社会保障の情勢、我々の運動をふくめて襟をたださなければならない。これまでやってこなければいけなかった本質的な問題を言われた。
我々の意見は”賛成”と報道されたが、”賛成”ではない、”必然”と言っている。この前のヒアリングでは、3月の見解をセットでだしたが、3月には”介護保険を否定しない”、前回のヒアリングでは”必然”としてだした。
流れ、歴史的な時間、タイムリミットの中で、ある種の結論をださないといけない。本質は大事だが、7年前の積み残しの議論があり、今回の見直しの中で、障害者部会で結論がでなければ介護保険部会は議論しない。プロセス論からみた場合、座して死ををまつ議論と感じる。どうなるかわからないが介護保険部会で議論して欲しい。積み残された問題であり、我々はいったいどうなるのか当事者として言わざるをえない。
京極座長は介護保険部会で7年前の積み残しをきちんと議論してほしいと言って欲しい。前回、日身連の前田委員からも統合ではなく、介護保険は議論を棚上した、今回はその棚卸しの議論であるという意見があった。はずしてきたものをくっつけるのではない。介護保険がいいのか、支援費がいいのか。介護保険制度の部会の中でも5年目の約束として議論いただく。年齢による差別、明らかな排除である。それを要求するための障害者部会の役割がある。
社会保障体系は国家的議論が必要で、選挙もあるし議論したい。障害者部会の役割としては福島委員の意見と同じで、その方向で進めて欲しい。
徳川委員(身体障害者施設協議会)
同じような意見である。長い間の議論の積み重ねがあった。統合と決めたわけではない。統合の可能性を前は”有力”、今回は”現実的な選択肢”として投げかけることには問題はない。
丹下さんの意見はもっともだが、今言われても。むしろ、何が産業界で問題なのか知りたい。
介護保険部会になげて、もんでもらって、それを受けてまた議論したい。今の形で提起する事は福島委員と同じである。
高橋紘士委員(立教大学)
前々回の提案では、福島委員からちゃんとしたメリット、デメリットの評価表をつくれといわれたが、今日からその議論が始まると思っている。福島委員の考えに賛成である。
丹下委員の意見はわかるが、産業界がどう障害者とコミットするのか、そうでないと第三者の発言である。日本の福祉の歴史は障害者の歴史は第三者の問題であった、そこの域をでていない。そうでなく我々の生活の中から障害を持つ、産業活動の中でも障害者が生まれていると考えなければならない。
合理化の問題は、障害者施策、社会保障政策だけでない。丹下委員の論点は真摯に受け止める。丹下委員の意見もこれから議論したい。
障害の問題をどう認識するのか、様々な障害の発生、新しい障害の定義を含めた議論、これは私が尊敬するリチャードヒトマスが言ったことだが、産業界はグッズ(生産物)もバッズ(マイナスの生産物)も作ってきた。産業界の立場からもご意見いただきたいが、非合理、無駄が多いという前提にたった議論はやめていただきたい。
猪俣委員(自治体病院協議会精神科特別会)
全く違う議論があったということでは、投げかけの意味がなくなる。”現実的な選択肢”としてだしたことで、意味あいは動いたととらえた。
支援費の問題は一昨日の新聞の報道で、支援費の予算は602億円で170億円の不足がでるという。昨年のように他の予算からもちよって補填するのも難しいと言うコメントがでていた。現時点の支援費制度をどう考えているのか、少しずれるが大事だと思うのでお伺いしたい。
高原障害福祉課長
新聞報道があったが、今の段階で、支援費の所要額の見込みについて確たる数字はない。新年度始まって3ヶ月、利用の伸びの状況もある、4月から工夫もしている。適切にデータをとる努力をしている。
サービスの利用が昨年度より伸びるとするなら、昨年度は128億不足した。今年はそれを上回る不足が生じることになる。昨年は初年度であったので緊急避難的に確保し、当面は回避できた。
16年度予算は厳しい中で編成された。15年度と同じような流用は困難である。支援費の在宅サービスについては国の予算範囲内での補助であるので、補正予算は困難である。
不足した財源確保は、4月から加算の算定の合理化、長時間の単価の逓減などの対応をしている。今年度の状況を見ながら更なる運営上の工夫を対応する。
支援費制度で2年目をむかえ、制度を安定的、効率的にする。審議会の意見も聞いて制度の見直しもする。
武田委員((福)桑友)
丹下委員は企業として、いろんなご意見があることを感じた。精神障害が今日のとりまとめの中に、3障害ということで入っていることはこれまでになかった。
あらためて精神障害を切り分けていうような言い方はふさわしくないが、あえていうと、精神障害のほとんどが就労した後、病気になって復職できる人もいるが、仕事を失う人も多い。最近は労災が認められる人もいるが、一部の人で、多くは無年金、労災も受けられない人がいる。その中で夢を実現させるということで地域でがんばっている。
国の数値目標では、本当に必要なサービスが準備されていないが、国の目標値においても施設整備は昨年十分されなかった。
精神障害の3つの検討会が動いて、72000人の退院促進という言葉は動いているが、退院した人が地域で生活を送れる手立てはなされていない。この部会で、たくさんの議論がされ、中間とりまとめがなされた。統合を断定ではなくボールを投げるための議論を始めようとある。これまで議論すらしなかった。議論を始めていただきたい。
治療が必要な部分は特化し、治療の必要のない入院している人たちの保障のためにまず介護保険を議論していただきたい。是非、介護保険部会にボールを投げていただきたい。
新保委員(精神障害者社会復帰施設協会)
前回、介護保険との統合に賛成する意見をだした。
中間とりまとめで、関係団体だけでなく国民的な課題としているが、その通りである。精神は部会の議論の中でも、対等な位置に置かれているとは思えない。支援費制度の再生と言う大きなボールが丹下委員から投げられたが、精神の施策は支援費の枠組みにはない。
障害者基本法にそって3障害共通となったので取り上げられているだけで、なんとしてもそうありたいと思っていて、それを実現するためには、何を解決すべきか。まさに支援費の枠組みにも入っていない、義務的経費に入っておらず裁量的経費である。これはまさに大きな問題である。このまま裁量的経費、補助金の枠組みで精神障害が進むのなら、三位一体の中で施設が成り立たなくなる。施設運営の保身をはかるのではない。施設を必要とする精神障害の人がいる。この人たちが必要である限りやらないといけない、必要でなくなればいらないと思ってやっている。
精神の繰入金はゼロで、修繕費、人件費積み立てできない、使い切らないとお金をもらえない。私の施設の整備費はたった2億3000万円であるが、現金5000万と借入金7000万で始めた。借金を返さなけれならないが、収入がえられない中で、がんばっている多くの施設経営者がいる。私たちの生活保障をしてもらいたいと思っている。
私たちは介護保険ならば義務的経費として活用できる。そのことを是非検討したい、検討よりも活用したい。それで、介護保険導入に賛成した。この選択肢がないのら、精神の施策を支援費に入れてくれるのかという約束をして欲しい。私たちには何の選択肢もない。精神の社会復帰施設が介護保険に賛成した意をくんで欲しい。支援費の再生の論議の過程の中で、精神について同様の枠組みで考えられるのならそれはありがたい。
今後の社会保障の全体像にかかるグランドデザインを描けという事は、精神に固執することなく、全ての障害、加齢による障害も含めて全ての施策を議論して行きたい。
高橋清久委員(国立精神・神経センター)
6/4の提案の起草委員の一人として意見を言う。 多くの選択肢があるだろうと思う。しかし、いろいろな選択肢を考えた上で、介護保険制度の仕組みを活用することが有力な選択肢である。
丹下委員の発言の中にあったが、経済的な理由で結論を得たのでなく、理念的に議論した。経済的な基盤でなく、理念的な立場で社会保障、障害施策の議論をした。介護保険制度がユニバーサルという考え方、高齢者もどのような障害も含むという考え方で、介護保険の仕組みを活用するというのは非常に有力という結論をだした。理念的に立ち戻った結論をだした。
このことは介護保険のスタート時でも議論された。しかし、議論がにつまらなかったので、高齢の介護保険がスタートした。この部分は残っていた。理念的な部分からの検討の結論である。
介護保険に反対する意見で、国が責任を持つという考え方があるが、介護保険は国は負担の責任をもっている。そういう議論はあたらない。
そういうことも含めて、理念的な面で介護保険制度が持つ優れた面の議論を深めていく。
古畑委員(かながわ福祉サービス運営適正化委員会)
各論になってしまうが、ケアマネジメントについて。介護保険ケアマネジメントと障害者ケアマネジメントとでは役割がちがう。2階建ての部分を含め、障害者は社会参加していく。セルフケアマネジメント、障害者のケアマネジメントは当事者の判断を基本としてまずやる。断能力が不十分なかたが後見人を使う。セルフマネジメントが最初である。
ケアマネジャーについては、以前松友委員が言われたように、せっかくある制度ですので、社会福祉士、精神保健福祉士等の職種としていれていく。
権利擁護については、第三者によるサービス提供上のモニタリングが必要である。サービスが適切であるかどうか、後見人とケアマネジジャーが適切かの判断をする。問題があれば、権利擁護事業をつかって解決する。
障害は高齢のケアマネジメントとは違うという事を明確にして言って欲しい。
高橋紘士委員(立教大学)
基本的な誤解がある。介護保険は居宅介護支援員がケアマネジメントの手法を一部使ってやっている。介護保険でも介護保険給付でまかなえない対応についても課題提起している。高齢と障害のケアマネがちがうのではない。介護保険の給付の範囲では居宅介護支援で足りるが、それではだめな事例が高齢にもある。
ケアマネの手法は高齢と障害で共通であり、これが違うというのは間違いである。但し、対象の人の特性に応じてスキルが違う、また、制度として取り扱うときは検討が必要で、ここではあまり詳細に立ち入るのは筋が違う。
岡谷委員(看護協会)
中間まとめでは、介護保険の活用が現実的な選択肢の一つであるとしている。3障害が活用しても必要なサービスが介護保険で充実するかどうか。そうではない。税の部分がでてくるが、どこまでが税で、どこからが保険なのか。そういうことを判断する材料がほとんどない。
統合がいい、そうではないという判断が、これではできない。サービスを使っている障害者の立場にたって、統合の是非が判断できる中で検討したい。
こちらからボールを投げて、介護保険部会ではどうなるのか。部会での結論がこちらに投げ返されるのか。今後、どういう議論になるのか。
京極部会長
介護保険部会でも議論があるし、医療保険との議論もある。介護保険と医療保険を峻別しすぎて精神の人は困っている。ボランティアもある。そういうすみわけをどうするのかが課題である。
来週の介護保険部会でボールを投げる。障害者部会と介護保険部会をいったりきたりするようなことになるかもしれない。
これは部会長案であるので、医療関係者、市町村、経済界と少し詰めた議論をして、中間まとめをする。それをあらためて介護保険部会に出す。
介護保険部会も7月末に向けて精力的な議論をする。
厚労省全体の問題なので、事務局からも説明を。
村木企画課長
ここでの議論を28日の介護保険部会になげて議論をいただく。この部会もそれをながめながら中間まとめをする。あと1回か2回開催して、中間まとめをする。
その後の議論は、介護保険部会がどう結論を出すかを見ながら、ご相談させていただきたい。
北岡委員(滋賀県社会福祉事業団)
今回の中間のとりまとめでは現実的な選択肢の一つとして議論をすることを介護保険部会になげられればと思う。
しかし、何をもって、現実的なのか。このまとめでは不十分だと思う。
何故、現実的な選択肢なのか、支援費の財政的な欠陥、在宅が裁量である、給付と負担の問題、知的障害者のサービス利用増、国家財政が厳しい、地域格差の是正などを議論して、現実的な選択肢が導き出された、ということから議論していくことだと思う。
団体のご意見もいろいろあったが、自立の概念、費用負担、サービスの上限、横だし・上乗せ、などの議論がこれから必要になる。介護保険がどこまで改革されるのかということもある。
支援費制度と介護保険が発展的に自立と共生を生み出す新たな制度の創出を期待していて、そのための議論をしたい。
そのために、とりまとめに書いて欲しいことが4つある。
基本的な方向性では、障害者基本計画に当事者性、利用者本位がでていたが、こういった視点を強めることが必要である。
2つめは、細かい話になるが、地域に押し出す力を審議会で議論してきた。一般的に障害者にかかわりがうすい人は、障害者が地域に放り出されると不安するむきもあるので、ここを誤解のないようにして欲しい。
3つめは財源の配分については、施設に多くなっている予算配分を見直すということもいれて欲しい。在宅が裁量であるということは支援費の欠陥であるという話もあった。そういう問題意識をかけないのか。
4つめは介護保険制度の一部を活用する目的は地域で自立した生活をするために活用する、それを明確にする。
最後に安藤委員から、手話の問題、視覚のガイドヘルプは別系統でという話があった。この部会の議論はユニバーサルという話をした。知的障害者と身体障害者の移動介護はどうちがうのか、どう考えるのか。私は知的障害者にかかわっているが、日常生活の支援の中に取り込まれるべきではないか。ユニバーサルのサービスとしての考えを出して欲しい。
広田委員(精神医療サバイバー)
丹下委員の話はわかる。タクシーにのったら、ドライバーに、最近、仕事をはじめたので道を教えてくれと言われた。仕事を失って転職したということだった。そういう厳しい社会状況になっている。
産業界の意見ももっと前に聞きたかった。私も周りから世の中は障害者だけではないと良く言われてきた。この部会の人たちは、障害者業界で組織をバックにきている。私は幸いに個人できている。生活保護で生活しているが、感謝している。
統合を考えるときに、地域生活保険、社会保障保険などのいろんな言い方ができる。統合といっても精神は支援費に入っていない。精神は統合とは別だと私は考える。
講演に行って学生に、20歳以上に介護保険をはらうことをどう思うかを聞くと、1/3は抵抗がない、2/3は抵抗があると答える。
これを業界で考えるのではなく、厚労省前で賛成・反対と言うのではなく、いろんな人に語りかけることである。私は精神障害の啓発を丹下委員の協力も受けてやった。企業にもプラスである。
世間の人がわかりやすいようにマスコミは伝えて欲しい。障害になっても安心して暮らしていける社会保障制度、日本に住む人間全体の問題として考える。障害者の業界の議論ではだめだ。
以前から行っているが、高橋委員には英語を用いての発言はやめて欲しい。
マスコミはダイナミックに。報道して欲しい。
堂本委員(千葉県知事)
前半は出席できなかったので議論がかみあわないところがあるかと思うが。
自治体の立場でいうと、介護保険部会に投げられるという議論がされているが、それ以前に社会保障制度が作られる場合、特に市町村に主体性が確保できるようにする必要がある。
かつての機関委任事務のように微にいり、細にいり決まりができてはいけない。だれもがくらせるように柔軟に制度ができるように。
どういう制度ができるのかという議論でなく、かっちり制度ができると地方の自主性をもった運用ができない。誰もがその人らしく住むという可能性が狭くなってしまう。
市町村の柔軟な対応ができるように。そのような運営をお願いしたい。
福島委員(東京大学)
今日は、それぞれの委員が個別の意見をだす場ではない。中間まとめを検討するべき場所ではないか。
精神についていえば、介護保険になれば入れる、支援費だと入れないのではなく、全てのニーズをもつ人に提供できる制度をつくるべきであって、そこはごっちゃにしないで切り離して議論したい。
部会長がとりまとめると思うが、私の提案としては、障害施策と介護保険との関係については、丹下委員がおっしゃったような支援費の再生をいれる。「引き続き支援費制度の検討を進めるほか、その上で介護保険制度の仕組みを活用する」という表現ではどうか。”現実的な”という表現はとる。
また2段落目の「この場合において」の後の「第12回障害者部会において3人の委員が示した考え方のように」は削除する。6月4日のたたき台は方向性を示しているのであって、6月4日の案を指すものではない。引用すると6月4日の案の内容にとられてしまうので、これはカットする。カットしても問題はない。私の提案である。
京極部会長
障害者部会で議論されたことをふまえてまとめる。
当面の支援費の改革という表現はいれたい。”現実的な”という表現は、”現実的に”ということで介護保険部会でも踏み込んで議論されることになる。
そのあたりは今回は部会長の判断で、皆さんの意見を検討してもう一度出す。
堂本委員(千葉県知事)
5段落の、「市町村」のあとに、「いかに市町村がその地域の特性に対応して、特性にあわせて主体的に障害保健福祉行政にとりくめるか」という点を入れて欲しい。
妻屋委員(全脊連)
前回の部会では介護保険に反対した。若干意見をいいたい。
視覚障害の移動介護は別系統とあるが、肢体障害と格差を作るのではないか。
就労支援の中で、施設体系を整理するとあるが、量的な整理も必要である。なぜ、ここに予算をつけないといけないのが、一方では在宅は予算が足りないと言っている。
ケアマネジメントの在り方について、ケアマネジメントの制度化を図る事はよくわからないが、自立と社会参加の観点から、障害者は自ら自分のプランを作る事が目標、人に頼るのでなく自分でプランをつくる、これが自立、それを考えるとセルフマネジメントをいれて欲しい。
”判断する材料が不十分、反対する意見があった”とあるが、ここは介護保険部会にもっていく際には、”国の責任として税でまかなうべき”なので反対という意見をはっきりいれて欲しい。
笹川委員(日盲連)
妻屋委員の発言を受けて修正しないで欲しい。
また、全身性障害と格差はないようにして欲しい。
視覚障害の移動介護は簡単ではない。トイレに行くとき、食事などガイドヘルプが必要である。
全身性介護と差別しないで。
妻屋委員(全脊連)
差別でなく、格差があってはいけないと言った。
京極部会長
今以上に手厚くということで書いている。格差をつける話ではない。
笹川委員(日盲連)
支援費の見直しは在り方検討会で議論した。そこで、支援費の問題が提起された。そこでのすりあわせがされているかが気になる。
支援費を検討することが必要という意見がでた。私は支援費制度にはムダがあって、改める必要がある。今の支援費ではいくらあっても予算は足りない。
この統合に関しては議論はされていない。部会長として28日の介護保険部会にむけて、部会としての意見をとりまとめられる、それは当然だ。しかし、議論をつくして統合となった場合でも、介護保険から仕分けをする部分はきちんと仕分けして欲しい。今日、電話がかかってきて、視覚障害は介護保険から外れたと聞いた。新聞をみて、介護保険ではガイドヘルプは別枠とある。それなら介護保険に入らないという理解をした。資料をみるとそうではないのか。
市町村でも慎重論が強い。まだ議論がなされていない。
先ほどの福島委員の提案された修正をして欲しい。
江上委員(全家連)
全家連は47都道府県に6万人の家族がいる。私は東芝に勤務しながら、家族会運動をやっていた。
今回の介護保険の問題については丹下委員がいうように、利用者においても無駄の排除が必要だと思う。当初よりも120億赤字がでたなら、企業でもいろんな対応をせざるをえない。
使う側も24時間の介護においても無駄な部分がある。無駄をなくすこともすすめていかないと。これからいろんなものを改善してきたい。
安藤委員(聾唖連盟)
確認だが、この中間まとめについては、立場によって読み方が変わってくる。私は介護保険との統合を期待すると読める。しかし、福島さんの意見では妥当であるということだが、私には玉虫色になっているとは思えない。
これの文言を変えて玉虫色になっても、介護保険部会に投げたところで扱ってもらえない。どちらでもとれるものでは、障害者部会の見解も問われる。部会で一致して投げたほうがいいのではないか。
このままで、座長はどのように介護保険部会で説明するか確認したい。
京極部会長
現実的な選択肢として検討せよと投げかける。両論併記をとっているのではなく、限りになく賛成に近い。
安藤委員(聾唖連盟)
賛成に近いという方向なら、部会で確認が必要だ。
京極部会長
”賛成”という表現はいいすぎた。いろんな意見がでたことが伝える。しかし、向こうで検討してもらうためには、現実的な選択肢としてという表現を使う。
安藤委員(聾唖連盟)
介護保険部会からの差し戻しももあるのか。
京極部会長
介護保険部会の反応もある。
部会長メモはもう一度議論して最終的なとりまとめをしたい。
ここで部会長メモをだすことを認めていただいて、まだ積み残しある。市町村、医療関係、当事者と協議してつみのこしについてはまとめたい。2回だすことになる。
猪俣委員(全国自治体病院協議会精神科特別部会)
社会保障の論議がきちんとされるべき、介護保険の全体像が見えない中で判断ができない。
精神障害者のところで、すまいがあれば地域で暮らせるものではない。支援体制の整備がなければ暮らせない、そういう言葉をいれていただきたい。
ケアマネの在り方については、障害者特性に応じたを入れて欲しい。今後大きな議論がされると思う。
福島委員(東京大学)
安藤委員の質問への部会長のお答えはかなり重要なポイントがある。
私はこのとりまとめが妥当だと言ったが、限りなく賛成というのなら、とりまとめには賛成できない。
この文章では”限りなく賛成”とは読めない。座長の個人的な見解の前置きをつけて欲しい。この部会の委員の総意でない。玉虫色では何をいっているのかということになるとは思うが、前回のヒアリングも判断の材料が足りないのでいいようがないという団体が4団体だった。
介護保険を利用する際にどういうパターンがあるのかを今後を検討する。その時にあらためて、賛否をとうべきである。現段階で限りなく賛成はおかしい。部会長個人という枕詞がないと、このペーパーは支持できない。
京極部会長
部会長の失言ということで。
中間とりまとめでは今までの議論をすべてもりこんだ。これほどの大きな方向性をだしたのは厚労省でいままかつてないことである。
介護保険を私たちの現実的な選択肢として検討しなくてはならない。これまでの議論は入口にしかすぎない。介護保険のメリット、デメリットある。市町村も含めて、国民的な議論が必要。さしあたりは介護保険部会にだすが、医療関係、市町村、いろんなかたがたにボールを投げる。私たちももっとつっこんで議論する必要がある。まだ絵が見えないといわれている。
高橋紘士委員(立教大学)
3人の委員の提案は誘導的といわれたが、介護保険の可能性を検討した。ここでの立場は当時者の議論ではない、ああして欲しい、こうして欲しい、という課題の指摘しかできない。
介護保険部会になげることで、きちんとした、判断材料となるものがでてくる。
介護保険部会との共同作業となるのかどうかはわからないが、障害者を介護保険でこう考えようという、障害者団体にも判断材料がでてくる。支援費については継続する事が前提である。投げることで判断材料がでてくるような形で部会長に発言してもらう事が肝要である。
新保委員(精神障害者社会復帰施設協会)
福島委員は精神障害がリンクするのはおかしいということを言われた。
精神障害は対等な立場におかれていないが、3障害が共通の枠組みをめざす、そうでなければならない。だからこそ、3障害共通という文言がでてくる。
精神が独立していてこの課題とリンクしていないというなら、私どもこの議論に参加する余地がない。
”3委員の示した考え方のように”−私の立場とするとこの文言は残して欲しい。介護保険への賛成は絶対でない。支援費に入りたいといっても、今日入れるとはいってもらえない。精神の義務的経費が欲しい、そのためには介護保険に賛成する、他の障害と同じ議論の土俵に上がれる。
嵐谷委員(日身連)
当事者の意見が有効である。投げかけて帰ってきた球をどうするかという論議になってているが、将来にわたって障害者施策はどうなるかという議論をして欲しい。国民の理解と共感を得る、障害者施策トータル的な部分をもう少し論議した上で、この話をすすめていって欲しい。もっと材料、色・形がないと、味がまずい、うまいといえない。もう少し論議した方が良い。
斉藤委員(社会就労センター協議会)
就労支援について、一般就労と4段落目の”一般就労につながらないが働きたい人たち”−福祉的就労、そして自営業、起業や在宅就労の4つが挙げられている。
就労のバックアップ、職業訓練、見なし雇用制度がぬけている。
介護保険制度に就労は入るのか。
京極部会長
そこは明確には議論していない。授産が介護施設なのかどうか、福祉工場はちがう。そういうところをどう考えるかこれから議論する。個別の施設体系はこれから議論する。
就労支援についてはあえてはずした。就労支援に関する整備はあげているが、これは一般的な施設整備でない。
斉藤委員(社会就労センター協議会)
就労が入らないのであれば、このペーパー全体を介護保険部会に投げ込むでは無いのか。
京極部会長
これはすべて介護保険部会に投げ込む。しかし、部会は介護保険に関することを検討することになる。我々が議論して、介護保険部会に提案すること。これから議論する。
徳川委員(身体障害者施設協議会)
3人の委員が示された提案にあった図の上乗せ・横だしの議論はされていない。介護保険と障害者施策の関係ではこれは重要なことである。広田委員が言われたように高齢も障害も人間として同じニーズをもっている。それを含めた新たなものをつくる。単に介護保険にあるものを利用するだけでなく、国民全体のありかたについて新しい社会保障を作る。今はそうでなくて、介護保険は介護保険、それ以外は別制度ととれる。3人の委員の意見では議論されていない。非常に重要な点である。
高橋紘士委員(立教大学教授)
ぜひ、理解をいただきたいのは、高齢ケアも介護保険だけでない。介護保険以外のサービスを別立てで行っている現実がある。その考え方で言うと、提案で示した図のような議論がある。これは今の介護保険制度を前提とした議論である。
介護保険そのものが将来がどうなるのかというのはその次の議論である。現状の制度を前提として、介護保険も持続可能な制度として厳しい目が注がれている。ピッチャーがキャッチャーに投げて、それが投げ返されてきてから議論が始まる。
京極部会長
今度の介護保険の見直しでは、介護保険部会でも生活支援保険にするという議論はしていない。今回の見直しでなく、次の見直しになる。介護保険部会では介護保険をどう定着するかという見直しを今やっている。生活支援保険は議論としては将来あるが、当面の議論でない。
君塚委員(肢体不自由児施設協議会)
施設機能を根本的な見直しについては、施設をいったん分解するということか。
京極部会長
施設の機能を整理して、施設のもつ諸機能を活用するということで、施設を分解することではない。表現は誤解されないようにしたい。
福島委員(東京大学)
時間がないので、短く発言する。
”現実的な選択肢”については、相当バイアスがかかっていると感じる。
新保委員の発言は誤解されている。精神障害者施策が独立しているのではなく、精神のニーズに応えることと、介護保険の話は独立に考えるということである。
支援費のままであったら、精神は入らないというのはおかしい。どんな施策であっても精神を手厚くするのは当たり前である。
正確に聞いていただきたい。誤解を修正するのが議論の場である。精神を排除するのなら、私は委員を引き受けていない。
松友委員(育成会)
統合賛成と発言した団体からすると、福島さんが言っていることは誤解を生んだ。
新保さん、福島さんの言っていることは、精神障害は重要であるということで、お互いに対立しない。
京極部会長
今日の意見を聞いて修正をした上で、最終的なものをみてもらった上で、介護保険部会にだしたい。
介護保険部会では、障害者部会からボールをなげるという意味で今日の議論をふくめて説明したい。
(委員の確認の声)
それでは事務局から
間課長補佐(企画課)
次回については、至急に設定させていただきたい。日程表を配布している。
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