他紙に掲載の障害ヘルパー研修全国状況についての記事

障害者団体でのヘルパー研修実施状況(日常生活支援・移動介護・3級)

 今年度から、障害ヘルパー研修は、民間企業や団体が実施し、都道府県等が研修1回ごとに指定を行う方式に変わりました。民間企業や団体は研修1回ごとに必要な書類をそろえて都道府県等に指定申請をして、指定を受ければ、ヘルパー研修を実施できます。
 東京都では障害者団体の交渉で1年間毎週(年52週)分などのヘルパー研修申請もまとめて行えることになり、研修当日の5日前までに出せばよい変更届で、日程や講師をさらに変更できるので、365日いつでもヘルパー研修を行えることになりました。研修定員1〜2人ならば自宅の4畳半でも研修会場にすることが可能です。日常生活支援では講師の基準も看護士などが不要になりました。3年以上の全身性障害者の介護経験のあるヘルパーと3年経験以上の介護福祉士がいれば(ほかにヘルパー指定事業所の管理者(資格は不要)や障害当事者講師も可能)、実施できます。研修期間は、都では実習は1日8hまでしか認められないので、1日目に講義9h+実習3h行い、翌日の2日目に実習8h、障害者の自宅に実習に行けば、20時間の研修は終了となり、3日目から支援費の日常生活支援のヘルパーとして介護に入れます。
 西日本のある自治体では、交渉で、日常生活支援研修については、事前の指定申請では研修日時を確定せず、研修はいつでも随時行え、事後報告で研修実施日を報告すればよいように改善されました。また、講師も、障害者講師と介護福祉士だけで行えることになりました。
 東京都や兵庫県・名古屋市・広島市などでは、交渉が行われ、障害者団体などでフレキシブルに少人数定員の研修を実施できるようになっています。しかしながら、いまだ多くの都道府県では新設の研修の日常生活支援の申請は要綱が整備されていないなどで、研修の指定申請の受け付けさえできない状況です。また、24時間介護保障ができていない地域では、身体介護型を朝1時間・昼1時間・夕方1時間・夜1時間といった「とびとび」で決定されている場合があり、これを引き伸ばして24時間の自薦の介護に使っている障害者も多くいます。この場合は3級研修の受講が必要で、講師の基準が(いくつかの県では看護士が必要になるなど)厳しくなるほか、研修時間も50時間が必要で4〜5日かかります。また、県によってはデイサービスなどに実習に行くことが義務付けられる場合があり、つてのない小規模の障害者団体には障壁になっています。各県でこの改善交渉が必要です。

障害者団体事務所や自宅で365日随時、ヘルパー研修が可能に

 東京都では東京都自立生活センター協議会がヘルパー研修問題の交渉を行っています。交渉では、「これからは無資格者を求人誌で求人し、面接・採用後すぐにその都度ヘルパー研修を(定員1〜2人程度で)2日間で行い、3日目には介助に入れていく時代になる」という考え方を東京都に伝え、今までの大規模定員のヘルパー研修のイメージから頭を切り替えてもらっています。交渉の中で、いくつかの重要な点が確認され研修指定申請事務の要綱に反映されました。
 まず、障害者団体などは日常生活支援などのヘルパー研修を、1年間、毎週(たとえば毎週水曜木曜に)行う申請をします。研修参加者がいない場合は開催しなくてもかまいません。実際は求人を行ったときだけ研修を行います。1年52週、52回分の研修の申請書を1年の始めに1回にまとめて申請できます。定員を1〜2人に少なくすれば、狭い事務所や障害者の自宅でも研修実施できるので、会場の予約などは不要です。また、研修実施の5日前までに変更届を出せば日程やカリキュラムの変更も可能です。(つまり365日いつでも実施可能)。研修の報告書は1ヶ月に1回まとめて出せばよいことになり、事務負担も少なくなりました。(変更届では、指定を1度受けた研修について、日程、カリキュラムの変更のほか、講師の変更、会場の変更、実習先の変更、受講料などの学則の変更などが5日前までの届出で変更可能です)。
 通常、20時間の日常生活支援研修は2日間で研修終了します。50時間の3級研修は4〜5日間で研修終了します。このため、毎週実施の申請内容で毎年度始めに52回分の申請をしておけば、変更届とあわせ、365日いつでも研修を随時行えることになります。なお、日常生活支援と移動介護では厚生省基準どおり、実技は実習で変えられることになっています。このため、日常生活支援の場合は、9時間が講義(うち8時間は通信研修も可能)、11時間は障害者の自宅で実習とすることが可能です(注:都では実習は1日8hまでしか認められない)(支援費のヘルパー指定事業者の実習受け入れ証明書添付でOK)。

今後、東京都内の障害者団体では介助者補充時にはこのような流れになると思われます。

今後の介助者補充時の流れはこうなる

1週前  求人広告
5日前  研修の日程や講師の変更届提出
1日目  面接・採用
2日目  日常生活支援研修1日目 講義9時間+実習3h(障害者自宅可)
3日目  日常生活支援研修2日目 実習8時間(障害者自宅可) (修了書発行)
4日目  支援費のヘルパーとして介護に入る


3級研修の場合は50時間ですので、研修期間が4〜5日になります)

 他の同府県でも、365日随時ヘルパー研修ができるように交渉を行ってみてください。東京都の研修の要綱や解説など詳しい情報は、全国障害者介護制度情報ホームページ www.kaigoseido.net に掲載しています。

 

HOMETOP戻る