12月26日、全国主管課長会議傍聴報告
自薦ヘルパー推進協会本部事務局
12月26日、全国主管課長会議が開催されました。朝10時より夕方6時過ぎまで、膨大な資料をもとに、障害者自立支援法の施行準備について、多岐にわたる自治体向けの説明が続きました。大変多岐にわたる内容で、厚労省からの説明もかなり時間におされ、駆け足の説明が多く、また自治体の事務に関する事柄も含まれ、充分に理解できていない部分もあります。居宅関係で新しく出てきたことを一部報告します。
・18年度4月から9月の居宅単価は全体で1%減個々のサービス単価は今年度末までには発表になりますが、予算協議の中で、居宅介護の単価は1%減となり、今後個々のサービス類型について、どのように単価設定を行うか、検討するとのこと。
また10月以降の新制度における単価は別途示されます。
・障害程度区分認定調査、審査会について
今回は支給決定のうち認定調査と審査会について多くの時間を使って説明し、認定調査マニュアル・審査会委員マニュアルが示されています。国の考えでは来年10月からの新体系に向けて、まず障害程度区分の判定(訪問調査、1次判定、審査会と2次判定)は時間を要することから、先行して行い、支給決定はその後に順次10月までに行っていく予定とし、認定調査と審査会の準備を急ぐよう(できれば4月から判定スタートを)自治体に指示しました。
認定調査は市町村業務ですが、相談支援事業者に委託可能であり、委託契約の要件、契約書の様式などを示しており、受託事業者は都道府県が実施する認定調査員研修を必ず受けることが条件となります。国が都道府県向けに行う認定調査員研修の指導者研修は1月13日に開催され、その後、都道府県での研修が行われることになります。審査会も4月までに設置を呼びかけており、委員会設置にむけた詳細な説明が行われました。これにのっとり、2,3月議会において自治体での条例を作るよう指示、委員の選考も順次はじまることになります。
・都道府県の不服審査会について詳しい説明がされました。 これまで不服審査会についてはあまり資料が出ていませんでしたが、今回資料5でその事務t手続きの案が出され、不服審査会において、審査請求の対象となる事柄、(具体的には障害程度区分・支給決定・利用者負担)をまとめたもの等が出ました。
・施設・グループホームの居住地特例(資料6)
施設・GHの居住地特例について、基本的に現行の制度を踏襲する考え方が示されています。
・18年4月からの事業所のみなし指定について(資料7)
4月からの事業所のみなし指定は3障害一本化され、障害種別の特定を行うことができます。また、居宅介護は居宅介護、外出介護、行動援護の3区分になる。
・利用者負担の上限額管理について(資料8ー2)
4月から発生する利用者負担ですが、上限額が設定されるため、その管理を行う事業者として「上限額管理者」の制度ができます。複数のサービス事業者を使う人は上限額管理者を選定して、そこが一括して上限額の管理を行い、他のサービス事業者と調整を行います。
(これには報酬がでるそうです。単価は未定)
・地域生活支援事業(資料10−1,2)
地域生活支援事業については、統合補助金の配分方法の案が示されています。全体の予算のうち1割が都道府県事業に、9割が市町村事業に充てられ、市町村への配分方法はこれまでの事業実績の割合で8割、人口比で2割として配分比率が決められます。実績に勘案されるのは、相談支援、コミュニケーション支援、移動、日常生活用具、地域活動支援センターの利用者数です。その他、個別の事業の概要が示され、
・移動支援はマンツーマンの対応の他、グループ単位での派遣もできるしくみ
・これまでの事業者が継続して使えるようつとめること、
・ヘルパーは「サービス提供するにふさわしい者として市町村が認めた者」としています。 詳細については現在ガイドラインを作成中であり、今後示すことになっています。
・補装具について(資料11,資料10−1)
補装具・日常生活用具の種目の見直し案が示されました。ストマ用装具、点時器などが補装具からはずれ日常生活用具に、パソコン、浴槽は日常生活用具からはずれる案になっています。また、自己負担についても初めて具体的に示され、サービス同様の上限額が設定されます。
(ただし、年収1200万以上の人は全額負担、制度対象外)
その他
・新しい事業体系について(資料9)として、施設・日中活動について資料(対象者の障害程度区分などが具体的になっています)
・障害福祉計画について(資料12)策定に向けての具体的作業スケジュールを提示。 ・精神障害者の4月から9月までの居宅サービスについて(資料14)支給決定の手続きは現行の支援費と同様に行う。
また、参考資料として自治体向けのQ&Aが出されています。
12月28日の課長会議の当日の口頭説明と質疑応答抜粋
(全文はホームページに掲載)
口頭説明(主なもの)
・自立支援医療のうち、育成医療の中間所得層(2万円≦住民税所得割<20万円)の月額負担上限額は40,200円のまま
cf)個別給付は40,200円から37,200円に引き下げ
医療保険改革で高額療養費多数該当の40,200円をさらに引き上げるとの議論
口頭Q&A
《地域生活支援事業》
・日常生活用具について、耐用年数や必要度に関する自治体の判断に基づき、再給付を行って差し支えない
《支給決定プロセス》
・市町村審査会に複数の障害者委員を置くのは差し支えない
・審査会委員は、研修受講を要件としない
・認定調査員は、市町村職員が務めるのであれば研修受講を要件としない 認定調査を事業者に委託する場合は、認定調査員本人の研修受講を要件とする
・主治医研修は、地元医師会の会合などの機会を活用するなどして周知を
・市町村審査会は障害種別ごとに合議体を設けるのではなく1つに統一 委員の人選も3障害に対してバランス良く
《不服審査会》
・18年4〜9月でも不服審査を請求できる
例)居宅サービスの利用者負担上限額、生保減免、個別減免、補足給付 準備支給決定
→審査請求期間は18年10月〜11月ではなく準備支給決定から60日間または4月2日から60日間
精神障害者の居宅サービスの支給決定
→審査請求のすべてを不服審査会に付議する必要はないので、知事が裁決することはできる 準備支給決定が進む夏ごろをメドに、市町村審査会の設置状況も睨んで早期に不服審査会を設置してほしい
・不服審査会の合議体も3障害で1つに統一すべき
《入所施設》
・居住地特例を適用する場合、施設入所者やグループホーム入居者はそこで単一世帯を形成していると考える
→利用者負担上限額や個別減免の収入認定等も単一世帯と考える
・居住地特例を適用した場合、補装具費も入所前居住地の自治体が負担することから、地域生活支援事業の日常生活用具についてもこれに準じた扱いとする
《事業者指定》
・既存の指定事業者(身体、知的、児童)が、みなし指定に際して精神障害者へ指定の範囲を拡大するのは差し支えない
中核市に存在する精神の居宅サービス事業所は、18年4月〜10月においても中核市に指定事務を移管しない
→中核市に存在する精神の居宅サービス事業者で、しかし身体、知的、児童の居宅サービス事業者でもある事業者は、「身体、知的、児童の居宅サービス事業者のみなし指定時の対象範囲の拡大」と捉えて、中核市において指定事務を行って差し支えない
・指定の施行細則基準は提示しない予定
→指定申請様式参考例などは、旧体系報酬基準と併せて提示する予定
《利用者負担上限額管理》
・居宅サービスに限り、上限額管理者への報酬を検討中
・利用者が市町村に提出する上限額管理者届出書を、利用者からの代行により当該事業者が市町村へ提出して差し支えない
cf)介護保険のケアマネ届
・新法サービスと旧法サービス(施設訓練等支援費)の上限額管理を行うことにより、高額障害福祉サービス費の償還払いが不要になる(18年4月〜9月)ただし、世帯内や介護保険との合算による償還払いは不可避
《福祉サービスの利用者負担》
・社福法人減免の収入認定は、(本人+主たる生計維持者)×(課税収入+非課税収入) 個人事業主などの場合、所得税法上の必要経費は控除する
・月額負担上減額の区分が変更になった場合、変更事由(世帯を構成する人の異動、など)の翌月から新上限額を適用
・個別減免は、ほかのサービス種別にまで波及する
例)グループホーム入居者がホームヘルプや通所施設を利用
→グループホームにおける個別減免後の負担上限の範囲内でグループホームやホームヘルプや通所施設の利用者負担を賄う
・事業者指定要件の中で利用者負担徴収義務を盛り込むか検討中 事業者への介護報酬は「サービスにかかった費用の9割を給付」
→事業者が独自に利用者負担を徴収しなかった場合、 (正規の事業費−1割負担相当額)×9割=81%給付しか受けられない
・生保減免における「世帯の範囲」と負担上限額を考えるうえでの「世帯の範囲」の違いは?
→生保減免は、あくまでも、個別給付の利用者負担を支払った場合に生活保護世帯に移行するか否かの判定。その判定の基準はあくまでも生活保護制度上の「世帯の範囲」「預貯金要件」「収入要件」を適用する。
→年末年始にかけて生保減免の骨子について事務連絡を発する、正式通知は年度末
・利用者負担上限額の低所得1と低所得2の分岐の収入認定(80万円)について、自治体独自の障害給付/手当は収入に算入するのか?
→自治体独自の障害給付/手当が課税所得なら、地方税法上の合計所得金額に算入されるので、収入認定に含まれる
→自治体単独の障害給付/手当が非課税所得なら、認定される収入(障害年金等と特別児童扶養手当等)に限定列挙されていないので、収入認定に含まれない
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