厚生労働省で介護保険に障害を統合することなどを検討する「介護制度改革本部」がスタート。
障害の統合は2〜3月までに方針が決まります。

 厚生労働省事務トップの事務次官を本部長とする、本格的な「介護制度改革本部」が設置されました。改革本部での最重要課題は障害を介護保険に統合することです。障害保健福祉部の部長や課長も改革本部に入っているほか、改革本部には最重要課題として障害と介護保険の統合を検討するために特別に幹事会がおかれています。
 2005年には介護保険法の改正が行われるため、法改正された新介護保険は2006年度からの施行になります。2004年8月の来年度予算策定に間に合わせるために、「介護制度改革本部」で2004年6月までに半年で結論を出します。実態は2〜3月までには重要なことは決まります。事態は急速に動きつつあります。
 介護保険は急速に財政が悪化しており、20歳からの保険料の徴収は2005年度改正で避けられない事実です。一方、支援費制度では、毎年の予算不足が予定されており、急速に介護保険統合派の勢力が増しつつあります。保険料が20歳に拡大する機会を逃すと、介護保険予算を障害施策に利用する機会は永久に失われるからです。
 障害が介護保険に統合されると、小規模作業所の財源や精神障害者の7万2000人以上の地域移行の財源が確保できる可能性があり、過疎の町村でもヘルパーが利用できるようになるなどの利点がある一方、現在介護保険ヘルパー水準に達していない全国の9割の市町村で、永久にヘルパー制度が介護保険水準(1日あたり3時間の身体介護が上限)以上に伸びなくなってしまう可能性が大きくなります。そのため、1日3時間以上介護の必要な障害者は永久に施設や親元から自立できない世の中になる可能性が高まります。(介護保険特別会計の公費負担は50%であり、現在の支援費制度の財源は、介護保険の50%公費負担部分に移行するのが通常のため、よっぽどのことがない限り、支援費での時間数の上乗せはできなくなる)。
 先進国の介護制度は順調に伸びて24時間介護保障のパーソナルアシスタント制度に向かっていますが、日本で対策を取らずに介護保険に統合すると、日本だけがその伸びを止めることになる可能性があります。
 今年の2〜3月までが重要な時期です。全国の各団体におかれましては、早急に議論を行い、厚生労働省に対する2〜3月ごろまでの現場情報提供や行動が必要な情勢です。 さまざまな全国団体に所属している各地の団体・個人におかれましても、全国団体事務局に対して積極的に現場の情報の提供を行う必要があります。 (昨年までは障害の介護保険統合に否定的な厚生労働省役員が過半数だったのですが、現状では完全に逆転しています。現状で障害者団体がこの議論に参加することを放置すると、完全に介護保険に統合され、その欠陥の訂正もできない状況になってしまいます。)

第1回介護制度改革本部資料  WAMネットリンク

1月8日の介護制度改革本部の当日資料解説へ

【資料要約】

  資料4では、障害の「審議会」や「ありかた検討会」での介護保険に関する主な意見 や、障害の審議会の京極部会長メモが出ており、その部会長メモでは、「障害施策に ついて、法改正して介護保険との関係も含めて積極的に検討を進めるべき」とまとめ られています。

全体として、障害施策を介護保険統合について議論することを求めるような資料に なっています。

この資料を作ったスタッフは、介護保険との統合検討について、かなり乗り気のよう です。

「介護制度改革本部」には特別に幹事会がおかれ、幹事会では障害と介護保険の統合 を検討する布陣になっています。障害の統合が改革本部の最重要課題となっているこ とが分ります。

非公開・頭撮り可
担当 厚生労働省 老健局総務課 北波
(内線 3014)(直通 3591−0954)

「介護制度改革本部」の開催について

標記の会議を下記のとおり開催いたします。

<第1回>

1.日時   平成16年1月8日(木)15:00〜
2.場所   厚生労働省 省議室
       東京都千代田区霞が関1−2−2
       中央合同庁舎5号室 9階
 
介護制度改革本部の設置について
1.設置趣旨
 介護保険法附則第2条に基づき、平成17年に予定されている介護制度改革について、福祉、医療、年金など制度横断的な関連諸施策の総合的な調整を行うため、厚生労働省に介護制度改革本部(以下「改革本部」という。)を置く。
2.本部の構成員
 改革本部の構成員は、次のとおりとする。
本部長 厚生労働事務次官
本部長代理 厚生労働審議官
副本部長 老健局長
本部員 大臣官房長、総括審議官、技術総括審議官
医政局長、健康局長、社会・援護局長、保険局長、年金局長
政策統括官(社会保障担当)
高齢・障害者雇用対策部長、障害保健福祉部長、
大臣官房審議官(老健・健康担当)、社会保険庁運営部長
社会・援護局総務課長、障害保健福祉部企画課長、
老健局総務課長、参事官(社会保障担当)
その他本部長が指名する者(関係課長)
3.幹事会の設置
 改革本部内に、介護保険制度と障害保健福祉施策との関係に関する課題等を検討するために、幹事会を置く。

<幹事会メンバー>

 老健局長、社会・援護局長、障害保健福祉部長、社会・援護局総務課長、障害保健福祉部企画課長、老健局総務課長、参事官(社会保障担当)

○事務局の庶務は、社会・援護局総務課及び障害保健福祉部企画課の協力を得て老健局総務課において行う。

03/12/12 第4回社会保障審議会障害者部会議事録  厚労省リンク

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