問題発生  調整金がグランドデザイン案から削除されました 。

 調整金が、自治省の「交付税と目的が重複する」との反対で、削除されました。

 調整金については、もともとの厚生省案自体も良いものではないのですが、完全になくなるとさらに問題が広がります。

たとえば、

  • 小さい市町村で、1人最重度障害者の1人暮らしなどが出ると、国庫補助基準を超える事が多く、問題です。(もともとの厚生省案ではこれが解決できない)

  • 国立筋ジス向け病院のある沖縄県宜野湾市や福岡県筑後市などでは、筋ジスの最重度障害者が多く病院を出て地域で1人暮らしを行っていて、ヘルパー予算が国庫補助基準を超えています。しかし、1人1人の受けられるサービス水準は高くはありません。

  • 施設等からの地域生活移行を支援する自立生活センターのある小規模市町村でも同じ現象が起きています。

 これら特殊な地域は重度障害者の1人暮らし数などに応じた救済が必要です。  (施設や病院からの地域移行の際には、通院に便利なように、元いた病院の同一市内にアパートを借りて暮らすのが普通。特定の市町村に負担が集中している。)

解決のためには、特別の理由がある市町村には、国基準(義務的経費)を超える市町村にも、その超えた分には国庫補助金(義務的経費ではなくて良い)をつけられるようにすべきです。

 1人暮らしの重度障害者と、健常者家族との同居の重度障害者では、必要なサービスが全く違います。国立筋ジス病院などがあると1人暮らしの割合が大きく違うが、市町村全体の重度障害者の数は、ほぼ同水準です。このため、重度障害者数で調整金を実施しても解決しません。具体的な調整金のような補助を行うならば、1人暮らしの最重度障害者の数などを指標に補助を実施すべきです。たとえば、1人暮らしの最重度障害者の数に応じて義務的経費以外で定額補助を実施することも検討すべきです。

 または、大きく発想を変え、施設入所の場合に適用される住所地特例(施設入居前の市町村が費用を負担)を、施設等からアパートに転居し1人暮らしをした場合にも適用するなどの方針転換が必要です。

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