障害者サービス利用、負担軽減策を拡充…与党が見直し案

 自民、公明両党の与党プロジェクトチームは5日、障害者自立支援法の抜本的見直しに関する骨子案をまとめた。

 サービス利用料の原則1割の自己負担を求めている現行法について、低所得者を中心に2008年度までの時限措置として実施している現在の負担軽減策を09年度以降も継続し、対象世帯を拡大することが柱。障害者の所得保障を充実させるため、障害基礎年金の引き上げも検討するとしている。

 負担軽減策は、年収600万円までの世帯を対象に、通所、在宅サービス利用の際の自己負担の上限を4分の1に下げるなどして、実際の負担を5%程度にとどめている。骨子案は、これらの措置を、「09年度以降も実質的に継続する」と明記するとともに、障害児のいる世帯については、対象を年収890万円までに拡大している。

 障害基礎年金については、2級の金額(月約6万6000円)を1級(月約8万2000円)並みに引き上げ、1級も現行より引き上げることを検討するとしている。

(2007年12月5日15時8分 読売新聞)

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障害者自立支援法:障害基礎年金、引き上げ 介護保険と統合せず−−見直し与党案

 自民、公明両党がまとめた障害者自立支援法の抜本的見直しに関する最終案の全容が4日、明らかになった。障害者の所得保障策として、障害基礎年金の引き上げや住宅手当の新設を盛り込んだほか、介護保険との統合を前提としないことを明記した。両党は5日、与党プロジェクトチームで最終調整したうえで、合意する予定だ。(5面に最終案要旨)

 障害基礎年金の引き上げは、2級の給付額(月6万6000円)を1級(月8万2000円)並みに引き上げるとともに、1級をさらに増額することを検討項目として例示した。

 政府は安定的財源を確保するため、障害者支援策を介護保険に統合することを視野に入れ、06年施行の障害者自立支援法で介護保険と同様の「1割自己負担」を導入した。しかし、与党の最終案は政府方針を否定し、「障害者施策としてのあるべき仕組みを考察する」と明記した。

 また、福祉サービスを利用した際の本人負担については、現行の応益負担を改め、障害者が支払える範囲で負担する応能負担に変えるべきだとの方針を明記。負担上限額は、障害者個人の収入で決めるとしている。

 06年末から08年度まで計1200億円を投入して負担を軽減する「特別対策」は09年度以降も継続。障害児のいる世帯の軽減策としてサービス費や医療費の自己負担合計額に上限を設け、サービス費を4分の1に減免する措置が適用される年収基準を現行の600万円未満から890万円未満に緩和する。福祉事業者への支援策として、法施行前の収入の9割を保障するため、09年4月に報酬改定を実施することも盛り込んだ。

【大場伸也】 毎日新聞 2007年12月5日 東京朝刊

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