政党別マニフェスト(障害者関係)


民主党、マニフェストに介護保険に障害者を統合する方針を掲載

介護保険のエイジフリー化(障害者を介護保険に統合)が書き込まれてしまいました。
民主党が政権をとると、このマニフェストに掲載したことは必ず実行しなくてはならないことになります。

  障害者関係部分の抜粋  

(3)介護保険の適正化、障がい者福祉の拡充に取り組みます。

@介護保険制度の適正化をすすめた上で、エイジフリー化を実現します。
今後高齢化が進展する中でも制度の持続可能性を維持するために、不要不急の介護ニーズの掘り起こしや不適正・過剰な給付などを排除し、信頼できる介護保険制度をめざします。予防介護の適切な実施などの適正化を行いながら、2005年の法改正で先送りされた被保険者と受給者の範囲の拡大(介護保険のエイジフリー化)を2009年度から実施します。また、在宅生活を続けられるよう、必要なサービス供給量を確保します。
あわせて、地域の実情にあった創意工夫により、できる限り在宅生活が続けられる介護施策と、都心における介護付住宅の整備やバリアフリーのまちづくり、高齢者医療の充実などを推進します。

A障がい者福祉政策を改革します。
現在、急速に顕在化しつつある障がい者のニーズの動向を見極め、その水準を把握した上で、より総合的で適切な障がい者福祉制度を構築します。精神障がい者についても、同じ水準をめざします。所得保障制度の確立を含め、障がい者福祉予算の拡充を行うとともに、障がい種別(身体・知的・精神)ごとに分かれ、その他の障がいや難病などに対応できていない現在の障がい者政策・法制度を抜本的に見直し、包括的な障がい者福祉法を制定します。

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民主党が「民主党マニフェスト重点項目」という文書を配布しました。

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(解説)

介護保険と障害者施策については・・・

障害者自立支援法の政府案は「所得保障を置き去りにしているから」反対・・・・と書いており、さらに、介護保険をエイジレスにする(障害者を介護保険に入れる。年齢に関わらず介護保険の対象にする)とかいています。

ということは、所得保障をやった後は自立支援法や介護保険でいいということのようです。

ただ、「在宅生活が続けられる介護保険制度をつくります」とのことです。
(民主党の大多数は「小さい政府志向」の議員ですので、これ以上保険料は上げられないので、在宅といってもデイサービスやショートステイをヘルパーとセットで提供する小規模多機能サービスを念頭においているのではないでしょうか)

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国庫補助金廃止について

生活保護以外の国庫補助金は全廃して一般財源化や一括交付金にするそうです。

「一括交付金は、「教育」「社会保障」「農業・環境」「地域経済」などの大くくりで地方へ交付し、そのくくりの中で地方が自由に使途を決定できる」方式だそうです。

(シュミレーション)
現状で、このような方式になるとヘルパー制度は伸びなくなり、入所施設とグループホーム(身体障害もGHに)という施設型施策にお金を使う市町村が9割以上になると予想されます。ヘルパー制度は1人暮らしに対しては最もコストがかかるので、たとえば、ヘルパー制度に1日4時間程度の上限を設け、それ以上重度な1人暮らし障害者は、施設やグループホームのような共同住居に入るよう強制する市町村が過半数になると思います。(たとえば、海外でも、カナダオンタリオ州などはこのようになっている)
(シュミレーション終わり)

(解説)

 障害者団体は、ヘルパー制度は国庫補助をやめないように与野党に要望してきました。これは、ヘルパー制度がまだまだ地方の市町村には、まだまだなじみがなく、どんどん伸ばしていかなければいけない時期だからです。

 そのため、現状は、ヘルパー制度は、75%の補助がつく制度で、市町村の負担は4分の1ですむことにより、ヘルパー制度のレベルアップが進んでいます。

 たとえば、ある重度の障害者が施設から自立してヘルパー制度の上限を今までより伸ばす必要があり、それに、1000万補正予算がかかるとしても、ヘルパー制度の市町村負担は250万円ですみます。  これなら小さな村でも無理なく補正予算が組める範囲です。(村道の補修を少し伸ばせば、これくらいは確保できる)

 これが、一括交付金ではゲートボール場であろうが福祉会館の建設であろうが保育施設であろうが自由に使えるお金になるため、票のとれない重度障害者対策に回ってくる予算は非常に少なくなります。  こうなると、1000万の補正予算は「1000万」と評価され、(今は250万と評価されている)、重度障害者のヘルパー制度は、ぱったり伸びなくなる恐れが強いです。



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以下は、民主党マニフェスト重点項目から障害者に関係することを抜き出しました 関係する部分のみの抜粋です

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日本刷新 8つの約束
(民主党マニフェスト重点項目)

2.安心・安全で格差のない社会・身近な幸せの実現
― 社会保険庁を廃止し、年金を一元化します。

民主党は、「身近な幸せ」を創造していきます。国民生活のセイフティ・ネットを確立し、将来に対する不安を解消します。また、男女共同参画、年齢差別禁止、パート均等待遇、障がい者差別禁止と自立の福祉など、公正な社会を創り上げることも国の重要な役割です。年金を一元化し、質の高い医療制度を整備して、国民の健康な生活を守ります。

○ 年金制度を一元化し、保険料率を15%以内に抑えます。年金目的消費税の導入により月額7万円の最低保障年金を実現します。年金不信の元凶である社会保険庁は廃止します。

○ 「がん」と正面から闘います。全国360カ所のがん拠点病院に「情報センター」を設置するとともに、がん患者が最良の医療を選択できるよう制度を拡充します。

○ 新たな高齢者医療を創設します。カルテ開示・明細発行義務化など透明性の高い医療改革を進めます。

○ 障がい者政策〜所得保障で自立支援、包括的な法整備を行います。所得保障を置き去りにした政府提出の障害者自立支援法案には反対です。

○ 在宅生活が続けられる介護保険制度をつくります。ムダを排除した上で、介護保険のエイジフリー化を実現します。

4.分権革命 ―地域のことは地域で―
― 地域の工夫を引き出すため、ヒモつき補助金18兆円を、地方の財源に切り換えます。

民主党は、官主導社会と決別し、民主導社会を創造することを目標としています。国と地域の役割分担をはっきりさせ、「補完性の原理」に基づき、地域のことは地域で決める分権社会を創り出します。このため、何よりもまず、地域の自立を支える財源を保障します。また、公益法人改革やNPO支援を強化し、自治を担う「地域力」を育てます。

○ 現在約20兆円の補助金のうち、生活保護などを除く約18兆円を廃止し、3年以内に税源移譲5.5兆円と一括交付金12.5兆円に切り換えます。一括交付金は、「教育」「社会保障」「農業・環境」「地域経済」などの大くくりで地方へ交付し、そのくくりの中で地方が自由に使途を決定できる財源です。従来の「ひも付き補助金」とは違い、中央への陳情も原則不要になります。

○ 人口30万人程度以上の基礎自治体に対しては、政令指定都市と同等以上の事務権限と財源を移譲します。

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民主党マニフェストはここで見られます

民主党のマニフェスト原案 全文1  全文2 全文3  全文4  全文5  全文6

全文(ワードファイル127Kb)


自民党のマニフェストの障害者関係

  自民党のマニフェスト (自民HP http://www.jimin.jp/ から政権公約を選択)は、

「自立支援法の成立を目指す」というだけの、あっさりしたものです。

・三位一体は引き続き進めることは載っていますが、従来どおりの内容です。
・介護保険のことはすでに決まった老人の改正のことしか載っていません。障害者についての記述はありません。

013. 介護保険制度改革の着実な実施(介護予防、地域介護の推進)

将来にわたり持続可能な制度とするための、介護予防の推進、在宅と施設の利用者負担の公平性の確保(ホテルコスト・食費等の見直し)、認知症や一人暮らしの高齢者を地域で支える新サービス体系づくり等、本年改正された制度全般を着実に実施するとともに、末期がん患者へも介護保険を適用する。

016. 障害者の自立した地域生活を支援するための施策を推進

すべての障害者が必要なサービスを受けられるよう、サービスの地域偏在の解消を図りつつ、遅れている精神障害者の保健福祉施策を含めハード・ソフトの基盤を抜本的に充実強化する障害者自立支援法案の早期の成立を期する。雇用と福祉の連携による福祉的就労から雇用への移行等を目指した改正障害者雇用促進法の着実な実施を進める。

017. 三位一体改革の推進

19年度以降も地方の意見を尊重しつつ、一般財源を確保のうえ、地方分権をさらに推進するとの展望のもと、当面18年度までの三位一体改革の全体像(補助金廃止4兆円、税源移譲3兆円規模、地方交付税見直し) を確実に実現する。


自民党マニフェスト全文は以下に掲載されています

衆院選:自民党のマニフェスト全文(1) (2) (3) (4) (5)止


公明党マニフェスト抜粋

障害者関係を抜き出しました。障害者の介護保険への組み入れは盛り込まれていません。障害者自立支援法についても、まったく記載がありません。

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1.まかせて安心! 子育て支援・年金・医療・介護!
−−公明党の「一生まるごと安心パックプラン」

(4)介護−−「介護予防」で元気な長寿を実現

 高齢者ができるだけ介護に頼らず暮らせるよう、介護予防10カ年戦略を着実に推進。筋力トレーニング、口腔ケア、栄養改善など、個別のニーズに合ったきめの細かい介護予防を進めます。

・ニーズが高まる認知症高齢者グループホーム、小規模多機能施設など、地域の実情を踏まえ、必要な施設体系の整備・充実を図ります。
・地域福祉権利擁護事業等、権利擁護の体制を充実させ、認知症高齢者、独居高齢者をリフォーム詐欺などの被害から守ります。

(5)障害者福祉・共生社会めざして

・発達障害者支援法の施行を踏まえ、早期発見・早期療育・教育・就労等、地域における一貫した支援体制の構築を図るとともに、発達障害支援センターを全都道府県に整備します。
・地域生活における障害者の生活基盤となるグループホームや福祉ホームを2007年度末までに6・5万人分の整備を進めます。小規模作業所の新事業体系への移行支援を行い、地域における作業活動の場などの受け皿作りを推進します。
・福祉的雇用から一般就労への移行推進のため、トライアル雇用、職場適応援護者(ジョブコーチ)の拡充により、2008年度に行われる障害者雇用実態調査において、雇用障害者数を60万人にすることをめざします。

3.保証します! あなたの安全、暮らしの安心!
−−公明党の「6つの安全・安心プラン」

(5)バリアフリー・ユニバーサル社会の形成推進

・2010年までに、1日乗降客5000人以上の全ての駅ならびに周辺地域のバリアフリー化を実現します。
・コミュニティーバス、低床バス、福祉タクシーを倍増します。
・段差解消、車イス通行可能な廊下等のバリアフリー化住宅を、公営住宅全体の5割まで高めます。
・すべての人が互いにその人権を尊重しつつ、責任と権利を分かち合い、その個性と能力に応じてそれぞれの力を十分に発揮しながら、誇りを持って自立できるユニバーサル社会の形成を推進するため、基本理念等を定めた「ユニバーサル社会形成推進法」の制定を推進します。


▼経済の活性化へ、構造改革を加速・強化

○社会保障にかかる財源のあり方の検討なども踏まえ、2007年度を目途に消費税を含めた抜本的税制改革を実現します。  
○三位一体改革、社会保障制度改革、税制改革、歳出改革等を着実に実行することにより、2010年代初頭の国と地方を合わせたプライマリーバランス(国債費や公債金収入を除いた財政収支)の黒字化の実現をめざします。

2、地方分権について

▼三位一体改革の着実な推進  

○現在、「官から民へ 国から地方へ」というスローガンのもと政府・与党で進めている三位一体(国庫補助負担金・税源移譲・地方交付税)の改革は、郵 政民営化と並ぶ構造改革の要でもあります。
 公明党は、2006年度までの改革において、今後も引き続き、概ね3兆円規模の税源移譲をめざし、地方の自由度を拡大するための国庫補助負担金の改革を行います。税源移譲については、所得税から住民税への本格的な移譲を実現します。
○2006年度以降の改革については、最終的な国と地方の税源比率を1:1とすることをめざし、これまで同様、地方団体としっかりと協議を行い、地方分権の趣旨に沿った改革となるように進めていきます。
 また、21世紀の持続可能な行財政システムを構築するために、道州制の導入ということも視野に入れた国と地方の関係の抜本的な見直しを検討していきます。

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公明党マニフェスト全文は以下に掲載されています
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/05shuinsen/archive/news/2005/08/16/20050816org00m010133000c.html


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