3月18日課長会議で新法に関するQ&A資料
3月18日全国課長会議で新法に関するQ&Aが配布されています(文書名=「2月17日全国会議で提出された質問事項について))。重要な点、注目点を抜粋します。(全文はホームページに掲載しています)
2月17日全国会議で提出された質問事項について(抜粋)
新事業の内容
【行動援護】
Q@行動援護サービスと現行の支援費上の社会参加等のための移動介護との関係・相違点は。
A@行動援護は、知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する者に対し、身体介護等と一体的に、危険回避等の支援や、自傷、異食、徘徊等の行動障害への援護を行うものであり、移動介護に比べ、より支援の必要性の高いものへのサービスである。(知的障害者については平成17年4月、精神障害者については平成18年1月からサービス開始。)
QA行動援護について、通学や通所施設への通所への利用は可能か。また移動介護との併用はできるのか。
AA行動援護は、介護・訓練的な面を有することから、日々の通学や通所への利用は想定していないが、保護者の出産・病気等で一時的に行われるものについては、支給対象となりうるものと考えている。
また、行動援護の利用者については、外出時の必要なサービスは行動援護を受ければ利用できるため、移動介護との併用は認められない。
QB行動援護について、事業所のサービス提供者、責任者のそれぞれについて、直接処遇2年、5年の経験を要することとしているが、実際に保護者の要望に応えようとして、手探りながらもサービスを提供しようとしている事業所にとっては厳しい条件である。支援費開始後2年しか経過していないことを考慮して要件を緩和するのは難しいことか。
AB行動援護は、その支援の内容から、経験や専門的知識、技術を有する者が従事することが必要であるため、それに相応しい基準を設定しているものであり、介護給付として当該基準を緩和することは行動援護のサービスの質の低下につながることから、考えていない。
QC行動援護について、支給決定についての経過措置が設けられないのか。
AC行動援護については、申請があった者のうち、現に移動介護を利用しており、障害の状況から対象者と見込まれる者について、平成17年4月1日までにチェック項目の聴き取りを行い、支給決定を行うことを原則と考えている。しかし、平成17年4月1日までに対象者すべてに対して聴き取りを行うことが時間的に厳しい場合には、行動援護の対象者と見込まれることをもって暫定的に支給決定を行い、平成17年4月30日までの間に速やかに聴き取りを行った上で、改めて支給決定を行う経過的取扱いを認めることとする予定。
解説:知的障害の当事者団体で、活動拠点の維持に、デイサービスの支援費を活用している団体がありますが、一部は自立支援給付から外れ、地域生活支援事業になってしまいます。
|
【デイサービス】
QG介護給付から障害者デイサービスを外した理由は。
AG身体障害者デイサービス及び知的障害者デイサービスは、平成18年1月より、基本的に従来と変わらないサービスを提供する「障害者デイサービス」となり、介護給付の対象となる。平成18年10月以降は、「障害者デイサービス」はなくなり、他の通所施設等も含め、機能に応じて再編する観点から、サービスの内容に応じて、事業類型を分けることとしており、ア)一定の介護が必要な方に対して介護サービスを提供したり、地域へ移行するための訓練等を行うなど、介護給付や訓練等給付の対象となる日中活動の場(生活介護、自立訓練等)の要件に該当するものがあれば、介護給付や訓練等給付の対象となる類型(生活介護、自立訓練等)に移行し、イ)それ以外の地域との交流や創作的活動等の多様な活動を行う場については、地域の実情に合わせて多様な取組みが可能となるよう、地域生活支援事業(地域活動支援センター等)に移行するものと想定している。
【共同生活援助・共同生活介護】
QI新グループホーム(共同生活援助)の利用人数は現在4人も認められているが、そのままでいいのか。グループホームの定員を3人で認める特区があると思うが、新グループホームでも適用があるのか。
AIグループホームについては、次のような現状となっており、処遇の公平化、運営の効率化等の観点から、新設するケアホーム(共同生活介護)も含めて、世話人1人が担当する人数等について、全体的な見直しを行うことが必要と考えているところである。
・世話人1人分の費用を確保するため、1人当たりの給付額は定員規模に応じて異なる設定としているが、同じような障害程度であっても給付額が異なり、今後は、定率の利用者負担にも差異が生じ不公平であること
・知的障害者グループホームについては、重度単価(区分1)が設けられたが人員確保が義務付けられず、必ずしも処遇の改善になっていないこと
・新グループホーム(共同生活援助)で入居を想定している軽度の者で比較すると、現行のグループホームは通所施設より手厚い配置となっており、提供されるサービス内容からみても、より効率的な形態が可能と考えられること
・世話人1人で、近接する2カ所の場所に分かれて住んでいる障害者の世話をしている事例もあるようであり、効果的な利用という面では評価できること
具体的な利用人員や配置基準等については、現在検討中である。
QJ既にグループホームには重度の人と、中度・軽度の人が混在して利用しているが、新制度になれば既存のものも分離するのか。
AJ居住関係の支援についても、日中活動と同様に、基本的にはサービス体制が整っていない中での混合処遇は適切な支援を確保する観点からは避けることが必要と考えており、ケアホーム、グループホームの利用者像と処遇内容を今後検討する中で、混合処遇についての方針も明らかにする予定である。
現時点においては、グループホーム、ケアホームの利用者像としては、次のような内容を基本に、具体的な範囲について検討している。
ア グループホーム
要介護の状態になく就労自立等している者
イ ケアホーム
要介護の状態にある者
QKケアホーム(共同生活介護)、新グループホームにおいて、ホームヘルプ、移動支援事業は利用できるのか。共同生活介護において、移動に関する部分もあるので重度訪問介護や行動援護は使用できるのか。
AK現行の知的障害者グループホームは、重度者を処遇する重度単価が設けられていることと、ホームヘルプサービスを利用することができることとの関係が整理されていないため、2重給付のおそれがあるという問題点があり、整理が必要と考えている。
平成18年10月以降の新制度においては、必要なサービスについては、ケアホームやグループホームの事業者が責任を持って提供する仕組み(外部事業者の活用を含め)を基本とする予定である。
小規模授産施設等の扱い
Q@小規模授産施設は支援費施設ではなかったが、今後は従来の通所型施設の定員20名以上を10名以上に改め、障害者支援施設に含むように省令で規定されると考えてよいか。また、経過措置期間は新体系・旧体系が共存すると聞いているが、小規模授産施設も旧体系として残ることができるのか。}
A@小規模通所授産施設を含め、法定の施設全体として、都道府県障害福祉計画に定める定員目標数の範囲内で、障害者自立支援法案に基づく指定事業者となるためには、新体系の障害福祉サービスの要件を満たすことが必要となるが、平成24年3月31日までの間で定める経過措置期間中は、小規模通所授産施設については、新体系への移行が促進されるような形で運営費の助成がなされるよう予算上の措置を講ずる方向で財務省に要求することとしている。
今後、施設として、障害者自立支援法案の介護給付及び訓練等給付の支給対象となるのは、入所形態の障害者支援施設のみであり、その他は基本的に障害福祉サービス事業として構成されることとなるが、その事業の最低の定員については、20名を基本としつつ、複数の事業をユニット単位で個別処遇する「多機能型」を認めていく方向で検討しているところである。なお、20名より小さな単位を認めることについては、今後検討する各事業の人員・設備基準の内容を前提として、事業の安定性・専門性の確保の観点や地域的な事情への対応等の観点から慎重に検討したい。
なお、地域生活支援事業に位置づけられる地域活動支援センターについては、これらとは別途、その人員、設備及び運営に関する基準を定めることとなる。
QA小規模作業所の活用方策としてどのようなことを考えているのか。
AA小規模作業所についても、上記と同様に、都道府県障害福祉計画に定める定員目標数の範囲内で、障害者自立支援法案に基づく指定事業者となるためには、新体系の障害福祉サービスの要件を満たすことが必要となる。
平成17年度予算では、こうした小規模作業所の支援を行うため、新たに補助事業を設けたところであり、各都道府県等におかれては、今後定める都道府県障害福祉計画の内容等をよく検討していただき、適切かつ計画的な移行に向けた取組みを進めていただきたい。
その他
Q@生活保護法に基づく介護扶助等と自立支援給付との優先順位は、従来通り自立支援給付が優先すると考えてよいか。
A@生活保護の補足性の原則(参照生活保護法第4条第1項)に鑑み、従来どおり、自立支援給付が優先する。
地域生活支援事業
費用額、利用者負担
Q@市町村が独自に行う地域生活支援事業について国の補助が認められるのか。
A@(中略)具体的な補助対象の事業の要件やその額については、平成18年度予算編成生過程において検討することとしている
解説:この事業は、市町村で「かかった事業費の何割の補助」という性格のものではなく、地域生活支援事業全体を1つのパイとし、たとえば市町村の「障者の数×基準額」のような補助のされ方になります。現状の国庫補助より減ると予想されています。また、今後、三位一体改革で国の補助事業から外れると予想されています。 |
QA地域生活支援事業の利用者負担はどうなるのか。上限管理とは別か。また、相談等は無料となると考えるがどうか。
AA地域生活支援事業は、地域の特性や利用者の状況に応じ、柔軟な事業形態による方が効果的・効率的に実施できる事業を位置づけており、利用者負担についても、市町村の判断に委ねることを予定している。従って、介護給付、訓練等給付による利用者負担と合算して月額上業限の対象とする性格のものではない。なお、相談等は無料で行われるのが通常と考えている。
解説:ガイドヘルパー制度はこの地域生活支援事業に入るため、市町村により1〜3割負担を選択する場合もあります。また、1割負担を選択した市町村でも、介護給付の自己負担上限とは関係なく、この事業の自己負担を別に負担することになります。親元の障害児や障害者の移動介護利用が爆発的に増えてしまったことから支援費予算不足になってしまったこともあるため、ガイドヘルパー利用に自己負担を取らない市町村はほとんどないと予想されます。 |
利用方法
Q地域生活支援事業の対象者の認定の要否、支給決定量の単位等決定の認め方はどのようなものか。指定を受けたサービス事業者と利用者の自由な契約によって実施されることも可能か。市町村が委託したサービス事業者との契約は可能か。
A地域生活支援事業は、市町村の事業として位置づけられており(障害者自立支援法案第77条)、市町村が自ら実施するか、あるいは事業者に委託して実施することが想定される。したがって、個別給付とは異なり、障害者自立支援法案上、事業者の指定や対象者の認定などは定めらておらず、地域における柔軟な運用が可能となっている。なお、国の補助の対象となる事業についてどのような要件を課していくかについては、ご指摘の点も含め、今後検討することとしている。
解説:ガイドヘルパーについては時間数決定まで委託するほうが市町村にとっては便利なため、ほとんどの市町村では社協や有力な社会福祉法人1箇所に委託すると考えられます。また、大きな市で2箇所以上に委託する場合も、地域割りで1箇所のみに委託先を決める市がほとんどと考えられます。国庫補助率が低いため、委託費はほとんどの市町村ではかなり低くなると予想されます。 呼吸器利用者や重度全身性障害者等は、なれたヘルパーでないと、外出介護ができません。日常生活支援利用者は地域生活支援事業には入らず、今までの事業所のヘルパーが使えるので救済されますが、地方の多くの障害者はヘルパー時間数が少なく、身体介護と移動介護を使っているので、地域生活支援事業に入り、外出に今までのヘルパーが使えず外出できなくなります。反対の声を地元与党議員等に伝えましょう。
|
相談支援事業
Q@都道府県は特に専門性の高い相談支援事業を行うとされているが、具体的にはどのようなものか。A現行の地域療養等支援事業及び精神障害者地域生活支援センターは、市町村事業・県事業のどちらの位置づけか。
A処遇困難なケースなどを取り扱う専門性の高い相談支援事業については、都道府県で実施すると想定しており(障害者自立支援法案第78条第1項)、今後、既存の相談事業の質の向上を図っていただくことが重要と考えている。なお、障害児(者)療育等支援事業、精神障害者地域生活支援センター等の現在の配置状況を見ても、地域ごとに大きく異なっており、具体的な相談支援事業の体制の在り方については、今年夏頃までにお示ししたいと考えている。
移動支援事業
Q利用要件、利用できる範囲、利用方法、利用に係る負担など具体的な支援はすべて市町村の独自判断でよいか。また、早期に準備が必要であり、要綱等の準備は平成17年10月頃には国から示されるのか。
A利用要件等については、国からはなるべく早い時期に、地域生活支援事業のガイドラインをお示しすることとしているので、これを参考としつつ、地域の実情を踏まえて市町村の判断により決定していただくことになる。
都道府県・市町村事務
指定事務等の都道府県への一元化
Q@事業所等の指定事務が指定都市・中核市から都道府県に一元化されるのはいつか。
A@障害福祉サービス事業者、障害者支援施設及び相談支援事業者の指定については平成18年10月より都道府県に一元化される。
解説:この点はよい改正です。今までは、国の指示に従わずにヘルパー制度に一律の上限を設ける中核市の中には、障害者団体がそれに対する交渉を行うと、監査権限を振りかざして障害者団体の指定事業所に過剰な監査を行い、妨害を仕掛けてくる、とんでもない市がありました。県が指定や監査指導を行うように変わると、こういった弊害がなくなります。 |
QA指定都市等は地方自治法において都道府県の役割の一部を行うものと位置づけられているが、地方分権と逆行しており、引き続き都道府県と同格とすべきではないか。なぜ今回一元化するのか。また、総務省や全国知事会等との調整は済んでいるか。
AA障害者自立支援法案においては、都道府県が一元的に、都道府県計画を定め、必要なサービス量を定めたり、施設や事業所の指定を行っている介護保険制度との整合性等を踏まえ、指定権限についていわゆる大都市特例を設けず、都道府県が実施するよう見直しを図ることとしている。
なお、障害者自立支援法案の内容については総務省、全国知事会等と調整済みである。
QB法案第29条の指定障害福祉サービス事業者の指定及び第54条の医療機関の指定は中核市に所在するものは従来どおり中核市が指定するのか。もしくは都道府県なのか。18年1月から1年間で一斉に指定させる必要があり県に過大な負担にならないか。
AB指定障害福祉サービス事業者の指定については都道府県、自立支援医療機関の指定については従来通りとなる。なお、現行の精神通院公費に係る自立支援医療機関の指定に関する大都市特例の取扱いについては検討中である。
障害福祉サービス事業者については、一定のみなし期間内に障害者自立支援法案における新たな指定を行う必要があるが、新基準を満たす事業者による適切なサービスを提供できるようにするための事務であり、ご理解いただきたい。
QCホームヘルパー等の養成を目的とした居宅介護従事者養成研修事業の指定についても都道府県に一元化されるか。
AC現在検討を行っているところであり、決定し次第、速やかにお示ししたい。
都道府県の費用負担増財政措置
解説:ヘルパー制度などほとんどの制度は、政令指定都市と中核市は今まで国50%・市50%の負担割合でしたが、新法では一般市町村と同様に、国50%・県25%・市25%となります。地方交付税はその分減りますが、交付税は市の政策の考え方により、たとえば建設部門などを重視すると建設部門に多く回るお金です。このため、今まで福祉部局の予算が平均より少なかった政令市・中核市では、この機会に本格的に交渉して24時間介護保障にできる可能性があります。このチャンスを逃さないように、いまから18年に向けて交渉を行ってください。 |
Q@都道府県は大幅な負担増になるが、財源についてはどのように手当されるのか。普通交付税等の財源措置はあるのか。また、都道府県の事務増に係る負担についても交付税措置を講ずるべき。
また、年度途中の制度変更は事務の混乱をまねかないか。
A@都道府県の費用負担や事務負担については、交付税措置とすることとしているが、その具体的な内容に関しては、今後、事務に係る実態等も踏まえて検討のうえ、総務省とも相談してまいりたい。
なお、市町村(及び都道府県)が実施する支給決定に係る事務処理費用の一部については、 国が補助を行うこととしており(障害者自立支援法案第95条第2項第1号)、また、都道府県及び市町村の事務に混乱を招かないよう、今後とも適宜、必要な情報提供等を行ってまいりたい。
市町村の事務執行
QA小規模の町村について、介護保険制度と同様に広域連合または一部事務組合方式も検討可能か。可能な場合の体制づくり、費用等対応はどうなるのか。人員も少なく、人員配置に対する手当など支援策はないのか。
AA障害者自立支援法案においても、地方自治法に基づいて、複数の市町村による広域連合や一部事務組合を行うことは可能である。特に、市町村審査会については、都道府県の役割として、複数の市町村による共同設置に関する支援(第17条)、市町村の委託による都道府県審査会の設置(第26条)が規定されており、小規模町村等に対する積極的な支援をお願いしたい。
なお、支給決定に係る事務処理費用の一部については、国が補助を行うこととしている(第95条第2項第1号)
国保連の審査支払事務
解説:介護保険同様、19年10月から請求事務が国保連に委託になります。このため、実績記録票の時間記入方法など市町村ごとのヘルパー制度運用の微妙な違いがなくなっていきます。
|
QB現在、支援費の支払事務について、支払事務を行うために設立した財団法人に委託しているが、19年10月以降に当該法人に委託することができなくなるのか
AB事務処理の効率化等の観点から、全国統一システムとして運用を行う必要があると考えており、障害者自立支援法案上、平成19年10月以降は委託先は国保連に一元化することとされていることから、国保連への委託をお願いする。(第29条第8項、附則第15条等)。
支給決定等
実施市町村(施設入所者)
Qグループホーム、福祉ホームの決定者は記述がないが、従来の入所前居住地ではなく、現在の居住地市町村が行うことに変更になるものと解してよいか。また、法でいう「入所」には従来の通所系も含まれるのと解し、通所施設についても従来通り入所前の居住地市町村が支給決定を行うと解してよいか。
A共同生活援助及び共同生活介護については、障害者自立支援法案附則第18条第2項に基づき、当分の間、入居前居住地の市町村が支給決定等を行うこととなる。
また、福祉ホームについては、全国一律の基準に基づいて支給決定を経て給付を受ける個別給付ではなく、市町村が行う地域生活支援事業として位置づけられていることから、こうした規定は適用されないが、その実施主体の取扱いについては今後検討してまいりたい。
さらに、障害者自立支援法案における、「入所」には「通所」は含まれず、いわゆる居住地特例の適用とならないことから、原則どおり、現在の居住地市町村が支給決定等を行うこととなる。
障害程度区分認定の方法等
Q@障害程度区分は非常に重要な影響を及ぼすもであり、特に知的、精神関係を中心として、現段階検討イメージを教示いただきたい。一次判定、二判定の具体的作業についても。介護保険をベースするという話しも聞くが、その程度で対応可能か。
A@平成18年1月の施行に向けて、介護的側面(介護給付)、生活支援の側面(訓練等給付)それぞれについて、現在、実際に使用されており、データも集積されている介護保険の要介護認定基準や支援費制度の障害程度区分などをベースとしながら、障害種別の特性を踏まえつつ、暫定的な尺度を開発することとしている。なお、施行後数年かけて、データの集積を図り、より精度の高い指標の開発を進める予定。
※5月頃には障害程度区分素案を提示し、6月頃には試行事業を実施する予定。
上限の扱い
Q@障害程度区分ごとの支給量で国・県は義務負担するとのことであるが、介護保険同様に障害程度区分により利用限度額を設定するのか。
A@介護給付及び訓練等給付の支給量は、各市町村がそれぞれ独自に支給基準を設定し、支給決定を行うこととなるが、国としては、支給決定の一つの参考となるよう、障害程度区分ごとに国及び都道府県が負担すべき額の基準額を設定することとしている。国庫負担は当該市町村の障害程度区分ごとの利用者数に基準額を乗じた額を上限として交付することとなり、当該上限額を超えた部分は市町村の負担となる。なお、この国庫負担上限額の適用は、市町村単位で実施し、各利用者単位で適用するものではない。また、当該基準額は、あくまでも国庫負担の基準となるものであって、各市町村が行う支給決定を拘束するものではない。
QA審査会案件で障害程度区分ごとに設定される上限を超えた量を決定する場合の費用は、全額市(の負担)になるのか。
AA審査会案件については、基準額を超える支給決定が直ちに審査会案件になるのではなく、市町村の定める通常の支給基準を超える支給決定案について、審査会に意見を聴くことができるとの運用とすることを想定している。なお、費用負担については、@の通りである。
経過措置
Q@新支給決定の実施は、18年1月ではなく、実質的には18年10月と考えてよいか。
A@市町村の新たな支給決定に係る事務処理は、準備のできた市町村から平成18年1月以降順次行うこととしており、平成18年10月には全ての市町村において完全実施されている状態になると考えている。
市町村審査会
Q@メンバー構成についての考え如何。保健、医療又は福祉に関する学識経験者の中から市町村長が任命するが、少なくとも1名以上は学識経験者から任命するか。人数は3名か。かかる経費は、国庫補助があるのか。
A@委員は、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験者(必ずしも大学教授のような学者という意味ではない)の中から任命することとなっている(障害者自立支援法案第16条第2項)。人数は政令で基準を定めることとなっているが、本年9月頃には、その内容をお示しする予定。なお、審査会経費については、平成17年度予算において、事務費補助の一部として計上しているところ。
解説:市町村審査会は、多くの市町村では、介護保険審査会の後にくっつけ、同じ場所で、ほぼ同じメンバーで開催されると予想されます。厚生労働省も以下のように「事務処理の効率性の観点から活用」と、推進の立場です。つまり、介護保険審査会のメンバーが障害者の長時間ヘルパー利用者の審査を行うことになり、非常に問題があります。市町村審査会の業務は区分の2次判定だけに限定すべきです。 |
QA市町村の事務負担増が予想されるが、介護保険の審査会との関係はどのように考えているか。
AA介護保険審査会とは制度的には異なるものであるが、委員が双方の審査会委員の要件を満たす場合や、片方の審査会の終了後、一部の委員の入れ替え、追加の措置等を講じる場合には、事務処理の効率性の観点から活用することが考えられる。
また、市町村の共同設置、市町村の委託による都道府県審査会の設置等により、小規模市 町村でも円滑な運営が図られるよう配慮しているところである。
QB障害程度区分の二次判定や非定型的な支給決定案の場合の審査とされているが、利用申請のすべての案件についての二次判定、利用計画案(ケアプラン)のすべてについての審査を予定しているのか。
AB審査会は、ア)障害程度区分の判定(二次判定)を行うとともに、イ)市町村が作成した支給決定案に対し、市町村から意見を求められた場合に意見を述べることをその業務としている。現段階では、ア)については、介護給付に係るサービスを希望しているケースを、イ)については、支給決定案が市町村の支給基準から乖離しているケース等を対象とすることを想定しており、全てのケースを対象とするものではないと考えている。
解説:ヘルパー時間数の最終決定は市町村になりますが、一律の上限を設けるような悪質な市町村はヘルパー時間数アップを求める命にかかわる障害者がいても、「審査会でOKが出ない」ことを理由にすることが、今までの経験上、ほぼ確実です。 |
QC支給量決定に関して、審査会構成は最終の決定権限は市町村か。さらに基準決定の透明性、正確性、適正量は図られるのか。
AC障害程度区分及び支給決定に係る最終的な決定は市町村が行うこととなっている。(障害者自立支援法案第21条第1項及び第22条第1項)
なお、今回の改革により、支給決定に際し、新たに障害福祉サービスの必要性を明らかにするための障害程度区分を導入するとともに、市町村が作成した支給決定案に対し、審査会が意見を述べるといった仕組みを設けることとしており、現行制度と比べ、格段に客観性・透明性の確保が図られるものと考えている。
|