(2) 重度訪問介護サービス費
@ 重度訪問介護の対象者について
区分4以上に該当し、二肢以上に麻痺等がある者であって、認定調査票(区分省令別表 第一の認定調査票をいう。)における調査項目のうち「歩行」、「移乗」、「排尿」、
「排便」のいずれもが「できる」(「歩行」にあっては「つかまらないでできる」)以外 に認定されている者
A 重度訪問介護サービス費の算定について
重度訪問介護は、日常生活全般に常時の支援を要する重度の肢体不自由者に対して、食 事や排せつ等の身体介護、調理や洗濯等の家事援助、コミュニケーション支援や家電製品
等の操作等の援助、日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守り等の支援 及び外出時における移動中の介護が、比較的長時間にわたり、総合的かつ断続的に提供さ
れるような支援をいうものである。
したがって、重度訪問介護については、身体介護や家事援助等の援助が断続的に行わ れることを総合的に評価して設定しており、同一の事業者がこれに加えて身体介護及び家
事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできないものであること。 ただし、当該者にサービスを提供している事業所が利用者の希望する時間帯にサービス
を提供することが困難である場合であって、他の事業者が身体介護等を提供する場合に あっては、この限りでない。
B 重度訪問介護の所要時間について
(一) 短時間に集中して支援を行うという業務形態を踏まえて短時間サービスが高い単 価設定となっている居宅介護に対し、重度訪問介護については、同一箇所に長時間滞在し
サービス提供を行うという業務形態を踏まえ、重度訪問介護従業者の1日当たりの費用 (人件費及び事業所に係る経費)を勘案し8時間を区切りとする単価設定としているもの
である。また、8時間を超えるサービス提供を行う場合には、事業所の管理コストが逓減 することを踏まえ、8時間までの報酬単価の95%相当額を算定することとしているもので
ある。したがって、同一の事業者が、1日に複数回の重度訪問介護を行う場合には、1日 分の所要時間を通算して算定する。この場合の1日とは、0時から24時までを指すもので
あり、翌日の0時以降のサービス提供分については、所要時間1時間から改めて通算して 算定する。また、1日の範囲内に複数の事業者が重度訪問介護を行う場合には、それぞれ
の事業者ごとに1日分の所要時間を通算して算定する。
(例) 1日に、所要時間3時間30分、3時間30分の2回行う場合
→ 通算時間 3時間30分+3時間30分=7時間
→ 算定単位 「所要時間6時間以上7時間未満の場合」
(二) 1回のサービスが午前0時をまたいで2日にわたり提供される場合、午前0時が 属する1時間の範囲内における午前0時を超える端数については、1日目の分に含めて算
定する。
(例) 22時30分から1時30分までの3時間の連続するサービス
- 22時30分から0時30分までの時間帯の算定方法
1日目分2時間として算定
- 0時30分から1時30分までの時間帯の算定方法
2日目分1時間として算定
(三) 重度訪問介護にかかる報酬は、事業者が作成した重度訪問介護計画に基づいて行 われるべき指定重度訪問介護等に要する時間により算定されることとなるが、当該重度訪
問介護計画の作成に当たっては、支給量が1時間を単位として決定されること、また、報 酬については1日分の所要時間を通算して算定されることを踏まえ、決定された時間数が
有効に活用されるよう、利用者の希望等を十分に踏まえることが重要である。
C 特に重度の障害者に対する加算の取扱いについて
重度訪問介護従業者(重度訪問介護基礎研修課程(指定居宅介護等の提供に当たる者と して厚生労働大臣が定めるもの(平成18年厚生労働省告示第538号。以下「居宅介護従業
者基準」という。)の別表第一に定める内容以上の研修課程をいう。)のみを修了した者 を除く。)が、重度訪問介護の利用者のうち、重度障害者等包括支援の対象となる心身の
状態にある者に対して重度訪問介護を行った場合にあっては所定単位数の100分の15に相 当する単位数を、区分6に該当する者に対して重度訪問介護を行った場合にあっては所定
単位数の100分の7.5に相当する単位数を、それぞれ所定単位数に加算する。
なお、重度訪問介護従業者養成研修(居宅介護従業者基準第1条第3号に規定する重度 訪問介護従業者養成研修をいう。)を修了した者が、加算対象となる重度障害者に対して
重度訪問介護を行う場合は、当該加算対象者に対する緊急時の対応等についての付加的な 研修である重度訪問介護追加研修課程(居宅介護従業者基準の別表第2に定める内容以上
の研修課程をいう。)を修了している場合についてのみ所定単位数が算定できるものであ ること。
D 早朝、夜間、深夜等の重度訪問介護の取扱いについて
早朝、夜間、深夜の重度訪問介護の取扱いについては、原則として、実際にサービス提 供を行った時間帯の算定基準により算定されるものであること。
ただし、基準額の最小単位(最初の1時間とする。)までは、サービス開始時刻が属す る時間帯の算定基準により算定すること(サービス開始時刻が属する時間帯におけるサー
ビス提供時間が30分未満である場合には、多くの時間を占める時間帯の算定基準により算 定すること。)。また、基準額の最小単位以降の1時間単位の中で時間帯をまたがる場合
には、当該1時間の開始時刻が属する時間帯により算定すること(当該1時間の開始時刻 が属する時間帯におけるサービス提供時間が30分未満である場合には、当該1時間のう
ち、多くの時間帯の算定基準により算定すること。)。
E 移動介護加算について
(一) 外出時における移動中の介護(以下「移動介護」という。)を行 う場合には、外出のための身だしなみ等の準備、移動中及び移動先における確認等の追加
的業務が加わることを踏まえ、一定の加算を行うこととしているものであるが、これらの 業務については、外出に係る移動時間等が長時間になった場合でも大きく変わる支援内容
ではないことから、4時間以上実施される場合は一律の評価としているものである。この ため、1日に、移動介護が4時間以上実施されるような場合にあっては、「所要時間3時
間以上の場合」の単位を適用する。
(二) 同一の事業者が、1日に複数回の移動介護を行う場合には、1日分の所要時間を 通算して報酬算定する。また、1日に複数の事業者が移動介護を行う場合には、それぞれ
の事業者ごとに1日分の所要時間を通算して算定する。
(三) 2人の重度訪問介護従業者により移動介護を行う場合であっても、移動介護加算 については、1人分のみ算定する。
F 利用者負担額上限額管理加算の取扱い
報酬告示第2の3の利用者負担額上限額管理加算については、2の(1)のJ を準用する。
G その他
(一) 重度訪問介護は、同一箇所に長時間滞在しサービス提供を行うと いう業務形態を踏まえ、1日につき3時間を超える支給決定を基本とすることとされてい
るが、利用者のキャンセル等により、1事業者における1日の利用が3時間未満である場 合についての報酬請求は3時間未満でも可能である。なお、「所要時間1時間未満の場
合」で算定する場合の所要時間は概ね40分以上とする。
(二) 2の(1)の@、A及びHの(一)の規定は、重度訪問介護サービス費について 準用する。
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