15市区で24時間(滞在型)介護保障
東京都では、98年現在、16市・区で、一人暮らしの24時間要介護の全身性障害者に、24時間365日付きっきりでホームヘルパー(等)を派遣しています。(※福祉分野は、東京の区(23区)は、市と同じ)。
主に3つの制度で24時間の介護保障としているのですが、そのうち、ホームヘルプ事業は、障害者の選んだ人を市などに登録し、(制度の建前では)市がその人をヘルパーとして派遣するという仕組みです。(これを自薦登録ヘルパー方式と呼んでいます)。ヘルパーには、市から一カ月ごとに、働いた時間分が銀行振り込みで入金されます。
人の確保の方法
田無市の自立生活企画・東久留米市の自立生活センターグットライフ・自立生活センター小平・保谷市の生活エンジョイセンターの4CILの例
自分で介護人(ヘルパー)を探せない障害者や自立をこれから始める障害者は、各自立生活センターから介護者を派遣してもらい、介護者を市などにヘルパーとして登録します。
上記の各自立生活センターでは、あらたに24時間介護の必要な障害者が自立してくる場合、例えば、常勤介護者(週48時間労働)2人と非常勤(週24時間労働)3人を雇うことで、需要に応じた人材確保を行います。求人情報誌に掲載して雇うので、1週間で、掲載、面接、雇用完了、オリエンテーションまで終わります。現状の介護制度で、常勤なら月給20〜24万円になるので(上記の非常勤はこの半額)、面接希望者は5人の募集に50人(10倍)以上になります。介護者は、なるべく未経験者を選び、面接と研修は障害者本人と団体の障害者スタッフが行います。普通、毎週決まった曜日に同じ介護者が固定して入ります。
予算上の自薦登録ヘルパー制度
国のホームヘルプの予算は、市が実施する場合、@常勤、A非常勤日給、B非常勤時給型、の3種類に分かれており、Bの時給型は最高1440円/時(97年度・昼間単価・介護型)まで、補助がつきます。(国と県から75%の補助金がつく)。
市の予算上は、自薦登録ヘルパーは、一般の登録ヘルパー(主婦などが市に登録する)や家政婦協会に委託しているヘルパーと同様に、時給型非常勤のヘルパーとなります。東京の場合、1時間1200円程度の市区がほとんどで、数市区で1400円台〜1800円台(夜間)が見られます。
いずれにせよ、(平成9年度)時給1400円+活動費40円(計1440円)以下ならば、毎日12時間(週84時間)でも、確実に75%の補助金がつきます。
24時間保障の15市区のヘルパー制度
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ヘルパー派遣時間 |
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1日当たり12時間 (11市区)
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東久留米市 小平市 清瀬市 田無市 町田市 小金井市 東村山市 保谷市 日野市 板橋区 大田区 八王子市 |
この12市区全部で、 他の2制度とあわせ、 24時間の介護保障が実現している
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1日当たり9 .6時間
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立川市
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ただし夜間単価のため、12時間の市の 取額以上が自薦ヘルパーに保障されている |
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1日当たり5 .1時間
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練馬区 多摩市 |
区独自制度で毎日7時間程度の制度が他にある 他制度で残りの時間を何とか埋められる |
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1日当たり3時間 |
北区 |
区独自制度で毎日9時間程度の制度が他にある |
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※週67時間を→1日9
.6時間、週36時間を→1日5.1時間と変換した
注:各市には絶対、電話などで問い合わせをしないで(させないで)ください。電話殺到で迷惑がかかります。また、市区の制度を、交渉団体が全国に公開してしまうことを、よく思わない市区もあります(転入者が増えるかもしれないと恐れる)。その場合、地元の交渉団体と市区の関係が悪くなることもあります。交渉の進展にブレーキがかかることもあり得ます。くわしい情報などの問い合わせは、当会
0424-68-3890へ。 市の職員よりは、はるかに詳しく説明できます。また、皆さんが、交渉に使う等の理由で市の職員等に自治体の名前を教える必要があるときは、あらかじめ必ず、当会の注意を聞いて、許可を受けてください。24時間介護保障について十分理解が進んでいない時点の交渉で「問い合わせてみろ」などと絶対言わないように。先進市に文句を言う自治体がいます。制度の進展が遅くなり、都内全域、ひいては、全国に、迷惑がかかります。必ず当会の許可を受けてください。
標準的な24時間保障の制度の組み合わせ
0時(夜) 朝8時 (昼間) 夜20時 24時 |
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東京都全身性障害者介護人派遣事業 毎日8時間 |
自薦登録ヘルパー 毎日12時間 |
生活保護介護料特別基準大臣 承認 毎日4時間 |
東京都では、上記のような制度構成の市が12市区(時間帯は1例です)、上図の例より、ヘルパー時間数が少ないかわりに、市区独自の介護制度が穴埋めする形で、計24時間の保障ができていると言える市区が4市区、合わせて16市区で24時間の保障が実現しています。
東京都内では、「一人暮らしの24時間要介護の全身性障害者がいて、交渉している」20市区のうち16市区で24時間保障となりました。これは80%にも達します。
また、地理的には、都心から10Km〜30Kmにある市区(普通の地価の住宅街)の「3分の2」で24時間保障が達成しています。(10Kmより都心に近いとビルばかりで住めない。30Kmより遠いと山間地で住めない)
もう少し、24時間保障の市区が増えると、全国的に影響を与え、全国各地に広がる可能性が大いにあります。(ご協力をお願いします)。
現在、東京都では、「一人暮らしの24時間要介護の全身性障害者がいないため、24時間介護保障の必要性が認識されていない市」では、当事者が、あらたに一人暮らしを始めた場合、すぐに24時間保障にできます。(交渉ノウハウをもつ団体のバックアップがあれば、1〜2カ月で、必ず24時間保障にもって行けます)。
例えば、96年度に24時間保障になった、東村山市、保谷市、小金井市では、近隣の田無市や小平市の自立生活センターなどが、交渉に参加し、豊富な交渉ノウハウを使って理論的に交渉し、最短1カ月、最長1カ月半で、ヘルパーを毎日12時間に延ばし、24時間保障にさせています。
ただし、すでに一人暮らしの全身性障害者が大勢住んでいる市区で、自立を始めても、予算が足りなくなるので制度は改善されません。一番いいのは、「一人暮らしの全身性障害者が自分1人だけ」の市区で交渉した場合です。
同様に、同時に3〜4人が同じ市に自立した場合なども、予算が足らなくなるので、交渉は成功しません。東京は、各市の人口が10万人代と小さく、隣の市まで、電車で5分程で行けるので、数市に散らばった方が得策です。
これから自立する自治体を選ぶ場合は
、すでに多くの自立障害者がいる自治体を選ぶのはよくありません。自立するとき、相談に乗ってくれる障害者団体がある場合、その障害者団体の事務所などに通うには電車等を使い、隣接市などを自立の場に選ぶことが成功の秘訣です(介護制度が早期に24時間保障になりうる)。相談に乗ってくれる団体の事務所の周りには、すでに自立障害者が何人かいる場合が多いので、そこで自立をすると、障害者の人数が多くなり、(予算がかかるので)障害者団体と市の関係が悪くなったり、制度の伸びが落ちることになります。また、すでにそこに住んでいる障害者が交渉して制度が改善された市に、他の市から障害者が引越し(または自立)してくることは、よくありません。このようなことが続くと、制度を伸ばした市は、他の市へ「制度は飛びぬけて伸ばさない方がいいよ」とアドバイスをせざるを得ません。これが、地域全域の制度の伸びを押さえてしまう大きな原因になります。自立する場合は、なるべく自分の住んでいる市か、離れる場合、制度の交渉が今までに行われていない市で(近隣市の障害者団体の支援を受けて)行い、そこで制度を改善していくといった事が大事です。かえって、その方が、人数が少ないので介護制度が早期に24時間保障になります。障害者団体も、自立の支援をする場合は、近隣市での自立を支援して、その市の市役所とも話をすることで、経験が増え、自市の交渉の際に役に立ちます。(交渉の経験は、多くの市とたくさん交渉をやっているほど、身につき、交渉の際に、有利になれます)。事実、交渉に強い団体は、自分の市とだけではなく、近隣市との交渉も行っています。
田無市周辺 7市の24時間保障への変化
田無市とその周辺7市では、93年から3年間で、全市で24時間保障へと変化しました。
東京では、既に、生保と介護人派遣事業で12時間は保障されているので、残りは自薦登録ヘルパーを12時間にすれば24時間生活できます。
まず、92年以前から、田無市で在障会(CILである自立生活企画の前身となった交渉団体)が介護制度の交渉を行っていました。
厚生省が90年にヘルパー派遣時間上限を撤廃していました。田無市は、都が上限撤廃すれば、市も撤廃するというところまで交渉を進めていました。
東京都とも各市の在障会(交渉団体)で構成する全都障害者組織で交渉していました。
★93年、東京都が上限を撤廃したことを受け、田無市で毎日12時間(生保一般基準の人には15時間)のヘルパー派遣が始まりました。発足当時利用者1人。
92年度は隣の東久留米市でも、田無市の運動体のメンバーが交渉に参加しており、同じやり方で、93年度に東久留米市でも同時にヘルパーが毎日12時間になりました。当時利用者1人。
★94年には、重度障害者が清瀬市に自立し、清瀬市は隣の2市の影響を受けて、ヘルパーが毎日12時間になりました。(交渉なしで隣の2市の通り改正された
)★95年度は、小平市に重度障害者が2人転入し、田無市の自立生活企画などが市と交渉し、交渉3週間でヘルパーが毎日9時間になりました。(近隣市ではありませんが、町田市や大田区でも、交渉のノウハウを聞きにくるなどして取り入れ、95年度後半に、毎日12時間にしました。)
★96年度4月に前年度から交渉をしていた小平市で毎日12時間になりました。
6月には、東村山市の当事者が、田無市の自立生活企画と自立生活センター小平と一緒に交渉し、1カ月(交渉4回)で毎日12時間にしました。
6月に保谷市では、転入してきた当事者が、田無市の当事者団体の支援を受けて交渉し、ヘルパーを12時間にしました。
小金井市でも、7月、1人重度障害者が自立し、自立生活センター小平と一緒に、(4回)交渉して、自立からたった4週間でヘルパー制度を毎日12時間に変えました。
(93・94・95・96年度の経過)
注:上記の話に出てくる「ヘルパー毎日12時間」を受けられるのは1人ぐらしの全身性障害者(24時間要介護)です。また、ヘルパーは自薦登録方式で、保谷市と小金井市は、市にヘルパーを登録させる方法。その他の市は、ヘルパー事業委託先の家政婦協会にヘルパーを登録しています。(97年度からは全市で、市に登録する方法に変更させる目的で、上記全市で交渉を行った。2月時点でほぼ全市で移行が決定。自立生活企画、自立生活センターグットライフ東久留米・自立生活センター小平の連名で交渉を行った)。
都内でヘルパー派遣時間が最も少ない市区 (約30市区)の制度 |
24時間保障の市区(15市区)の制度 |
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差=9時間
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ヘルパー (自選) 12時間 |
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ヘルパー 3時間 |
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24 |
15 時 間 |
介護人派 遣事業 8時間 |
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介護人派 遣事業 8時間 |
時 間
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生保介護 4時間 |
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生保介護 4時間 |
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東京都では、全市区で15〜16時間は介護が受けられる状況です。(都の介護人派遣事業(毎日8時間)と国の生活保護介護料大臣承認(毎日4時間)の他に、ヘルパー制度が最低の市区でも週18時間程度は受けられます(一日3時間))。ただし、ヘルパーは自分で探した人を、市やヘルパー事業委託先の公社や家政婦協会に登録しなくてはなりません。(なお、この登録にも、前例がない場合、交渉経験者の協力が必要になります。交渉経験者の協力が得られれば、簡単に窓口で交渉して、登録できますが、交渉ノウハウのない人がやっても全くだめです。)
現状で、介護制度が最低水準の市区でも、毎日15時間は保障されているのですから、1日15時間しか介護が必要ない人は、都内50市区のどこに住んでも生活できます。
1日15時間と言ってもピンとこない方がほとんどだと思います。そこで、15時間介護の入れ方の2例を書きます。
例@ 朝9時から夜24時まで介護者を入れ、夜間は介護者なし。
例A 夕方17時から、翌朝11時まで17時間介護者を入れ、夜間の体位交換
の介護は、仮眠できるので、2時間分少ない給与でやってもらう例。
この、15時間しか保障されていない(ヘルパー派遣が1日3時間しかない)最低水準の市・区が、東京都内に、15区と13市あります。これらの市区に、24時間要介護の障害者が1人ぐらしを始めたとします。とりあえず、上記例Aのような生活をし、昼間は他市区の自立生活センター等に行って取り敢えずの介護を頼む生活をするとします。
早急にヘルパーを1日3時間から、1日12時間に延ばす交渉をしなくてはなりません。まず、一人暮らしを始めた日に市役所にヘルパー制度などの介護制度を申請に行き、その場で窮状を訴え、課長を呼んで「緊急だ」という状況を話し、交渉を申し込む事から始めねばなりません。(ただし、この日より前に、交渉のノウハウをもっている団体などにレクチャーを受け、注意することや、「何を言うのか」を覚えないと、交渉の設定さえ拒否されるのが普通。初めの申請からノウハウをもつ人に同席してもらえれば、もっといいが)。
市は、ヘルパー派遣時間数を、今より毎日9時間のばすために、以下のような予算が必要になります。
9時間×365日×1200円=400万円弱/年
ただし、4分の3は補助金がつくので、実際の市の負担は、年100万円弱です。
職員を一人雇うのにかかる経費の10分の1で済みます。
また、11月に自立して、その月から実施させる場合、補正予算で対応するように交渉を行います。その場合、5カ月分でいいので、41万円でOKです。これくらいの補正が組めない市はありません。(ただし対象者が多いとだめ。1人が最適)。
ところが、こちらが何も知らないと、市の課長や係長は「新規のものを補正では無理」だとか、「そんなに予算はありません」だとか、いろいろ言って、あきらめさせようとします。制度を変えるには、庁内で部長、市長や財務の決済をとって来ねばならず、課長も土日もつぶして、かなりの仕事(苦労)をすることになります。ですから普通、市民からの要望には簡単にはこたえる訳には行きません。そこで、いかに、この要望が、厚生省も都(他の県の方は県に「市に対しこう言うよう」交渉を)も「やらなきゃだめですよ」と言っているものであるか、厚生省の資料などを見せて説得せねばなりません。もちろん、その前には、自分の生活の緊急度もじっくり話さねばなりません。
(このようにいろいろ注意点があります。自立したい方、ヘルパー制度の交渉をしたい方は、当会 電話0424−
68-3890 に注意点やノウハウをご相談ください)
全国で同じことができる
24時間保障の市が東京に集中しているのは、以下の理由によります。
@厚生省の情報(ホームヘルプの派遣時間上限撤廃など)をいち早く市や都への交渉 戦略に使ったこと、
A市の規模が10万人規模と小さく、都内に27市(と23区)もあり、各市ごとに (当時8市区くらいでそれぞれ)小人数で市と交渉していたため、近隣市の運動体 と情報交換できたこと、
B各市の交渉経験者が上級官庁(東京都)に対し、集まって交渉し、都に重度障害者 の24時間保障の必要性の認識をもたせたこと。・・・・などが上げられます。
このうち、Bは各道府県と交渉して同じことを認めさせることで、同様にできます。例えば、静岡県では、県内の各団体が集まって県と交渉し、「県としては、どこかの市から24時間365日のヘルパー派遣の時間数が上がって来ても、完全に補助金をつけます」という確認をしています。(これは当然です。実施主体は市なのですから、県や国は、市から上がってきた補助金の申請には黙って予算をつけるだけ、というのが普通(当たり前)のことです。たとえ、ある1人に派遣する時間数が大きくなろうと、市が必要と判断したら、県は市の請求に補助金を自動的につけるだけです(ただし、全体で何万時間という形式で請求するので、誰に何時間ヘルパーを派遣しているか、県や国は分からないが)。ただ、県が一般的な意見としてこう言ってくれるのは、市にとっては、制度を伸ばしやすいということになります。県の担当者と交渉さえすれば、この言葉は、容易に引き出せます。
また、@は現在では、厚生省と介護制度の交渉をしている当会の機関紙や資料を読めば、交渉に必要なすべての国や自治体の資料が入るようなシステム(94年から)ができあがっています。
最後にAですが、定期的に全国で交渉しているメンバーが顔を合わせる機会をもつことによって、解決します。また、これの補完として、当会で、フリーダイヤルによる介護制度交渉の情報交換(最新情報やノウハウ提供)を行っています。
ここに、毎週電話をかけながら、毎週市の担当者(係長以上)と話を詰めて行くと、着実に制度が伸びて行きます。(全国で実績があります)。
よくある間違いが、「東京はお金があるからこういうことができたのではないか」というものです。この勘違いはどうして全国に流布するかというと、どの市と交渉しても、必ず市の職員は「予算がありません」と言う事になっているからです。
全身性障害者で24時間要介護で1人暮らしの人を対象にする制度ですから、普通10万人の市に1人くらいしか対象者はいません。
生活保護の介護料(13〜18万円/月=1日4時間)以外の1日20時間を自薦登録ヘルパー制度で埋めて、24時間の介護保障にするには、ヘルパー制度(毎日20時間)に対する年間の市の負担は対象者1人で180万円程度です。(ヘルパー制度は国と県が75%補助。市の負担は25%)
10万人の市で、年間180万円が出せない市はありません。(市道を作るなら数メートル分のお金です)。
お金のあるなしの問題でないというもう一つの証拠に、都内でも、1番財政事情が良い市と2番目の市(たいていの年度は、武蔵野市と、三鷹市になる。新しい市と交渉していると、必ず市の職員がこの2市の話をして、「あそこはお金があるのに、以外ですね」と言う。)では、交渉が行われていないので、全く制度が使えません。
逆に1番財政事情の悪い市と2番目に悪い市(税収の自己財源が少ないという意味。たいていの年度の統計では、清瀬市と東久留米市。)では、93・94年に24時間保障になっています。
今年は、最も財政硬直化(人件費など固定費に予算のほとんどを使ってしまっていて、自由に使える予算の比率がほとんどないこと。)している小金井市(市の職員によると、今年は、職員給与のベースアップの予算も本予算で取れずに、補正予算も足りず、全市区のうち、唯一ベースアップをあきらめた。特に今年はひどく、予算を1万円単位で「けちっている」と、職員が説明してくれた)で、一人暮らしを始めた対象者が、たった1カ月で(交渉ノウハウをもつ当事者団体と交渉して)、24時間保障にしました。このように、交渉のノウハウが制度を左右するものであって、財政状況が左右するものではありません。
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