平成18年度の政府予算概算要求(障害者関係)
自薦ヘルパー推進協会本部事務局
18年度概算要求資料が公開されました。次ページに掲載します。
例年ですと、これに併せて障害福祉課の概算要求が発表され、もうすこし細かい案が出ますが、今年は制度改正のため、障害保健福祉部の概要版のみしか発表しないとのことで、大枠のみしか示されていません。まず冒頭のところで、「早期に障害者自立支援法案を再提出し」と書かれていて、概算要求が自立支援法成立を前提に立てられたものとなっています。
○(1)「障害福祉サービスの推進」として4,143億円 (→これが支援法の個別給付の部分)
参考までに今年度(17年度)の支援費予算は概算要求3854億→予算が3831億となっています。
18年度概算要求は、事業体系の再編、移動介護の地域生活支援事業への移行なども含まれているので純粋な比較は難しいですが、単純に計算すれば26%増えたことになります。
また、概算要求ですので、これから財務との調整などで減額される可能性もあります。 ホームヘルプや施設など介護給付、訓練等給付など細かい試算は出されていませんので、居宅サービス費用がどの程度伸びたのかは不明です
○(2)障害者に対する良質かつ適切な医療の提供 795億円 (→これが支援法の自立支援給付の部分)
○(3) 地域生活支援事業の実施 200億円 (→支援法の「地域生活支援事業の費用)
これについても、移動支援事業、相談支援事業など個別な試算は出されていません。 200億円という額自体、どの程度の根拠があって立てられたものか定かではないように思います。
厚生労働省HPに他の部局分も掲載されています。 http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/06gaisan/syuyou.html
障害福祉部分の抜粋
第8 障害者の自立支援の推進、生活保護制度の適正な実施
障害者の地域における自立した生活を支援するため、早期に「障害者自立支援法案」を再提出し、市町村を中心に、障害の種別にかかわらず一元的にサービスを提供する体制を整備するとともに、サービスの提供に必要となる費用を皆で支え合うという考え方に立って、在宅サービスに関する国及び都道府県の負担を義務的なものとすると同時に、利用者負担を見直すなど、障害者保健福祉施策を抜本的に改革する。
また、雇用と福祉の連携による障害者施策の推進や障害者の多様な就業機会の拡大を図るとともに、障害者に対する職業能力開発を推進する。
さらに、生活保護受給者の自立・就労を支援するため、福祉事務所等における自立支援プログラムの導入を一層推進するほか、引き続き生活保護基準の見直しを図る。
1 障害者の自立した地域生活を支援するための施策の推進 8,090億円(7,445億円)
(1) 障害福祉サービスの推進 4,143億円
障害者保健福祉施策を抜本的に改革し、障害者が身近な地域で自立した生活を送れるよう、新たな障害福祉サービス体系として、ホームヘルプサービスや生活介護等の介護給付、自立訓練や就労移行支援等の訓練等給付を提供するなど、必要なサービスを確保する。
(2) 障害者に対する良質かつ適切な医療の提供 795億円
障害者の心身の障害の状態の軽減を図るための自立支援医療(公費負担医療)等を提供する。
(3) 障害者の地域生活支援の推進 200億円
○ 地域生活支援事業の実施 市町村等が主体となり、移動支援や地域活動支援センターなど障害者の自立支援のための事業(地域生活支援事業)を実施する。
○ 発達障害者に対する支援 在宅の自閉症等の特有な発達障害を有する障害者とその家族に対し、相談、助言、情報提供、就労等にかかる支援を総合的に行う「発達障害者支援センター」の充実を図る。
2 障害者に対する雇用・就労支援と職業能力開発の推進 155億円(141億円)
(1) 雇用と福祉の連携による障害者施策の推進 16億円
○ 地域障害者就労支援事業の拡充 1.9億円
ハローワークが中心となり福祉等の関係者による連携体制を確立し、就職の準備段階から職場定着までの一連の支援を行う事業を拡充し、障害者の福祉的就労から雇用への移行の一層の促進を図る。
○ 企業ノウハウを活用した福祉施設における就労支援の促進 53百万円
障害者雇用に実績のある企業関係者の知識・経験等を活用して、福祉施設に対し、企業で働くことについての理解の促進、就労に向けての支援のノウハウの向上を図る事業を、都道府県労働局において実施する。
○ 障害者就業・生活支援センター事業の拡充 13億円
障害者に対する就業及び日常生活に係る相談、助言等を実施する「障害者就業・生活支援センター」の設置箇所数を拡充する。90箇所→140箇所
(2) ハローワークによる相談・支援体制の充実・強化 11億円
障害者一人ひとりの障害の態様や適性に応じた就労支援を実施するため、専門的な知識・経験を有する者をハローワークに配置するなど、障害者に対する相談支援体制の充実・強化を図る。
(3) 多様な形態による障害者の就業機会の拡大 18億円
○ ITを活用した在宅就業支援団体の育成支援 1.1億円
先駆的に在宅就業支援に取り組んできた団体のノウハウを活用し、新たに支援に取り組む団体へのノウハウの提供・普及、事業主が、障害者の在宅業務を創出するための支援を行い、障害者の在宅就業のさらなる普及を図る。
○ 障害者試行雇用事業の拡充 12億円
事業主に障害者雇用のきっかけを提供するとともに、障害者に実践的な能力を取得させ、常用雇用へ移行するため短期間の試行雇用を実施して、障害者雇用を推進する。対象者数 6,000人→8,000人
(4) 障害者に対する職業能力開発の推進 68億円
○ 公共職業能力開発施設における障害者職業訓練の推進 52億円
障害者職業能力開発校が未設置の地域において、職業能力開発校に知的障害者等を対象とした訓練コースを設定し、障害者の職業訓練を推進する。
○ 事業主や社会福祉法人等による実践的な職業訓練の推進 15億円
企業、社会福祉法人等の多様な委託訓練先を開拓し、知的障害者、精神障害者等の障害の態様に応じた職業訓練を推進する。委託訓練対象者数 6,000人→6,500人
○ 障害者職業能力開発プロモート事業(仮称)の実施(新規) 42百万円
福祉施設、養護学校等の関係機関の連携体制を確立することにより、障害者の職業能力開発を促進する事業を政令指定都市において試行的に実施する。
3 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に関する医療体制の整備 148億円(82億円)
心神喪失者等医療観察法を適切に施行するため、引き続き、指定入院医療機関の確保を図るとともに、医療従事者等の研修を行うなど医療の提供体制の整備を推進する。
4 自立支援に重点をおいた生活保護制度の適正な実施 2兆1,084億円(1兆9,366億円)
(1) 自立支援プログラムの着実な推進 170億円
生活保護受給者の就労自立(就労による経済的自立)、日常生活自立(日常生活において自立した生活を送ること)及び社会生活自立(地域社会の一員として充実した生活を送ること)を目指す「自立支援プログラム」の福祉事務所等における導入を一層推進する。
(2) 生活保護基準の見直し
○ 老齢加算の段階的廃止(最終年)
平成16年度からの3年間で段階的に廃止する。
○ 母子加算等生活扶助基準の見直し(2年目)
16〜18歳の子どものみを養育するひとり親世帯について、母子加算の支給額を平成17年度からの3年間で段階的に廃止する。また、多人数(4人以上)世帯の生活扶助基準額について平成17年度からの3年間で適正化を図る。
※ 生活保護費負担金の改革については、平成16年11月26日の政府・与党合意において「地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成17年秋までに結論を得て、平成18年度から実施する」こととされている。
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