第22回社会保障審議会障害者部会傍聴速記録

※審議会傍聴者の当日の速記録をまとめたものであり、 正式な議事録ではありませんので、発言者の趣旨にそぐわない、充分に聞き取れてい ないところもありますので、 取り扱いにはご注意下さい。

平成16年12月14日 10:30〜
厚生労働省 9階会議室

京極部会長(日本社会事業大学学長);
定刻となりましたので第22回社会保障審議会障害者部会を開催致します。委員の皆様におかれましてはご出席頂きましてありがとうございます。 それでは事務局より委員の出欠状況と資料の確認をお願い致します。

間課長補佐;
委員の出欠状況ですが、亀井委員、高橋紘士委員、堂本委員、永井委員、町野委員より欠席のご連絡を頂いております。また岡谷委員松友委員が遅れているようでございます。傍聴についてですが、応募多数のためやむなく抽選とさせて頂きましたのでご了承下さい。資料の確認ですが、資料番号1番が改革のグランドデザイン案について、2番が障害福祉サービスに係る利用者負担の見直し、3番が公費医療負担の利用者負担の見直しについて、また番号のついていないものとして、大濱委員、福島委員から資料を提出頂いております。委員の皆様には前回の議事録を配布させて頂いております。発言に誤りなどございましたら、27日月曜日までにまでにお申し付け下さい。資料の不足はご指摘下さい。また今日は自民党の厚生労働部会のヒアリングのため部長、課長が12時から退出させていただきます。

京極(日本社会事業大学学長);
改革のグランドデザインについてはその大きな方向性について議論しているが、議論の積み残しもある。法改正にあたる議論をしちただきたい。前回時間の関係で発言頂けなかった方からも意見を頂きたい。また新しい資料も出ているので事務局から説明をお願いします。

北川企画官;<資料2,3の読み上げ (速記者注※非常に早口で聞き取りづらく不完全だたので、記録は掲載出来ません。申し訳ありません。発言は殆ど資料の読み上げで具体的な説明は殆どありませんでした。)>

京極部会長(日本社会事業大学学長);
ご質問がありましたら順次お願いします。前回発言頂いていない方は是非ご発言を。では資料を頂いている福島委員からお願いします。

福島委員(東京大学先端科学技術研究センター助教授);
事務局からの報告をきき、通訳を聞きながらなので、数字が細かくわからないところもありましたが、応益負担と応能負担を折衷案というか、経過措置をつくるということには苦労はあったと思うが、ぎりぎりのところではあるのではないでしょうか。私は、そうした議論の前に、議論のもっていきかたに問題を感じる。審議会には法案化の権限ない、議決の権限もない。しかし私たちは議論をすることが大切。まず理念があって、そのあと制度がある。理念を実現するための制度、その後財源がある。でも財源は限りがある。最初に制度・財源の議論があることに疑問を感じる。少なくともこの部会では障害者のニーズはどこにあるのか考えることがこの部会の役割ではないか。そのうえで私見としてペーパーを出した。10月にグランドデザインが発表されてから応益負担は問題と感じている。私自身それがなぜ問題かを整理してみた。現状で導入することは理念的に適切ではないと考える。細かい金額の問題ではない。唐突な形でグランドデザインが出されてきた。いかにも急いで作業をすすめていて、審議会のメンバーは議論に加われていない。このタイミングで応益負担が必要かふぉうか、ぎりぎりまで考えていかなければならない。議論の順番が逆である。ペーパーは障害者福祉への応益導入は保釈金の徴収と書いた。グランドデザインについては賛同もある。義務的経費化、地域重視、3障害横断、将来を見越して、保険か税かにつてはおいておいても、医療・福祉についての全体をカバーする包括的なサポートシステムであり、デザインの根底にはそれが流れている。正しいと思う。しかし議論が尽くされていない段階で、応益負担導入は非常に問題がある。無実の罪で収監された刑務所の保釈金とおなじことである。誤解しないでほしいが、反発を受けるとも思って書いた。これはあくまで比喩。国が取組むべき重要な役割とは、国、社会の安全を守るもの。障害者は個人レベルで安全を脅かされている存在。命に直結するものもある。物理的に生きていても、魂が生きる力を失う。私自身も経験してきたことである。刑務所もしくは拘置所は自由を奪い制限するところ。障害者は行動の自由、コミュニケーションが制限された存在であり、無実の罪で透明な壁に囲まれた刑務所にはいっているような存在である。個人の理由を越えて、制限を強いられている。障害者が無実の罪で閉じこめられたところから、自由を得るために保釈金をとるもの。この様に例えて考えられる。応益負担を導入し、他の制度と平等にするというが、高齢者の制度と同じにもといわれるが、私も障害者が特別ではないちう考え方には賛成でる。しかし現実には特別な存在となっている。作業所では最低賃金法も適応されていない。障害者差別的取り扱いは厳然とある。画一的な制度の取り扱いをし、サービス負担だけをみな平等にしていくことは理念的に反する。
福祉サービスは多ければ多いほど幸福ではない。利潤追求の精算の論理に埋没してしまう可能性はある。しかしそれを防ぐためには他の方法もあるのではないか。同一生計世帯への負担について、障害者は家族から有形無形の支援受けており、家族への支援はは大きいとはいえない。障害者との経済負担が新たに加わり、抑制につながり、社会参加の抑制となる。本来家族が負担するものを社会が見るのであるから家族が負担しろといっているのと同じ。家族の気持ちを逆手にとったもの。青天井といわれるが、障害者のニーズには限度がある。人数も限りがある。伸びてるのはこれまで隠されてきたニードが顕在化してからであって、やがて落ち着く。サービスの伸びたことが悪いようにいわれるのはおかしい。障害者ニーズが潜在化していたが、本人が我慢をしてきたからであり、家族が犠牲になってきたからである。福祉サービスの発展は社会活性化への道。国民の安心、豊かさへの実感、家族は無銭労働の負担から開放され社会参加へつながる。それでも導入するなら、極めて慎重な配慮を求める。本来応益ということはふさわしくないものであり、障害者が求めているのは益ではない。保障である。障害者の参画の保障、現状を低下させないこと、他にも工夫が必要。日本では1/20の人が障害者になる。社会とはなにか、福祉とはなにかを考えなくてはいけない。

京極委員(日本社会事業大学学長);
ペーパーを出して頂いている方は要点のみをお願いします。グランドデザインはこれまでも委員の中から出してほしいという声もあった。障害者基本計画の議論の時も、障害者福祉法については大まかなデッサンはあった。唐突にでてきたものではない。負担方式だけが一人歩きするものよくないので、これは財源がどうなってくるかにもよる。財源も併せて考えることをお願いしたい。

大濱委員(全国脊髄損傷者連合会副理事長);
私たちの団体は昨日役員会を開催し決議した。差し替えのものを委員にはお配りしている。私たちの基本的に障害者が安心して地域で暮らせるか否かで考えている。保険か、税かではなく、いかに安定させていくか。3障害横断、義務的経費化は評価している。費用負担は、高齢と障害者はちがう。高齢者はこれまで家族支えてきた人や、資産もある人が多い。障害者の場合そうではない。財源の問題では、添付で示しているように、対GDP比で障害者に対する支出が低い。アメリカで1.5%、スウェーデンはもっと。日本は税に占める弱者にたいする負担が低い。はっきりでている。障害者が地域や施設で生きるため、最低限アメリカの1.5%ぐらいまでには引き上げてほしい。

長尾委員((社)日本精神科病院協会副会長);
応益負担の前に、統合失調症がはいったことは評価している。重度継続のものに重点化していとしているが、この範囲に関しては検討課題である。充分に検討をしていただきたい。3障害横断となったが、元々の精神の通院公費負担が入ってきた経過、ライシャワー事件等の経過をふまえて、この制度の趣旨を継続して頂きたい。高齢者との比較で負担がいわれるが、医療との関係もあり、精神の場合は医療を担保できるしくみを確保してください。グランドデザインの自立支援はいわれるが、就労の観点が重点で、そこまで至らない人の部分どうかんがえるか重要。事業体系の見直しも成果がないとプラスされないだけではいけない。施設にも生活福祉事業に精神該当部分がない。以上要望です。

斉藤委員(全国社会就労センター協議会会長);
資料2p16のところでお聞きしたい。数字出されているが、家計調査をふまえているというが、それでいいか。

北川企画官;すべてをこれに頼っているわけではないが、それを基本としている。

斉藤委員(全国社会就労センター協議会会長);
家計調査についてはよくわからないが、国民のなかでは農業・漁業の人もいる。支出は当然変わってくる。かかるお金がわってくるし額がわってくるのでは。

事務局;
調査が手元にないが、全体的には、都市型の調査のもの。マクロからミクロにおとしているもの。しかし通常業種によって1万2万円あがるなどは考えにくい。具体的な数字は用意します。

斉藤委員(全国社会就労センター協議会会長);
これまでもお願いしているが、生活の場で、福祉ホームはあるが身障のグループホーム、ケアホームが必要。

岡谷委員((社)日本看護協会専務理事);
案の中で訪問看護認めるしくみが必要。病気抱えながら暮らしている人が多く、訪問看護という視点をを入れてほしい。グランドデザインなのできちんといれてほしい。

北岡委員(滋賀県社会福祉事業団企画事業部長);
通所、グループホームにとっては非常に厳しい。これでは生活実態のイメージが湧いてこない。仕事の背景から家賃、光熱費、食費52000円、25000円、通所の食費、66000円ベースの暮らしではイメージできない。働く方の就労控除の議論もしなくてはいけないが、このままでは私の実感では、グループホームでくらし通所施設に通う人は生活保護になるか、施設にもどることになる。地域移行がなかなかすすまなくなる。そのへんもうすこしイメージがもてるように、事務局も苦労はあるとおもうが、現場の支えてる実感から、これではイメージが脆弱になってしまう。詳しいものみないとわからないが、実態も改めて調べてみて、私の発言と違いがあるのかないのか調べてみて下さい。

小板委員((財)日本知的障害者福祉協会会長);
児童の利用者負担案が出てききたのはショック。3年から5年かけて結論を出すといってきたのになぜなのか。在宅と入所のバランスを考えられているが、育成医療、月額150万円にのぼる人もいる。特別ではないところでも60万かかる。食費に関しても経管栄養、アレルギー食、刻み食と一括りに計算は適当ではない。重度継続というが、頸損、脳性麻痺、ALSなどの名前が今回は消えている。3年かけるといっておきながら、今回出てきたのは残念。

京極部会長;
医療と福祉の給付については充分な議論はされていない。特に重度障害者については全部が福祉給付ではないので、施設は医療とも関連があるが、在宅は常に医療と関係するわけではない。

徳川委員(全国身体障害者施設協議会会長);
簡単に、3点。福島委員のいうように負担が一人歩きしているというのは同感。理念が先である。応益負担は賛成である。社会人として必要なものに必要なお金を払うことに賛成している。しかし障害ゆえにだすものは負担がかかってはいけない。相当な生活ができる所得保障がセットでなければいけない。国家財政のなかでも声をあげなければいけない点。施設の類型について、生活福祉と生活療養、療護施設は生活福祉になるが、殆ど医療が必要となる。医療への対応のため、財源も必要だし、資格緩和も必要になっていく。いくつかに分けるのはいいが、谷間の人がでないようにしていただきたい。

広田委員(精神医療サバイバー);
部長が自民党のヒアリングで途中でいなくなった。国会議員も私たち委員も国民の代表。矢島さん(精神保健福祉課長)だけがのこったが、国会議員は精神の課長はいらないというのか。ここでも如実に精神が置き去りになってる。通院公費負担、32条について。社会防衛システムとしての32条があり、36万床の入院施設がある。昨夜家に帰ると地域の精神障害者が孤立しないための国家保障の存続もとめるFAXはいっていた。全家連はスポーツ大会を応援するなどの時代はこえた。それはやりたいひとはやればいい。私もスポーツクラブで2キロやせた。個々にいろいろな生活がある。お金がかかることではなく、国全体で削減できる予算はあるはず。グローバルな視点で考えてほしい。21世紀を見据え、何が国民にとって大切なのか。スポーツ大会はやりたいのは本人ではなく、主催者。何が必要かグローバルな視点で話し合ってください。全家連は再建でがんんばってほしい。スポーツ大会などはやりたいひとがやればいい。あと精神障害者の特有にあった就労支援を考えて頂きたい。

京極部会長;
最後にまとめて、事務局よりお願いします。次回は異例の年末の開催になります。

北川企画官;
グループホームの関係、資料2のp23基本的に年金のみの方を考えている。収入がある方がどうなるかが問題になってくる。工賃、仕送りが負担料にとられるおそれといいうことではない、どういうところを負担してもらうかはこれからの検討して頂く。具体的な事例をだして考えたい。10稼いだら10取られてしまうのではという声があるが、そういういうことではない。収入認定をきっちり考え、従来より負担ふえるかもしれないがやっていきたい。
児童関係は措置権の市町村移譲や虐待防止法の関係で、施設類型については3年間検討し結論を得る。特別児童扶養手当の話しもでた。入所では特別な支出はでないことになる。急激に変わるのではなく、整合性とっていく。医療型児童施設は、p26下にある。医療費の負担軽減措置を考えている。4つ目の入所施設型の公費医療負担制度といってもいい。18年度10月からこれは実施したい。福祉型の施設と均衡をとっていく。
応益負担と財源について、我々も考えるが、事業計画、支給決定、応益負担で義務的経費化できる。17年度の予算も乗り越えられる。障害者の方には厳しいことをお願いしている。これまでの伸びをまかなえるしくみを、まかなえるものとなるようにしていく。GDPのデータは分析させてもらう。
事業関係だが、身体のグループホーム、ケアホームについてあったが対象の基準などもこれから検討していく。精神の場合、生活福祉、生活療養に組み込むのはむずかしいかもしれないがどのような人対象にするか出来た段階で市区町村に示す。 グランドデザインでは訪問看護は入っていない。今回は公費をどのような負担のしくみとするかが課題で訪問看護は医療費になる。公費の負担ではもちこめない。高齢の場合とおなじように保険を活用できれば医療との関係もはいってくる。

矢島課長;
部長がはずして申し訳ありません。部長に後を任され光栄です。意見を頂き、予算はそろそろしめきりで、内示がそろそろでる。これから伸びることを考えがんばっていく。理解を頂きたい。運用面は考えていきたい。

京極部会長;時間ポーバーしましたが。

大濱委員(全国脊髄損傷者連合会副理事長);
厚生労働省の説明時間が多すぎる。地域生活にかんして具体的なものでない。この場に出ている以上委員として責任まっとうしたい。説明だけで議論の時間がない。これでは議論が成り立たない。

京極部会長;
詰めて議論しなくてはいけない点もある。次回またお願いしたい。今日は終了します。

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