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=  障害者自立支援法案 国会審議 速報 Vol.19 =
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★Vol.19 2005年10月25日号★

■実行委員会から■
 今日は参考人質疑が行われ、6名の方が意見を発表し、その後委員からの質疑を受 けた。参考人の中でも法案への賛否が分かれたが、それぞれに法案の問題指摘があっ た。国会の会期末が迫り、与党は採決を見込んで日程を調整していると聞く。だが、 拙速な審議に不安や疑問の声は後を絶たない。こうした多くの声に、国会は真摯に耳 を傾けより中身のある審議が求められ、政府は一つでも論点を深め制度の具体像を明 らかにし説明責任を果たすべきである。

■参考人意見陳述■
■亀井利克参考人(名張市長)
 81年国際障害者年以後ノーマライゼーションの流れがあり、90年福祉八法改 正、平成12年福祉事業法改正と介護保険スタートし、市町村中心の地域福祉が広 がった。より市民に近いところで行政が福祉をを担っている。この方向は願ってもな いこと。支援費は自立支援からすると使い勝手がよい制度。1.5倍づつ利用が伸 び、自己実現に大きなインパクトを与えた。しかし課題も出てくる。がんばればがん ばるほど財政がきつく、持続可能な制度とは言い難い。その中でもサービス提供がで きていない自治体がある。施設がない、マンパワーが得られない、財政が厳しいのが 大きい。小さなところは取り残されている。地域間格差が大きい。精神、取り残され ね就労も弱い。どこに住んでも同じサービスが得られるツールとしての障害者自立支 援法には意義がある。安定財源、透明なルール、公明公平なサービスが得られる。
 障害者も高齢も自立支援の切り口では同じ。縦割りを行政を横割りにしていくも の。地域福祉にかなう制度にしたい。健康に活力に満ちた生き方と住み慣れた地域で 暮らせることが重要。地域福祉計画を今取り組んでいるところだが、国でもゴールド プランや、障害者基本計画等々あるがグランドデザインで描かれたなかで、それを現 実するのがこの法。地域福祉計画の追い風にしてほしい。
 課題もある。定率負担と減免で事務が繁雑になる。シンプルにしてほしい。地域生 活支援事業は義務経費化しないとしわ寄せが市町村にいく。報酬単価は介護より低い とできない。介護以上のものにしてほしい。負担軽減はいろいろ図ってもらいたい。 県の担当とやりとりしても「国に伝える」という状況。国がブロックに出向き対応を してほしい。介護の包括支援センターも取り組みに差があるが支援法との関連などき ちっと説明できるような人に対応をお願いしたい。
 H12年、地方分権一括が施行されたが自治体の自立とは、自立の定義は、財政、 市民の参画共同、熟度。地域福祉を支えるのがこの支援法。理解をお願いします。

■松永政昭参考人(社会福祉法人コミュニティーネットワークふくい専務理事)
 33歳の重度の男の子を持つ。知能指数26。通所授産施設から福祉工場へ就職し た。1級年金、手取り150万でGHで暮らしている。生き生き働き、元気に暮らし ている。今後も継続するため、支援法を検討していただき良い方向で決済をお願いし たい。障害者の就労・雇用に関係し40年携わってきた。労組で聴力障害のかたの労 働条件を決める仕事が初めてだった。倒産企業の再生もやり当事者が9名いた。その 会社を4年後には立て直した。現在は7つの会社の経営に参画している。そのどこも 障害者が在籍している。障害者の方には何ごとにも決意をもってとりくむこと教えて もらった。コミュニティーネットワークふくいは福井の育成会の事業部門を分離させ たもの。卒後の進路先で視察にいくが、施設のあり方はなんなのか疑問と不信と不満 をもった。じゃあ自分たちで作ろうと、21世紀までの長期ビジョン発表した。当時 は愛護協会から恫喝され、できっこないと言われた。
H3年に通所授産、翌年に福祉工場を立ち上げ、現在登録は837名うち171名を 雇用、214名が訓練中。訓練の方の7割は雇用に移行できる。現在は6次計画を進 めているが情報修正し350人の雇用を位置づけた。人としてのふさわしい尊厳のあ る処遇、福祉亡国論が年々大きくなっている。障害者も誇りを持って働き、社会に参 加していくことが重要。働きたい人を働かせないのは基本的人権の侵害。県の雇用率 は1.8%だが0.4%が当法人。特別な雇用対策ではない。教える技術、活力、誰 からも信頼される人間になれと職員には言ってきた。年2回活動発表し事業評価して もらっている。職員には年俸制もとっている。
一昨年の実態調査では働いて生き甲斐のある生活を希望している。まずできることか らやり、互助の精神、届かないところを公助に入れていくもの。支援法の応分の負担 については、住民として福祉、働ける人には働いてもらい払ってもらう、そのために は住居なども必要。はたらくのが困難な人には減免もなくてはならない。仕事のネタ や情報はどこの場所にもころがっている。活用すればできる。障害者の制度はリフ レッシュの時期がきた。是非とも参考にしてほしい。

■浅輪田鶴子参考人(さいたま市手をつなぐ育成会会長)
 47歳の娘が重度知的と片麻痺で3級の身体障害。S34、精神薄弱者福祉法制定 の前の年。まったく制度がなかった。娘が障害者とわかり私はつとめ辞め、在宅で働 いた。学齢期に学校を探し、引っ越して与野市にあった養護学校にはいり親の会に関 わった。当時オイルショックなどで解雇される方がたくさんいた。そこで作業所を作 ろうとはじめた。施設長になり仕事は全部辞め、施設長を19年続けてきた。無認可 作業所だったが、いっぱいになり埼玉の制度では2つ目の作業所には補助が出ないの で、100%自費で始めた。
娘はS54に卒業し一般の会社に入った。18年はたらいて、障害が重くなり法人の 授産施設で働いてる。生活ホームに住んでいる。私は専門職でも起業家でもなく単な る親。私たちが一緒に生きていいる人にとってマイナスの要素になってはいけない、 なんとかして取り除きたい、という思いでやってきた。
 法人や施設をつくるとき、一緒にやってきたが、お金集めも必死にやった。県に施 設の半径300Mに住む住民の同意を取ってこいと言われた。頭を下げ回った。なぜ こんなことをするのか。現実に親は先に死ぬ。残された兄弟や親戚にあまり大きな負 担はかけたくない。丸抱えでみてくれとは言ってほしくない。本人が自立のためのス キルを身につけ、その上で国の制度があれば生きていけると思った。支援費は画期的 なものだった。私はジェットコースターには乗れないが、若いヘルパーと一緒にの り、彼女がジェットコースターがすきだとわかった。素晴らしいことだった。こう やって広がっていく矢先のグランドデザイン、支援法。何度聞いてもわからない、同 じことを聞いても答えが変わってしまう。他の方はどんな反応かと集会に行ったが、 こういう集会はあまり出て行かないが、やっとつかんだ幸せの尻尾がするする逃げて いくような思いだった。負担金を払いたくないわけではない。働けない人、働く以前 に生きていけなくなる人がいる。支援法で日中活動の場で生きていけるかもしれない が、小規模作業所の位置づけは決して明るい未来が見えない。地域活動支援センター いわば制度の一番下のレベルにある。支援費の対象でもないし、運営は自治体にまか されている。私の回りでは半数以上の人がここに通っている。この人達はどう生きて いけばいいのか。働くことに結びつかない方の生き様をどう見いだせばいいのか。扶 養の義務を課せられている。所得の保障も難しい状況。国の動きと私たちの声隔たり がある。私は終戦の時6年生で、どこいっても兵隊がいて余計なこというな、だまっ てついてこい、といっていた。その雰囲気を感じる。国は声を聞いているのか。全国 大会で本人部会で決議をあげている。自分たちに関することを自分たちぬきできめな いでとあった。聞くだけ聞くが全く反映されてない状況を感じる。本人部会のゆうあ い会も、私たちに関することは私たちを交えないで決めないで下さい。声を充分にき いてから決めて下さい。わかりやすく説明してください。と意見を述べている。

■相澤興一参考人(福島県精神障害者家族会連合会会長)
 今日はNPOの理事長として実践的な立場から意見にいたい。学校の教員をやってい て地域包括的な家族会を立ち上げNPO理事長を無給でやっている。全てに開かれた家 族会として、地域生活支援センターを開設、作業所も拡充移転し、GHを開設している 状況。かたわら精神障害者家族会連合会を超党派で全ての県民住民の理解を得ながら やっていて、障害者とともに共生する社会づくりに励んでいる。
 地方の精神障害者の本人と家族の状況は基盤整備が決定的に後れている。救急医 療、病床数が多いが、精神科医は一人もいない。施設もない。県の保健所は統合さ れ、離れたことろに。市町村は計画さえ立ててない。全国的にも低劣。支援センター は7つで、多くの自治体に作業所もない。当事者集団が無理をして活動しても、新規 設置は認められない。退院促進と言っているが、地域の受け皿づくりを規制してい る。精神障害者の福祉は比べものにならないくらい低い。病理さえ明確でない。偏見 が強い。病気と偏見、低サービスの2重の苦しみ。親兄弟も苦しんでいる。障害の受 け入れも、本人への対応ができていない。精神障害者が親を介護している方もいる。 親亡き後も心配。安心して死ねる環境を作ろうといってきたがほど遠い状況。
 支援法、期待と心配がある。障害者基本法の3条、尊厳と社会参加、独立し安心し 暮らせるよう、というなら大賛成。現状ではつぎはぎだらけの3法で、精神保健福祉 法にはごく一部の福祉がのっているだけ。社会では分立、分割されている。一元化を 進めるなら大賛成。就労も熱望している状況で大いに歓迎すべきこと。
 ただ、このような期待をひっくり返す問題がある。応益負担。家族ぐるみの負担。 自立支援というなら気兼ねなく独立できることが前提。応益負担は原理的大転換。今 でも親兄弟に大いに気兼ねしているのに、ますます気兼ねが強まる。親が高齢になっ ても負担を負わせ続けるのは非人道的。利用とは、益を得ること、活用すること。不 公平で原理的に認められるのか。イギリスでは必要に応じて給付受け能力に応じて負 担することがフェアとされる。重度のかたは払えない。命綱の医療も切る。生保以下 の収入で負担を取るとういうのはどうなのか。負担上限があること自体、応能の原則 が必要なのではないか。親兄弟の負担の撤廃を。所得低すぎるところから負担を取る なら、医療も受けられなくなり社会生活できなくなる。小規模作業所、600万の補 助で、負担もお願いしている。運営はボランティア頼み。議員には想像できないかも しれないが通所者に1000円、2000円はとても大きな話し。努力もしている。 ピアヘルパー事業も準備しているし、ピアサポート活動も続けている。事業としても 本格化させたいと思っている。ただ1点修正をお願いしたい。

■水谷幸司参考人(全国心臓病の子どもを守る会事務局次長)
育成医療に絞って話します。当会は42年前の昭和38年11月に結成、当時は育成 医療は心臓病に適応されていなかった。手術を受けられる病院は少なかった。しかも 家族は5割負担。50万100万と負担がかかってきた。お金どう工面するか、土地 や家を売ったりした話しも良く聞いた。会として初めて取り組んだのが育成医療に心 臓病をいれてほしいと議員まわったこと。それでようやく適応になった。多くがこの 制度で救われた。健常児と同じ生活ができるよおうになった。
 しかしこの見直しは、要の制度が大幅に縮小され、事実上適用されなくなることが わかってきた。繰り返しお願いしてきた。緩和策ももりこまれ、参院でも緩和策が示 された。本当に感謝する。しかし納得できない問題点がある。1つ目は1割の負担 増。負担額の一覧表を付けた。影響額、20.9倍になる。会報にある20歳の人、 この春人工弁の手術を受け400万の手術だった。負担は14万になる。これにプラ ス長野への通院の旅費。医療を受けるため遠くへ行かなくてはならない。手術しなけ れば生きていけない。私たちは普通の生活したいだけ。
 2つ目は負担増のための受診抑制。これは医者も心配している。後になって医療費 がさらにかさむのではないか。適切な手術が受けられず重度化し、将来的に医療負担 増につながりかねない。
 3つめ重度継続の問題。更正医療は腎臓、小腸、免疫機能障害に限定され、毎月継 続的にかかる病気ということになっている。心臓病は時期を見て経過を見て手術を何 度も繰り返す人が多い。なぜはいらないのか。育成医療・更正医療はデータがないと 言っている。ならば数回以上の手術を受けた人を対象に、これからも手術する人を入 れてもらい、その後見直すなどしてはどうか。
 4つめは理念の問題。育成医療は現行は児童福祉法の制度。これは障害の問題では ない。放置すれば障害になることが考えられるもの。
 その他、厚労省の公平不公平の考え方に疑問もある。軽減策が恒久的ではなく経過 措置になっていること、高額療養費の立て替え払い、内部障害の問題。医療の場合、 福祉とは異なり、命を救うものを法にいれたことが間違い。3つを一緒にすることは 拙速で無理なこと。データの誤りや重度かつ継続の範囲の問題はそれを端的に表して いる。心臓病をもっていても育てていけること、社会保障、少子化対策に経済的支援 をあげた人が多い。1通のメールを照会する。手術費用を心配しなくても、複数回の 手術を受けられる。遠方の病院に通うのも負担がかかり大変ありがたい制度。この国 に生まれ良かったと思った。制度を存続させてほしい。

■広田和子参考人(精神医療サバイバー)
83年に通院はじめ5年後に医者に注射を打たれ、アカシジヤになり止まっていられ なくなり幻覚も見た。入院し閉鎖病棟に入り、ようやく8時間寝られるようになり退 院できた。精神医療サバイバーと言っている。34万の入院患者がいて、7万2千人 が社会的入院とされている。私は20万人くらいが社会的入院で、これを放置した国 に謝罪してほしい。謝罪は支援法かなんかの時に。一度皆さんも議員と名乗らず閉鎖 病棟にいってほしい。私は審議会の委員だが、厚労省はずっと本人を入れたかった が、関係者や医者が誰か出たら叩かれ潰されてしまうということを言った。それだけ 精神障害者の状況は複雑。自分の発言は命がけだ。 32条の公費負担、署名が32万集まっているが、私から言わせれば厚労省の人たち も国会があるときは精神障害者になるし、委員になり厚労省は深夜までやっているこ とを知った。元々32条は社会防衛上できたもの。障害者のためのものではない。5 人に一人が精神疾患になるといわれる時代。32条はもつのか。必要なのは所得の保 障。お金をもらって、生活の幅を広げる。超党派で所得保障を議員立法でつくってほ しい。私は堂々としているが医者のせいで私に落ち度はない。しかし堂々と生きられ ない環境があり実態がある。12月9日の障害者の日を国民の休日にしてほしい。そ の日に何を考えるか。性同一障害や、子育てノイローゼ、広い意味で障害を考える日 を議員立法でお願いしたい。障害者のことは社会科や保険体育の教科書にものってい る。是非みてほしい。
 精神障害者、町に出てくることにはいろいろと必要。援護療、ピアサポート、作業 所、、お金の取りやすいようにしてほしい。厚労省を応援してほしい。精神病院の敷 地内の援護療にいる人が「私はいつ退院できるの」と聞いた。敷地の外で、町の中に あるべき。その人が退院できたと思えるようにしてほしい。32年病院に入っている 人が援護療を見て退院する気になった人がいる。31年前に事件を起こした人が措置 入院になった。15年入院し退院したが家族が不安で、医療保護入院を15年、退院 後、援護療はバストイレ付きのホテルなみですと言っていた。私は生保で暮らしなが らも仲間の駆け込み寺をやっている。そいう生き方とともに、生保や年金でそういう 活動できること、みなに認知してもらうこと望みます。

■参考人に対する質疑■
■石崎岳議員(自民)
●亀井参考人から地域福祉について計画作りや住民を巻き込むことについて触れられ た。しかしがんばっている自治体ほど窮屈になるというがそのあたりを。
【亀井氏】支援費は自己実現、社会参加の面で優れた制度だと思う。しかし財政的に 厳しくなってきた。サービス提供できないところがある。
●不十分な自治体もあり格差を均していこうという精神がある。地域格差をこの法律 で均していこうと考えるが、解消する方法をどう考えるか。
【亀井氏】格差はでこぼこをなくすことは小規模自治体は施設・人・金がない。規制 緩和、小学校、地域資源活、テナントの空きや、倉庫、などを活用し事業展開が図れ ると思う。法人だけでなくNPO参画もできる。それでなくなっていく。高齢者は広域 連合でできてきた。障害者もそれに乗せていただきたい。
●松永参考人、長い間現場におられ成果をあげられた。町を歩けば障害者就労のネタ も情報もころがっているという。力強いと思う。どいうところに創意工夫の種がある のか、どうとりくめばいいのか。
【松永氏】決して特別なことはしてない。授産施設は職業訓練が目的のもの。各地を 回って見たが、H4年に全社協就労支援センターの中で3つにわけられ、一般へ移行 するもの、福祉工場へいくもの、日中活動を中心にするもの。これを真摯にやれば私 たちのようになる。本来の目的でやっているのは2割。あとは日中活動。それはずさ ん施設。全国どこでも仕事になるネタはある。福祉系大学を出ても資格をもっていて も働く経験ない。我々は55の業種をやっていて、その人に会った仕事をつくる。3 人で730円しか稼げなかったところ職員が機械入れ、稼げるようになった。
●浅輪参考人も小規模作業所をやっておられるが、松永さんの話しにどのような感想 を。
【浅輪氏】私どもはまったく違う小さなところ。でも考えることは同じ。清掃の請負 をやっている。その人にあった仕事、役割・達成感、それを見いだすのが職員の仕 事。向上心を持たない施設もないわけではない。その中で原資をあたえるのは行政の 役割。
●障害の「がい」の字、特別な字を使っているが何か意味が。
【松永氏】ドイツでは障害者がナチスにガスで殺された。優生保護法から害の字が広 まった。深い悲しみをもつ。これも議員立法で字を変えて頂きたい。
●政治的に議論すべきことと思う。松永参考人、福祉亡国論、声が大きくなりつつあ ると感じているのか。
【松永氏】重度障害者雇用協会の団体に入り研修もやっている。一生懸命事業運営を している。福祉の考え方、なぜ就労、所得保障できないのかという言葉が出てくる。 お金が出ているのに税金の使われ方がおかしいのではと感じる。その思いは年々深 まっているのではないか。

■福島豊議員(公明)
●障害程度区分について多く指摘がある、。事務を担当する市町村の立場から意見 を。また審査会の当事者の参加については。
【亀井氏】判定は悩ましい問題。これがきっちりできないと法案も進化しない。名張 市はモデル事業をやっている。精神はむずかしいかなと思っている。発達障害の専門 家もいれ今取り組んでいるところ。
●名張市は教育と福祉の連携がすばらしい。地域生活支援事業は義務でなく一般財 源、国がどこまでもというのでなく、地域が計画の段階で、それに必要な財源確保 し、国がつきあう。自治体が自分のところできっちり考え、がんばることが必要だと 思うが。
【亀井氏】そのとおり。そのようでなければならない。国の制度があり、選んでいく のではなく、自治体が絵を描き、計画をつくり、地域生活支援事業がこれを担ってい く。県と協議もかさねていきたい。
●国の説明をしっかりしろとあった。この法案の立案、検討過程のスピードは早かっ た。やむを得ない部分もあるが、必要なこと。松永氏のtころは率直にすごいなと。 全国で進めたい。障害者に求める負担、悩ましく考えてきた、見直しも求めてきた。 応能に近づいたとももうが、障害者の方も参加し、制度を担っていくという観点がい ると思うが、就労して工賃が少ない、その中での利用料。むしろこの工賃の引き上げ をし、その中で払えるものは払っていくと考えるか。
【松永氏】就労、雇用契約を重視する。大人になれば働くのは当たり前。職場でけが をしたら、労災保険で救われるかどうか。正しい評価制度もある。第一は雇用。福祉 工場は1軍、授産は2軍、1軍にあがれるように。一般企業にいくのはメジャーだ。 極力一般へ、が私たちの仕事。29000円月額が授産の工賃目標。ケアが必要な方 が15%いるが、家庭のなかのトラブルを調整すれば、たいがい働ける。18%の方 が自閉症。自閉症だから働けないというのは間違い。最賃の50%の契約は可能。福 祉工場の工賃は5万から6万は可能。福祉工場の手取りは年間60万。昇級7.8% あった。公的保険など28万払った。4.9%労災も減額になっている。そうやって 働くことは可能である。
●親としても希望が出てきた。地元でも小規模作業所がなくなるとの意見もある。ど いう事業を担うのか、従来の法定外のものを法定内に位置づけもできる方向も示され ている。法定外のものを何とか安定させ、今後もきちっと地域資源で活用されるもの になると思っている。でも心配の声がある。コメントを。
【浅輪氏】小規模作業所は種種雑多なことをしている。一括りにして同じ方向にする のは難しい。方向をどのようにしていくかし、私の所は就労継続支援を目指すと思っ ているが、とてもできないという人がいる。障害を理解し運営できる人がいない、お 金がない、でも利用者が必要だからやっている、そこがポイントになる。
●多様な事業になっていくことが考えられる。政府もちゃんとこれを示し、もう少し 安定した基盤も必要。自治体の補助金も継続要望し、審議をもう少し深めたい。広田 氏に、自立支援医療で自殺が増えるという方が多い。そうでもないという人もいる。 見直しがどう影響を与えるか。また所得保障についても。
【広田氏】他の病気と同じにしてもらいたい。薬のまなくて自殺した人はいない。仲 間が死ぬときは、チャンスだと思ったとき不安になり、社会と孤立した時自殺する。 お金がない、薬がなかったので自殺というのは経験からはからはない。今回雇用率に 入るが%は伸びない。精神障害者は厚労省にもいる。%があがってからいれていただ きたい。1日3人にで仕事をするとかフレックスとか、本人に対する所得保障がまず 必要。自殺よりも医療の問題で悪化して再発し入院した人は多くいる。医者のイン フォームドコンセントができていなかった。
●自立が阻害されているということは避けないと。水谷参考人に申し上げる。育成医 療は支援しなければと思う。残る課題も多い。引き続き努力する。

■郡和子議員(民主)
●皆さんの力で福祉行政が引っ張られてきたのだと思った。浅輪さんに、支援法の不 信、不安、危機感、憤りおっしゃていたが、全日本育成会は要望書をだし早期成立を と出された。これは総意ではないのか、これがでてきた経過は。
【浅輪氏】事実だけを申し上げる。全日本育成会は組織として統一した見解もってい るわけではない。地方が違った見解もっているのはいいと認めている。だが、では、 誰のための団体かということは感じている。
●先ほど幸せが尻尾から逃げていくとは。
【浅輪氏】親が永久に生きていることはあり得ない。いなくなったことを考えない と。普通ならほっといても生きていけるが、私たちの子はどこかで誰かの手が必要。 自分の力で生きていくことをしてほしい。親はそれを後ろから支えるもの。年金、そ の他手当があり、共済にも入った。施設にはいって2.5万のゆとりというが、1日 700円。それしか保障されていない。足下から崩されていく。好きな時にTVもみ たいし、ファミレスにも行きたい。所得保障や扶養義務、親は一生懸命お金貯めてい るがそれも持って行く。
●不安がよくわかった。小規模作業所のこれからについて、日中活動が場違い的なあ つかいされている、これからの展望は。
【浅輪氏】小規模作業所は成り立ちからいって、歩いていける距離に、自分で通える ところに作ったものだった。しかしいろいろある。本人にあったところがここだと 思って、遠くまで通う。それは身近にいいところがないから。補助金が少ないから。 志が高い人がいればいいが、いい職員を育てることが重要だが、なかなか日々楽しけ ればいいというところがある。それだけで良いとは思っていないが、それもあって良 い。いきなりどーんと変えるのではなく、いろんな形の場が必要。それでも法人格が なければできない。NPOでも簡単にできない。これは無理かもと思ってしまう。今い る人を抱えたまま、続ける義務感、あわせた活動、空き教室・空き家屋でもいいとい うが、今の学校は部外者を入れない。貸すなど考えられないという。そんなに良くは なっていないという気がする。もう少し細かい指針が出てくるといいが。
●娘さん、ガイドヘルプでジェットコースターに乗ったという話しがあった。移動は 重度以外ははずれるというが。
【浅輪氏】障害が軽いから支援が必要ではないという考えは改めてほしい。娘は移動 が難しい。とっても困難。軽い重いの区分ではなく、必要な援助をするという視点が 必要。障害者は世界が狭くなっていると感じている。親の範囲、子どもの障害の関係 から出ていくことが難しい。まったく知らないところに出て行けることはとても大き いこと。
●水谷さんに、、激変緩和策について、かなり負担が大きくなることの詳しく説明 を。
【水谷氏】緩和策、育成、市町村民税課税世帯で所得税非課税の世帯が10000 円。所得税30万までは40200円。上限設けて下さった。試算したが、負担増の 緩和策をとったあと再計算をした。D1階層は12.1倍。C1、C2は8.5倍に なる。これは食費も含んでいる。20日入院で一日780円×日数。月額上限なので 月半ばの入院なら2月分になる。月がまたがればさらに増える。400〜500万の 手術なら10万円の負担はしょうがいないとのお声も聞こえるが、他にも様々な負担 がある。保険診療内の負担はせめて親が心配するのをなくすようにしてほしい。
●利用者負担と食費があり、負担率の不公平があると。
【水谷氏】欲しくて使うサービスではなく、命を守るため受けざるを得ないもの。厚 労省の公平・不公平論はあたかも使いすぎていると言っていると受け取られてもしょ うがないもの。みんなで支える観点で応益負担をというがこれには非常に異論があ る。現行の育成医療は公平な制度だと思っているが変われば同じ医療・費用でも月を またげば負担額が違ってくる。公平・不公平の問題が新たに出てくる。

■笠井亮議員(共産)
●相澤参考人は期待をひっくり返すぐらいの問題点として応益負担をあげた。家族会 の運動されてきたが、家族の悩みや願いについて、法案との関わりで話して頂きた い。
【相澤氏】確かに、精神障害者は特別視され他の障害者からも差別されている。それ をなくす、軽減することは結構なこと。そう思う。家族が心配なのは、生きている間 は死にもの狂いでつき合うが、死んだ後この日本で生きていけるのかと言う。親亡き 後も最低限の所得保障が必要ということと、働ける者は働かせてほしい。知的障害と も特性が違うので、長時間の訓練や働くことは難しい。短時間就労も必要でジョブ コーチが慣れるまでには必要。それらがあれば乗り越えられると思っている。働きた い働かせたいという割合が高い。熱望が強い。精神障害者、統合失調症などは認知の 上での障害もある。あれもできるこれもできるという本人との思いと、実際のやれる ことのギャップはある。親の意識も違いがある。しかし、多少は働けるなら働ける場 をつくってほしい。ハローワークでも仕事がないし、たまにあっても精神障害者とい うことでお払い箱。時間をかけ訓練、準備が必要だと考える。
●わずかな工賃を利用料で払わなければならないという不安。精神障害者にとって施 設はどういう意味があるのか。通えなくなることはどういう意味があるのか。
【相澤氏】施設の活用すること、例えば息子は、精神障害者で急死したが、ついに施 設には通えなかった。抵抗感が強かった。本人はプライドがあった。そのような失敗 をしている。稼ぐことより、生活を整えることが大きい。外に出ないと昼夜逆転し、 病状は悪化していく。生活を安定させ回復をサポートする役割が大きい。また仲間が でき、交流し生き甲斐ができることも大きい。働いて稼ぐことよりこの2点が大き い。その上で認められて働いて評価されたいとい欲求がある。工賃が少なければ評価 が低いということ。利用料と逆転しては行きたくなくなる。
●水谷参考人に、育成医療から更正医療に移る場合の負担についてききたい。
【水谷氏】当然18歳以降に心臓の手術をする方もいる。こうなると更正医療にな る。資料がある。72300円、これが高額療養費。還付の上限。これまでは医療保 険の中でカバーされます。この中で自己負担分を更正育成がカバーする。月額医療費 80万円を越えると、事実上、更正医療は適応されない。育成も経過措置がなくなれ ば同じにになる。事実上、心臓病には適応されなくなるということ。医療改革で高額 医療費も135000円になるとも聞いている。
●育成医療の緩和措置が経過措置になっていることについては。
【水谷氏】育成医療の激変緩和、重度かつ継続と低所得1,2は恒久的措置だが。若 い世帯の激変緩和は15年立っても若い親は若い親。恒久的なものにしてほしい。制 度改変の激増をふせぐためなら激変緩和になるが、親のことを考えれば恒久的になも のに。
●浅輪参考人に、基盤整備に必要なものはなにか。
【浅輪氏】所得保障だが、年金は難しいといっていた。では就労か。公的仕事を卸す とか、施設の掃除などを積極的にやってほしい。役所をみて仕事を探してもらいた い。角度を変えて所得保障を一緒に考えて頂きたい。

■阿部知子議員(社民)
●日本の障害者施策の問題点にも指摘がされた。先の国会でも参考人質疑は2回お願 いした。今日も4名の親の方いらっしゃった。当事者もいらっしゃる。さらに問題点 が明らかになる。世帯に着目されているので親が蓄財はき出さないといけないといっ ていた。ずっと保障すべしと言われてきた。まったくその通りと思う。検討の前に負 担を求めるのは逆さだ。この問題だけはというところで、法案で医療を福祉に投げ込 んだことについて、水谷さんの意見もあったが、医療をこの法案にいれていいのか。 医療と福祉、違うのではないか。その点について。
【水谷氏】医療こそ選択して買うサービスではない。福祉は社会参加・日常生活を続 けるため必要なもの。医療は生きるために必要なもの。これがはたして応益・定率負 担に値するのか疑問に思う。医療を入れたことはやはりすこし違うのではないか。憲 法25条で健康な生活が保障されている。そのなかで国が保障すべき。
●医療が終われば、あとは福祉で同じにできるのではと亀石がおっしゃった。医療が ちゃんとやらなければ受け取る首長も大変になるのではと思う。
【亀井氏】それは継続していくものだと思う。その境目は専門的なもの。支援法につ いてそういう縦割りから横割りへつながるもので私は指示する立場。医療と教育と福 祉三位一体となって対応を進めていく。そういう、どこまでがどうだと境は難しいの ではと感じる。
●自治体独自の制度があるが、国の役割が減るので自治体か患者がこれをかぶること になる。火急に絶対必要なもの、このまま進めば自治体も大変になると思う。私は子 どものための国立の初めての専門病院で働いた。64年に育成医療ができ、病院は6 5年にスタートした。小児病院と育成医療が車の両輪だった。専門的医療と、不安の ない患者負担。この負担を誰ができるのかという資料。今も不安でならない。倍々の 問題もあるが、現実にいくら払うか。D12からD1は窓口で約100万を用意す る。所得が下がってる中で100万の準備ができるのか。サラ金に行くかもしれな い。今まで応能なら44000円。これが若い世帯と思うが。これが年収どのくらい の層か。4800円以下の人もお金を用意しないといけない。C2、C1では20歳 過ぎの人は、100万用意できるのか。働きだしてもとられる。マイナスになるので は。
【水谷氏】大変な負担になる。D12から所得税額30万だと670万の年収。今の 社会の中で、5年10年働き、この年収はほぼあり得る。たくさんいるのでは。かな りの方が引っかかるのではと思う。個々の医療保険で見ることになったので多少は緩 和された。670万、一定働けばこれは越えてしまうのではないか。100万立て替 えるのは大変なことと思う。
●18歳、20歳で働きだしたが、更正医療の廃止も問題になる。本当に医療にかか る人は少ない。0になる。

■糸川正晃議員(国民)
●コミュニティーネットふくいが15年目で、就労取り組み、一定の成果あげた。私 が知ったのはつい最近。これからも種別越え、全国に広げられるようにしたいが。福 井から就労へどのような力が必要と考えるか。
【松永氏】本人の願い、安心して暮らさせたいという思いをどう具現化するか。理解 いただける地域の皆さん、行政の調整能力、地域の政治力が大きい、調和のとれたも のでなければならない。
●障害者が一般企業に就労し、その後の事業運営に支障はないか。いろんな事業があ るが事業を閉じるとか、一般の企業でも退職率が高く戻ってくる方もいると聞く。そ の辺の対処は。法案に際し経営の見直し、要望は。
【松永氏】せっかく育て出て行かれるのはおしいなあぁと思うが、それが仕事。また 適職で育てていくのが施設のあり方。支援法も実施を予測し1/3職員は変えていか ないといけない。能力を磨かないと。居宅支援を、これまで無料で施設でやってきた が、生活支援の充分に対応できるようHH資格を義務づけた。事業はその時々で変わ るもの。収益はマイナスなところも継続している。事業を常に創造していく支援が必 要。設備の近代化の支援などが中小企業にはある。福祉はこれがつかえない。
●政治から足かせにしないようにしたい。重度の方の不利、地方の方には機会の不利 が言われるが。
【松永氏】ローカルでは仕事がないと聞かれる。東京では生活がしにくいとある。そ の土地にはその土地の仕事があるもの。拾い上げるのが職員の仕事。それをできない 職員がいるのが問題。共存共栄の事業所づくりをしている。重度の方も資料に載って いる。重度の方でも最賃クリアしている人もいる。軽度でもクリアできない人もい る。どれだけ意欲もってやっていくか。
●福祉計画、数値、目標をもりこみ、底上げはかると言うが、計画策定過程での事業 所の取り組みは。
【松永氏】当事者の自分たちのくらしは自分たちが考えるべきこと。それを行政の中 で活かしていくべき。基本法には書いてある。当然市町村はそれを実施してもらうよ うに指導を。
●亀井参考人は。
【亀井氏】その通りと思う。3年以内に就労の100カ所事業所をつくる。農業など も貢献できるのでは。病院のクリーニングなど任せられる仕掛けも考えている。
●皆様に一言ずつお願いしたい。審議が足りない、審議を重ねた方がいいという意見 がある。どのように考えるか。
【亀井氏】熟度の問題。法案で完成ではない。より進化させるものとして早く成立さ せ、地域福祉の追い風にしてほしい。
【松永氏】小規模作業所の位置づけは本来3年を目途に法内施設にいくための助走期 間。むだな設置基準がある。早く通して規制緩和をやってほしい。福祉は施設職員の 失業対策ではない。
【浅輪氏】能力を越えることをやっている人もいる。助けがなく悩んでいる。そう言 う人の声も聞いてほしい。骨格的には悪くないが、中身が見えない。白紙委任状では 心配。このまま預けるわけにはいかない。
【相澤氏】重大な問題で未解決なものがある。応益と応能、何故必要なのか、国際的 に照らしても、どうなのか疑問に思っている。医療も福祉も児童福祉も一括してしま うこと、危険なことと思っている。充分な説明がほしい。市町村格差、確かに全体の 推進を図る風としてはいいが、格差をどういう手順で是正していくか見通しが示され ていない。至急議論を進めて頂きたい。
【水谷氏】自立を考えたとき、障害者が働き収入を得て払うことが自立と考えてい る。医療で上限、福祉で上限、補装具も別、はたして生きていけるのか。拙速な採決 は避けてほしい。
【広田氏】安心して死んでほしい。前向きに検討して、所得保障は来年の補正にでも やってほしい。障害者程度区分は議論して頂く。この国に生まれてよかったと思える ようにグローバルに考えてほしい。
●貴重な意見をありがとうございました。

■傍聴者の感想■
●やっぱり親の会だと思った。病院にお金を払うのは反対だと思います。働くとこが ないのに、お金をとるのはおかしいです。グループホームも寝るところです。(東京 都 E.Oさん)
●親ばかりで当事者の声をきいてない。審議会でも福祉サービスを使っている当事者 からきいてない。お金ばっかりで自分で選んできめることをきいてない。当事者主体 もない。(北海道 A.Tさん)

■今後の予定・その他■
・前回の審議速報vol.18で阿部知子議員の党派が(共産)となっておりました。正し くは(社民)です。申し訳ございません。お詫びして訂正致します。
・次回の委員会は10月26日(水)9時40分から5時間の予定で行われます。審 議はインターネットホームページ http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfmで全 てご覧になることができます。また、本日のビデオ映像もこのページでご覧になれま す。
・議事録については、参議院ホームページ
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index.htmで近日中に公開されます。

※この「障害者自立支援法案 国会審議 速報」は国会における障害者自立支援法の 審議情報を全国の皆様におしらせします。委員会の審議が行われる毎に配信させて頂 きます。尚、インターネット傍聴者の速記メモですので正式な議事録ではありませ ん。発言者の趣旨と異なるなど、充分聞き取れていない部分もあります。取り扱いに はご留意下さい。

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配信元;
障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会
(全国自立生活センター協議会内)
〒192-0046 東京都八王子市明神町4-11-11-1F
TEL:0426-60-7747 FAX:0426-60-7746
E-mail:jil@d1.dion.ne.jp  
http://www.j-il.jp/jil.files/daikoudou/daikoudou_top.htm
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