解説

 2003年度より予算不足のため、ヘルパー制度に国庫補助基準が導入され、「市町村のヘルパー支給決定者数×一定の基準額」が国庫補助対象の上限になりました。このため、長時間介護利用者のみにヘルパー派遣している小規模市町村は国庫補助基準を上回り、一方で、短時間ヘルパー利用者にも広く支給決定している市町村は国庫補助基準オーバーしないということがおこっています。
 関西のある県では、ヘルパー制度利用の希望がなくとも全障害者に支給決定しておき、病気などの際に、手続きなしにヘルパー利用ができるようにしています(安心時間方式)。このため、この県では国庫補助オーバーの市町村は1つもありません。他の県でもこの方法をとることをお薦めします。
 入所施設の場合は予算の上限なく確実に50%国庫補助されるのに対し、ヘルパー制度は(国庫補助基準オーバーの市町村には)全額補助されません。自立支援法になり、ヘルパー制度が義務的経費になるとの引き換えに自治体から非難轟々の国庫補助基準が温存されました。これは、財務とのからみでなかなか全廃できない情勢です。上記の安心時間方式を各県で積極的に導入して、対抗しましょう。
 なお、国庫補助基準をオーバーした場合、都道府県が地域生活支援事業で市町村にオーバー分を補助できます(3月1日課長会議資料でこの補助をする場合の要綱案が掲載されています。あくまでなんでもありの地域生活支援事業ですので、厚生労働省が示したのは、あくまで要綱の1案です。これにとらわれずに、オーバー分の全額を補助することも可能です。)  

3/1課長会議資料6-2の26p〜27pより

(これは、都道府県の地域生活支援事業の要綱案の例示に過ぎません。都道府県がこの方法にかかわらず、国庫補助基準オーバーした市町村のオーバー分全額を補助することは可能です。(厚生労働省障害保健福祉部企画官談))

 国庫補助基準というものが存在する限り、国庫補助基準を参考にヘルパー支給決定基準を決めてしまう市町村や、国庫補助基準が個人の上限であると勘違いする市町村が出てしまいます。いずれも間違いであり、ヘルパー制度に上限はありません。  事実、最高24時間の滞在型ヘルパー利用者のいる市町村のほとんどは国庫補助基準を超えていません。

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平成17年国庫補助基準を超過した自治体全国リスト表示

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