18年1月1日からの障害者自立支援法の自己負担金の個別減免 申請者には貯金調査

 18年1月1日から、ヘルパー制度などは1割負担になります。ただし年金額や所得によって4ランクの自己負担上限が設けられます。(くわしくは月刊誌バックナンバーをご覧ください)。
 アパートなどで1人暮らしの障害者などで、年金と手当てだけの収入の場合などは、生活保護より少ない収入になるので、その場合は、個別減免を申し込めば、ヘルパー制度などの費用負担が(本来の2万4600円から)、0円に下がります。
(施設入所の場合は、住宅扶助がない、生活費の基準が下がるなどで、生活保護基準額が下がりますので、年金収入だけでも生活保護基準を超える場合があります。)
 ただし、個別減免を申請した場合は、金融機関の調査の同意書を提出させ、市町村が貯金の調査を行う制度にするようです。提出するのは、生活保護申請時と同様の同意書になると思われます。市は同意書に基づき、金融機関に調査依頼し、貯金額を調べると予想されます。生活保護に比べて、どこまで丁寧にやるのかは、まだ決まってないそうです。
(親類に扶養義務紹介などをするかどうかですが、どこにもそのような話はないので、やらないとは思います。しかし、これも内部で話し合いもされてないので未定だそうです。)
 いずれにしても、生活保護が取れるような収入と資産の人は、自己負担は0円になります。

新制度での自己負担の扶養義務者の範囲から親や兄弟・子供が外れることがほぼ決まる

(所得税の扶養から障害者をはずすことが条件)

 家族と同居する障害者の介護給付(ヘルパー制度や入所施設の夜間部分)と訓練等給付(施設の日中部分等)の費用負担の話です。
 自民党は財務省と協議し、障害者自立支援法での「扶養義務者」の範囲について、成人障害者の場合は、親や兄弟や子供を扶養義務者からはずすことで合意しました。ただし、扶養義務者が所得税の障害者控除を使わないことが条件です。これを受け、厚生省は自民党の障害者特別委員会で扶養義務者についての案の改定を説明しました 。

 税制における扶養控除は38万円
 それに加え
  3〜6級障害者の場合27万円
  1〜2級障害者は40万円
   (同居の場合さらに35万円の同居特別障害者扶養控除35万円)

 1〜2級障害者と同居している親等の扶養義務者は、扶養控除等を使うと、月々に換算すると所得水準により約1万円から4万円の税負担軽減となります。(多くの家庭では所得税は約1割なので約1万円です。所得が多いと所得税の税率が上がるので控除額も比例して上がります)。
 新法の自己負担のしくみについては、詳しいことは今後詳細が決まります。

 この新方式で、家族同居でも「扶養義務者」が誰もいない(結婚していないなどの障害者)で、年金・手当以外の収入のない障害者の場合、自己負担の上限は年金1級受給者で約月2万4000円、年金2級受給者で月1万5000円となります。
 「夫婦間」や「障害児に対する親」は民法上強い扶養義務とされているので、従来どおり、扶養義務者から外れることはできません。
 しかし、高齢の障害者の子供は、今回、はじめて扶養義務者から外れることになりそうです。視覚障害者の場合は、50〜60代になってから失明する場合などが多く、子供世帯と同居の場合がほとんどです。2003年度に支援費制度が始まってからは移動介護に自己負担が発生し、制度批判があがっていました。(2002年度まではガイドヘルパー制度は本人の収入で自己負担を決めていたので、無料の利用者がほとんどだったので、制度が支援費で後退した)。これが、今回、支援費前のように改善することになります。ALSや高齢になってからの頚椎損傷で子供世帯と同居している全身性障害者等でも、同様のことが言えます。

 しかし、すでに所得税申告は3月に終わっていますので、18年1月から7月までは、今年3月に申告した内容での費用負担になる可能性があります。(この場合は、減免なしで月約4万円の自己負担上限となります)

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