6月14日支援費制度担当課長会議資料の解説

 6月14日に2ヶ月ぶりに支援費制度課長会議が開かれました。

 今回の会議では「支援費制度事務処理要綱」の案の冊子(375P)と、資料編の冊子(242P)が配布されました。(このほか、利用者向けの薄いカラーパンフレットも配布)。

事業者指定基準で介護保険と兼業の問題

 この中で、大きな事項では、従来決まっていなかった事業者の指定基準が細かく記載されました。ただし、ヘルパーの指定事業者の基準はヘルパーの資格やサービス提供責任者の資格が未決定です。(資料編には、指定申請の様式も掲載されています。内容は、介護保険のほぼ丸写しです。)

 この中で、介護保険の訪問介護(ヘルパー)指定と、障害の支援費の居宅介護(ヘルパー)指定を1つの事業者が同時に取る場合の特例がはじめて記載されました。介護保険指定部分でヘルパー常勤換算2.5人はそのまま必要で、障害の指定の部分で1名のサービス提供責任者が常勤1名必要になりました。その上、介護保険の2.5人は障害には派遣してはいけないことになりました。

 しかし、これでは、介護保険をメインにしているヘルパー事業者が、障害ヘルパーをサブで行うにはいいのですが、逆は大変です。多くの障害者団体は障害ヘルパー利用者は多くいても、介護保険対象者が1〜2人しかいません。この件は交渉を行う予定です。

そのほかの注目点の解説(2ページ先からコピーを抜粋掲載しています)

38P 支給量変更時の事務

 申請者は障害者から委任を受けていれば、支援者など第3者でもかまいません。

85P 転出転入時の事務

 転居先市町村ですぐにヘルパー等のサービスを受ける場合には、転居前(住民票が入る前)から転居予定市町村に相談することができると明文化されました。

99P 支給決定事務

 ヘルパー時間数などを決定するために聞き取る、勘案事項整理票の考え方が書かれています。勘案事項整理票の最終案も掲載されています。

224P 利用者負担額の決定

 費用負担はまず本人から求め、不足分は扶養義務者から求めるとされました。

 施設利用者向きには多く書かれていますが、ヘルパー利用者については225P最後に5行だけしか記載がありません。年度途中に著しく変動があった場合の取扱は検討中となっています。

247P 居宅支援事業者等の人員基準(居宅介護のみ抜粋)

 人員基準は介護保険の「訪問介護」とほぼ同じ記述です。

 障害ヘルパーは「居宅介護」事業者という名前になっています。

 介護保険「訪問介護」指定と障害の「居宅介護」指定を同時に取る時だけ、特別な記述となっています。(前述)

 身障・知的・児童の3法の指定事業者を同時に申請する場合は、合わせて2.5人でかまいません。

 新規事業者の場合、登録ヘルパーは(利用者が出たとき)確実に勤務に入れると勤務表に明記される時間帯なら、勤務可能時間として常勤換算時間にいれることは可能。

資料1P   支援費の申請書です。

資料2P   決定通知書です。費用負担は本人と扶養義務者の欄に別れています。

資料15P〜 居宅受給者証です。18Pでは、各指定事業者との契約時間数が記載されるような様式になりました。例えば、ヘルパー100時間の決定があった場合、60時間をA事業者と契約した場合、B事業者とは40時間しか契約できません。もし、月末にA事業者のサービスが10時間あまっていると気づいても、再契約の手続をしないと、B事業者を10時間多目には利用できません。再契約が間に合わない場合は、まず全額をB事業者に自腹で払って10時間利用し、あとから、市町村から還付を受けることになります。

資料61P〜 居宅介護の指定申請書です。介護保険の訪問介護とほとんど同じです。

 

 

 

事業者指定基準(事務処理要綱)で、問題発生

(2003年度から)   6P参照

 介護保険の訪問介護(ヘルパー)指定事業者は、障害の指定事業も申請する場合、プラス1名のサービス提供責任者(障害専任)でいいことになり、障害も介護保険も両方やる場合は、介護保険側では2.5人を下まわってはいけないということになったようです。つまり、この2.5人は、障害に派遣してはいけなくなりました。介護保険利用者に派遣するか事務所待機にしておくか、どちらかです。

 この問題は、厚生労働省内で、「2.5人で障害も介護保険も両方できるように」と、障害保健福祉部から介護保険の部署に対して話し合いが行われていましたが、介護保険のほうで、同意しなかった様です。

障害保健福祉部と協議した、厚生労働省の老健局振興課に聞きました

(人工呼吸器の交渉のときに参加した担当者で、重度障害者の団体情況は把握している)

こうなった理由

・介護保険の省令に2.5人が最低基準と書いている。(法律には書いていない)

・最低基準下げたくない。下げるとサービスがどうしても水準下がってしまうということで、老健局としての回答として、障害保健福祉部に3月ごろに、介護保険側では介護保険専任で2.5人の基準は下げられないと回答した。

・これでだめなら基準該当でやってほしい

 介護保険利用者が1人しかいないような団体の資料を集めて厚生労働省に持っていき、話し合いを行う予定です。

 現在、介護保険利用者がいるが、人数の少ない団体10〜20団体の詳細資料を集めて厚生労働省との話し合いに持っていく準備をしています。当会から直接御連絡した団体以外で「この基準では困る」という団体は御連絡下さい。

 これでは、ほとんどの県の介護保険利用者への派遣を、今、行っている障害者団体は介護保険指定は2003年4月から「休止」になってしまいます。東京・大阪の団体もほとんどはきびしい基準になります。こうなると、ALSなどの利用者はほかの事業者に移らなければいけなくなってしまいます(吸引ができなくなる)。または基準該当の交渉を行うことになりますが、基準該当は、なかなか行ってもらえません。

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