障害者(児)の地域生活支援の在り方 に関する検討会の全身性障害者の作業班(第1回)の解説・傍聴メモ
2/23に行われました障害者(児)の地域生活支援の在り方 に関する検討会の全身性障害者の作業班(第1回)の傍聴メモを送ります。
この作業班では、厚労省は全身性障害者で長時間介護の必要な人はどのような人が いて、どのような内容でどのくらいの(量の)介護が必要かを明らかにしたいという
意図があるようです。
- 厚労省の資料の中で「全身性障害者と長時間の介護が必要と考えられる対象群」と いうことで、
- 1.日常生活において、継続的な医療行為が必要な者 例:吸引、吸入、経管、栄養 等
- 2.四肢の全てにおいて機能障害がある者 例:頸髄損傷、重度の脳性まひ等
- 3.ADL評価において生活全般で全介助が必要と判断されるもの 例:重度の遷延性 意識障害等
- 4.重度の重複障害を持つ者 例:重症心身障害者、重度の盲・ろう(ろう・盲)障 害者、ALS患者等
- 5.自傷、他害等の行為が頻繁に見られ、常に介助・見守りが必要と判断される者 重度の知的障害者、重度の精神障害者
という整理が示されました。
これに対して、当事者委員からは、機能障害をもとにニーズを図ることは意味がな いことであり、支援費ではニーズ把握は類型化から個別化に向かっており、逆行して
いる。生活の中からでてくるニーズをサービスに結びつけるシステムを作るべきであ る、という批判がなされました。
また、参考資料において、ホームヘルプの利用人数と利用時間について、各都道府 県ごとに分析した資料がだされ、学識経験者の委員を中心に地域差についての議論が
なされました。
次回は、3/10で、ヒアリングを
・事業者の立場から
・施設利用者の立場から
・ALS等医療的ニーズを持つ立場
の関係者等から行うことになりました。
傍聴メモ 2004.2.23 13:30〜15:30
ご注意
これは傍聴者の個人の要約メモですので、細かい発言内容に間違いや抜けも多いと思います。あくまで全体の流れの雰囲気を感じる参考にとどめてください。
転用はお断りいたします。順次訂正していきますのでほかの方にお知らせする場合はホームページアドレスのみお知らせください。繰り返しますがこれは短時間で個人がまとめたメモですので、委員各自の発言内容を正確に反映できていませんので、これをもとに各委員に対し抗議や批判を行うようのないようにお願いします。
正式議事録は厚生労働省ホームページに掲載予定です(各委員のチェックが入ったあとになりますので少し遅れての掲載となります)。
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■高原課長
費用の面で社会的な費用の上限があると思う。しかしながら、重度のかたで特別にサービスが必要である。ホームヘルプサービス、それ以外の公的なサービス、インフォーマルなサービスの組み合わせについて考えたい。
ホームヘルプサービスは密室でのサービスになり、権利擁護の面で問題があると思うので、それについても検討したい。3月までに結論をだしていきたい。
■ 小田島専門官
委員紹介。芦田委員(東京都障害福祉部在宅福祉課長)、板山委員、太田委員、谷口委員、中西委員、森委員、山路委員。 大濱委員は遅刻。
議長は事務局の指名で高橋委員にお願いします。
(異議なし)
■高橋議長
短い時間に重要な課題を議論する。委員の皆様に協力をお願いして、良いレポートを出したい。
まず資料の確認を。
■小田島 専門官
式次第、作業班の名簿、目次、資料1 作業班の進め方、資料2全身性障害者のニーズおよび これまでの検討会の発言を抽出したもの。
全身性の対象者について、利用のイメージについて。
次に都よりの資料で居宅支援費の実施状況について。
今後の進め方と、ヒアリングの名簿について。
参考資料として居宅介護の事業者について。 ホームヘルプ、身体介護、家事援助、日常生活支援の地域差について。
費用について。
(大濱委員が参加)
■ 小田島専門官
この作業班については会議を公開し、議事録や資料も公開する。
(異議なし)
■高橋議長
議題1、作業班の進め方について
■小田島専門官
全身性の長時間の地域生活の必要なものについての施策の方向性を議論する。
内容は3回にわけて決めている。他の知的障害者、視覚・聴覚の作業班と同じ形で用意している。1順目の議論を整理している。ヒアリングの内容についても検討をお願いしたい。
2回目はヒアリングを3名より予定。事業者の立場からの課題。施設利用者からの既存のサービスに対する意見、不安について。ALS等医療的ニーズを持つ障害者。
3回目は現状のニーズと方向性、施策について。検討会への報告案を作成する。4月になって検討会への報告書を説明する。
■中西委員
これ自体の目的がはっきりしない。全身性をサービスの面でカテゴライズして、ALS、呼吸器などできりわけていくことなのか。支援費はニーズに基づいて行うものであって、類型化するものではなく、これまで類型化をすることでやってきてうまくいかなかった。サービス面も個別化にむかって、個人のニーズにあわせてやっている。類型化をやると谷間を作ってしまう。脊髄損傷でもいろんな人がいる。こういう議論の方向性がいいのか。
介護保険が先にあって議論するのか、支援費をよくするのでいっているのか、はっきりして欲しい。
■板山委員
長時間のサービス利用者が“全身性障害者等”となっているが
■小田島専門官
全身性障害者と書いているのが、長時間の介助を必要としている人ということでイメージしている。機能障害でわけるわけではない。あくまでニーズによるもの。寝返り、喀痰となったときに、そういうことが必要な人の群としてどういう人なのかという話はでてくるかもしれないが、ニーズをもとに考えることで。
■ 中西委員
ニーズ中心なら、視覚障害も社会参加、家事援助、身体介助のニーズがあって、それは同じ。縦割りにする必要は無い。ニーズのある人、ない人という考え方でいいのではないか。
■板山委員
地域生活支援を基調にして、長時間介護が必要な人について考えるということで。
中西さんに賛成。
■小田島専門官
お二人のご意見の通り。ただし、長時間介護のニーズはかなりあって、どこに絞るのか。知的障害者のニーズは知的障害者でだしてもらって、それは検討会で調整する。
この3月までの3回については日常生活支援にまとをしぼっている。コミュニケーションの部分が若干入ってくるが、
■高橋議長
長時間というところで全身性障害者が入ってくる。
■大濱委員
長時間というのは、いったいどれくらいの時間をさしているのか。
■小田島専門官
見守りも含めて24時間必要な人もいるし。それは検討する中ででてくる。
■大濱委員
ライフステージの問題で、学校に行くのを家族がつれていっている。本来なら支援費でいけるべきである。
■小田島専門官
医療的なケアが必要なお子さんに親御さんがついている例もあるが、どこにまとをあてていくか。多方面にわたる。そういうニーズは分るが、そこはまとを絞らせていただいて。
■大濱委員
そういう議論だと切り分けられる。
■小田島専門官
全身性障害者全てではない、全身性の障害者の仲で長時間必要な人について。
■ 中西委員
長時間介護というのは命にかかわるということなのか、社会参加もふくめてなのか。
■高橋議長
それはいろんな議論がでてくる。
■谷口委員
出発点の違い。知的障害者の長時間、それは検討会でもちよればいい。
私は車椅子のかたの長時間の人のニーズということでここにきている。
視覚障害者で長時間の人もいるだろうし、それは視覚障害の作業班のほうで。
■高橋議長
絞り込むのではなく、議論をひろげる形で進めていく。
議論の入り口としては全身性障害ということで。知的障害者のほうでは知的障害者の長時間、コミュニケーションの問題を検討する。それは検討会で深めていく。
次回はヒアリングを中心に、その次は課題整理をする。スケジュールがきつい中で設定していく。
■中西委員
2回目のヒアリングについて。新田勲さんのヒアリングについて、何度か検討会でも要望している。
■高橋議長
それは、あとのヒアリングのところで検討するということで。
■小田島専門官
資料2はこれまでの検討会の議論の中ででてきた意見を絞っている。
3点について絞っている。 (資料2の読みあげ)
■小田島専門官
資料3は全身性障害者等長時間介護を必要とする対象について 先ほどインペアメントからニーズが把握できるのかという意見があったが、それにつながる資料である。
厚生労働省としてこれまで全身性障害者をどういってきたかで示している。
支援費の告示では、全身性=1級で両上下肢に障害を有する者ということでとらえている。
また、平成13年の障害者実態調査では、全身性運動機能障害は、「脳原性全身性運動機能障害」、乳幼児期以前の非進行性脳病変によってもたされたもの。脳血管障害は該当しない。脳性まひ、脳炎後遺症、脳外傷。
もう一つは「全身性(他肢及び体幹)運動機能障害」。筋ジス、特定疾病に伴う機能障害。
全て機能障害から区分しており。これで良いのかという議論があると思う。
長時間介護を必要とする者の捉え方で考えたもの。議論の中で修正をしていただきたい。
- 1.日常生活において、継続的な医療行為が必要な者
-
- 2.四肢の全てにおいて機能障害がある者
-
- 3.ADL評価において生活全般で全介助が必要と判断されるもの
-
- 4.重度の重複障害を持つ者
-
- 5.自傷、他害等の行為が頻繁に見られ、常に介助・見守りが必要と判断される者
- それぞれ、広がりがあるので、範囲はひろがるだろう。
1は身体的な全身性とは重なりにくい。2、3は全身性とかさなる。4は重度の盲聾の人など、様々な人がいる。5は知的障害者や精神障害者が対応する。
3のタイプでは必要な時間はグラデュエーションがある。
集団として考えると、24時間必要な人と、夜は他のサービスで代替支援できる人もいると思う。
それをどういうかたがどれくらいの時間が必要かを議論するという提案である。提案自体についてもご意見をいただきたい。
資料4は地域生活を支えるサービスの利用状況のイメージ。 以前にも在り方検討会でも配布したもの。奥さんと同居している頚椎損傷のかたの例。
単身の学生のかたの例。3時間のボランティアをいれているが、それ以外は介助が必要である。
サービスを確保しようとするとこれだけ費用が掛かる。これを財源厳しい中でどうやっていくのか。工夫をしていかないといけない。
■高橋議長
東京都から先に資料説明をお願いします。
■ 芦田委員
ホームヘルプサービスについて取りまとめたもの。
身体障害 利用率83%。増加傾向にあるが伸びはそれほどでない。
サービス事業者でみたもの。
15年と16年を比較したもの。約45%ふえている。時間も約1.5倍になっている。都は基盤が充実している。さらに増えている。
■高橋議長
地域差についても説明してからディスカッションに入りたい。
■小田島専門官
参考資料1。まずはホームヘルプ事業者の推移。15年4月と16年1月を比較して、知的障害者・児童については5割ほど伸びている。基準該当は2倍にのびている。
身体障害者の事業所は約8500。しかし、日常生活支援を実施しているのは6割くらいである。次の資料3「身体障害者の支給決定・利用状況」とあわせて説明すると、日常生活支援の支給決定のあった市町村数一桁少ない。実際の日常生活支援の利用人員は少ない。
参考資料4は各都道府県別に集計して、決定者数や利用時間ごとの比較をしたものである。
身体介護の平均決定時間数は茨城県が9.8時間。愛知県が48.8時間で5倍の開きがある。
日常生活支援では青森はゼロ。島根の454時間で、かなりの開きがある。
これをグラフにしたのが4pで、茨城県は人口1万人あたり2人を決定している。時間は少ない。高知県は1万人の3人の支給決定、平均決定時間は短い。地域によってバラつきが大きい。
同じように5pは家事援助を表したもの。人数のばらつきがあるが、時間についてはそれほどばらつきがない。
日常生活支援ではさらに状況がかわる。茨城県は平均で3.5時間。1万人当たり1.04人。大阪府の支給決定人数は一番高い。時間は平均にちかい。これに対して東京都は平均決定時間は3番目で高い。
島根は4人の支給決定人数で時間は一人あたり450時間くらいだしている。
1万人あたりの時間数、決定数は飛びぬけているところがあって、そこに引っ張られて平均は挙がっているが、中央値としては、左側によっている。
参考資料5は15年度のホームヘルプの支払額の状況について。4月より9月の実績が身体・知的・児童でそれぞれ伸びている。ホームヘルプサービスの予算の推移。今年は11ヶ月分予算なので、14年度に比べてあまり伸びていないようにみえる。
■高橋議長
これまで厚労省が全身性の議論についてどうとらえてきたかの紹介の資料と、あとは支援費の実態把握だった。日本全国で地域差がある数字である。少数の人に手厚いサービス、少数に手薄いサービス、多数に薄いサービス。多数に厚いサービスと、それぞれのパターンがある。
いろんなレベルの資料があったが、それぞれの立場で課題提起を。
■山路委員
地域差についてですが、都道府県別になっているが、市町村ごとに地域差のデータ。ある程度の代表的な市町村ごとのデータがあると、細かい議論ができる。
なぜ、このような地域差があるのか。要因分析のたたき台を。家族を含めてのインフォーマルを使っているのか、なぜこのような差がでるのか。
■小田島専門官
市町村別については人口、面積の軸をもうけてもいいのか。
■山路委員
高いところと低いところの差でも。いろいろなレベルで。
■高橋議長
将来どういう条件で、どういう伸びで進んでいくのか。
■太田委員
先ほどのインペアメントとニード論から話をしたいと思う。障害者が地域で暮らすときは家族との関係が不可欠。家族から独立して生活をすることが前提である。家族との関係の要素が大きい。
次に結婚をして家族を持ちたいという当たり前の要求があり、それを支えるためには一定程度の公的なサービスが必要になる。
恋人と結婚することは自分の介護者で一生あるという踏み絵のようなものになる。資料の頚椎損傷のかたの事例は、結婚した場合は配偶者が介護をするという前提の資料であった。非難するつもりはないが、そういう社会意識の中で結婚するかどうかを相手は迫られている。公的サービスがない中で結婚している状況は、そんなに幸せでない状況を聞いている。結婚したときは良かったが、一年、二年たつと介護疲れがでてくる。配偶者も仕事をしたいという気持ちもでてきて、精神的な軋轢がでてきて、虐待のようなこともある。家族に負担を負わせる。介護の費用は青天井はできないとおっしゃっていて、それは同じ意見で客観性は必要だと思うが、必要なサービスを底上げする必要はあるし、今の意識レベルで家族を介護者としていくようなそれを前提としたシステムは変えていく必要がある。お互いに家族であっても良い関係を築けるような支援システムを。インペアメントとその人がどういう生活をしたいかというニーズを結びつけたシステムを。
■高橋議長
生活の中からでてくるニーズについて。
青天井は費用の話。サービスについては自由なところがある。公的なサポートと他の組み合わせである。
■中西委員
介助だけの問題で解決しない。事業者もどこでもできるかというと、そうではない。介助だけでも問題は解決はしない。
ILP、ピアカンセリング、自立生活のノウハウ、その上で介助サービスがあれば生活ができる。
知的障害者も信頼関係が必要。事業者が増えても問題解決はしない。介助サービスは4割の問題。重要なのは、当事者といかに関係を作れるか。当事者のセルフヘルプのサポートを行政的に位置づけるのか。信頼関係とサポート関係がないと地域で暮らせない。急にどんと増えるものではない。徐々に進んでいく。介護サービスで全身性の問題を議論すると方向を間違う。
■高橋議長
地域支援の原点にもどる。介助サービスの差し引きに問題を矮小化するつもりはない。
地域社会の合意の中で、太田さんの言った生活をどう実現するか。
介護サービス事業者の労働の対価とするもの、家族などのインフォーマルケアの部分、それが自立した場合にちがってきて、それがどう変わるか。それが中西さんの言っている部分だと思う。
それをどう地域で機能させていくのか。二段構え、三段構えになる。
■板山委員
ホームヘルプの内容の定義、支援費を提供する便宜の定義があるのか。
地域生活を送るためのニーズにこたえて、それを行政的に体系化しようとしている。
中西さんのいうように、全国に自立生活センター、セルフヘルプグループをつくれるか。そこを議論しないといけない。3300の市町村で、身体介護をやっていない町村もある。町村の姿も少しだしてもらって。
全国を東京の優れたところのレベルにもっていく、手だての時間とお金がかかるのか。
現在の支援費の中で予定されている地域生活支援のサービスの体系と中身を教えて欲しい。
■高橋議長
地域生活支援のイメージを固めていくことが作業班の重要な作業だという気がしている。公的な支援、社会的なサポート。地域社会で共生するため、地域の合意をどう作っていくか。次の回までに委員の皆様もアイディアをお願いしたい。
■谷口委員
日常生活支援が少ないのは、受けてくれる事業者が少ないから。儲けが少ない。地域が熟していないと日常生活支援を提供できない。もうけにはならないが、社会正義のためにやらないといけない。日常生活支援の事業者はいくつあるのか。市町村によっては、一般がやらないので、行政自ら日常生活支援の事業者になっている。
移動介護も日常生活支援、身体介護のかわりになっていて、内容のぶれがある。そこについても考えて欲しい。
■ 森委員
総合的な立場で地域生活をどうするのか。ホームヘルプだけではできない。1日、1週間、どういう生活なのか。夜間の場合はどういう方法が実際にされているのか。家族の問題。ある面においては、差別禁止法にいくような問題でもある。そういう仕組みもあれば。
■高橋議長
今日の障害者のサービス利用の事例の資料は、ある時点を切り取っているが、施設から地域からでていく際のプロセス、移行をどうとらえるか。
太田さんのいわれた、家族から抜け出して地域にでていく、独立した人格として自らの決定でどういう生活をしていくのか。共通、了解できるようなモデルを作りながら。生命維持まで含めた24時間の継続的かつ医療的なケアも必要。
今の日常生活支援と身体介護というスキームはどの程度カバーできてきたのか。
了解できるモデルを作って、検討会に提起することが、ここでの大きな作業である。
■森委員
豊かな当たり前の生活を保障することであって、それの手段としてホームヘルプがある。
施設から地域にもっていくためのプロセス。施設の利用の方法。相乗りようなことも考えられる。
■太田委員
確認しておきたいことは24時間という言葉は飛び交っているが、ALSのある重度の人は24時間の介護者が2人で48時間の人もいるし、夜は緊急対応でかまわない人も居る。24時間ということが一人歩きするのではなく。
■高橋議長
自立して安心してプライバシーが守れるということで、方法はいろんなやりかたがある。
■太田委員
難病のかたもそういうニーズがある。
■大濱委員
支援費が始まるときに障害者部会では、ダブル介護の必要性もあって、24時間だけではなくそれを越えて必要な人がいるということだった。
それと加えて、地域の受け皿、プラットホームをどうするのか、場合によってはそれに対して予算を別につけるのか。そこまで含めて議論する。
■谷口委員
最初に24時間ありきではなくて、どんなニードが重なって24時間になるのか。ニード優先になる。例えば誰かが24時間いることに対するプレッシャーもある。それもニードである。そういうニードを集めていってのケア計画ができる。
■高橋議長
社会的な合意のもとで仕組みを作っていく。ヒアリングの中でいろいろでてくる。
■板山委員
朝日の天声人語で、オーロラの研究者が、北欧で病気で入院をした。政府から介護者が何人もついた。それで社会復帰して元気に研究している。北欧はそういう社会になっている。難病までふくめてカバーしている。
全国の自立生活センターで率先したモデルがある。それを地域にどう広めていくか。日本という社会がもっているハンディキャップをどう埋めていくか。地域生活を営む障害者の権利をどう保障するのか。そういう法律が必要なのか。自治体が責任をもつのか、当時者が責任持つのか。これについてもこの作業班で議論して、方向付けを。
■高橋議長
国民含めて、理解を得るためのステップである。
■大濱委員
自助、互助、共助、公助の話ですが、共助の部分は欧米のキリスト教との関係で日本は違う。また、高齢者はまちや村で共助ができている。障害者の場合は、まず自助があって、国のサービスをどう受けてやっていくか。障害者は互助・共助の感覚が違う、そこが抜けている。
■高橋議長
それも含めて議論して深めていきたい。
■山路委員
議論を聞いていて、では支援費制度はなんだったのか。あるべき地域生活を担保するためのサービスの量と質。それを図るためのものさしがなかった。ものさし作りをしていく。サービスの量と質を図るものさしづくりが制度には必要。
■中西委員
ケアマネやアセスメントについては、3回の議論ではすっぱりいかない。従来の視点ではない話をしないとできない。
全身性の作業班での議論が重要になる。アセスメント、自立の概念が違うということが明確になればいい。
■板山委員
80年代に全身性という言葉が行政的にでてきた。私が厚生省にいた時に障害者年金を作った。共助・社会的連帯としいうことで、無拠出の年金を作った。しかし、それ以降の所得保障の前進はなかった。
今、支援費の中で地域生活の問題がでてきている。所得保障も含めて、全身性障害者の支援がやれてこなかった。これをどうやって進めていくのか。基本論をひろげてしまうとまとまらない。行政的なシステムの中で当面、やれることを考えることも、ジレンマではあるが、大事である。
■高橋議長
作業部会の論点(資料6)はこれでいいか。時間があれば先に資料を配っては。
■高原課長
論点の整理に時間を使うのももったいない。全体的な方向では地域でのごく普通の生活を支える。これははっきりしている。
その中で2つあって、今日、精神障害者の検討会があったが、精神障害者の地域でのサービスが薄い、これからはじまってくる。今、受けている人だけでなく、新たに対象にはいってくる人のためにどうサービスを提供するか。また、重い人たちにどうサービスを提供するか。働く場をどう整備するか。在宅での就労をどう支えていくか、日中活動の場をどうしていくか。夜間をどうしていくのか、巡回や緊急サービス。ホームヘルプにとどまらない、重要なサービスがある。その中で、働けなくて、長時間の特別の対応が必要な人がでてくる。そういうかたはどういうかたで、どれくらいのサービスが必要なのか。
■高橋議長
論点整理でなく、検討会に報告書を出すために、報告書の素材をだして欲しい。それに肉付けを。
■中西委員
これは3回で終わるのか。
■高橋議長
この作業部会は3回で、4月に検討会に報告書をだすものである。
次回のヒアリングについて
■小田島専門官
資料7をごらんください。
npo法人 STEPの光岡氏。本人も障害者。ケアマネジメントの研修も受けていて、なおかつサービス提供事業でもある。
療護施設自治会全国ネットワークの小峰さん。現在、療護施設に入所されていて、自治会のネットワークの代表。なぜ、施設から地域にでられないか、その不安を聞きたい。
仙台の川嶋氏。ALSのかたの在宅看護を保障するクリニック。ALSの看護、介護を支えている。県単独の施策や互助でのサービスもやっている。臨床医ではなくて、地域での活動をやっている人。
■中西委員
コミュニケーション障害、足指文字によるコミュニケーション、介護者がかわると理解できない。新田さんを加えて欲しい。
■大濱委員
小峰さんのようにでれない人もいいが、支援費になって施設から出てこれた人もいる。
■高橋議長
ヒアリングもそうだが、ちゃんとした調査もしたいところである。
■小田島専門官
ヒアリングは3〜4人で。
■板山委員
今のサービスでは足りない、こういうのが必要だということを現場からの意見で出して欲しい。
■高橋議長
次回は、ヒアリングだけなく、議論もしたいので。時間をゆっくりとって。
■谷口委員
地域で暮らすかたを呼ぶのなら、女性のかたも。ヒアリングの人は男性ばかりだと。
■高橋議長
委員の人と相談しながら、ヒアリングについては決めさせていただきたい。
■山田委員
身体介護、家事援助、日常生活支援、移動介護についてですが、施行規則と告示で決まっている。
入浴、排泄、食事、その他の介護と定められている。それを類型別にしたのは厚生労働省に告示で、それぞれの類型で示されている。身体介護、家事援助、移動介護、身体介護は身体介護と家事援助および見守り。
■板山委員
支援費の移動介護については距離がさだめているのか。それは区市町村の自由なのか、利用者の自由なのか。
■高橋議長
それは運用の状況の資料を。東京都の事例、茨城の事例。せっかく、いいデータをつくったので、深めるという意味で。
■板山委員
レスパイトのために、デイ、ショートを使いたいというのは、誰が決めるのか。
現場ではいつもそれが問題になる。厚労省がだめとか、東京都が駄目とか、市町村がだめとか、それがわからない。それで国はだめだということになる。
■小田島専門官
次回は3月10日水曜日。1〜3時だったが長くするようにする。
その次は3月 10〜12時で。
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