メインストリーム協会 佐藤 聡
注意:制度が伸びた地域への引越し希望がたまに寄せられますが、そのようなことは行わないで下さい。制度を伸ばし努力した市を財政的に苦しめる結果になり、そうなると、それを見ている周りの市が続いて制度を良くして行けなくなります(財務部が許可しなくなる)。制度は各地域に住む障害者が何年も努力して交渉して作り上げていっています。皆さんの住む市でも制度交渉を行うことで制度を伸ばしていけます。そのノウハウは当会で提供していますので、制度交渉の方法をお問い合わせ下さい。 制度係0037−80−4445(通話料無料)11:00〜23:00 |
1. |
交渉にいたる経過 |
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4月から支援費制度がスタートしました。国は、従来のホームヘルプと同じく「利用時間の上限はつくらず、利用者の実態にあわせて、必要な時間を派遣するように」市町村に指導しています。その結果、近隣の市(尼崎市・宝塚市・神戸市など)では最高600〜720時間の支給決定が出ております。 |
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2. |
西宮市との交渉の流れ |
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(1) | 4月17日 第1回障害福祉課交渉 要望書提出 障害当事者5名が参加 21日までに6名の重度障害者が、不服審査請求提出。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) | 4月24日 第2回障害福祉課交渉 障害当事者21名が参加 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(3) | 5月7日 第3回障害福祉課交渉 障害当事者23名が参加 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(4) | 5月19日 健康福祉局長との交渉 障害当事者25名が参加 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(5) | 6月12日 最終回答 このような流れで進みました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3. |
交渉記録 |
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(1) | 4月17日 第1回交渉 | 障害福祉課:課長・課長補佐・係長2名・主査 良くする会:当事者5名 |
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約10名の障害者が介助派遣時間が足らずに困っており、至急上限を撤廃するように要望書を提出した。緊急を要する問題なので、4月24日に回答を出してもらうよう要望する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) | 4月24日 第2回交渉 | 障害福祉課:課長・課長補佐・係長2名・主査 良くする会:西宮市内で自立生活を送る21名の重度障害者。 |
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障害福祉課からの回答は以下の通り。
すべて何の進展もなく、従来どおりの内容だった。この回答に納得できなかったため、そのまま交渉に入った。
激しく抗議し、局内での再検討を要求した。この問題は障害者の生命に関わる問題であり、一日も早い撤廃が必要であるため、5月7日までに再度討議(@具体的にいくらかかるのか試算する Aその金額を出せないのであれば、その理由)を行い、回答ももらうこととなった。 |
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(3) | 5月7日 第3回交渉 | 障害福祉課:課長・係長2名・主査 良くする会:西宮市内で自立生活を送る23名の重度障害者 |
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(4) | 5月19日 局長交渉要旨 | 西 宮 市:健康福祉局長・福祉事務所長・障害福祉課長・係長2名 良くする会:西宮市内で自立生活を送る25名の重度障害者 |
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4. |
6月12日 交渉結果の回答 月380時間上限撤廃される! |
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6月12日10時に、西宮市障害福祉課長と係長がメインストリーム協会に来所し、上限撤廃交渉の結果について報告があった。回答内容は下記の通り。
この決定を受けて、7月1日現在、西宮市で一番多い支給決定は630時間(家族同居 二人介助80時間含む)です。 |
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5. | 今後の課題 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4月から行ってきた上限撤廃運動は、こちらの要求をほぼ達成することが出来ました。当事者が力をあわせ、結束して行動した成果だと思います。 また、その影には今年1月の厚労省120時間上限撤廃運動の成果もあったと思います。西宮市からも多くの障害者が参加し、経験を積みました。その経験が生かされたのです。 しかし、全面的に解決したわけではなく、課題も残っています。今後は、@夜間介助を8時間に認めさせること、A二人介助の利用制限の簡素化、B入院中の介助利用を認めさせること、などに取り組んで行きたいと考えております。 西宮にメインストリーム協会が設立されたのは1989年の11月です。24時間介助保障の実現は、設立からメンバー全員の長年の夢でした。「いまごろかよ?」と言われるくらい時間がかかってしまいましたが、ようやく実現することができました。この運動に携った一人として、これ以上の喜びはありません。あきらめずに、行動し続ければ、実現するんだなぁと実感いたしました。 今回の上限撤廃運動は、携った一人一人の障害者に大きな達成感を与えてくれました。これは、今後の西宮の障害者運動に必ずや良い影響を及ぼしてくれると確信しております。 |
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