移動介護廃止

  移動介護は地域生活支援事業(一般財源化)のガイドヘルプへ 全身性障害者は日常生活支援で外出も可能に

移動介護がなくなり、知的・視覚・精神等の移動介護は1つの法人に委託されるガイドヘルプサービス(地域生活支援事業(一般財源化される可能性が極めて強い)の中の1メニュー)になります。一方、全身性障害者で日常生活支援類型の利用者は、日常生活支援(個別給付に残る)で外出できるように変わります。身体介護・家事援助利用の全身性障害者は日常生活支援を通常は使えませんのでどうなるかは不明です。知的・視覚障害者等と同様に、1つの法人に委託されるガイドヘルプ事業になる可能性もあります。また、市町村がコストの安い地域生活支援事業のガイドヘルプサービスだけを行い、日常生活支援での外出分を一切決定しないことも可能です。
  これでは、支援費前の状況に逆戻りです。つまり、全国の9割の市町村でガイドヘルプは社協委託になります。時給800円〜1000円くらいの制度になるでしょう。
  支援費実施前の、独占委託のサービスの悪い、暗黒の時代に戻ります。
  24時間の介護が必要な1人暮らしの障害者が、1時間5030円の移動介護(夜間)を5〜7時間の介護に引き伸ばして、ぎりぎり生存している大阪やその他の全国各地の地域(24時間の介護保障が出来ていない地域)では、このままでは、それらの障害者の介護が受けられる時間数が足りなくなり、確実に死人が出ます。
(10月12日の審議会の資料1の12p、資料3の15p(移動介護はB障害者地域生活支援事業に入る)、資 料3の後半の、参考資料の35p、を参照)
 ホームヘルプは「介護給付」に入り、舗装具などは「自立支援給付」に入りますが、ガイドヘルプ事業はリフトカーによる移送サービスなどと共に「地域生活支援事業」に入ります。「地域生活支援事業」は「介護給付」や「自立支援給付」に入らない、重要度の低い事業が寄せ集められることになっており、確実に一般財源化されると予想されています。また、一般財源化されない期間があっても、このような優先順位の低い事業は国では予算増は行われませんし、市町村でも予算増はほとんど不可能になります。
 なお、きわめて重度の多動などの知的障害者・重度の精神障害者の場合は、個別給付で移動介護が行われることになっていますが、単価などは不明です。


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(改革のグランドデザインより)


新しい制度では、すべての障害施策が3つに再編されます。

1介護給付 ホームヘルプ・通所・ショート・重度障害者包括サービス・ケアホーム(ケア付グループホーム) 障害者個々人へ給付
2自立支援給付 就労移行支援事業・要支援障害者雇用事業・グループホーム・自立支援事業(機能訓練・生活訓練)・補装具 障害者個々人へ給付
3地域生活支援事業 ガイドヘルプ事業・リフト付福祉バス事業・相談支援事業・権利擁護事業・デイサービス(本人活動・生きがい)・手話通訳・訪問入浴・日常生活用具 法人に一括補助

このように3つに分けたのには、以下の理由があると考えられます。障害者に介護保険が適用された時に、1の介護給付は介護保険と重なる部分、2の自立支援給付は障害者特有の横だしサービス、3の地域生活支援事業は(重要度が低いので)一般財源化になっても仕方のない事業という考え方であると読めます。実際に、3番は、メニュー事業として包括補助金として計画されています。なお、この事業の方式は、市町村との密接な関係のある特定の社会福祉法人や福祉公社などにだけ委託されるものなので、一般の民間事業所が委託を受けることはまずできません。東京や大阪などの一部の地域をのぞき、3000市町村のほとんどの地域では市町村社会福祉協議会など1箇所への委託となることが予想されます。

11月26日審議会障害部会資料より

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