厚労省は今回のヘルパー単価見直し案については白紙撤回を表明
【続報】ホームヘルプ単価見直し問題12月17日情報
〜検討会障害者7団体と厚労省との話しあい報告〜
単価見直し問題について、障害者7団体と厚労省が話し合い行い、 厚労省は今回の見直し案については白紙撤回を表明
- 皆様のご支援で、今回の見直し案は白紙撤回され、検討会において 議論されることとなりました。
- しかし、何らかの事業運営の見直しについては今後おこなわれる可 能性があり、今後も情報収集が必要です。
- 市町村は予算編成のさなかだと思いますが、今回の見直し案が撤回 されたことをきちんと伝えてください。
本日、障害者(児)の地域生活のあり方に関する検討会の障害当事者7団体と厚労 省障害福祉課とのホームヘルプ単価見直しについての話し合いが行われました。
午前中はグループホームの見直し案について話し合いが行われ、厚労省の外では抗 議集会が行われました。この中で、グループホームの見直し案について白紙撤回がな
されるということが示されました。
このような状況の中、7団体の代表を中心に地方から参加されたかたも加えて、話 し合いのテーブルにつきました。
最初に、「今回の見直し案については白紙撤回をし、あらためて検討会で議論する こと」という要望書を国に提出し、7団体の各団体の代表者から次のような今回の見
直しに反対する発言がなされました。 「結論から言うととても見直し案はのめない。検討会で検討するのが筋で、厚労省の 提案の項目ごとに吟味したが、項目ごとにそれぞれ分割して受けるという話ではな
い。
全体の項目の流れを見ると去年とスタンス変わっていない。政策基調が地域生活と 逆行していて、変わっていない。
午前中のグループホームについても白紙撤回の回答があったが、今回のホームヘル プ、グループホームの問題をみると本当に地域に政策基調があるのか。」
「介護保険と支援費の問題があって、コンセンサスを得られていないのに、今回のよ うに介護保険の単価とあわせるという話がでてきてしまう。皆さんも怒っている。拙
速にやってしまって問題がおきると大変なことになる。」
「支援費は評価しているし、支援費になって良かったと思う。知的障害者がサービス を使えるようになった。財源の問題は初年度からつまづいたが、良いつまづきだと
思っている。厚労省を応援して、制度を良くしていきたい。地域生活の核はホームヘ ルプとグループホームでこれは死守したい。」
「介護保険のように1.5時間から後は単価が下がるというのは大きな問題で、障害者 の派遣は2時間、3時間が多い。単価を合わせる事は介護保険の組み込みになる。
ニーズがちがう。高齢者は1時間で用事が終わるかもしれないが、障害者は違う。生 活実態を見ていない。
移動介助と日常生活支援を一体化してしまおうという提案も、身体介護ありの移動 があって、それをのばすことによって、何とか暮らすことで生活している。そういう
人が全国に3000人くらいいて、死活的な問題。実態を把握しないと政策つくれないと いう根本的な問題を忘れている。
自治体が時間を延ばしてくれないから、事業所が支援して、1時間の身体介護を延 ばしている。そういう地方の努力を無視している。地方の厳しい政策の中で一人一人
が生活を築いてきた。そういうところを見て欲しい。」
「グループホームも含めての見直し案は障害者の生活がどうなるかシミュレーション してもらったのか。大阪でいうと、日常生活支援を使っている障害者が移動介護を一
本化にすることで36%の減額になる。単にお金ではなくサービスの確保の問題で、 今でもぎりぎりなのに、これ以上下がったらサービスができない。
重度の知的障害者で身体介護72時間の人は4割もダウン。長時間利用、重度の人 が今回の見直しで大きな影響をうける。グループホームも重度の人から削減する。重
度であればあるほど、地方であればあるほど、痛みがふりかかってくる。一人一人の 生活にかかってくる見直し案だったことを厚労省は反省して欲しい。」
これを受けて、障害福祉課長より
「7団体の要望ありがとうございます。この問題については、いったん白紙にもどし て、在り方検討会で検討していくことにしたい。当面は16年度の予算確保を全力で
やる。しかし、何らかの工夫は必要なので、拙速でない形で検討する。」
との今回の見直し案の撤回が示されました。
その後、
「金曜日に閣議決定で来年の政府予算案が固まるが、単価見直しについてはどうなる のか」
という質問がでましたが、これについては、
「見直し案としてご相談しているのは、障害福祉課の事務レベルの話で、それは私 (障害福祉課長)が白紙に戻すということで、閣議決定とは関係ない。」
ということでした。
参加者からは昨年の1月の騒動があり、厚労省とせっかく信頼関係を築いてきたの に今後はこのようなことがないよう団体、関係者ときちんとコミュニケーションを
とって施策を作って欲しいということを伝え、厚労省も今回のことを反省していっそ う努力するというやりとりで話し合いを終了しました。
金曜日の呼びかけ以降、全国の皆さんから貴重な情報を寄せていただき、今回の見 直しで各地域が大変な状況になることがわかり、厚労省にもその実態を伝えることで
白紙撤回を勝ち取ることができました。
また、本日はグループホームの問題と合流しての交渉ということで、朝9:30か ら関西方面からは200名もの人がかけつけ、関東、名古屋の人たちも加わって抗議集
会が開催されました。地域の人たちの切実な声がグループホーム、ホームヘルプの双 方の見直し案の撤回につながったと思います。
しかしながら、今回の見直し案は厚労省案が拙速であったための一時的な撤回であ り、今後何らかの事業運営の工夫はしないといけないという状況は変わっていませ
ん。全国厚生関係部局長会議が例年1月末に開催されていますが、それにあわせて 見直し案が再度でてくるのではないかと見る向きもあります。
さらに、財政難の中で在宅サービスの予算確保が厳しいという事態も変わっていま せん。今週末に出される政府予算案も含め、今後も国の動向を注視していく必要があ
ります。事務局も怠らずに情報収集し、皆様に情報発信していきたいと思います。
※厚労省の次の動きに備えて、当会では、単価の見直しで「こういう障害者が非常に
困る」という各個人の詳しいデータを引き続き募集したいと思います。また、具体的 な提言等もありましたらお寄せ下さい。
なお、各市町村は現在予算編成の佳境にあると思いますが、今回の厚労省案が決定 されたことだと勘違いして予算を組まないように、今回の見直し案が撤回になったこ
とを各自治体にきちんと伝えることも必要かと思います。それぞれの地域での取組み を宜しくお願い致します。
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