4・5月の全国のヘルパー事業費の実績が出る

 11月14日の検討会で、4・5月の支援費制度での全国のヘルパー事業費の実績が報告されました。
 すでに今月はじめから各地で行われている厚生労働省障害福祉課のブロック会議では配布されている資料で、5月の事業費実績は約60億円。15年度は11ヶ月予算のため、年間にかかる事業費は約660億程度と想定されます。国が負担する国庫補助金は本来2分の1であるので、330億円必要ということになります。
 これに対し、厚生労働省で確保している15年度予算は280億円で、約50億円が不足するということになります。
 14日の検討会では、障害保健福祉部長は努力して補正予算を確保すると話しました。

14日の検討会の資料(該当部分)はこちらを参照  pdf_85kb

平成15年度の障害者ホームヘルプサービス予算について」  (第11回検討会資料の一部 厚労省リンク)

坂口厚労相、ヘルパー国庫補助金の見通しについて「全額確保できる見込み」 12/5記者会見で


閣議後記者会見(抜粋)

★H15.11.14(金)10:24〜10:33 省内会見場 【広報室】

(記者)

 障害者の支援費制度なのですけれども、利用が急増するという当初の目的にかなった 現象ではあるのですけれども、予算的に相当厳しい状況にあるようで、市町村などでは予 算編成を控えて、補助金がどれだけ出るのか、かなり心配する声も出ているようなのです けれども、大臣は支援費の現状についてどのような考えをお持ちですか。


(大臣)

 そうですね、かなり利用が増えてきている、これは非常に好ましいと申しますか、初 め我々が目指した方向に来ているというふうに思っております。今までは一部の地方自治 体だけが、飛び抜けて利用されていた、利用されていないところは全くされなかったとい うことでございますけれども、全国津々浦々、障害者に対する取組というものがおこって きているということでは、これはいいことだというふうに思っております。しかし初め予 測をした財源を越えて今、利用が進んでいるということも事実のようでございまして、厚 生労働省内で調整出来るところは調整をして、全体でバックアップをしていきたいという ふうに思っております。それをさらに越えてくる額なのかどうかということは、もう少し 様子を見なければ分からないというふうに思っております。そういう意味で、来年度の予 算におきましては、その辺のところをしっかり踏まえて、要求すべきところは要求をしな いといけないというふうに思っております。


(記者)

 予算の組換え要求も念頭に置かれているということですか。


(大臣)

 組換え要求と申しますか、内容もいろいろでございますから、様々な分野で障害者に 対する配分を多くしていくということも含めて、考えていけばいいというふうに思ってお ります。

★H15.11.21(金)9:55〜10:09 省内会見場 【広報室】


(記者)

 障害者支援費のホームヘルプサービスの予算ですが、どうも4月、5月の利用実績か らみると年度末までに相当予算が足りなくなりそうだという話が出てますが、この件につ いては厚生労働省としてどう対応するおつもりなのかお聞かせ下さい。


(大臣)

 相当程度か、どの程度かちょっと今のところわからないのですけれども、どうも初め 予想しておりましたよりも、費用がたくさんかかっているということは事実のようでござ います。考え方によれば、我々が予想していた以上に、障害者の問題が各都道府県、各地 域において取り上げられてきているということでありますから、ある面では喜ばしいこと なのかもしれません。喜ぶべきことだと、私はむしろ思っております。しかし財政的に足 りないということになりますと、これはなかなか簡単なことではありませんので、そこを どうするかをこれから考えたいと思っておりますが、出来る限りバックアップ出来る予算 があれば、他の分野からでも、若干応援してでも、ここはやっていかなければいけないと いうふうに思っておりまして、どの程度なのかということが、今のところまだ定かではあ りません。もう少し様子を見たいと思っております。


(記者)

 三位一体改革について、総理からご指示があったということですけれども、厚生労働 省所管の補助金について、具体的にどのようなお話があったのか。また今後どういうふう に臨まれるつもりなのかをお聞かせ願いますか。


(大臣)

 今日のところはそんなに具体的なお話はあるわけではありませんでした。ありません でしたけれども、しかし補助金の中で55パーセントは厚生労働省関係の補助金でござい ますので、大変大きな額になっています。したがいましていわゆる知事会、それから市長 会、政令指定都市の会、その皆さん方のご意見も十分拝聴しながらやっていかなければな りませんし、地方からはいらないと、欲しくないと思われるような問題でも、お願いをし なければならない問題もあると思っております。現在、精査を致しております。総理から も、来年1兆円をやるんだという強い決意が示されたわけでございますので、それに対応 出来るように厚生労働省としても、どの分野をまずそれに当てはめるかといったことを考 えなければいけないというふうに思っております。事務次官にもそのことを伝えて、一つ 早急に考え方をまとめるように言ってあるところでございますが、全体の方針でございま すから、それにお応えの出来るようにしたいと思っております。


(記者)

 今のところの関連でいけば、よく目に付くのは施設整備費、社会福祉施設の設備費な んかだと思うのですが、それについては大臣どのようにお考えですか。


(大臣)

 施設整備費とか、具体的に細かくなってきますと、それぞれの特徴がありますから、 施設整備費だけに止まらず、例えば保育の問題だったら、保育の問題として全体としてど うしていくかということに、私はした方がいいだろうというふうに思います。その中で細 かく分けて、施設整備費だけをしますとか、この分野だけしますということになります と、話は非常に細かくなってまいりますし、これは財源もさることながら、それぞれの分 野を地方において、それを主体的にやっていくかどうかの話でありますので、例えば保育 の問題でありましたら、それはまとめてこの問題について、やはり地域が地域で責任を 持ってやって欲しいというようなことにしないと、私はいけないというふうに思っており ます。


ホームヘルプ国庫補助問題

 〜自民党障害者特別委員会ヒアリング報告〜

ホームヘルプ国庫補助問題に関して、自由民主党の障害者特別委員 会が開催
 自由民主党は11月20日(木)に「障害者特別委員会(八代英太委員長)」 を開催し、障害者団体からのヒアリング等を行った。そして八代英太 委員長の提案により、「障害者施策に関する決議」を行い、本年度及び 来年度の予算について所要額の確保を決議した。

 会議の冒頭、八代英太委員長は、「ホームヘルプ予算が不足する見通しになったの は、ある意味うれしい誤算」と述べた上で、「支援費制度という新しい制度を軌道に 乗せていくには、国の後押しが絶対に必要」と発言した。

 「ホープヘルプ予算はなんとか確保してほしい」「今まで障害者介護は家族の重た い身体的精神的犠牲によって支えられてきた」「ホームヘルプ予算は義務的経費にし てほしい」あるいは「ガイドヘルプの費用負担を扶養義務者には課さないでほしい」 等々の障害者団体からの切実な発言が相次いだ。

 これに対して厚生労働省の社会・援護局の塩田障害福祉部長は「支援費制度は障害 者の自己選択・自己決定を支える重要な制度。厚労省としても、なんとしても財源を 確保し、障害者が不安感を持つことがないように最大の努力をしたい」と表明した。

 また日本障害者協議会(JD)の河端代表は、「補正予算を組みきちんと対応してほし い」との主旨の発言を行った。

 さらに八代委員長は「来年度も同じような事態になることがないように、国として 所要額を手当てしていくように」厚労省に求めた。斉藤議員は厚労省の失策を厳しく 非難し、必要な予算を確保するよう発言した。

 全国精神障害者家族会連合会(全家連)からは「社会的入院の解消を目的とする施設 整備費などを復活採択してほしい」等の強い意見が出された。

 京都府と静岡県富士市からは自治体の立場で、財源確保を強く求める意見が出され た。そして「自治体にしわ寄せがくるような事態になれば、サービスは圧縮せざるを 得ない」と述べた。京都府は居宅支援費についての義務的経費化についても言及し た。

自由民主党 障害者特別委員会として、以下が決議された

障害者施策に関する決議

障害者施策については、これまで国連・障害者の十年やアジア太平洋障害者の十年を 踏まえ、障害者の地域生活を支援するという基本的な考え方に基づいて、ホームヘル プサービスやグループホームをはじめとする在宅福祉施策を進めてきた。こうした流 れをより確実なものとするため、当委員会として、以下のことを求める。

一、 国は、今年度からスタートした支援費制度について、障害者や地方自治体がそ の運営に不安を抱かぬよう、今年度の予算の執行において所要額の確保を適切な執行 に最大限努力するとともに、平成十六年度予算においても所要の額を確保すること

一、国は、精神障害者の社会復帰対策についても、七万二千人の社会的入院者の退院 と社会復帰を進めるため、必要な予算を確保すること

  右、決議する。

平成十五年十一月二十日  
自由民主党 障害者特別委員会

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[参加者]

○国会議員

  • 八代英太
  • 木村 義雄 厚生労働副大臣 香川2区
  • 真鍋 賢二 参議院香川県選挙区
  • 保岡 興治 鹿児島1区 「精神障害者福祉に取り組んでまいりました」
  • 斉藤 斗志二 静岡5区比例復活 「障害者プラン初年度でつまずくとはけしからん!  満額 必要な予算はとらねばならない」
  • 北村 誠吾 長崎4区 佐世保から参りました
  • 山口 俊一 徳島2区
  • 森岡 正宏 奈良1区比例復活
  • 大村 秀章 愛知13区 「財源確保は大事な問題」
  • 吉野 正芳 福島 区 比例復活
  • 鈴木 淳司 愛知7区比例復活
  • 新井 正則 埼玉8区 所沢です
  • 石田 真敏 和歌山2区 「市長経験し、障害者福祉は重要と思っている」
  • 望月 義夫  静岡4区
  • 大前 繁雄 兵庫7区 「土井さんを破ってでてまいりました。 わたしは長男が脳性 まひで す。兵庫県肢体不自由者父母の会の会長をしています」
  • 野田 聖子 岐阜
  • 塩谷 立 静岡8区
  • 南野(のおの)知惠子  参議院比例
  • 三ツ林 隆志 埼玉14区
  • 大野 松茂  埼玉9区
  • 左藤 章  大阪2区
  • 衛藤 晟一(えとう せいいち)大分1区 衆議院厚生労働委員長

○官庁

厚労障害保健福祉部長 塩田氏
内閣府

○自治体

京都府保健福祉部長 戸田氏ほか4名
富士市市長 鈴木氏

○障害者団体

社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会 兒玉会長・森事務局長
日本障害者協議会 河端代表・太田政策委員長
特定非営利活動法人 DPI日本会議 三澤事務局長・佐々木信行(ピープルファース ト)
社会福祉法人 日本盲人会連合 渡辺理事・時任理事
財団法人 全日本聾唖連盟 黒崎副理事長・大杉事務所長
社団法人 全国脊髄損傷者連合会 妻屋理事長・大濱副理事長
社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会 藤原理事長・松友常務理事
財団法人 全国精神障害者家族会連合会 小松理事長・江上専務理事

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