静岡市の静岡障害者自立生活センターの通信(97年度)より転載

 アルバイト情報誌を利用して介助者を募集

 

 静岡全身性登録ヘルパー制度が出来て丸2年。自立生活センターが介助派遣をやり始めて、丸2年経った事になる。試行錯誤の2年でいまだに試行錯誤している途中である。

 が、そんな事をしているうちに自立生活を始めた人が去年から今年にかけて3人、他に家族と一緒に暮らしながら、家族の中で自分の役割を果たす為に介助者を入れた生活を始めた人が1人、そして家族の介助力軽減を目的として介助派遣を利用している人が1人というように利用者が増えた。という事で介助者も増えた。最近では口コミやビラで介助者を見つけていく事も難しくなっているのでアルバイト情報誌を利用して介助者を募集している。

 そして面接の段階で自立生活センターの説明と介助者としてのスタンスを説明する。「利用者は単にお世話されるべき対象者ではなく、介助者を雇っている雇用主である。利用者の意思決定を最優先してほしい。そして失敗する事も一緒に付き合っていける方を望んでいる。」といった説明の後2、3回実際に介助を経験し、ローテーションを組んでいく。

 

 利用者は筋ジストロフィーの人が多く、2人が気管切開をしている為24時間の介助が必要である。今のところ介助者を確保していくことが最大の課題になっている。何とかローテーションが組めるくらいの介助者では、急に介助者が病気とかでこれなくなった時、代わりに入れる人が少ない。泊まり介助が特に大変なのでなり手がいない。その分、介助料金を増やす事が出来ればいいのだが、財源がない。

 全くナイナイ尽しなのだ。

 そんな中で苦労している事務所と利用者、介助者であるが、今まで障害者に接した事がなかったり、福祉にあまり関心がなかったりする人達が介助者をやってみて、『障害者が地域に生きるって当たり前の事なんだ』と多くの人に肌で感じてもらえればそれが一番の財産なのかもしれない。

 来たれ!  素人 介助者