4月26日 第9回障がい者制度改革推進会議

JIL記


4月26日(月)に行われました第9回障がい者制度改革推進会議の
傍聴メモ等を送付いたしますのでご確認ください。

当日は、各省庁・団体からの意見書をもとに意見陳述を行い、
東室長・推進会議構成員からの質疑に答える形で進行されました。

傍聴メモは、質疑応答部分のみになります。
ヒアリング対象からの提出資料は、下記サイトに掲載されています。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_9/index.html


■インターネット動画配信・当日資料(内閣府ホームページ)
 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi

■傍聴メモ

※このメモは傍聴者の速記メモです。正式な議事録ではありません。会場の音声が聞き取れなかった部分や、発言者の趣旨と異なる部分もあります。取り扱いにはご留意下さい。

1.日時:平成22年4月26日(月) 13:00〜17:00
2.場所:合同庁舎4号館 2階 220会議室
3.議事
 (1)省庁等ヒアリング
    ・法務省
    ・文部科学省、
    ・教育関係団体
      全国特別支援学校校長会
      全国特別支援学級設置学校長協会
      全国特別支援教育推進連盟
      障害児を普通学校へ・全国連絡会
      保護者A
    ・総務省
 (2)その他


■法務省ヒアリング質疑応答

(東)
権利条約13条、司法へのアクセスについて課題提議
中村政務官に2点総括的な質問。
1.
権利条約批准に向けて。現場の運用で、現行の刑事訴訟法の規定に基づいて
裁判所の指揮で、適正に行われているということだが、様々な配慮について義務規定がない。
法務省としては、刑事訴訟法、民事訴訟法、について改正する点がないと言う見解なのか?

2.
差別禁止法をどうつくるのか、具体的な内容として司法分野へのアクセスについても検討課題。
差別禁止法の制定に向けて、合理的配慮義務を具体的にどのように盛り込むのか。
たとえば、手話通訳の選任権・立会い権、知的障害者への理解支援、
視覚障害者への点字による交付を請求する権利。
現行の刑事訴訟法には何も規定がないが、
差別禁止法に書き込むことについて法務省の見解を。


(中村政務官)
気づかない点もあり、指摘を受けて初めて改善をしないといけないと気づく点もある。



現状、刑事訴訟法、民事訴訟法の規定・運用により、最大限努力し、保障されていると言うのが法務省の認識。
それでは足りないと言うのであれば、まず立法事実、事実の指摘をして欲しい。
手続き保障についと現行の運用について、実際内容に差があるのであれば、
どのように埋めていくべきなのか、提案して欲しい。
今の運用上のやり方では足りないのであれば、法令上の義務付けも必要かと思うが
その点についても触れて欲しい。

差別禁止法に関して。
どの法律手続き的な保障を行うのかは、立法技術上の問題もある。
障害当事者が、実質的に手続き保障をされることが重要。
法律的にどのように定めるかよりも、どのようなことを義務付けるべきなのかということを議論していただくことが
まず先決ではないか。


(東)
今後、検討の余地があるとのご意見で、少しは安心した。
立法事実については山ほどあると思っている。
以前より各方面で問題点が指摘されている。
問題点について事前に検討されて、一定の見解が得られなかったことは少し残念。


(久松)
4点質問。

1.障害当事者が手話通訳者を依頼した場合、通訳料は自己負担となっている。
 訴訟費用を今後変更するかどうかについて、ご検討いただけるかどうか
 人権条約等は、「手話通訳を無償でなされなければならない」とされている。
 権利条約でも公平・公正・対等でのコミニケーション保障を図らなければならないという考え。
 手話通訳の費用も裁判所が負担するべきではないか。
 訴訟費用を負担するという考え方を変えることができるかどうかお伺いしたい。

2.現に、手話通訳を依頼しても通訳がつかなかった事例がたくさんある。
 その実態を法務省は把握しているかどうか?

3.「聾唖者に対する筆談による配慮」、と書いてあるが
 実際に、聾唖者に筆談で配慮すると言うことで、十分だと考えているかどうか?

4.手話通訳を含め、通訳を権利として保障するかどうか明文化する必要があると考えるかどうか。


(法務省民事局参事官・佐藤)
1.まず、民事訴訟について。
手話通訳の費用について、確かに訴訟費用の一部として扱われている。
民事訴訟法61条規定で、勝訴をした当事者には、相手方に請求することができる。

手話通訳の場合、いずれにしても費用がかかる状況で、
敗訴者負担を超えて、裁判所や国など公的負担をどこまでするかは、
訴訟制度全体の検討をされる中での位置づけとなる。

2.筆談では十分でない場合について。
104条1項に、手話通訳を立ち合わせる規定があり明文化されている。

手話通訳を依頼してもつかなかった事案については。
民事事件では、そのような事実は把握してないので、ご指摘をいただきたい。

(刑事局参事官・加藤)
1.手話通訳の費用
刑事手続きにおいても通訳の費用は、訴訟費用となる。
被告人が有罪となった場合、費用を被告人が負担する可能性がある。
被告人が無罪となった場合、訴訟費用の負担はさせられない。
有罪判決の場合でも、裁判所の適切な裁量によって、訴訟費用を免除させることも可能。



現実には、費用負担がない事例が多いのではないか。

訴訟費用から除いて、完全に国の負担とするべきかどうかについては、
検討課題の一つであるとは考える。
ただし、他の訴訟費用、国選弁護人に支払われる費用も訴訟費用だが、
有罪となった被告人に払わせることが原則である。
このようなことへのバランスを検討する必要がある。

手話通訳を依頼したが、提供されなかった事例について。
現在、手元の資料では把握していない。
どのような場面で、どのような形での依頼をされ、手配されなかったのか、
改めてご教授いただきたい。

「通訳を権利として保障する」点について。
現状の運用がどうなっているのかを踏まえ、どのような場合、どのような要件の元で
通訳を権利として保障するべきかどうか、その要否をふくめて、検討したいと思う。

聾唖者に対する筆談の配慮について。
認識としては、必要に応じて適切な配慮が行われていると思うが
不十分だった場合、具体的にご教示いただきたい。

(中村政務官)
民事・刑事においても、通訳は、訴訟費用に含まれることになっている。
訴訟費用は、敗訴者負担となっており、障害当事者が原告の場合、
敗訴者が負担することになっている。
法務省としては、民事・刑事両方とも、適切に手話通訳者をつけていると認識している。



しかし当事者が手話がついていなかったなどの実例を持っていると思うので、その点事務的にも伝えて欲しい。
次の段階として。訴訟費用の負担をどのようにするべきか。
これは、裁判所の裁量にかかる部分がある。
国選弁護も費用に入る。実質的な運用については。
当事者の資力なども含めて、その範囲内で適切な負担をしていただけると思っている。



(新谷)
聴覚障害者の中で、手話通訳の利用者は20%、
聴覚障害者の中でも、筆談でのコミニケーションが多い。
意見書の中に「通訳」という言葉が頻出しているが、
その中には、要約筆記者も含まれていると考えてよいのか。
捜査段階での筆談は考えられたとしても、公判場面では、筆談はありえない。
聴覚障害者のコミニケーション方法について、どのような認識をお持ちなのか。

(清原)
1.捜査・公判段階での障害者への配慮について
聴覚・視覚障害者以外への配慮について伺いたい。
知的障害者への配慮の現状と課題の認識について聞きたい?

2.刑事施設おける、障害の配慮について。
医師以外にも社会福祉士が配置されていることも知っている。
専門家には、出所後の更正施設でも連携が必要。
刑事施設での専門家の活躍が必要。
現状と課題について伺いたい

(大谷)
立法事実について存否について承知していないと言うので驚いている。
知的障害者の刑事手続き・処遇について3点質問。

法務省の回答に、「知的・精神障害者については、
コミニケーションが可能な保護者等の同伴をもとめ、必要に応じて同席させている」と言うが
基準・内規が存在しているのか。
規定がなければ、現場において恣意的な運用がなされているように思う。

取り調べ段階での可視化について検討しているということだが、
知的障害者は誘導されやすいということが障害特性として共有されている。
特に知的・精神障害者については、全面可視化されることが検討されているのか。

次に、浦安での知的障害児の性的虐待事件について。
刑事事件で無罪、民事事件で損害賠償が認められている。
刑事手続きで無罪になった時に、知的障害者の性的被害については
捜査段階・公判段階での支援が必要。
でないと立証がほとんど不可能になってしまうと、マスコミでも指摘されてきている。



取り扱いの進行状況について聞きたい。

次に、知的障害者の刑務所の処遇について
能力検査は、刑務所内での処遇に役立てるため、とのことだが、
検査によって、IQ70以下の人にはどのような処遇がなされているのか。
刑務作業が、居室での内職業務などに従事させている。
結果的に、昼夜独居拘禁が行われているのではないか。
法務省の見解を。

(竹下)
3点質問。
1.知的・精神障害者の立会いの問題。
必要に応じて立会いを認めているとのことだが、誰にとっての必要に応じてなのか。
捜査課にとっての必要性なのか?
知的障害者・精神障害者およびそれらの保護者によって立会い人の必要性の指摘・要請によって
受け入れているのか?

2.聴覚障害者が自らのために手話通訳者を取り調べなどに立ち合わせている事実があるのか。

3.司法関係者への研修について
回答書に「人権に関する研修を設けている」と書かれているが、中身が分からない。
障害への理解を深めるために具体的にどのような研修が実施されているのか。

(関口)
立法事実について。
視覚障害者が家宅捜査をうけて、押収物のリストを渡す際にカーボン紙を渡された事実があった。
つまり、裁量に任せていてはいけない。、一定の義務付けが必要であるということ。

推進会議の6回の資料にもつけているが、精神科医が、矯正施設に少ない。
医療刑務所に行くと、満期。仮出所がない。
いま、知的障害者については、早めに出して社会資源に結びつける試みもあるようだが



精神障害者で責任能力のある人は、当然刑務所に行く。
当然、薬が必要であるが、非常に貧弱である。
刑務所の医療を厚労省に移管してはどうか?

(土本)
適切な配慮というのは、誰が判断をしているのか
弁護士だけではなく、裁判では分かりやすく説明してくれる支援者が必要。
知的障害者には配慮がされていない。
札幌3丁目食堂で、刑事告発をしたが不起訴処分にされた。


(中村政務官)
時間内で全ての論点に答えることは難しい。
不足部分については東室長と事務方で協議をしつめた回答をしていく。

聴覚障害者は、手話がわかる人ばかりではないというのは重要な指摘である。
手話が分かる人が聴覚障害者全体の20%であるというようなことは、
全ての職員が共有・理解しないといけない。
しかし、組織全体で把握し、教育が徹底されているかどうかは、
なかなか自己認識できない部分もある。
立法事実を摘示していただき、また具体的な改善策を検討していく必要がある。

(法務省・中村)
聴覚障害者の筆談の重要性は認識している。
筆談の活用も行われており、要約筆記も現場で使われている。
公判では、筆談はありえないという話について。
刑事訴訟法175条・176条に国語に通じないものや聴覚障害者に対しては、
通訳人に通訳をさせなければならないなどの規定があり、それにもとづいた適切な運用がなされている。

次に、知的障害者への配慮について
取調べでの配慮について検察当局全体として、
被疑者の状況を踏まえて取調べをおこなうことについて明確な文書による指示がある。



弁護人の取調室での立会いではないが、弁護人の接見については格段の配慮をしている。



配慮を行う際の、「必要に応じ」とはどのような時か。
取調べの性質上、コミニケーションがどうなっているのかは、十分に考えていく。
その過程の中で、保護者等の同伴を求めていくということもありうる。

司法関係者への障害理解の研修の内容について。
多数の研修を実施している。
障害者の様々な状況、テーマをとりあげ研修をおこなっている。

(法務省・加藤)
知的障害者への取調べの可視化についてのご指摘について。
現在、法務省・政務三役を中心に勉強会を開催し、精力的に検討中。
被疑者によっては誘導されやすい障害特性についても十分に考慮して検討していきたい。



(法務省矯正局・松田)
刑事施設では、福祉支援が必要な受刑者への支援を促進する観点から、
社会福祉士・精神保健福祉士などを順次配置している。
社会福祉士は、71施設に配置。
精神保健福祉士は、12施設に配置。

福祉支援が必要な受刑者に対して、刑務所出所者への円滑な支援施策を展開している。



各都道府県に設置予定の「地域生活定着支援センター」との連携を考えている。

CAPAS検査能力によるIQ60以下の受刑者の処遇について。
一般受刑者と同じ工場に出て作業をすることが難しい場合、
養護工場で働かせる、軽作業、パーツのくみたて、袋詰めなどの簡単な作業を実施している。
医療刑務所では、窯業や園芸、紙細工などの作業をやらせていて
部屋の中に閉じ込めるような処遇は行っていない。

関口委員からの質問の「刑務所の医療を厚労省に移管してはどうか?」という議論について。
刑務所においても医療法の適用があり、社会一般と同等の医療水準をもつことが規定されている。
厚労省への移管については相当な議論と検討が必要である。

(山崎)
人権救済機関の設置について。
障害者が差別された場合、政府から独立した人権救済機関の現時点での検討状況について聞きたい。
条約33条、2項で、モニタリング機関設置の義務付けられている。
法務省ではどのように検討しているのか?

(中村政務官)
人権救済機関の設立について。
法務省で勉強会をつくり、鋭意検討中。
障害者への人権侵害・救済機関については、法務省の人権擁護機関など
現在の機関を活用してもらうことも一つの方法だが、
当事者に知られていないのでまず周知徹底をすることで解決していきたい。

(藤井)
人権救済機関に関する法案を出す大まかなめどは?

(中村)
法案の提出時期は、閣僚委員会での議論をまってとなる。
4年も5年もかからないように努力したい。

(藤井)
現状認識とのギャップがあるという印象を受けた。
合理的配慮について、今後もつめた論議が必要。
未回答の内容については、文書で室長に回答を。


■文部科学省ヒアリング

(東)
1.前提の認識を伺いたい。
総論で、インクルーシブ教育を進める上での物的人的支援、財源の必要性を訴えているが
財源があれば、インクルージブ教育は可能との認識なのか?

2.即時的にインクルーシブ教育を実現するような前提から見て
権利条約が求めるものと現状とは大きく隔たっていうると言いたいのか。

3.政権交代前の民主党から出された制度改革推進法案の9条には、
義務教育制度について「統合教育を基本とし、希望する時には支援学校での教育を
受けることができる」と書いてある。
推進法案に書いてあることと、今回の文部省の回答は矛盾していものなのかどうか。

4.文科省の出した意見書の7ページで
「保護者に全面的に決定をゆだねることは、慎重な検討が必要」とした上で、
就学先の決定権は、あくまで教育委員会とされている。
その結果、保護者には選択権がないと。
保護者の選択権と行政の決定権は、両立し得ないとの文科省の認識なのか?

5.意見書の7ページの1つめでは、「就学先の決定を見直すことを検討している」と書いてあるが
8ページでは、就学先の決定を教育委員会がすることに特段の問題点はないとのこと。



法改正ではなく施行令の改定として検討しているのか?

6.教育基本法において、差別禁止条項がなくても問題ないとの認識だと思うが
障害に基づく差別について明文化することは、必要があるとの考えか?

(藤井)
保護者の希望と行政の決定権との関係性についてが争点。

(高井政務官)
きめ細かな相談をすることで決めることができると思っている。
保護者との話し合いで、きめ細かく対応できる。

(東)
プロセスの問題ではなく、法的な意味での決定権はどこにあるのか?

(高井)
通知を出すと言うことであれば、設置者になる。

(東)
行政が決定する要件として、保護者の同意・意向を組み入れることが可能なのかどうなのか?

(高井)
話し合うことで意向を組み込むことはできるが、
決定権の中に保護者の同意を法的に組み込むことが、今求められているということか?



(福島大臣)
文科省にお願いです。
差別とは何か。
「本人が行きたい」と、いっているのに「来るな」と言うこと。
分離を結果的に強制されることが差別。
文科省として、本人の選択権を最大限尊重していくことを明言して欲しい。


(高井政務官)
最大限尊重するということで、私はそう理解していた。



(藤井)
同意が前提ということでよいか?

(福島)
最大限に意思は尊重するが、お金がかかるので入れないということになるのか。
ぜひ、親・子供の選択権を保障するといういことに踏み込んで欲しい。
実際、行きたいけど行けないという現状がある。

(高井政務官)
本人・親の同意のもとで決定されていると理解していたので
そうなっていないというご指摘であれば、検討していく。

(東)
法的な意味でのプロセスをどうするかという問題と、
同意の有無というのは、違う次元の問題と考えていただきたい。
最終的には保護者の意見も参考にするというレベルの話と思うが
原則的に保護者の同意がなければ、行政は違った決定ができないということが同意権の話。
それが法的には違うということを認識した上で、検討していただきたい。


(佐藤)
親の選択権を原則として尊重するということには賛成。
しかし、親が全て決定できると仕組むことは適切かどうか。
行動障害の場合や、親が虐待目的で選択するなど
100%親の選択で、本人の利益を尊重することができるのか

(東)
誤解が生じやすいが、基本的に権利を認めたうえでも、例外はある。
権利があれば100%すべて拘束されるということでは決してない。
無制約の権利はない。

■教育関係団体ヒアリング
 全国特別支援学校校長会
 全国特別支援学級設置学校長協会
 全国特別支援教育推進連盟
 障害児を普通学校へ・全国連絡会
 保護者A

ヒアリング提出資料
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_9/s3.html

(門川)
文科省の意見は、インクルーシブ教育についてほとんど触れられていない印象。
インクルーシブ教育がベースあり、次に特別支援教育があるのではないかと考えるが
文科省は人的・物的にも予算がないのでできない、と言う。
障害のあるなしにかかわらず、一緒に教育をうけることは基本。
文科省がインクルージブ教育を推進しないことに納得できない。

(藤井)
お金があれば解決するのか?
原則、統合についてどう考えるか?

(尾上)
自分が求める教育を受けられることが大事。
3月19日の推進会議でも報告させてもらった。
保護者の意見の聴取のプロセスはあっても、地域の学校に行く権利が定められていない。


奈良でも12歳の女の子が、三ヶ月遅れで地域の学校に入学した。
現在の仕組みを、インクルーシブ教育に変えていかないといけない。
地域の学校に入れても合理的配慮がえられない。
プロセスももちろん大事だが、権利としてきちんと認められているかが大事。
合理的配慮の中には、2Fの教室を1Fに移すなど、いろんなやりかたができる。
添付資料2は、いかがなものか。
インクルーシブ教育にすると今までより10倍もの予算がかかる、という資料。
障害をもつ児童が地域の学校に行くことをなぜ文科省は嫌がるのか。

(藤井)
障害をもつ児童のために、というのはみんな同じ。
多くは、特別支援学校の存在は否定しない、というのが大きな共通項ではないか。
しかし、普通学校への道があまりにも狭い。
権利条約が示した、原則インクルーシブというのは、日本でも世界で一致している。
お金の問題なのか、あらためてどう考えるのか?

(文科省、斉藤)
インクルーシブ教育について、実際は小中学校への体制整備、やっている。
今後目指していく上で、統合教育と特別支援教育は矛盾しない。
必要な体制整備、セットで書かれている。
保護者の方の意向とかみあわずに裁判になったケースもあるが
人的体制、環境整備がされていなかったことが理由のひとつではないか。
専門性のある教員の確保、財源確保を前提としたシステムの構築
教育のカリキュラムをどうするのか、必要な専門家の確保。
きめ細かな対策。リソースを拡大しながら前進的にやっていく。

奈良件の事例について
奈良県教育委員会からの報告では、
十分な調整が行われ、意見聴取の仕組みがありながらこうなった。
就学先決定プロセスについては、見直しの方向性。
保護者の実質的な選択権をどのように担保できるか。

保護者の意向がとらえられない状況、他のお子さんに危害を与える危険性、など。
留保を考えざるをえない。。


(竹下)
3点。
1.全国特別支援教育推進連盟の意見で、「選択権は保障されるべき」、と書いてあるが、実際には保障されていないが。
2.専門性を主張されるが、現在の特別支援教育で、教職員の専門性が否定されている現状についてはどう考えるか?
3.学籍一元化について。予算措置の面から、特別支援学校の危機と書いてあるが、
  学籍一元化は、「間違っているのか?」「正しいとの前提なのか?」


(長瀬)
条約交渉のプロセスの中で、文科省もインクルージブ教育に方向性を変えたと。
条件闘争に移られたと考える。
資料11ページ。
ろう教育の中で、手話を用いた教育をどのように実現できるのか?
教育の中でも、特別支援学校も選べるし、地域の学校も選べる。ことが必要なのではないか。


(全国特別支援教育推進連盟・佐竹)
親がおれない限り、親の意思が固ければ、親の意思どおりに決定をされていると思っている
実際には、学校に何も配慮がない状態で、どうやって通学するのか。
特別支援学校でも親は必要に応じて介助に入っている。
学校に丸投げではない。

(障害児を普通学校へ・全国連絡会・徳田)
障害児の両親は、2歳3歳から別の学校に行かないといけないと思い込まされてくる。
どんな重度の障害があっても普通学校に席を持つことを大前提にしないと
結果的にふりわけるような結果になってしまう。
ともに学びあう教育が実現できないと思う

(保護者Aさん)
検診で障害が見つかると、あたりまえのように分離が始まる。
訓練を進められ、障害を克服することが求められる。
特別な子供ではなく、一人の子供として認めて欲しい。


(文科省・斎藤)
改正指導要領を徹底していく。
就学段階への移行期について、これから制度をつくる段階。
寄宿舎は、通学の便のため。決して分離のためではない。
残して欲しい、という要望もある。


■総務省

(久松)
1.選挙権・被選挙権の欠格条項について諸外国での状況は?
2.投票所のバリアフリーについて
  知る権利、情報アクセスを権利として保障されているのかどうか。知る権利を十分保障されていないと理解してよいか。
3.公平・公正が多用されているが、誰にとっての公平・公正なのか。主語を明確にして欲しい。


(総務省政務官)
公職選挙法の1条に目的規定。
自由に表明する意思が確保されないと、公職選挙法の目的が達成できたとは言えない。



1.諸外国でどうなっているか?
イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、選挙権の制限あり
イタリア、カナダ、ロシア、精神的に能力の低い方について制限はない。

2.知る権利:障害者にとって、等しく情報が提供され受け取られないといけない、という主旨が明快である。

3.公正・公平の意味
公職選挙法が選挙運動の自由、投票の自由、有権者の権利二つの側面がある。
公平公正についても二つの面から考えないといけない。
どこの部分をさしているかによって変わってくる。

(久松)
障害者が政治に参加する権利が保障されているのかどうか。
いままでこの問題に取り組んで3〜40年。あらゆる政党に聞いても字幕・手話通訳は必要との回答。
政党の審議にゆだねるという総務省の回答に納得が行かない。

(新谷)
次の参院選にむけて、NHKと交渉中とのこと。
すべての国民が政見放送にアクセスできるということは、国民の権利。

(清原)
選挙に関する情報提供。
インターネットを選挙期間中に候補者が情報提供手段にできるとのこと。
放送以外に、インターネットも有効だと考える。
多様な情報保障、どの時期と考えているのか。

参院選で間に合う範囲は何か?

(総務省・政務官)
字幕について、法律の改正は必要なし。
原口大臣はぜひやりたいとのことで、鋭意交渉中。
与野党間で合意がまとまれば、速やかに成立する。

(竹下)
44都道府県でしか、選挙のお知らせも点字で提供されていない。

(大久保)
成年後見人の欠格条項の件。
選挙権をみとめることと、成年後見人について、選挙権とどう関連するのか?

(堂本)
この会議は、当事者が半分以上。
政治家である政務官に。
ノルウェーなどで実施されている障害者のクウォーター制などについての見解は?

(新谷)
政見放送について候補者の持ち込みビデオが、政党間で禁止されていると言うことは、


政治が解決するべき。
政党間ですぐに合意し、自前で字幕をつけたビデオを持ち込めばすむ。
衆議院の小選挙区はすでにそうなっている。
同じ方式をとれないのか?


(総務省・政務官)
持ち込みビデオの解禁について。
一部極端なことをいって、公序良俗に反する政党が出てくるとのこと
引き続き検討の必要がある。

選挙公報の点字化を制度化することは、従来からの課題。
限られた期間に点字版の作成をできるのか、現実化にいたっていない。

クウォーター制については、障害を持っている方だけでなく、
少数派の意見をどのように反映していくのか、というのが大事。

点字のお知らせを出せないのか?
全ての都道府県にお願いしている。できるだけ実施ができるように強くお願いしていく。



(森)
選挙権、被選挙権を有しないもののうち成年被後見人以外はどのような人か?


(総務省)
禁固以上、執行を受けるまでのもの、刑の処せられて執行。刑罰に関すること。
その中で成年後見人をまじえるのはどうなのか?という点については、おっしゃるとおり。

(土本)
ふりがながふっていないのに、わかれというのは難しい。
選挙公報も選挙のはがき、お知らせも。選挙に行く場所もわかりづらい
もう少し配慮が必要。


■次回、5月10日(月)

省庁ヒアリング、
 ・厚労省、
 ・総務省
 ・国交省を予定。


■次々回、5月17日

 省庁ヒアリング

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