4月28日に第9回社会保障審議会障害者部会が開催されました。

自薦ヘルパー推進協 会本部事務局

 今回は、「ケアマネジメント等の在り方について」「サービスの計画的な整備と財 源(配分)の在り方について」のテーマで議論がなされました。

 「サービスの計画的な整備と財源(配分)の在り方について」では、26日に開催さ れた介護保険部会の議論を交えて、障害者施策と介護保険との議論がなされました。

 26日の介護保険部会では財界の委員から反対意見、市町村の委員から消極的な意見 がでたことと、介護保険部会で障害者施策を議論するのは内容からも負担であるの で、障害者部会で一定の方向性を示して介護保険部会に提案して欲しいということに なったようです。これを受けて、京極部会長も、「介護保険部会の多くの空気は、障 害者の問題は介護保険部会では議論したくない、消極的であった。特に経済界は保険 料の企業負担に厳しい反対をされている。市長会、町村会でも従来どおり税金でと言 う声がある。介護保険部会では障害者施策をどうとりこむかの議論はなく、具体的な 提案がでてくることは100%ない。財政的な問題で介護保険に入るという事はな い。障害と介護保険の議論はこの部会にまかされている。」と発言しました。

 これを受けて、「介護保険のほうでも障害者との統合に消極的であるなら当面は支 援費でやるべきである」「単価の見直しなどの工夫で支援費の財源の中でやっていく べき」「理念として障害者施策は国がやるべきである」「障害者部会は財政部局の審 議会ではないので、財源論によりかかった議論をすることはどうか」「基盤整備がな い中で介護保険に入っても果たして上手くいくのか」「介護保険に入った場合、国の 責任はどこまで担保されるのか」などの反対論、慎重論の意見がでました。

 介護保険に積極的な声としては京極部会長の発言がほとんどで、他は自治体関係委 員から「がんばっている自治体は支援費を今後7年間やっていくのは厳しい。サービ スは低下させたくない。その中でどうやっていくか考えないと。」「財源を考える と、財源が不足しないようなシステムを考えたほうがいい。若い時からきちんと皆が 保険料を払うことで可能だと思う。」、精神障害関係委員から「精神障害者について も応益負担、担保すべき公的責任を考えていく。その中で介護保険の検討をせざるを えない。どのように整合性を図っていくのか。」との意見がでました。

 このように議論としては低調で、これについては次回5月17日にも行うことにな りました。

 一方、「ケアマネジメント等の在り方について」は活発な意見がだされ、
・ケアマネジメントは介護保険のケアマネジメントではなく、利用者のニーズ中心で 行うこと
・社会資源の開発や権利擁護を含めたものであること
・ケアマネジメントにはサービスの利用抑制という側面があり注意すること
・当事者団体や当事者のサポートも重要で実績を作ってきていること などの理念的な意見がだされ、共通理解としても深まりました。

 現在は制度ではなく手法として活用されているケアマネジメントですが、ほとんど の委員からは制度化を望む声が強くでました。
 しかしながら、制度化にあたっての具体的なイメージとしては、「社会福祉士を資 格の制度の軸にするべきである」「公平性・中立性・独立性のために事業者に併設さ せない、そのための身分的な保障が必要である」「”中立・公正”は大事だが、実際 の仕組みに落とすのは難しい。チームアプローチの中で積み上げていく中で、中立性 ・独立性が生まれてくるのではないか」「ケアマネジャーの専門性を確立し、ケア会 議を招集する権限をもたせる」「多種多様な職種によるチームアプローチ、ケア会議 の開催が重要である」「ケア会議、チームアプローチには様々な職種・機関が絡む が、上下関係が生じて、ある職種が決定権を持つような場合がある。発言権は平等だ という前提が必要」「視覚障害者の契約にはケアマネジャーが立ち会うことが必要」 など様々な意見がだされました。
 厚労省も制度化の課題として
・障害者の場合、ケアマネジメントの範囲が広いので、義務づけをするならどんな形 で行うのか。
・報酬の問題をどうするのか。
・身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法に位置づける場合、ケアマ ネジメントの範囲をどうするのか、支給決定とケアマネジメントの関係はどうなるの か
ということをあげました。

※障害者部会全体の議論については添付ファイルをご覧下さい。傍聴メモですので取 り扱いご留意ください。

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