障害福祉担当の皆様へ

H15年度 障害者ホームへルプ 国庫補助金 変更点の解説 (厚生労働省障害保健福祉部発表事項)

・利用者個々人のヘルパー時間数上限は撤廃に

◆毎日新聞 2003128日 朝刊

障害者支援費:厚労省が「上限」撤廃 障害者団体と合意

 「障害者の「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスの補助金配分基準を設けようとしたのに対して、障害者4団体が「サービスの『上限』になる」と反発していた問題で、27日双方の合意が成立した。厚労省は、同制度移行時は原則として現在の補助金配分額を維持するなど障害者側の要望をほぼ受け入れた。同省の河村博江社会・援護局長は4団体側に「コミュニケーション不足があった」と反省の弁を述べた。  4団体は、日本障害者団体連合会、日本障害者協議会、全日本手をつなぐ育成会、DPI日本会議。厚労省との合意事項は配分額の確保のほか(1)今回定められるのは市町村への補助金の交付基準で、個人のサービスの支給量の上限ではない(2)交付基準は今後、利用状況を踏まえて見直す(3)障害者が参加する在宅サービスの検討会を早期に設置し、来年度から補助金が打ち切られるコーディネーター事業の問題なども協議する――など。
 合意後、厚労省が発表した補助金の交付基準は▽一般障害者が月約25時間(6万9370円)▽視覚障害など特有のニーズ(ガイドヘルプなど)を持つ障害者が同約50時間(10万7620円)▽全身性障害者が同約125時間(21万6940円)。この基準に基づいたうえ、これまでの補助金額を下回る市町村には、上乗せして従来の額を確保できるようにする。  厚労省には14日から障害者団体が連日抗議に訪れ、同省側も特別警戒態勢を取るなど緊迫した状況が続いていたが、ほぼ2週間ぶりに解決する。
 初めて統一行動をとった4団体の代表は記者会見で「100%満足ではないが、『上限』撤廃が得られた。地域で生きる障害者のサービス事業をより充実させるため、今後も協力して活動したい」などと述べた。

  支援費制度でのホームヘルプサービスの国庫補助金の問題で、厚生労働省が個々人のヘルパー利用時間の制限を検討しているといった報道が1月10日にされましたが、その後、全国各地の自治体の抗議や、自民党・公明党・野党などもヘルパー時間に上限をつけることに反対したことで、最終的には厚生労働省と障害者団体との話し合いで改善され、この問題は全面解決(ヘルパー利用者の個々人への上限なし)となっています。

 このことは、1月28日の厚生労働省での支援費制度課長会議や3月5日の障害保健福祉課長会議で都道府県に対して「個々人の利用時間数に上限はない」と説明がされていますが、国庫補助金計算が難解なため、全国各地の市町村にきちんと伝わっていない実態があります(勘違いしている市町村が多い)ので、今回のお知らせ(解説)をお送りすることになりました。


平成15年度からのホームヘルプサービス(居宅介護)国庫補助交付基準についての解説

 1月28日の全国支援費担当課長会議にて、15年度よりホームヘルプサービス(居宅介護)の居宅介護の国庫補助に対し、新しい交付基準が適用されることになりました。(詳細については次ページ)

○これまでの国庫補助交付基準

市町村への補助金についても国から50%が、都道府県から25%が補助されるが、最近5年間は国予算が余っていたので、満額補助が受けられていた。過去にゴールドプラン初期に予算(当時は老人と障害で一括予算)が足りない年度があったが、その時は各都道府県と協議して全国の市町村の補助率を平均的に少し下げることで対応していた。

○今回、新交付基準が策定された理由

15年度の身体・知的障害者のホームヘルプ事業の予算は昨年度から14.5%アップの約280億円を確保したが、支援費制度の施行により、単価引上げ、事業者参入等を通じ、サービス提供のための基盤整備が図られるため、今後、国庫補助金が足りなくなる可能性がある。足りなくなった場合は、すべての各自治体に対して満額補助がつけられない。

・支援費制度では、障害者がどこの地域でも一定のサービスが受けられるようにすることが必要であり、国として現行の著しい地域格差を是正し、全国的にバランスのとれた整備を進めたい。このためこれまでのような 交付基準ではなく、新に公平・公正に国庫補助金を配分するための基準を設定することとした。

・このため、ヘルパー制度利用人数に対してヘルパー事業費の多い市町村(例:東京都の一部市町村や大阪市など)には国庫補助の上限を設け、逆に、ヘルパー制度利用人数に対してヘルパー事業費が少ない全国のほとんどの市町村には「50%補助の満額」を必ずつけることを目的として行われたものです。これによって、ヘルパー予算の少ない市町村には積極的に予算アップをしてもらえる環境を作ったものである。(なお、国庫補助基準額を上回り、50%満額補助がつかない市町村は、東京圏・大阪圏以外では福岡県の1市のみとなっている。(15年度ヘルパー予算と15年3月時点での利用者の人数の比較で計算した全国障害者介護保障協議会の暫定調査による))。

国庫補助の具体的基準と解説

 この基準は、市町村に補助金を交付するための算定基準であり、東京都・大阪市を除くほとんど全ての市町村では、国庫補助の新基準が市の予算を上回るため、従来どおりの方法(市町村事業費の50%補助)で国庫補助がされることになる。

 市町村は15年度の各月ごとに、「月に30分以上ホームヘルパー(移動介護も含む)を利用している障害者の人数」の中から、以下の3種類の障害者に身体状況で分け、それぞれの市町村での「利用人数」×「以下の基準額」をもって、市町村全体の国庫補助対象事業費の上限額を算出する。
 「3種類の基準額×それぞれの利用人数」の合計額に12ヶ月をかけたものが基準額(15年度は11ヶ月予算のため×11ヶ月で計算)。

(1)一般の障害者(2・3以外の人数) 月 69,370円×ヘルパー「支給決定」人数
(2)視覚障害者・知的障害者の移動介護利用者 月107,620円×ヘルパー「支給決定」人数
(3)全身性障害者 月216,940円×ヘルパー「支給決定」人数

(全身性障害者には、家族と同居などで月1時間しか利用していない全身性障害者も人数に含む。全身性障害か否かは、家族状況や制度利用に着目するのではなく、身障手帳などで両手と両足に障害があるかどうかの身体状況のみに着目する。脳性麻痺などで全身に障害があるが手帳には両手両足の障害と書いていない場合などは実際の障害状況で判断)
注:介護保険給付の対象者の場合は、視覚障害者・知的障害者のガイドヘルパー利用者で:月38,250円、全身性障害者:月60,740円で計算する。

 上記の(1)〜(3)を足し合わせたものが、「市町村全体の国庫補助対象事業費の上限額」となる。これと「市町村の15年度決算」(ヘルパー事業費)を比べ、「市町村の15年度決算」が少ない場合は、満額補助される。つまりその市町村決算額の50%の国庫補助となる。(つまり14年度までとなにも変わらない)。

注:上記の金額を、個々人のヘルパー利用の上限と勘違いする市町村が非常に多いが、これは間違いである。上記の数字は平均的な利用者の時間数と理解するのが正しい。市町村のヘルパー利用者のおおむね9割以上は健常者の家族と同居の障害者であるので、上記の基準金額は家族と同居の利用者の平均時間とイメージすれば良い。ALSや1人暮らしの全身性障害者など、特に長時間のヘルパーが必要な最重度障害者に対する「上限」と勘違いする自治体が多く見うけられるので注意が必要。ALSや1人暮らしの全身性障害者などの最重度障害者は従来どおり毎日24時間のヘルパー利用も可能。  一例では、広島市や名古屋市など、支援費制度になってから従来より時間数アップをして1人暮らしの24時間介護が必要な全身性障害者に24時間365日のヘルパー時間数の決定をしている自治体も多い。

事実上、国庫補助上限なし(解説)

 現在、地域的に1人暮らしの重度障害者が偏在しており、国庫補助水準に達していないがそれに近い市町村もある。小規模市町村では1人暮らしの重度障害者が1人でも出ると国庫補助水準にすぐに近づいてしまう。
 これらの市町村でも、簡単に国庫補助水準を上げる解決策はある。支援費制度になったことで、今までヘルパー派遣が行われていなかった「健常者の家族と同居の障害者」への月1〜2時間の移動介護などの提供を新たに行うことが容易になった。これを行うと、ほとんど予算をかけずに国庫補助基準は容易に上昇し、国庫補助上限を気にすることはなくなる。(今まで家族と外出する機会しかなかった障害者に対し、月1〜2時間は家族以外の人(ヘルパー)との買い物など外出を楽しんでもらうことは自立支援のために重要な施策であり費用もさほどかからない)。
 例えば、今まで全くサービスを利用していなかった「家族と同居の全身性障害者」10人が、15年度から、移動介護を毎月1〜2時間程度使った場合、年間2400万円以上国庫補助基準額が上昇する。(注:15年6月からの利用では2000万円)。同様に「家族と同居の知的障害者」10人が、15年度から、移動介護を毎月1〜2時間程度使った場合、年間1200万円以上国庫補助基準額が上昇する。
 このため、市町村の工夫で、事実上は国庫補助の上限はないものと同じである。

経過措置 (おもに東京の一部市区町村・大阪市など予算が多い市町村向け)

・調整交付金について

 上記2で算出された「市町村全体の国庫補助対象事業費の上限額」と、市町村の15年度決算(ヘルパー事業費)を比べ、市町村決算が多い場合は、経過措置として「調整交付金」が国庫補助金額となる。
 調整交付金は、現状の利用者の生活が変わらないようにという意味で、14年度のヘルパー時間数×15年度支援費時間単価を交付する。
 なお、15年度、国予算全体が余った場合は従来どおり事業費の50%までは補助される可能性もある。

  事例

たとえば、ある村にはヘルパー利用は全部で8人で、うち、全身性障害者が3人、一般は5人だったとすると

6万9370円×5人=34万6850円

21万6940円×3人=65万0820円

         合計 99万7670円

99万7670円×12ヶ月=1197万2040円

1197万2040円 が国庫補助対象事業費の上減額です。
(15年度の障害ヘルパー予算がこの額より、少なければ、影響はありません)  

 

東京都江戸川区の例   

(自立生活センターSTEP江戸川より情報提供)
24時間介護保障ではないが、それに近いヘルパー制度がある区です。

(1)一般の障害者(2・3以外の人数)
       月 69,370円×300人=20,811,000円
(2)視覚障害者・知的障害者のガイドヘルパー利用者 
       月107,620円×190人=20,447,800円
(3)全身性障害者           
       月216,940円×18人=3,904,920円

H15年度、国庫補助の出る事業費の上限は
〔(1)+(2)+(3)〕×11ヶ月=496,800,920円(約5億円)

H15年度の江戸川区の障害者ホームヘルプ予算は約4億円の予定。
国庫補助の出る事業費の上限>区のホームヘルプ事業予算 =補助金を全額受けられる
国庫補助の出る事業費の上限<区のホームヘルプ事業予算 =国庫補助交付金額より多い部分は補助金がなく区の自己負担

江戸川区は 事業費(約5億円) > 区のホームヘルプ事業予算(約4億円)
であるので、補助金は全額受けられる。

(編注:実際は一般300人の5割は、家族と同居等の全身性障害であると考えられますが、細かい調査が終わってないようですので、全身性障害者介護人派遣事業利用者だけ全身性に仮にカウントしたようです。ですから、実際は、もっと余裕があります)

 

 

山口県宇部市の例

  (CIL宇部より情報提供)

15年度宇部市ホームヘルプ予算 6556万円 です。
 国庫補助上限
11千万円ぐらいです
現在の予算がいまの167
%まではアップする余裕があります。(利用者が増えたら、国庫補助枠も増えるので、67%というのは、「利用者数は変わらずに個々人のヘルパー時間数が増えても、総額67%アップまでは大丈夫」という意味。)

福井県が県内の市町村あてに送った、15年度からのホームヘルプ制度に関する国庫補助の取り扱いについての通知です。かなり細かくわかりやすく書いていますので、他の県の市町村にも参考になると思われます。この国庫補助基準が個々人の上限ではないこともしっかりかかれています。

障第42号

平成15年2月5日

各市福祉事務所長

各町村長

各健康福祉センター長 殿

総合福祉相談所長

福井県福祉環境部障害福祉課長

(公印省略)

障害者ホームヘルプサービスに関する国庫補助金の取扱いについて

日ごろから、障害福祉の向上に御尽力を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、先日開催された全国支援費制度担当課長会議において、来年度の障害者ホームヘルプサービスにおける国庫補助基準について、その取扱いが示されましたのでお知らせします。
本基準は、あくまでも市町村に国庫補助金を配分する際の算定基準であり、一人ひとりの利用時間額を規定するものではありません。また、現在の平均的な利用状況を上回る基準となっており、従前の国庫補助金を下回った場合には、従前額を確保することが決まっています。したがって、支援費支給量の決定にあたっては、これまでの方針どおり、利用時間数の上限を設定することなく、個人の意向や生活ニーズを踏まえて決定されますようお願いします。

なお、地域に指定居宅介護事業所が少ない市町村も想定されますが、先般、指定居宅介護事業所の指定要件が緩和されましたので、地域にある指定訪問介護事業所等に働きかけをしていただき、サービス提供体制の整備に努めていただきますよう併せてお願いします。
各地域にある相談支援窓口市町村生活支援事業等への周知についてもよろしくお願いします。

 

担当) ○○○○  

TEL 000-00-0039

FAX 000-00-0009

(解説)

1.             交付基準(上限)の設定理由

1)             ホームヘルプサービス単価の引き上げおよび支援費制度導入による利用量の増加が見込まれる事から、来年度予算を越えてしまう恐れがあり、予算の範囲内で補助金を配分するための基準が必要になった。

2)             市町村によって、格差のあるサービス利用量に一定の基準を設けるようにする。

2.             交付基準の種類

1)             基準交付金:これまでの国庫補助金と同じ性格のもの。ただし、上限は下記算定式により算出された額とする。

2)             調整交付金:「基準交付金額<従前の国庫補助金額」となった場合に、従前額まで交付する交付金。

3.             具体的基準について

1)             用語の解説

@     一般の障害者:下記の@、A以外のホームヘルプサービス利用者。

A     視覚障害者等特有のニーズを持つ者:視覚障害者もしくは知的障害者で移動介護(ガイドヘルプサービス)の利用者。

B     全身性障害者:ホームヘルプサービスを利用する重度四肢障害者等
(日常生活支援を利用していないもしくは移動介護を利用していても全身性障害者はこの区分となる)

2)             各基準額(月額)の算定根拠

@     一般障害者の場合:1ヶ月あたり概ね25時間(69,370円)

A     視覚障害者等特有のニーズを持つ者:1ヶ月あたり概ね50時間(107,620円)

B     全身性障害者:1ヶ月あたり概ね125時間(216,940円)

4.             市町村における具体的取扱い()

A市におけるホームヘルプサービスの状況

ア)             ホームヘルプサービス利用者数:@が5人、Aが3人、Bが2人

イ)             利用時間数および利用者負担額:  

@     −1 月あたり 身体介護10時間 家事援助10時間 負担額3,000
−2 月あたり 身体介護10時間   負担額なし
−3 月あたり 身体介護10時間   負担額なし
−4 月あたり 身体介護20時間 家事援助20時間 負担額5,000
−5 月あたり 身体介護30時間   負担額なし
A     −1 月あたり 身体介護25時間   負担額3,000
−2 月あたり 身体介護20時間 家事援助20時間 負担額3,000
−3 月あたり 身体介護30時間 家事援助30時間 負担額なし
B     −1 月あたり 日常生活支援135時間   負担額9,000
−2 月あたり 身体介護30時間 家事援助30時間 負担額5,000

(下線部は、基準時間数を超過)

 

[国庫交付基準額の算定方法]

(a)   支援費額(年額)

@月額  69,370円×5人=346,850

A月額 107,620円×3人=322,860

B月額 216,940円×2人=433,880

1,103,590

1,103,59円×12ヶ月= 13,243,080(a)

(b)   利用者負担額(年額)

(3,000円×3人+5,000円×2人+9,000)×12ヶ月=  336,000()

(c)    国庫交付基準額(上限額)

()())× 1/2    6,454540()

(d)   支援費基準額(年額) →イ)より算出

月額合計 934,650円×12ヶ月= 11,215,800(d)

(e)   国庫補助要額(市町村が請求する国庫補助金額)

()())× 1/2    5,439,900()

(f)     平成14年度国庫補助金額

6,000,000()

        一人ひとりで見ると基準時間()を超えている者もいるが、A市全体の国庫所要額()は国庫交付基準額()よりも少ないので、()の額がA市に補助されます。もし、()()よりも多くなってしまった場合は、()の額で補助されることになります。ただし、()の額が平成14年度国庫補助額()より減少する場合は、2.の2)の調整交付金で()の額までは補償されます。

なお、取扱いの詳細については、今後、検討されることになっています。

[国庫補助のパターン:()()よりも高い場合]

注)()()より低い場合は、()に関係なく()が補助上限

5.             まとめ

 国庫交付基準額は、あくまでも市町村全体の交付額であり、個人の利用時間(額)を制限するものではありません。したがって、ある人が基準を超えていても、交付基準額内におさまれば良いことになります。市町村においては、一人当たりのサービス利用時間数の上限を設定することなく、個人に意向や状況を十分勘案して、地域で安心して生活がおくれるよう支給決定についての特段の配慮をお願いします。(国庫基準は一定水準のサービス量の目安です。その水準に近づくよう支給決定、サービス基盤の整備等を行ってください。)

(福井県の資料は以上)

 

 

編注:東京都などの国庫交付基準額より事業費の多い市町村に出る調整金は、今までの利用者の生活が変わらないように、14年度国庫補助金の実績額ではなく、「14年度の実績時間数×15年度支援費ヘルパー単価」で調整金が出ることになっています。

 

障害者自立支援法における平成18年10月以降の国庫補助基準額について (バックナンバー18年2〜3月号より)

支援費の居宅サービスの国庫補助基準を超過した自治体リスト(平成17年度決算)解説追加

 

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会

フリーダイヤル0037−80−4455

フリーダイヤルFAX0037−80−4446

 

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます    対象地域:47都道府県(離島を除く)

全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパー・ガイドヘルパーの介助者の登録先が見つからなかったり、時給が下がってしまって困っている方はいませんでしょうか?

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパー・ガイドヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、ヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。今までの制度より原則給与が落ちない個別相談システムです。

利用の方法

 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から支援費や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行い支援費の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みはフリーダイヤル0037-80-4455にお問い合わせください。

 介助者への給与は介護型で時給1500円、日常生活支援で時給13001420円が基本ですが今までの制度の時給がもっと高い場合には今までの時給になるようにします。また、夜間の利用の方は時給アップの相談にのります。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護婦のいずれかの方である必要があります。ただし、支援費制度のほうは、現状で自薦ヘルパーや全身性障害者介護人派遣事業の登録介護人として働いている場合、県知事から証明が出て永久にヘルパーとして働けるようになります。

 2003年4月以降新規に介護に入る場合も、日常生活支援や移動介護であれば、20時間研修で入れます。この研修は無料で受けられるように計画しています。

 現在、特殊な障害ですと、過疎地では対応できる事業所がないため支給決定も行えないという事例もありますが、作業所や障害者団体内部などでその障害者の介護にすでになれた方がいましたら、広域協会を利用することで、提携指定事業所の専属登録ヘルパーとなれますので支援費の利用が可能になります。

 

 

このような仕組みを作り運営しています

2002年度までは介護保険対象者向けのシステムですが、2003年度からは障害へルパー利用者も自薦登録できるようになりました。全国どこに住んでいても、自薦登録ヘルパーを利用できます。お問合せは TEL 0037−80−4455(通話料無料)へ。10時〜22時)

介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、20004月時点)

お名前  (所属団体等)

花田貴博 (札幌市公的介助保障を求める会)

篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)

三澤 了 (DPI日本会議)

中西正司 (DPIアジア評議委員)

八柳卓史 (全障連関東ブロック)

樋口恵子 (全国自立生活センター協議会)

佐々木信行(ピープルファースト東京)

加藤真規子(精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)

横山晃久 (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)

益留俊樹 (田無市在宅障害者の保障を考える会)

川元恭子 (小平市在宅障害者の介護保障を考える会)

お名前  (所属団体等)

渡辺正直 (静岡市議)

山田昭義 (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)

斎藤まこと(名古屋市議/共同連)

尾上浩二 (障害者総合情報ネットワーク)

森本秀治 (共同連)

村田敬吾 (自立生活センターほくせつ24)

光岡芳晶 (特定非営利活動法人すてっぷ)

栗栖豊樹 (CILてごーす)

佐々和信 (香川県筋萎縮性患者を救う会)

藤田恵功 (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)

田上支朗 (熊本市全身性障害者の介護保障を求める会)

 

お問い合わせ先     ( 受付時間10時〜22時)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会

187-0003 東京都小平市花小金井南町1-26-30-1F

TEL 0120−66−0009 (通話料無料)  TEL 0424-62-5996

FAX 0037−80−4446 (通話料無料)  FAX 042-452-8029

ホームページ:www.jisen.npo.gr.jp 

全国各地で24時間滞在型介護保障が実現

 支援費制度開始に伴い、長らく障害者と市町村の間で話し合いが行われてきた地域で、日常生活支援で毎日24時間(月744時間)の決定が相次いで出るなど、24時間介護保障の地域が大幅に増えています。

 また、身体介護型でヘルパーを決定している地域では、日常生活支援の24時間保障と同等以上の1日あたり単価が出ている地域も増えています。これらの地域も実質的に24時間介護保障が出来たと言えます。

各市町村の状況です(時間数の多い地域のみ掲載)

1日あたり時間数 毎日24時間介護が必要な1人暮らしの障害者に対する時間数

(日常生活支援型の市)

広島市   24時間 (いままでは生活保護大臣承認介護料とあわせても13時間保障だった)

愛知県N市 24時間 (いままでは生活保護大臣承認介護料とあわせても13時間保障だった)

島根県I市 24時間

広島県A市 24時間

兵庫県P市 24時間

東京都B区ほか30市区 24時間〜20時間(生保大臣承認とあわせて24時間介護保障)

島根県O市 23時間 (生活保護介護料とあわせて24時間介護保障実現)

兵庫県C市 20時間  (生活保護大臣承認介護料とあわせて24時間介護保障実現)

兵庫県D市 17時間  (生活保護大臣承認介護料とあわせて21時間介護保障)

香川県Q市 16時間

愛媛県R市 16時間

(身体介護型の市)

埼玉県M市 17時間  (身体介護型+移動介護型)

熊本県L市 12時間  (身体介護型+移動介護型)

鹿児島県G市 11時間  (身体介護型)

福岡県K市 10時間  (身体介護型)

山口県J市 10時間  (身体介護型)

和歌山県S市 9時間  (身体介護型)

高知県H市 10時間  (身体介護と移動介護を平均2時間含む)

*問い合わせが殺到しますとご迷惑ですので、なるべく、お問い合わせはお控えください。

 厚生労働省は、今までどおり、ヘルパー制度に個々人の上限はなく、長時間必要な人には長時間、短時間必要な人には短時間のヘルパー時間決定をするように指導しています。24時間滞在型(月744時間)の利用者がいる自治体が増えていることも承知しています。障害ヘルパー制度には個々人の上限はありませんので、障害者個々人の状況に応じて、普通の生活が維持できる時間数を決定するようにしてください。

編集人 障害者自立生活・介護制度相談センター

    東京都武蔵野市境2-2-18-302      定価5

この冊子の記事(1p〜9pと12p)に関するお問い合わせは以下へお願いします

 全国障害者介護保障協議会  0424−62−5996 担当:大野  13001800

 全国自立生活センター協議会 0426−60−7747 担当:蔵本  13001800

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