★厚生労働省の自立支援法「支給決定の事務処理要綱」の改定部分解説

★ヘルパー時間数のアップに向け交渉を

5/6月号
2008.6.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
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2008年5-6月号    目次

   

3・・・・障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を
4・・・・精神障害者のヘルパー利用者が知的障害者の利用者数を越える
5・・・・社会保障審議会障害者部会報告と今後の解説
6・・・・生活保護の、アパート等の契約更新料・火災保険料について
7・・・・東北のA市の入院中の介護の制度
8・・・・厚生労働省の自立支援法「支給決定の事務処理要綱」の改定部分
10・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



障害者自身でヘルパー時間数の改善交渉を

 長時間のヘルパー制度が必要な最重度の障害者であっても、市町村には、障害者個々人が自立した生活ができるような支給決定をする責務があります(障害者基本法・障害者自立支援法)。現在、国の障害ヘルパー制度の理念にのっとって、必要なヘルパー時間を個々人ごとに決定している市町村も増えてきた一方、いまだに過半数の市町村では、長時間介護を必要とする重度の障害者に対して、一律のヘルパー制度の上限を設けるなど、制度運営上の違反を行っている実態があります。
 ヘルパー制度の変わり目は交渉で大きく制度を伸ばすチャンスです。2003年の支援費制度開始時にも、多くの市町村で24時間介護保障や大幅なヘルパー制度のアップが実現しました。自立支援法でも、事情は同じです。ヘルパー制度も義務的経費になり、市町村行政の介護の公的責任も高まりました。
 2006年度以降は、自立支援法施行により、ヘルパー制度が義務的経費となったため、1年中、いつの季節からの新規利用開始(施設等からの地域移行によるアパート暮らしなど)でも、国庫補助(正確には国庫負担)がつきます。
 市町村と交渉し、命にかかわる状態であることを事細かに説明し、ヘルパー制度の必要な補正予算を組んでもらうまで交渉を続ける必要があります。
 交渉は今から行えます。以前から1人暮らししている方も、今から時間数アップに向けて交渉を行うことが可能です。(たとえば、「学生ボランティアが卒業等でいなくなってしまった」、「障害が進行した」、「制度が不足する部分のヘルパー時間を緊急対応で無料で介助派遣してくれていた事業所が、単価改正で赤字になり介護派遣できなくなったので、他事業所に切り替える」などの理由がある場合は、緊急で交渉が可能です)。
 当会には、人口1万人以下の過疎の町から都会まで、どんな規模の自治体でも24時間の介護制度を作った際のサポートの実績があります。交渉をしたい方は、制度係までご連絡ください。厚生労働省の情報、交渉の先進自治体の制度の情報、交渉ノウハウ情報など、さまざまな情報があります。当会に毎週電話をかけつつ行った交渉で24時間介護保障になった市町村の実績が多くあります。ぜひ自治体との交渉にお役立てください。
 制度係 0037−80−4445(通話料無料)11時〜23時。



精神障害者のヘルパー利用者が知的障害者の利用者数を越える

 社会保障審議会で20年1月の利用速報値が公表され、障害種別の利用者数が公開されました。
 精神障害者の居宅介護利用者は約1万8000人で、知的障害者の約1万5000人(うち行動援護は1403人)を超えています。身体障害者は約5万3000人(うち重度訪問介護は約7000人)、児童は約1万人です。

 なお、20年1月の1ヶ月の金額ベースでは、精神障害者は4億500万円で、知的障害の約7億円や児童7億円、身体障害58億円と比べても、最も少なくなっています。

重度訪問介護は金額ベースで3分の1

 金額ベースでは、20年1月速報値では、重度訪問介護は約24億円で、居宅介護(3障害)の約50億円に比べると半分以下です。行動援護(約2億円)などもあわせたヘルパー制度全体の中では、3分の1となります。

(20年1月の利用速報値の資料は、ホームページに掲載しています)

 



社会保障審議会障害者部会の報告と 今後の解説

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

 5月28日、第32回社会保障審議会障害者部会が開催されました。 今回は「障害の範囲」、「サービス利用状況」、「相談支援」、「権利擁護」の4つのテーマに絞って議論が行われました。 また、前回同様に、今回の障害者部会の会議の持ち方、めざすべき方向性、 等についても様々な意見がだされました。 厚労省は
・6月まではいくつかのテーマを設定し、委員の意見を聞く、
・7月、8月に関係団体からヒアリング、
・9月から11月末までに具体的な見直し案を議論
という予定を描いているようで、当面(8月まで)は議論のたたき台となる基礎的資料は出していくが、 支援法の見直しの方向性、具体案は9月以降となる見通しです。
 当日資料はホームページに掲載しています。

6月9日、第33回社会保障審議会障害者部会が開催されました。 今回は地域移行、住まい、就労支援、所得保障について議論され、各委員からの意見提起がありました。

 当日資料はホームページに掲載しています。
 次回は6月30日開催予定です。



生活保護の、アパート等の契約更新料・火災保険料について(先月号に追加)

 先月号で、「従来は文書で明確になっていなかった、アパート等の2〜3年ごとの契約更新料も「敷金等」の対象になると明確に記載されました。(生活保護制度で保護利用者に支払われる。敷金等の増額はなし)。」  と掲載しましたが、アパートの契約更新の時に使える金額は、住宅扶助の基準額の1か月分が上限です。(転居のときが原則3ヶ月(東京4ヶ月、大阪6ヶ月など大都市部は特例あり))。
 火災保険が対象になったと言えども、この基準額は変わりません。たとえば、住宅扶助基準額が5万円、家賃が4万円、火災保険が1万円ならば、火災保険は全額保護から出ますが、住宅扶助基準額が5万円、家賃が4万8000円、火災保険が1万円ならば、火災保険のうち2000円しか保護でまかなわれません。
 また、大阪では賃貸に昔から更新料を取る風習がなく、契約更新時に火災保険料のみ請求されるのが普通ですが、現在の制度の解釈が、更新料の一部とみなして火災保険料を保護費で負担するという考え方のため、更新料がなしの場合、火災保険だけを保護費で出すことができないという変な状態になっています。厚労省保護課は大阪のような保険料だけ請求される地域があることを想定していなかったとのことです。今後の改善が待たれます。
(参考:平成20年度生活保護基準・生活保護実施要領等 54〜55p)



東北のA市の入院中の介護の制度

 東北のA市では在宅の重度全身性障害者が入院した際に、日ごろ介護に入っている慣れたヘルパーを病院に一時的な入院中の障害者にヘルパー制度(重度訪問介護)で派遣できます。今まで紙面で紹介していなかったので、紹介します。



厚生労働省の自立支援法「支給決定の事務処理要綱」の改定部分解説

 重度訪問介護の15%加算対象者(重度包括対象者のこと)の状態像の記載に「等」が入り、従来の状態像の欄に記載されていた「・筋ジストロフィー・脊椎損傷・ALS・遷延性意識障害等麻痺・重症心身障害者・強度行動障害」以外でも対象になるとわかりすくなっています。
 なお、ALSなどで文字盤やパソコンを使って意思疎通できる場合でも、「意思疎通を図ることに著しい支障がある」という判断になるので、15%加算の対象になります。

ページ 改正後 改正前
P14〜15
類型 状態像
重度訪問介護の対象であって、四肢すべてに麻痺等があり、寝たきり状態にある障害者のうち、右のいずれかに該当する者 気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている身体障害者T類型 ・筋ジストロフィー・脊椎損傷・ALS・遷延性意識障害等麻痺等
最重度知的障害者U類型 ・重症心身障害者等
障害程度区分の認定調査項目(11項目)等の合計点数が15点以上である者V類型 ・強度行動障害等
類型 状態像
重度訪問介護の対象であって、四肢すべてに麻痺等があり、寝たきり状態にある障害者のうち、右のいずれかに該当する者 気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている身体障害者T類型 ・筋ジストロフィー・脊椎損傷・ALS・遷延性意識障害等麻痺
最重度知的障害者U類型 ・重症心身障害者
障害程度区分の認定調査項目(11項目)等の合計点数が15点以上である者V類型 ・強度行動障害等

参考に14〜15ページの該当部分全文を掲載します
(注:改定部分に下線を引いています)

(8)重度障害者等包括支援

ア サービスの内容(法第5条第9項)
常時介護を要する障害者等であって、意思疎通を図ることに著しい支障があるもののうち、四肢の麻痺及び寝たきりの状態にあるもの並びに知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有するものにつき、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、生活介護、児童デイサービス、短期入所、共同生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援及び旧法施設支援(通所によるものに限る。)を包括的に提供する。

イ 対象者
障害程度区分が区分6(障害児にあっては区分6に相当する心身の状態)に該当する者のうち、意思疎通に著しい困難を有する者であって、以下のいずれかに該当する者
(表は前頁に掲載したので略)
T類型
(1) 障害程度区分6の「重度訪問介護」対象者であって
(2) 認定調査項目「1-1 麻痺等」の4 項目においていずれも「ある」と認定
(3) 認定調査項目「2-7 寝返り」において「できない」と認定
(4) 認定調査項目「8 医療」において「気管切開の処置あり」かつ「レスピレーター装着あり」と認定
(5) 認定調査項目「6-3-ア 意思の伝達」において「ときどき伝達できる」又は「ほとんど伝達できない」又は「できない」と認定
U類型
(1) 概況調査において知的障害の程度が「最重度」と確認
(2) 障害程度区分6の「重度訪問介護」対象者であって
(3) 認定調査項目「1-1 麻痺等」の4 項目においていずれも「ある」と認定
(4) 認定調査項目「2-7 寝返り」において「できない」と認定
(5) 認定調査項目「6-3-ア 意思の伝達」において「ときどき伝達できる」又は「ほとんど伝達できない」又は「できない」と認定
V類型
(1) 障害程度区分6の「行動援護」対象者であって
(2) 認定調査項目「6-3-ア 意思の伝達」において「ときどき伝達できる」又は「ほとんど伝達できない」又は「できない」と認定
(3) 「行動援護項目得点」が「15点以上」と認定

(改正された事務処理要綱の全文はホームページに掲載しています)



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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