第43回社会保障審議会障害者部会の報告

自薦ヘルパー推進協会本部事務局

第43回社会保障審議会障害者部会が開催されました。

今回は、個別論点として、 サービス体系、障害程度区分、地域生活支援事業がテーマとして設定されましたが、 資料説明も分量が多く、またそれに対する出席委員から多くの意見が出されたため、 サービス体系と障害程度区分の議論がされるのみになりました。

前半のサービス体系については小項目として 基本となる考え方、日払い方式、日中と夜間、標準利用期間、新体系への移行などが あげられていましたが、議論のほとんどが施設報酬の日払い方式か月払い方式かの 議論に終始した感があります。

厚労省の出した資料や事業者団体の委員からは、日払い方式では事業者が安定的な運営確保、 質の高いサービス提供ができないという意見が出されていました。 また精神障害者の施設では、日によって体調の波があり、 毎日通うのは厳しいため、日払い方式はなじまないという意見がだされました。

利用者の立場からは日払い方式により選択の幅がひろがることはメリットだが、 日払いにより多少体調が悪くても、通所せざるを得ない状況があることが示されました。

そして、日払い方式と報酬単価が下がったことが同時で議論が混乱しており、 これを別々に議論した方がいいのではないか、という指摘が出され、 日払い方式にしても、安定的な経営確保でき、質の高いサービスが提供でき、 利用者本位の制度になるにはどうすべきかを考えるべきである、 精神の問題についてもキャンセル料などを考えてはどうかといった意見がだされています。

日払い方式にすることと、サービスの選択肢がふえることや事業者間の競争で質が高まるというのは 別のロジックではないか、選択肢がふえたというならばばその実態をデータとして示す必要がある との指摘もありました。

また、ここでは 訓練等給付の標準利用期間の延長してはどうか、 昼夜一体型のサービスもいるのでは、 といった意見がだされています。

後半は 障害程度区分について議論が行われ、 もともと介護保険の要介護認定ベースのもを見切り発車でつかってきたものだ、 2次判定の変更率が高く、1次判定がほとんどでないのは問題である、 精神、知的、発達障害、コミュニケーション障害、内部障害などが障害特性が反映されるよう 根本的に見直すべき、といった意見が相次ぎ、 厚労省は「大幅に見直すつもりである。見直すと言ってもデータや根拠をベースに持ってやらないと。 現在、調査を団体にお願いしている。なるべく早くやりたいが、関係団体の合意を得てやっていきたい」 と大幅に見直すことを明言しました。

(資料2−@p20には、現時点での見直しスケジュール案が示されており、 平成24年度からの本格運用を目指すようです)

障害程度区分については議論の時間もなく他の論点(障害程度区分の利用のしかた、 =サービス利用者の範囲、国庫負担基準)についてはほとんどふれられませんでした。

また、3つめのテーマである地域生活支援事業は次回に持ち越しとなりました。

次回は11月12日開催予定です。

なお、今回の会議資料を下記に掲載しましたのでご参照下さい。

http://www.j-il.jp/jil.files/siryou/shahosin/syahosin081106.htm

詳細な傍聴メモは後ほど上記に掲載いたします。

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