★生活保護特集

★ヘルパー時間数のアップに向け交渉を

7月号
2008.7.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒187−0003 東京都小平市花小金井南町1-11-20花壱番館1階D
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
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制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))        
  TEL 0037−80−4445 (全国からかけられます)
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口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2008年7月号    目次

   

3・・・・障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を
4・・・・生活保護制度特集
 6・・・・・・365日(毎日)×4時間使える介助制度が全国にあります
 7・・・・・・特別基準大臣承認を申請して受けられなかった人はいません
 8・・・・・・他人介護料利用者のいない県に利用者を広げるためにご協力を
 9・・・・・・生活保護を受けていない方でも・・
 10・・・・・自立障害者なら、ほとんどの人が生活保護を受けられる
 11・・・・・96年度厚生省保護課との話し合いより
 14・・・・・生活保護申請→決定の流れ
 15・・・・・大臣承認新規申請セットの変更をします
16・・・社会保障審議会障害者部会と今後の解説
17・・・障害者支援制度「見直す」…首相表明 利用者負担を軽減
18・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を

 長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責務があります(障害者基本法・障害者自立支援法)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。
 ヘルパー制度の変わり目は交渉で大きく制度を伸ばすチャンスです。2003年の支援費制度開始時にも、多くの市町村で24時間介護保障や大幅なヘルパー制度のアップが実現しました。自立支援法でも、事情は同じです。ヘルパー制度も義務的経費になり、市町村行政の介護の公的責任も高まりました。
 2006年度以降は、自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫補助(正確には国庫負担)がつきます。  市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、ヘルパー制度の必要な補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。
 交渉は今から行えます。以前から1人暮らししている方も、今から時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(たとえば、「学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった」、「障害が進行した」、「制度が不足する部分のヘルパー時間を緊急対応で無料で介助派遣してくれていた事業所が、単価改正で赤字になり介護派遣できなくなったので、他事業所に切り替える」などの理由がある場合は、緊急で交渉が可能です)。
 当会には、人口1万人以下の過疎の町から都会まで、どんな規模の自治体でも24時間の介護制度を作った際のサポートの実績があります。交渉をしたい方は、制度係までご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉が進んでいる自治体の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった市町村の実績が多くあります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。

 制度係 0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時。



生活保護制度特集

 昨年の北九州市での餓死事件以降、地方自治体の生活保護行政の法律違反問題に対する報道がたびたび続いています。市民が生活保護の申請のため市役所等に出向いても、申請書を渡してもらえないなどの法律違反行為が行われているという実態があります。厚生労働省保護課は、これを受け、自治体への指導を強めています。
 10年前とは違い、今では、全身性障害者など明らかに働いて収入を得るのが難しいとわかる障害者の場合は、市の保護課の窓口で「申請書を出さないのは法律違反ですから、保護申請書を直ちに出してください」と強く言えば、申請書を出さない市はなくなりました。しかし、法律やこのようなノウハウを知らない障害者は今でも申請書を出してもらえない法違反行為にあっています。
 介護の必要な障害者の生活保護についての情報は、当会発行の「Howto介護保障別冊資料4巻」を読めばすべてわかりますが、月刊誌での解説はここ10年ほど行っていませんでしたので、再度特集を組み、解説します。
 また、生活保護を受けると利用できる他人介護料大臣承認についても解説します。

  (朝日新聞 2008年7月22日 1面)
生活保護、自治体窓口で申請45% 国の抑制策背景に

 全国各市と東京23区の生活保護窓口へ相談に訪れた人のうち、生活保護の申請をした割合(申請率)は06年度、45%程度にとどまっていた。朝日新聞社が情報公開法に基づき厚生労働省から資料を入手した。バブル崩壊以降、生活保護を受ける人は増え続ける一方、国は社会保障費の抑制策を進めており、窓口で申請をさせない違法な「水際作戦」の広がりをうかがわせる。
 生活保護制度では、福祉事務所の相談窓口は、住民から申請を受け付けた後、収入や資産などを調査して保護を開始するかどうか決める。本人の意思に反して申請を受け付けない行為は生活保護法違反となる。  申請率は05年度まで、基となる相談数の集計方法が市区の福祉事務所によってまちまちだった。06年度からは、相談に来た世帯の数を基に統一され、申請率が正確に出るようになった。集計方法を誤り、再集計不能の京都市を除く全市区分を朝日新聞社が分析した。
 06年度は34万8276世帯が相談に訪れ、うち15万5766世帯が申請。申請率は全国平均で44.7%だった。政令指定市は41.2%、それ以外は46.7%で、都市部の方が低い傾向にあった。
 指定市で最も低かったのは、北九州市の30.6%。06年当時、申請率の上限など数値目標を設ける保護抑制策が批判されていた。市は「親族による扶養など生活保護以外の指導に重点を置いた結果の(低い)数値。『不適切』との指摘を受け止め、改善を始めている」という。
(新聞記事転載は以上)

ご存知ですか? 365日(毎日)×4時間使える介助制度が全国にあります
(生活保護の中にある「障害者加算他人介護料特別基準大臣承認」という制度です)

 ★1日4時間分程度の介護制度になり、介護の必要度により3段階あります。

 ★要件は、
@(介護の必要な)一人暮らしの全身性障害者か、全身性障害者と障害者のみの世帯、全身性障害者と子供や高齢者等の世帯等、であることで、家族以外の「他人」が介護を行っていること。
A収入が一人暮らしの場合、月20万円以下であること。(この額は北海道のへき地の額で、都市部では、例えば東京では26万円になります。また、2人以上になれば額が上がります。詳しくは、以後のページをご参照下さい。)
B資産がないこと。家屋を所有していても、かなり狭い家なら、資産とは見なされず可能です。(ただし上記20万円が18万円ほどになります。)
C親や兄弟からの援助も経済的理由で、(例えば学校に行っている子供がある・家や農機具のローンがあるなどで)無いか小額であること。(ただし、この場合、少しの援助があっても、自己の収入と合わせ、上記の収入基準を越えていなければ、受給はできます。また、親や兄弟が大変裕福で仕送りのできる経済状態でも、実際に仕送りがされていない限り、申請者は生活保護が受けられます。ただし、この場合、親や兄弟には「少しでも仕送りできないか?」と引き続き要請が行われます。)
D自立支援法のヘルパー制度など、他の法律の制度だけでは、本当に必要な介護時間に足りないこと。(たとえば毎日16時間介護が必要な障害者なのに、ヘルパー制度が12時間しか出ていない)。

★具体的にはお金で介護料が毎月はじめに保護費と一緒に振り込まれます。このお金で、自分で介護者を雇うか、介護派遣をしている自立生活センター等民間団体を使います。地域によって、月18〜13万円台です。これは介護者を雇って払う費用であって、自分の生活費には使えません。介護料の分は毎月始めに支払うか、明確に別口座に分けて、厳重に管理してください。

(受給資格がある人で)生活保護の介護料特別基準大臣承認を申請して受けられなかった人はいません

 今現在、毎日長時間ヘルパーを使っている全身性障害者で、ヘルパー制度の時間が足りない方で、介護加算の特別基準(大臣承認)をまだ申請していない方は、今すぐ『申請書セット』を当会に申し込んで、役所に申請を出してください。(相談がセットで必要なため相談会員専用に配布しています)。
 介護保障協議会に電話をかけてアドバイスを聞きながら申請すれば100%この制度は受けられます。(受給の条件を満たしている人で、当会のアドバイスを受けて、この制度を申請して取れなかった人はいません。)
 なお、申請手順は、「申請書の1枚目」さえ先に出しておけば、あとから、最初に申請を出した日の分までさかのぼって、介護料が受けられます。(例えば、5月10日に最初の申請用紙を役所に持っていって、残りの書類や診断書を出すのが6月になったとしても、8月10日に決定通知が来た場合、その時点で約7万円(所長承認特別基準がすぐ出たと仮定し、6・7・8月分と5月分の日割り分)が介護料として振り込まれます=大臣承認が月13万9200円の地域の割合)

都道府県・政令指定都市・中核市 上限額
東京都・千葉県・千葉市・埼玉県・神奈川県・横浜市ほか 月18万5600円
大阪府・大阪市・堺市ほか 月17万0000円
兵庫県・神戸市・奈良県・京都市・滋賀県・三重県・静岡県、静岡市・宇都宮市・群馬県・茨城県ほか 月15万7800円
札幌市・青森県・岩手県・山形県・福島県・新潟県・新潟市・石川県・金沢市・富山市・福井県・長野県・鳥取県・島根県・岡山県・岡山市・広島県・広島市・山口県・愛媛県・松山市・福岡県・北九州市・熊本県・熊本市・鹿児島市・沖縄県ほか 月13万9200円

他人介護料大臣承認の利用者のいない県に
利用者を広げるためにご協力下さい

(1日4時間介護の必要な方を知っていたらお知らせ下さい)

 生活保護の他人介護料大臣承認は毎日4時間の介護を受けられる制度です。現在、全国で約300人が受けている制度ですが、制度の情報が知られていない地域では申請者がいません。この制度は、特別な制度のため、制度の利用者のいない県や市の担当者がよく申請方法を知らない状態です。新規に障害者が制度を申請しても、その申請が、その県で初めての場合、県や市の職員が処理に手間取ってすぐに制度を受けられません。
 これから自立する人など緊急に必要になった場合に、申請して1〜2ヶ月で制度が受けられるという地域にするためにも、4時間程度以上の要介護の方で、すでに自立生活している方がいましたら、当会で制度の申請のお手伝いをしたいと考えています。

 以下の県で、大臣承認特別基準の必要な方がいましたら、受けられるまでサポートいたします。

まだ申請者のいない県 (この県以外では制度利用者がたくさんいます)
秋田県・山梨県・富山市を除く富山県・和歌山市を除く和歌山県・徳島県・高松市・香川県・高知県・大分県・鹿児島市をのぞく鹿児島県

<お願い>これらの県に住んでいる「1日4時間以上介護の不足している、一人暮し(や、障害者のみ世帯等)の全身性障害者」をご存知の方は、ぜひ、制度係(通話料無料)0037−80−4445に電話を下さい。
●上記の県以外の方も、相談を承ります。  

生活保護を受けていない方でも・・

  単身の全身性障害者は生活保護を受けやすく、全国どこでも、収入が月20万円〜26万円以下なら受けられます。(貯金などの資産があれば、生活保護で受けられる額を毎月介護料・家賃などに使い、使い切り次第申請できます。)
 収入とは、@障害年金、A特別障害者手当(この2つ合計で11万円弱)、 B仕送りなど、C給与(ただし一定の控除あり)、D保険の受取額、などの合計になります。これらの合計が、(1人暮らしの場合)3級地の2なら月20万円以下、1級地の1なら26万円以下なら生活保護を受けられます。
 資産がある場合、すぐには生活保護を受けられません。例えば、貯金がある場合、アパートを借りる敷金礼金に使う、住宅改造をする、リフトカーを買う、福祉機器、海外への研修旅行、東京などで行われている自立生活プログラムやピアカウンセリングの集中講座などに参加、(いずれも、介護者2人の交通費と介護料も支払えば、かなりの額になります)などに使い切ってください。それでもあまる場合、毎月、「大臣承認介護料+家賃」の額(約20万円)を毎月貯金からおろして、介護料や家賃に使っていってください。(この額は、生活保護が開始されたら生活保護制度として受けられますので、貯金が尽きても、同じ生活を生活保護を受けながら継続できます)。
 家や土地の資産がある場合、基本的には売却してお金を使い切るまでは、生活保護は受けられません。ただし、現在、住居として使っている家屋は、その地域の生保の家賃基準で借りられる広さ程度の場合、保有が認められます。もっと広い場合は,空いている部屋を間貸しに出すなどして、収入に加える努力をすることで、保有が認められます。これらの場合、自分の家があるので、生活保護の住宅扶助は受けられません。
 耕作に使っている土地や、自営業に使っている機械などは、収入を得るための適正な規模であれば、保有を認められることもあります。その場合は、その収入の額と同額分、生活保護が減ります。(これを収入認定といいます)。

自立障害者(で介助の必要な人)なら、ほとんどの人が生活保護を受けられる

 生活保護は親の収入が非常に多いと扶養義務の関係で、受けられないのではと思われる人が多いのですが、そうではありません。厚生労働省は「中学3年生を越える年齢の子供と、親の関係は、『弱い扶養義務』に当たり、扶養は強制できない」と解説しています。(強い扶養義務に当たるのは「夫婦間の関係」と「中3以下の子と親の関係」)。「親に収入がたくさんあるからと言って、生活保護の申請前の相談で申請書を出してもらえないケースがある」との団体の問いに対して、過去の代々の厚労省保護係長は「そういう場合は(厚生省から)指導します」と明言してきてきました。また、「たとえ、親族が扶養義務調査で(市の職員に詰め寄られて)『扶養できます』と言ったとしても、実際に、仕送り等が来ていない事実があれば、収入として認定することはできませんから、その分の生活保護費が削られるということはありません。」と解説してきました。
 日本中の要介護の自立障害者は、資産(注1)をもっていない限り生活保護を受けられる可能性があります。また、たとえ仕送りを実際にする親族がいても、仕送りが月約9万円(注2)以下ならば、生活保護は受けられます。現状では、全国で住宅改造費やアパート家賃、ヘルパー制度空白時間の介護が受けられるのは生活保護だけです。全国で自薦登録ヘルパーなどの介護制度の交渉を行っている障害当事者はほとんどが生活保護制度を使っています。「使えるものは使う」という意味で、他の制度を自分たちで充実させるまでは有用な制度です。
・注1:資産をもっていても、毎月「生活保護を受けていたら受けられる額と同じ額」をすべて生活費用・介護料・住宅改造/高額福祉機器に使い、資産がなくなったら生活保護に切り替えできる。(生活に使っている土地家屋は資産と見なさない。)
・注2:介護の必要な障害者一人暮らしで、収入が年金と特障手当のみの場合、「3級地の2」で月9万円、「1級地の1」で月14万円の仕送りがなければ生活保護は受けられる。その地域の生活保護基準額(全国6段階、月20万〜26万円台)と「収入(年金と特別障害者手当で月約11万円+仕送り+働いた賃金)」の差を生活保護費が埋め合わせてくれる仕組みのため。

96年度厚生省保護課との話し合いより
扶養義務の項目について

団体  :「障害者の親が、家を出るって言った障害者に、「だれが仕送りできるっか」」って・・・

保護係長:例えば、仕送り能力があっても、関係があってどうしても親が「仕送りしません」という場合に、例えば、法律上、仕送りを強制することはできないんですね

団体  :例えばね、(介護)一般基準がついて東京の場合、大体26万円の保護基準になるんですよ。

保護係長:だいたいそのくらいになるのかな?

団体  :あの、なるんですよ。

保護係長:そうすると、みんな、年金とかもらっていても、かなり多いですよね。障害者年金と特障手当だけだったら、必ず「要保護」になりますよね。

団体  :要保護になるんですよ。ただそこで、それこそ親に扶養義務照会をして、例えば、年金と特障手当で10万ありますよね。14万の保護開始というか、保護費になるわけですよ。

保護係長:単純に計算すると。

団体  :単純にやるとね。そうすると、例えば、最初「とにかく14万扶養できないか」というふうに言うと「いやとてもそこまではできません」と・・

保護係長:そんな14万もお願いするとかじゃなくて、要するに「いくらくらい仕送りしていただけますか?」と照会するだけなんで。

団体  :それこそ1万2万とむりやりにでも扶養を求めるって事があるんですよ。

保護係長:いやあの、強制はね、法律上はできないんですよ。法律の説明を致します と、生活保護上では、77条って規定がありまして、非保護者に対して、「民法上扶養の義務を履行しなければいけない人」がいるときには義務の範囲内で、保護費を支弁した都道府県又は市町村(実際には福祉事務所長なんですけど)が、「費用の全部又は一部を徴収することができます」という規定があります。だから、最後のギリギリで、実際適応になったケースはないんですけど、ギリギリ言えば、ものすごい能力があるのに仕送りしません、と言う場合には「扶養義務者から行政が費用を徴収しますよ」ということが規程上あります。ただ、その場合でも、じゃあ負担すべき額、要するにいくら仕送りしてもらわなくてはいけないか?これについてはですね「家庭裁判所がこれを決めます」ということになっています。ただこれまで実際、至ったケースはほとんどないです。

団体  :それと、さっき「強い扶養義務」っていうのは、どこまでを指していますか?

保護係長:未成熟の子に対する親の扶養義務っていうのは「強い扶養義務」の方です。

団体  :成人の子に対する親のは?

保護係長:成人は弱い。要するに成人してしまうと、基本的には兄弟とかと同じように。(中略) 未成熟の子というのは、ごめんなさい。20歳ではなく、中学3年まで。中学3年までの子と、夫婦、これは「強い扶養義務」で「生活保持義務関係」。

団体  :じゃあ、成人の障害者が、生活保護申請して、親に例えば資産があるけれど、親が出さないと言い張れば、それはそれでいいわけですか?

保護係長:いいとは言わないけれど、実際、現に送られてなければ、まず、生活保護 はね、現に「来ていないもの」は、「あるもの」としては扱うことはしないんで。現に、例えば、5万円来てれば、5万円として収入認定しますけ れども、そうじゃなければ、現に来ていないんだから、収入認定しようがないわけですね。ただ「(仕送り)してもらえませんか」という話はしますよ。当然。

団体  :親の収入を調べて、非課税でなかったら、「扶養しなさい」と言って、それを親が聞かない場合は、生活保護却下をしてるじゃないですか?

保護係長:却下にはなりませんよ。それは。

団体  :本当に?じゃあ、却下にされた場合は、それは指導していただける?

保護係長:うん、指導しますし、不服申請されていただいてもかまわないですよ。だって、現に仕送りが来ていないんでしょ?

団体  :きていない。

保護係長:来ていないんだから、来ていないものを、あることにはできない訳でしょ。 保護の要否の決定上だから、そこは、もし本当にね、そういう取り扱いが 行われている事例があれば。

団体  :じゃ、そこは逆にそうなんだ。出すと言って、実際お金が送って来なかったら、あの、送って来てないとすれば出るんだ。

保護係長:通常はね、親御さんが「いくら送ります」と言った場合でも、例えば、経 済的状況で、滞ることがありますよね。例えば、養育費でも、そうだけど「月に3万円送るって約束だったけどこの月きついから送らないよ」という場合ありますよね。福祉事務所に言ってもらえればいいんですよ。要するに、こういう約束だったけれど、今、現に来ていませんと、そうちゃんと書いてもらえればいいんですよ。必要に応じて。本当に来ていなかったら来ていないように取り扱うし、逆に来てんだけど来ていないって言ったら、不正になっちゃうから。

団体  :今、扶養義務のところで、話がきちっと詰められたんで、あの、そのところ、もし事例があったときには、きちっと上げていただければ対処していただけるということなんで。ちょっと時間も来てますので次。(以下略)

生活保護申請→決定の流れ

A

障害者が市町村役場で生活保護を申請
申請は、本人の権利(誰でも役所に行ったその日の内に申請できる)なので、扶養義務関係者などを調査する目的で、市町村が申請を遅らせることに対しては、厚生省は指導する。
     

B

市町村が扶養義務者を調査
一般的には、親・兄弟など、一番関係の強そうな人に対してのみ行なう。申請者が「親兄弟との関係が悪くなるので、1人以外の連絡先は教えない」と言って、頑張ることができる。調査については、扶養義務者(親兄弟など)が同一市町村などに住んでいる場合には実地調査(ケ−スワ−カ−が訪問)だが、それ以外は「扶養義務照会」という文書が郵便で1通届くだけ。(扶養義務者は記入して送り返さねばならない)
     

C

「扶養義務者」(親・兄弟など)が扶養できないと回答
再調査などで、14日以内に市町村が決定をせずに、30日まで延ばすことがありますが、それを超えてなお、保護の決定(許可または却下の通知)が遅れ れば、厚生省は指導する。
     

D

市町村は扶養がされない前提で保護費を算定して、保護の決定をしなければならない。
実際に、扶養(仕送り等)がされていないのに、扶養義務者が「仕送りできます」と言ったりしたことを前提として、保護を却下したり、保護費を削られた 場合には、厚生省が市町村を指導する。

保護制度は国の制度です。市役所の保護課が国の制度のとおりに事務を行わない場合は、国は強い指導ができます。市役所などの保護課が違反をしている場合は、制度係にご相談ください。

大臣承認新規申請セットの変更をします

 大臣承認セットに変更を加えます。厚生労働省との協議の結果、提出書類に、障害者自立支援法の自立支援給付のヘルパー制度等の時間の書いてある支給決定通知または受給者証のコピー、障害者手帳のコピーを加えることになりました。

新規申請に必要な書類(障害者が用意する書類)

 障害者側が作って出す提出書類

  1. 介護契約書のコピー
  2. 領収書のコピー
  3. 1日の介護スケジュール
  4. 1週間の介護体制ローテーション
  5. 要求書
  6. 要求額の算定根拠
         (ここから下が新しく加えるもの)
  7. 障害者自立支援法の自立支援給付のヘルパー制度等の時間の書いてある支給決定通知または受給者証のコピー
  8. 障害者手帳のコピー

なお、新規申請書セットと大臣承認専用診断書は、介護保障協議会が配布しています。制度係までお問い合わせください。



社会保障審議会障害者部会と今後の解説

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

 7月15日、障害関係10団体からヒアリングと委員からの質疑がありました。団体からは多岐にわたる論点が出され、意見提起がされましたが、前半の質疑では日身連が「介護保険制度を前提とせず」という提起を行ったことから、介護保険との統合に関して議論にあがりましたが、中長期的課題としてはあるが、現行の介護保険制度は問題が多く、議論が深まるまでには至りませんでした。
 後半の質疑では、重度訪問介護など長時間の支給決定について、国庫負担基準が上限となってしまっている弊害や経過措置の区分間合算がなくなるとさらに運用が狭まることなどの問題が挙げられていました。
 同部会は後2回関係団体からのヒアリングを開催し、秋には具体的な自立支援法の見直し案を示していくスケジュールになっています。
 同時並行で開催されている「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」「障害児支援の見直しに関する検討会」の両検討会も、議論が重ねられ近々中間とりまとめが出される予定になっており、これらも含め自立支援法の見直し案が具体化してきそうです。 当日資料はホームページに掲載しています。



(2008年7月25日 読売新聞)

障害者支援制度「見直す」…首相表明 
  利用者負担を軽減

 福田首相は24日の中央障害者施策推進協議会で、障害者自立支援法について、「今後、これまでの施行状況を踏まえ、制度全般にわたる見直しを進めたい」と述べた。福祉施設の利用者負担の軽減や福祉関連事業者の経営基盤強化などに向け、法改正も視野に入れながら制度見直しを進める考えを示したものだ。
 福祉サービスに原則1割の自己負担を求める障害者自立支援法については、障害者や関連団体などから「負担が重すぎる」という批判が強い。首相は昨年9月の自民党総裁選で同法の抜本的見直しを公約に掲げており、政府・与党は今年7月から利用者の負担軽減策を柱とした緊急措置を実施している。
 首相はまた、障害者の差別禁止と社会参加実現を目的とする障害者権利条約について、「可能な限り早期の締結を目指し、国内法を整備する」と語った。



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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