4月13自民党障害者特別委員会より

(厚労省発言要旨)
・現行の支援費制度では原則として個人負担  個人に基づいた負担額を本人が負担できない場合に限って、扶養義務者が負担(p6)
→社会保障の個人化の潮流から逸脱 ・新法では、扶養義務者負担を廃止、本人負担に一本化  ただし、1割負担の軽減措置は世帯収入に準拠する
・成人の障害者については負担軽減措置も本人収入のみに準拠すべきとの意見がある
→配偶者の生活保持義務と矛盾するので、少なくとも配偶者収入は合算して軽減措置  税制や健康保険で世帯が便益を得ている場合は世帯収入に基づいて軽減措置
・厚労省の原案では、最も広い定義で世帯の範囲を設定(=一緒に暮らしている人)
 例)介護保険、医療保険
→支援費制度など、これまでの障害者福祉の経緯や、障害者の自立の観点から、世帯の範 囲をより限定する方向で議論している
→世帯の範囲を扶養義務者に限定した場合でも、現行の支援費制度と比べて、高齢障害者と同居する子どもは新たに負担が生じる
 自民党障害者特別委員会のまとめに準拠するためには、さらなる修正が必要 ・新制度への移行によって生ずる、利用者にとってのデメリットは、
 @1割負担により、利用者の負担割合が上がる
  A税制や健康保険で便益を受けている場合、たとえ現行制度では扶養義務者負担が生じていないとしても、高齢障害者と同居する子どもには新制度への移行によって新たな負担が生じる
・税制や健康保険で便益を得るか、高齢障害者と同居する子どもの収入を合算せずに本人の収入のみに準拠して利用者負担の軽減措置を受けるか、の選択制は理論上可能

4月20日 自民党障害者特別委員会より

4月20日の自民党の委員会で以下のまとめが出ました
○この法律による、障害者の利用者負担については、本人の所得を基本とし、税制や医療療保険の被扶養者の関連を整理した上で、親・兄弟・子どもとしての扶養義務者の負担はないものとすること。
 これにより、事実上、税制や医療療保険の被扶養者でない同居障害者は、親・兄弟・子どもは扶養義務者にしないことが確定しました。

自民党障害者特別委員会最終報告案の注目点

「家族の介護が得られない最重度障害者が在宅でも暮らせるよう、国庫負担基準を含め適切な措置を講ずる」・・など盛り込まれる

 4月20日の自民党の委員会では、取りまとめ(案)が出され、自己負担の扶養義務者の範囲に関する問題の決着のほかにも注目点があります。
 調整金がなくなり、国庫補助区分をまたがれない問題などが出ていた国庫補助基準については、各障害者団体の関係者の努力で
「家族の介護が得られない最重度障害者が在宅でも暮らせるよう、国庫負担基準を含め適切な措置を講ずる」 という文書が入りました。
 ただ、「公的な支援を基本としつつ、ボランタリーな支援も組み合わせた体制を整えること」という文書も入りました。 (この案の文書は、さらに改善される予定です)

自民党障害者問題特別委員会のまとめ

障害者自立支援法案及び障害者雇用促進法の一部改正法案の施行に向けて

自由民主党障害者問題特別委員長 八代 英太

 当特別委員会においては、昨年来、障害者基本法改正の趣旨を踏まえ、障害者の自立の支援という観点から、地域生活の支援と就労の支援を軸に議論を重ねてきた。
 政府は、当特別委員会におけるこうした議論の内容を盛り込んだ「障害者自立支援法案」と「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」を今国会に上程し、いよいよ国会の場で審議されようとしている。
当特別委員会は、これらの障害者施策関連二法が真に障害者の自立支援につながるものとなるよう、国会での審議に先立ち、本年1月より新たに「障害者の介護施策等に関する小委員会」を設置し、日本を代表する障害者団体のリーダーも会議に参加する中、今後の障害者福社のあり方等を含めて議員・政府・障害者団体が一同に会して熱心に議論してきた。 以下両法案による改革の方向性を評価しつつ、施行に向けた論点や今後更に検討すべき論点を整理し、これを小委員会のまとめとする。

平成17年4月20日

( 円滑な施行に向けて)
○ この法律の基本的課題として、あくまでも、障害者基本法の理念に基づき、障害者の自己決定を尊重し、障害者の自立と社会参加を促進するよう推進すること。
○この法律による、障害者の利用者負担については、本人の所得を基本とし、税制や医療保険の被扶養者の関連を整理した上で、親・兄弟・子どもとしての扶養義務者の負担はないものとすること。
○ この法律によって、サービス利用者は、原則1割の負担となるが、激変緩和を考慮し、障害者の厳しい所得の現状も配慮して、負担を求めること。また、負担を求めるに当たっては、就労を支援する観点から、就労によって得た所得等に配慮すること。
○家族の介護が得られない最重度障害者が在宅でも暮らせるよう、国庫負担基準を含め適切な措置を講ずるとともに、公的な支援を基本としつつ、ボランタリーな支援も組み合わせた体制を整えること。
○この法律による障害者の利用申請手続きは、できるだけ簡略化や便宜が図られるようにすること。
○この法律に、新たに設けられる「審査会」のメンバーは、障害者について十分理解している人物を優先して選ぶこと。
○この法律の施行に当たっては、地方自治体と障害者各種団体の意見を尊重しつつ、地域の中で必要なサービスが確実に提供されるよう、十分な措置を講じること。また、生活介護事業の対象については、年齢など介護の必要度以外の要因を考慮する取扱いとすること。
○地域において障害者が働く場となっている小規模作業所が、障害者自立支援法の枠組みに円滑に移行できるよう、一層の配慮を行うこと。
○障害者の就労と介護は、密接に関連することに鑑み、職場への移動や職場での介護等の職場の行う支援と、新たな法律による福祉サービスとは連携して行うこと。

(その他の課題)
○精神障害者の雇用義務化や身体障害者・知的障害者の短時間労働者の雇用率への算入など、在宅就労、自営業を含め障害者の多様な働き方を実現するための方策を検討すること。
○障害者の可能性を高め、能力を最大限に引き出すため、教育分野と福祉・労働分野の連携を強め、盲・聾・養護学校を含め、多様な場所での障害者の能力開発を更に進めること。
○今後、障害者の所得保障のあり方について、幅広く検討すること。
○新たな法律を踏まえて、支援を受ける障害者の範囲について、身体・知的・精神の三大カテゴリーのほか、発達障害、難病等、日常生活が困難な人々も対象となるよう、障害の定義、等級のあり方を含め検討すること。

以上

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