★新制度の国庫補助基準の省令への議員要望活動を

★11月課長会議資料(自立支援法)解説

★大問題! 包括と日常生活支援の国庫補助基準で新情報

11月号
2005.11.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
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2005年11月号    目次

   

4・・・・今年の国庫補助の締め切りは12月中
5・・・・ガイドヘルパー制度は、ヘルパー事業所を自由に選択できることに
8・・・・与党議員向け説明資料
11・・・ALSなどの自己負担は低下することも
12・・・11月11日全国主管課長会議の解説
14・・・ガイドヘルパーの補助金は従前額確保
14・・・ガイドヘルパーなどの自己負担について
15・・・区分間流用と小規模市町村対策を検討
15・・・国庫補助基準を超える市についての国会答弁
16・・・障害程度区分は6区分に決定 肢体不自由は最重度区分6が4割
17・・・大問題! 包括と日常生活支援の国庫補助基準で新情報
18・・・身障グループホーム実施へ
18・・・来年4月から半年は現状の支給決定で。審査会は10月から
19・・・福祉輸送(道路運送法4条&80条)の47都道府県調査結果
20・・・今年の障害者政策研究全国集会は12月18日
26・・・障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に



今年の国庫補助の締め切りは12月中

12月X日以降に1人暮らし開始すると国庫補助がつきません。ご注意を。     

 今年も、12月後半から3月31日までの間にヘルパー制度を伸ばそうと思っても、国庫補助がつかないので、伸びません。(特殊な交渉を行えば例外あり)。ご注意をお願いします。
 今年度の市町村から国へのヘルパー事業費所要額のデータ集計は12月中に行われます。(日程は、この記事を書いている11月21日時点では未定)。今年度分の国庫補助金は、この集計データを元に全国市町村分が計算されます。具体的には、4月から11月分までの支出実績と、12〜3月までの予想額を市町村が国に報告し、国が国庫補助の配分の結果を全市町村に通知します。そして、実際の事業費支出がわかる3月31日を過ぎてから、最終的な国庫補助金の清算が行われます。ただし、12月の報告をもとに決められた配分金額の範囲までしか国庫補助されません。このため、12月〜3月分ヘルパー事業費が予想より多くなっても、その分の国庫補助はつきません。一方、予想した額より少なくなった場合、実際の額までしか国庫補助対象になりません。

12月以降に1人暮らし開始などする方は特殊な交渉方法が必要

 12月以降に1人暮らしする場合や、ヘルパー制度の時間数を大きく伸ばす交渉を予定している重度障害者は、特殊な方法が必要です。
 市町村が国に所要額を報告する12月X日までに、「自立、交渉、ヘルパー時間数決定」が終わってない場合、市町村が12月〜3月の事業費予定額に入れません。つまり、国庫補助がつかなくなります。市町村は国庫補助がつかないものは大きな補正予算は組めません。つまり、この時期に1人暮らしなどをして交渉を行うと、「少ないヘルパー時間数」が決定され、それがあたかも「勘案事項」に基づいて正しく決まったように取り扱われます。翌年4月以降にもその少ないヘルパー時間数が目安になってしまいます。
 重度障害者の親が入院するなど、1人暮らしを緊急に行わないといけない場合は、今のうちから「自分の希望するヘルパー時間数」を伝えておき、念のために、12月X日締め切りの所要額の予想には、それに必要な事業費も加えて国に報告してもらうことが必要です。



地域生活支援事業のガイドヘルパー制度は、ヘルパー事業所を自由に選択できることに

 与野党への議員説得の運動の成果です。
 当初、「市町村がすべての方式を決める」としていた地域生活支援事業のガイドヘルパー制度ですが、厚生労働省が方針を転換し、国として、事業の実施方法のガイドラインを作ることになりました。
 このガイドラインでは、「市町村は、新制度の居宅介護事業者や、これまでの移動介護などを行っていた指定事業者などを活用して事業委託に務め、その事業者の中から任意に利用者が選択できる」と盛り込まれることになりました。
 多くの障害者による、与野党への説得の成果が出たものです。

  10月28日審議より

園田議員
 移動支援のガイドラインを国が作っているとのことだが、どのようなものか。サービス 事業所の要件、現行と同様に個別契約となるのか、確認したい。

中村社会援護局長
 どのようなサービス提供態勢を考えているかというと、「市町村は、新制度の居宅介護事業者や、これまでの移動介護などを行っていた指定事業者などを活用して事業委託に努め、その事業者の中から任意に利用者が選択できる」というガイドラインとなっている。

 これを受け、介護保障協議会では、厚生労働省に次ページのような要望を行いました。

厚生労働大臣殿

要望書

全国障害者介護保障協議会 代表 横山晃久

自立支援法の移動支援(ガイドヘルパー)のガイドラインについて

 国会審議によると、国として、移動支援のガイドラインを作ると聞いております。全身性障害者や知的障害者(重度訪問介護や行動援護を利用しない障害者)の中には、以下のような外出に関する特殊な要因をもつ人が多くいます。

(A)介護方法が特殊で特定のヘルパーでないときちんとしたサービスが受けにくく、ヘルパーに介護方法を慣れてもらうのに何ヶ月もかかる(事業所が変わると電車などに乗っての外出や排泄等を伴う外出をするのが困難に)
(B)介護の大変さに比べてサービス単価の低さ等の問題から市町村内にサービスを提供してくれる事業所が見つからないため市外や県外の事業所を利用している

 また、サービス事業所のサービスの質が低下したときのため、今後も、自由にサービス提供事業所を選択できるシステムが必要不可欠です。  これらの問題が「移動支援のガイドライン」によって解決されることが必要です。

以下、要望いたします。

要望事項
1 障害者が従来使っている移動介護の事業所が、引き続き利用できるようにしてください。
2 障害者が今まで使っていた事業所だけではなく、障害者がこれから事業所を変更したい場合にも、指定事業所(居宅介護、重度訪問介護)から自由に選んでガイドヘルプサービスを受けられるようにしてください。
3 市外や県外の事業所も利用できるようにしてください。(継続利用も、新規利用も)
4 具体的には、介護保険開始後に全国の多くの自治体で障害ヘルパーの事業委託方式として取り入れられていた方式である、「いわゆる自由委託方式(注1)」を採用してください。 (注1)いわゆる自由委託方式とは、まず障害者が自由に利用したいヘルパー事業所を選び、選ばれた事業所は年度の途中でも市町村と委託契約を結ぶことができるという方法。12年度から14年度にかけ、全国のかなりの市町村で、介護保険指定訪問介護事業所には、事業所からの希望があれば、年度の途中からでも障害ヘルパーを自由に委託していた(実質的に利用者は事業所を自由に選択できた)。
5 ガイドヘルパー制度の単価設定は市町村の決定事項ですが、重度の全身性障害者のガイドヘルプ単価が下がることによって事業所が選択できなくなることがないようにしてください。「少なくとも、複数の事業所が選択できるような制度・単価」になるよう、ガイドラインに「障害者は実質的に複数の事業所が選択できる環境」を確保するよう盛り込んでください。

参考  10月28日衆議院厚生労働委員会議事録より
(移動支援のガイドラインについて)

○中村政府参考人 どのようなサービス提供体制の確保を考えているかということでございますが、市町村がこの事業を実施する際には、新制度における居宅介護など個別給付のサービス提供を行う指定事業者の方、それから、これまで支援費制度でガイドヘルプのサービス提供を行っている指定事業者の方々を活用した事業委託に努め、その事業者の中から利用者の方が任意に事業者を選択できるような運営方法についてガイドラインを示してまいりたいと考えております。

 

(要望書は以上)

要望結果ですが、要望1・2・3(1現状の事業所を選べること、2今後別の事業所も選べること、3市外県外の事業所も選べること)については移動支援ガイドラインに盛り込まれそうです。



与党議員向け説明資料(最重度区分の1人暮らしの国庫補助を800時間分に)

 自立支援法が可決されましたが、法律のほとんどの内容は今後出る政省令や通知で決まります。
 今後は特に自民党と公明党の与党議員への働きかけが重要です。  議員に特に説明が必要な「1人暮らしの最重度の区分の国庫補助基準の問題」について、議員向け説明資料を作りました。ぜひ、議員説明に使ってください。

解説

特に最重度の1人暮らしの障害者に関する国庫補助基準の問題は、10月26日と28日の国会審議で前向きに検討の答弁が出ています。
(公明党の厚生労働部会長の福島議員の質問に、西副大臣が答弁するというかたちで、踏み込んだ答弁をしてもらえました。)
 また、参議院の付帯決議でも、この最重度の障害者の介護の確保の問題について記載してもらっています。
 厚生省幹部は、自民党・公明党議員に対して「ヘルパーを24時間使う障害者は1人で2000万も使っている」など、悪いイメージで説明を行ってきています。これに対抗するために、いくつかの障害者団体が、つてのある自民党・公明党議員に説明に「このような最重度は0.06%しかいない」などの説明をして回ることが必要です。

議員宛の要望書の見本を次ページから掲載します
地元の議員に送って、アポを取り、話しにいってください。

議員あて要望書見本

自民党 (または公明党) 厚生労働委員
@@@@様

17年11月**日
@@@@@の会代表@@@@
所在地@@@@@@@@@@
電話@@@−@@@@
携帯@@@@@@@(担当@@)
FAX@@@@@@@

 いつも障害者の福祉にご尽力いただきありがとうございます。当会は、重度障害者の施設から在宅への地域移行を支援する支援組織です。家族の介護を得られない1人暮らしの最重度の全身性障害者の支援も行っています。
 障害者自立支援法が自民党・公明党の賛成で可決され、今後、重要な政省令が決まっていきますが、新しい制度に期待をしています。
 最重度の障害者の生活はいまだに命に関わる事態が続いています。この問題を知っていただきたく、ご説明をさせていただきたいと思います。

真に24時間の介護が必要な最重度障害者は、わずかです。予算にして(自立支援法の予算の)0.074%

厚労省の15年4月調査では、毎日24時間のヘルパー制度を利用している障害者はヘルパー利用者の0.06%です。

厚労省16年10月調査ではヘルパー利用者は10万人です。0.06%では60人となります。全体予算からすると、わずかな金額でしかありません(国予算で6億円分)。
これに対し、入所施設を含めた障害者自立支援法の全体予算は18年度概算要求で8090億円ですから、6億円というのは金額的には自立支援法施策の0.074%です。

このわずかの最重度障害者の介護制度を充実させてください。最重度の独居者にとってヘルパー制度は命に関わる制度です。せめて、介護制度が十分受けられないで死んでいく人たちを救ってください。

自立支援法 政省令への具体的要望

(1)障害程度区分ごとに国庫補助(上限)基準が決められますが、同じ区分でも、家族の介護の得られない1人暮らしの場合は、より高い国庫補助(上限)基準にしてください。

(2)重度訪問介護の最重度の区分6では、独居者はヘルパー月800時間(1日24時間)分を国庫補助上限にしてください)

(理由)家族の介護の得られない重度の独居障害者は、同じ障害の程度でも一般の3〜8倍のヘルパー利用の実態があり、それでもなお、介護時間が不足しており、命の危険がある重度障害者も多くいます。
国庫補助(上限)基準は同じ障害程度の障害者の全国平均の金額が設定されるので、1人暮らしの比率の高い市町村では、必要な事業費が、国庫補助(上限)基準を超えてしまいます。超えた金額は市町村が100%負担となります。

 (注)国庫補助基準は、その基準額まで国が全額補助するわけではない。市町村は4分の1を負担するので、市町村が、不要なサービスを提供する心配はない。市町村審査会でもサービス内容が審査される。
(国庫補助基準以下の事業費は国50%・県25%・市町村25%、で、国庫補助基準を超える事業費は市町村100%負担。)

(注2)長時間ヘルパー利用者の使う日常生活支援ヘルパー(重度訪問介護)は介護保険の家事援助よりも安い単価です。(あまりに安いのでサービス提供してくれる事業所がほとんどない)

・要望書宛名は単に「衆議院議員@@@@様」などでもかまいません
・この見本資料がほしい方は、メールでお送りします。まで団体名を書いて申し込みください。



障害者自立支援法可決

 障害者自立支援法は10月31日、衆議院本会議で可決、成立しました。来年4月1日から施行になります。(移動介護の廃止と市町村事業のガイドへルパー事業の開始は来年10月)。
 障害者自立支援法は、そのほとんどは法律本体ではなく、政省令や通知等で制度のほとんどを規定されます。このため、今後の政省令や通知に対して、主に与党議員への働きかけが重要になります。
 厚生労働省では、政省令のほとんどをすでに作り終えています。政府予算の決まる12月28日前後以後に、具体的な金額をいれて1月から2月に政省令が告示されます。国会議員は議会のない期間は地元に帰りますので、各団体で地元の与党議員への働きかけをお願いします。1月から通常国会が始まると議員はまた東京に移ります。主な政省令も12月に決まります。ご協力をお願いします。



ALSなどの自己負担は低下することも

 自立支援法では、「介護保険と支援費の両方を使う障害者」について、両方の制度の自己負担を合算して計算します。例えば、市町村税非課税世帯ならば月の負担上限は2万4600円です。このため、介護保険を限度額まで使って支援費ヘルパーを使うALSなどの場合、自己負担が下がることもあります。
 また、課税世帯の場合も、介護保険と支援費を両方使う場合は、自己負担の上限は月4万200円です。(なお、同居で税制と健康保険の扶養から外せば、世帯は別と考えます)。
  なお、自己負担の支払い方ですが、当初は支援費のほうは現行方式の「上限額管理表」で事業所が管理する方法で検討されていましたが、現在、別の方式で再検討がされています。介護保険分の自己負担は、後日返還を受ける方式になります。



11月11日全国主管課長会議の解説

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

 11月11日、障害者自立支援法が成立した後、初めての主管課長会議が開催されました。 (資料はホームページに全文掲載しています)

今回は主に
・国会審議と、その中での新たな変更点
・施行スケジュールについて
・地域生活支援事業について
・自立支援医療の実施について
・質疑応答
という内容で、大量の資料も配付されています。

 国会審議の経過と変更点については、国会審議録で重要な部分の答弁ををまとめたものが出されており(資料1−2)、国庫補助基準の問題、区分間流用の問題などの答弁内容が確認できます。
 施行スケジュールについては、来年4月までに、順を追って、政省令事項や要綱、基準、報酬などについて、いつ頃までに出していくのかを一覧にして示した図(資料2)がでています。
 また、居宅・施設の旧制度から新制度の支給決定の移行について解説されたもの(資 料3) が出されています。
 居宅の支給決定は、来年4月1日から9月30日までは 「みなし支給決定」とし、障害程度区分・審査会を経ずに現行のサービス体系に基づ いた 利用者負担のみが変更された支給決定がされます。その後10月1日までに、その後の新制度体系に合わせた、障害程度区分・審査会に 基づいた 支給決定がされ、10月1日に完全実施となります。
 地域生活支援事業については(資料6) 現在の補助事業の再編案が出されており、ついで国庫補助について説明があり、
国庫補助は
@人口で割で配分する基準
A現在の事業実績(特に移動介護)を勘案した基準
の2つを掛け合わせ、地域生活支援事業全体の統合補助金の額を決めていくとのことです。 (これは国会審議でも確認されていたこと) また、地域生活支援事業の利用者負担については、その額や方法など含め、「市町村の判断」となり、他のサービスや、これまでの負担などを勘案し市町村が適切に決めることになります。  移動支援事業のサービス内容や利用のしくみなどは、検討中ということで一切ふれませんでした。なお、地域生活支援事業の実施は18年10月からです。

 自立支援医療については、認定の方法や、医療機関の指定などについての事務的に説明が主で、様式例も示されています。また、9日にあった「自立支援医療運営検討会」の検討結果を受けて、精神通院公費の重度かつ継続の範囲が拡大されることになったことが示されました。(追加資料がでています)
 質疑応答の中では、社福法人減免について、同じ地域に同じサービス提供をしている社福があれば、NPOなどでの減免はできな いことや、2カ所以上の社福のサービスを使った場合の減免(資料5−2)のしくみについて示されました。グループホームについてはケアホームにグループホーム対象者が入るのはOKだが、逆はできないこと(以前と同 じ)身障のグループホーム利用は、ケアホームにて試行的に行う予定であることGH、CHの施設・病院敷地内設置については、社保審障害者部会で審議し 結論をだすことが明らかにされています。



ガイドヘルパーの補助金は従前額確保

 厚生労働省によると、地域生活支援事業の補助金は、「人口比で計算する部分」と、「今までの事業実績値で計算する部分」の両方を足して補助金合計とします。移動介護と日常生活用具は国に実績の情報が集まっていますので、実績を元に補助計算されますが、ほかの事業は実績情報を国が持っていないので、人口割になるだろうとのことです。
 心配されていたガイドヘルパー予算ですが、実績値を元に補助されるので、先進地域の補助額が下がるということはないようです。 (統合補助金なので、地域生活支援事業のたくさんのメニューのどの事業に使ってもよいという補助金になります。)



ガイドヘルパーなどの自己負担について

 ガイドヘルパーなど地域生活支援事業の自己負担は各市町村に任されます。国としては、課長会議資料で示した以下の文章以外は、今後も示す予定はないということです。



自立支援法の国庫補助基準
区分間流用と小規模市町村対策を検討 (厚生労働省国会答弁)

 いままで、障害程度区分間で国庫補助の流用はさせないとの方針を説明していた厚生労働省ですが、10月25日の国会で、現状の利用者が困らないように検討することを答弁しました。
  与党の公明党の質問に西副大臣が答弁し、「区分間流用はいままでおこなっていたので、現在使っている人に大きな変化を生じないように検討したい」と回答しました。
 また、もう1つの課題である、小規模自治体で流用できないことについても、取り組むと回答しました。 (議事全文はホームページに掲載しています)



国庫補助基準を超える市についての国会答弁

10月28日の国会質問で、与党である公明党福島議員は、福岡県筑後市と沖縄県宜野湾市の事例(せきそん連資料)を出して、国庫補助基準を上回っている市の対策を質問しました。両市とも人口10万人以下で、CILによる障害者の自立支援が活発で、1人暮らしの最重度障害者の比率が高いため、市のヘルパー事業費が国庫補助基準を超えています。
 西副大臣は「水準を上げる」「現行制度において、委員のご指摘のようにどのようなことが自治体に生じているのか、その1人1人の日常生活の状態等も十分考え合わせて検証したい」と回答しました。
(議事全文はホームページに掲載しています)

この2点について政省令に盛り込むには、議員説得が引き続き必要です。各地の団体の地元与党議員への説明をお願いします。12月中に国庫補助基準に関する政省令の骨格が作られるので、急ぎます。



障害程度区分は6区分に決定
  肢体不自由は最重度(区分6)が4割

 11月9日〜10日に厚生省は障害者団体や学識経験者を呼び、障害程度区分に関するヒアリングを行いました。その際に配布された全国の要介護認定の試行事業の結果の資料では、肢体不自由の4割が最重度の区分6(介護保険の要介護5に相当)になっています。
(資料全文はホームページに掲載)
 また、肢体障害の要介護5(区分6)は、平均84時間(注1)のヘルパー利用であるというデーターが出ています。
  これは、現状の全身性障害者の国庫補助基準(125時間×1800円)に比べ、ほとんど変らない国庫補助基準になる可能性を示しています。
  現状の支援費制度でのヘルパー国庫補助基準は、支援費開始前の全国の平均利用時間の1.5倍を国庫補助基準としています。同じように新制度の国庫補助が決まっていくと仮定すると、84×1.5=126時間分となります。これでは、現状の基準とほとんど変りません。

  厚生労働省は、当初は「最重度については今より高い区分を作るので、重度が集まる市でも国庫補助基準を超えることはない」などといっていました。つまり、介護保険の要介護5を、さらに細かく分けていくイメージでしたが、この話は完全になくなりました。
 現状のヘルパー制度の国庫補助基準は3段階ですが、この際重度区分をそのままに、軽度のほうを小分けにしたイメージになっています。
  国庫補助基準は12月にほぼ骨格が決まります。これを踏まえた要望活動が必要です。

*注1 身体介護・家事援助・日常生活支援の全部の利用時間の合計。肢体障害の場合、要介護5(区分6)は、全肢体障害者数の37%で、要介護4の15%や要介護1の16%に比べ、はるかに多く、2倍以上でダントツです。
知的障害の場合は、要介護5は知的障害全体の12%となっている。



大問題! 包括と日常生活支援の国庫補助基準で新情報

・包括や日常生活支援(重度訪問介護)で大問題が発覚

 障害程度区分は区分1〜区分6の、6区分になり、それぞれの区分に応じて6段階の国庫補助基準が決まりますが、この国庫補助基準はどのサービスを使っても同じ区分なら同じ国庫補助と思われていましたが、違いました。 厚生労働省によると、
1 ヘルパー(身体介護・家事援助)を使う場合、
2 重度訪問介護(日常生活支援)を使う場合 
3 重度包括を使う場合
4 入所施設を使う場合
などで、全部、国庫補助基準が違うそうです。
現状の案では、それぞれで流用も出来ません。
 つまり、同じ区分6の障害者が2人いたとすると、ヘルパー(身体介護・家事援助)を使う場合の国庫補助基準と、重度訪問介護(日常生活支援)を使う場合の国庫補助基準は、別になるそうです。
 しかも、単価が違うので、当然サービス間の流用も出来ません。
 区分間流用に前向きの国会答弁が出て解決に向かうかと思った矢先、ますます1つの区分の人数が減ってしまう問題が発生です。

 人口10万人の市でも日常生活支援の利用者は多くても10人です。(地方では1〜2人以下のところがほとんどです。)(この10人の9割が区分6の最重度になったとして)この9人以下の人数で国庫補助のやりくりをしなければいけなくなります。これでは、1人でも「24時間介護の必要な障害者」が出ると、たちまち国庫補助基準をオーバーしてしまいます。(結果、1日数時間くらいまでしか日常生活支援(重度訪問介護)が受けられなくなる恐れがあります)。

対策としては
  「重度訪問介護(日常生活支援)」の区分5〜6については、国庫補助基準を設けず、市町村が審査会を経て決めた必要な事業費には、確実に2分の1の国庫補助をつけること」(または800時間の国庫補助上限基準を設ける)という要望を与党議員などに緊急に行っていくしかありません。国庫補助の仕組みについては、12月には骨格が決まっていきます。各地での議員説得等皆様のご協力をお願いします。



身障グループホーム実施へ

 主管課長会議で口頭説明がありました。現在はグループホームは知的障害者のみの施策ですが、自立支援法では、身障グループホーム(自立支援法のケアホームのこと)を試行的に実施するようです。試行的に行って、様子を見ると説明がありましたが、一部でも実施されたら、入居者は「この制度があってよかった」というになります。当会はグループホームは小規模入所施設だと考えており、身障のグループホーム・ケアホームを作ることは反対です。
 カナダのオンタリオ州では他の州と違い、グループホームが多く作られたため、4時間以上介護が必要な障害者はグループホームに入ることを求められ、ヘルパー制度は1日4時間が上限となっています。これに対し、他の州では長時間介護が必要でも自宅で暮らせます。このような市町村が日本でも増えかねません。



来年4月から半年は現状の支給決定で。審査会は10月から

  自立支援法開始後、来年4月から10月はヘルパーの支給時間や支援費単価や国庫補助基準は現状ののまま、自己負担だけが開始になります。審査会による区分1〜6への振り分けは10月までに準備され、障害程度区分に基づく国庫補助基準の計算は10月から適用となります。
 また、移動介護制度も、10月に廃止され、市町村の制度である地域生活支援事業の中の移動支援事業の中のガイドヘルパー制度に変ります。



福祉輸送(道路運送法4条&80条)の47都道府県調査結果

 福祉輸送サービスを行っている団体は4月までに道路運送芳情の許可が必要です。
 NPOは定款変更に4ヶ月かかりますので、定款変更が福祉輸送の条件となっている地域では、2006年4月1日までに有償の福祉輸送を開始したい場合、2005年12月1日までにNPOの定款変更申請が必要になります。
 そこで、全国47都道府県の陸運局等に、定款変更が必要かどうかなどを電話にて問い合わせしました。その結果をHPで公開しました。以下のアドレスを参照ください。
http://www.kaigoseido.net/fukusiyusou.htm
HPトップページからは10月28日の記事をご覧ください。

  なお、ヘルパー事業を行っているCIL等の団体で、ヘルパーの車を使わない場合は、この許可をとらなくても、何とかなります。障害者の車や、障害者が障害者団体の車などを自ら借りる場合です。
過去の関係情報 
http://www.kaigoseido.net/topics/05docu/dorouneihou.htm 
を参照ください。
上記HPからもリンクしています。



今年の障害者政策研究全国集会は12月18日

日程:12月18日(日)午前10時〜午後4時45分 各分科会(午前9時より受付)

会場: 新宿区立障害者センター 〒162-0052東京都新宿区戸山1-22-2 ほか
                TEL 03-3232-3711  FAX03-3232-3344
   会場は、3箇所に分かれます。自立支援分科会は戸山サンライズです。

参加申し込み:申し込み用紙に必要事項を記入の上、FAXまたは郵便で事務局まで送付してください。参加費、申込用紙は、詳しくはホームページをご覧ください。

主催:障害者政策研究全国実行委員会
構成団体:(順不同)DPI(障害者インターナショナル)日本会議/全国自立生活センター協議会(JIL)/全国公的介護保障要求者組合/差別とたたかう共同体全国連合/障害児を普通学校へ・全国連絡会/障害者の政治参加を進めるネットワーク/日本脳性マヒ者協会・全国青い芝の会/全国障害者介護保障協議会

事務局:障害者政策研究全国実行委員会・事務局 〒101-0054千代田区神田錦町3-11-8-5階 DPI日本会議内(点字印刷ビギン) TEL 03-5282-0015 FAX 03-5282-0017  

<プログラム(概要)>

【自立支援分科会】 会場:戸山サンライズ(大研修室1/2) 
午前:10時〜12時30分 午後:1時30分〜4時45分
午前 テーマ:「障害者自立支援法(主にヘルパー制度関係)」
    障害者自立支援法の政省令(主にヘルパー制度関係)をテーマに議論を行います。
発題者:未定
午後 テーマ:「重度包括問題からみえるパーソナルアシスタント制度の限界」
      重度包括問題からみえるパーソナルアシスタント制度の限界をテーマに議論。
発題者:橋本みさおさん (日本ALS協会)
      川口有美子さん (NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会)
      川元恭子さん (CIL小平)
     ほか依頼中

* 自立支援法は情勢が変わるので、中身が大きく変わる可能性もあります。 ほかの分科会情報はホームページを参照してください。



過疎地域で1人暮らししたい最重度の全身性障害者募集

 施設や家族のもとから出て、自立生活を始めませんか?

  多くの市町村では、1人暮らしの長時間要介護の全身性障害者がいないため、ヘルパー制度も伸びていません。24時間介護が必要でも1日4時間程度しかヘルパー制度が出ない市町村は全国の市町村の8割程度にものぼります。これを解決するためにバックアッププロジェクトを行います。1人暮らしの重度の全身性障害者が住んできちんと交渉している都道府県では1日16時間や24時間介護の必要な障害者が1人暮らしをしています。このような障害者がいる地域では交渉によりヘルパー制度が伸び、1日16時間や24時間の制度ができているところがあります。そのような市町村では、「ヘルパー制度の上限」という考え方が行政内でなくなり、「その障害者が自立して地域で生活するためにどのようなサービスが必要か考えて支給決定する」という考え方に変わっていきますので、1人暮らしの障害者だけではなくそれ以外の障害者もヘルパー制度を必要な水準まで受けやすくなっていきます。
 当会では、47都道府県のどこに住んでいても、同じように必要な人に必要なサービスが受けられるように制度改善の交渉の方法の支援や、「最初の1人」の自立支援を技術的、財政的に(介護料)サポートしています。
 現在、長時間のヘルパー制度のない(主に過疎地の)市町村にお住まいで1人暮らしをしたい全身性障害者を募集します。1日16〜24時間の介護が必要な方を想定していますが、それ以外の方もお問い合わせください。
 自立のあと、一定期間の介助者の費用のサポートをいたします。
 制度交渉してヘルパー制度を延ばすバックアップをします。
 アパートを借りる方法なども研修でサポートいたします(毎日介助がつく場合はきちんと方法を学べば簡単に借りることが可能)。住宅改造制度もあり、生活できるように改造も可能です。
 研修参加の交通費や介助費用は助成いたします。
 自立生活をするための技能プログラムを受講していただきます。
 なお、複数募集がある場合は、当会ほかが進めている、公益的な障害福祉活動に参加していただける方を優先いたします。

お問い合わせは 自薦ヘルパー推進協会 0120−66−0009 10:00〜23:00



障害当事者によるホームヘルパー指定事業者を全国1000ヶ所に

長時間要介護障害者などが運営する介助サービスのシステムと 24時間介護保障制度を全国に作ろう

 2003年からは障害ヘルパーも介護保険と同様、事業者市場が自由化されました。さまざまな事業者がホームヘルプなどのサービスを提供し、障害者は自由に事業者を選択できるようになりました。
 ホームヘルプサービスを行いたい事業者は、一定の基準を満たせば、都道府県が1〜2ヶ月弱で指定するようになりました。指定を受ければ、市町村境や県境を超えてサービス提供ができるようになりました。
 長時間介助の必要な障害者や高度な介護が必要な障害者の団体は、従来から、行政などの派遣するヘルパーは介助が満足にできなかったため、自分たちで介助者を雇い、団体を作り重度全身性障害者にも十分対応できる介助サービスを行ってきました。また、行政交渉を行い四国や東京を中心に、24時間の介助制度を作り上げてきました。
 これらの自立生活センター等の団体は実績がありながらなかなか障害ヘルパー委託を受けられませんでした。2000年4月からの介護保険施行で、老人向けのヘルパー等事業者が自由化され、それに影響されて障害ヘルパーも重度全身性障害者の運営する自立生活センター等に委託されるようになりました。(それでも3年以上の話し合いが行われた上での事でした)。これにより、各センターは予算規模1億円を超える団体も増えてきました。
 2003年にはこのような心配はなくなりました。一定の基準を満たせば、市町村の意向に関係なく必ず指定が受けられ、ヘルパー事業者になれます。

2010年ごろの目標

 介護保険や障害の指定事業者になってヘルパー派遣を行うと、十分な運営費が保障され、団体職員の人件費や運営費に十分な保障ができます。この仕組みを使って更なるサービス水準アップや制度を改善していく運動に使い、社会を変えていこうという計画です。まず取り組むことは、2010年までに全国に1000事業者を作り、24時間要介護の障害者の自立支援を行い、行政交渉し、24時間介護保障を3300市町村作り出すことです。
 その次は、知的・精神・身体(視覚・聴覚・盲ろう・肢体・内部)・難病および重複の全障害種別の参加を得て、全ての障害種別にサービス提供(当事者が主体的に)していくシステムを計画しています。
 また、3300市町村の多くで24時間に近い介護保障ができた際には、全国で予算が確保されますので、国に対してパーソナルアシスタント制度(労働時間や通学や運転・入院など使途の制限をされない24時間介護保障で全国一律制度)を作っていきます。

注:東京などの一部団体では24時間介助保障を交渉して作り、24時間の専従介助者による介助サービスを行い、人工呼吸器利用の24時間要介助の全身性障害者などを施設などから一人暮し支援できています。一人暮しの知的障害者や精神障害者への介助サービスも行なっています。もちろん短時間の介助サポートもできます。いずれも個別ILプログラムや様々な支援を(自立生活をしている長時間要介助の)障害者役員が管理し健常者のスタッフなどを部下として雇って(障害者と健常者で)運営しています。これら団体は市から障害ヘルパーを委託されており、介護保険指定事業者にもなっており、収入は(今までの障害者団体に比べると)相当大きなものになります。
 通常、このような水準の団体になるために、どれくらいの研修期間や運営期間が必要かといいますと、まず、近隣の市の障害者が研修を受ける場合には、週1回(マネージャー&コーディネーター会議の日に)通って1年間、そのほかに近隣市の自立生活プログラムやピアカウンセリング、行政交渉には必ず全部出席していきます。2年目から団体を立ち上げ、まず1人目の自立支援(施設や親元からの一人暮しの支援)を団体として行います。この際などにも事細かに研修先の団体にアドバイスを仰ぎながら進めます。こうして2人目、3人目と進み、ILP、ピアカンなども講座型から個別までこなし、介護制度交渉も行ない、専従介助者を確保していって介助サービス体制を強固にしていきます。この間も外部の講座などには出来るだけ参加します。これで最短の団体(実績)で4年ほどで上記のような総合的なサービスが行なえるようになります。なお介護保険の事業者指定は実績が全くなくても有資格ヘルパーが3人いれば取れるため、半年ほどで取ることが出来ます。障害ヘルパーも2003年からは同じ様になります。今は障害ヘルパーは市に委託の交渉が必要になりますが介護保険事業者になっていたらすぐに委託が受けられる市も増えてきました。
 上記の(近隣市の障害者が研修を受けて団体を立ち上げていく)モデルをもとに、必要な研修時間を計算すると、週10時間程度で、年500時間(初年度のみ)となります。これと全く同じ事を行なうには年400〜500時間に相当する研修が必要です。全国47都道府県の事業者になりたい団体・個人がこれを全部合宿研修で行うわけにはいきませんから、なるべく通信研修+電話相談でカバーして、合宿研修は少なめでやってみようと検討しています。そのほか、近隣県で受講できる基礎ILP・ピアカンなどは極力近隣地域で受けることで体力や時間、費用が節約できますので極力参加するようにお願いします。

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的に事業を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。推進協会の理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。

くわしくはお問合せ下さいフリーダイヤル0037−80−4455(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6) 身体障害に限らず、今後他の障害者にもサービスを提供すること。

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は今までの制度より介助者の給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法
  広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。
 介助者への給与は介護型で時給1500円、家事型1000円、日常生活支援で時給1300〜1420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、日常生活支援研修修了者などのいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、14年3月まで自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けます。2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます

 広域協会では、障害当事者主体の理念の3級ヘルパー通信研修も行なっております。通信部分は自宅で受講でき、通学部分は東京なで3日間で受講可能です。3級受講で身体介護に入ることができます。
 日常生活支援研修は、東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能です。2日間で受講できます。東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でかまいません(残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。日常生活支援研修受講者は全身性移動介護にも入れます。3級や日常生活支援の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、参加費・交通費・宿泊費を全額助成します。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
名前 (所属団体等)
渡辺正直  (静岡市議)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。
 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。
 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。
 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。
 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。
 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。
 支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になります。
 全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになります。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。
47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行えば、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになります。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。(できれば各県に2〜3ヶ所あれば、よりいい)。 全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。(他薦ヘルパーでは時間数をのばすと、各自の障害や生活スタイルに合わず、いろんな規制で生活しにくくなるので、交渉して時間数をのばさない)
自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)
例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります) 自薦登録の受付けは各団体のほか、全国共通フリーダイヤルで広域協会でも受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。
自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。
 これにより、将来は3300市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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