第49回社会保障審議会障害者部会の報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

12月15日、第49回社会保障審議会障害者部会が開催されました。

今回は報告書案のとりまとめで、 4月から開催されてきたこの部会も、今回で一区切りとなりました。

今回は報告書についての追加修正の議論というよりも、 報告書全体についての感想や、今回の部会での審議内容、 今後の見直しの進め方についての意見や質問をする委員が多くいました。

委員から主に、
・様々な意見は出たが、議論は深まらなかった。
・一歩前進だが、所得保障・障害の範囲など残された課題も多い。本来の目的を達していない。
・この報告書がどのように扱われるか、運用面で反映されるのか。
・報告書の内容が与党PTの「抜本的な見直し」値するものか疑問がある。
・介護保険統合の議論は国民の意識を障害者施策に向ける議論をすべき
といった趣旨の発言がありました。

語句の修正では9pの「受け入れ条件が整えば退院可能な長期入院患者」とういう表現を 「社会的入院患者」として改めるように委員が発言し、他の委員も賛成の意を表しましたが、 厚労省事務局はこれを頑なに拒み、最終的に部会長と事務局が調整することになっています。 社会的入院という表現を拒むことは、この問題に対して、行政の責任を逃れたい 姿勢が見え透いているように思います。

今日の議論を含め若干の文言修正を加え、 近日中に報告書が出されます。

厚労省側の説明では、今後この報告書を元に厚労省は 法律改正事項に関しては来年の通常国会に提出すべく作業をすすめます。 その他運用面での政令、省令、通知などは今後も関係団体と調整を続け、 具体案をつくっていくとのことです。

前回の部会の報告でも書きましたが、今回の報告書は甚だ不十分な内容です。 法成立時の附則や付帯決議にあげられた検討事項、例えば障害の範囲、所得保障に関しては ほとんど議論がないまま、先送りにされて、3年前から全く進んでいません。 課題になっている事項について、運用面での見直し、規制緩和や対象拡大にとどまっていて、 法律の大きな枠組みや制度を大きく変更していくものはほとんど見あたらず、 当初いわれていたまた与党のいう抜本的見直しにはほど遠いものです。 部会の各委員は最後の回ということもあり、自画自賛をしている意見もありましたが、 到底納得できるものではありませんし、この部会の意義や存在価値に疑問を持たざるを得ません。

また、今後の制度改正についても 厚労省のフリーハンドとならないように、 不十分ではあるが、少なくともここに書かれていることをが どのように具体化されていくか、3pの基本視点に書かれているように、当事者中心に 制度変更がされていくのか注視する必要があると思います。

今回の資料掲載
http://www.j-il.jp/jil.files/siryou/shahosin/syahosin081215.htm

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