障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第4回)発言内容の要約

2003年7月17日

ご注意

 これは傍聴者の個人の要約メモですので、細かい発言内容に間違いや抜けも多いと思います。あくまで全体の流れの雰囲気を感じる参考にとどめてください。

 転用はお断りいたします。順次訂正していきますのでほかの方にお知らせする場合はホームページアドレスのみお知らせください。繰り返しますがこれは短時間で個人がまとめたメモですので、委員各自の発言内容を正確に反映できていませんので、これをもとに各委員に対し抗議や批判を行うようのないようにお願いします。

 正式議事録は厚生労働省ホームページに掲載予定です(各委員のチェックが入ったあとになりますので少し遅れての掲載となります)。

障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第4回)

2003年7月17日

(これは傍聴の内容を要約したメモであり、発言記録ではありませんので、その点ご留意ください。)

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 定刻となりましたから、只今から第4回の検討会を始めさせて頂きます。

■事務局(高原障害福祉課長)

 大森、竹中、室崎、森(貞)、渡辺委員が欠席。
 本日も多数の傍聴希望のために、心苦しいですが抽選ということになりました。

 議事次第は以下の通りです。

関係者からのヒアリング
1 重症心身障害児(者)関係 北浦雅子氏
2 知的障害者本人

3 地域ケアネットワークの実践例
 中島秀夫氏(滋賀県社会福祉事業団企画事業部副主幹)

データ収拾の進め方にいて

その他

 育成会の内、二人が変更となりました。岡部さんのお二人が書かれていますが、阿部さん、山田さんのお二人と多田さんから意見を聞かせて頂きます。
 話を聞かせて頂く順番は、ご都合を考慮させて頂いています。今回、自閉症関係の方を予定していましたが、仕事の関係で都合がつかず、地域ケアネットワークの関係と交代させて頂きました。それぞれ、20分ずつ程度で報告頂き、10分ずつ質疑応答させて頂きます。
 その後、データ収集について事務局からお諮りさせて頂きます。
 資料1〜4はヒアリングの資料。資料5は事務局から。6、7は前回の議事概要。
 本日の議題との関係で、中西委員から資料の提出を頂いています。

 最初にお話いただく、北浦会長はご都合でお話と質疑の後、退席させて頂く予定です。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 最初に、全国心身障害児(者)を守る会の北浦さんにお願いします。

■北浦雅子(社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会 会長)

  ご紹介頂きました北浦です。検討会で発言の場を与えて頂き、誠にありがたく存じています。20分という時間ですが、できるだけの説明をさせて頂きます。
 私たち守る会は昭和39年6月13日に発足した。その当時の国の姿勢は、障害が重くて社会の役に立たない者にはお金は使えない、ということだった。
 それに対して、重度の人間の命を守っていく、重度の人間が切られると必ず、その次ぎに弱い者が切り捨てられていく、そういう社会が幸せなのかということを訴えてきた。
 会の3原則をつくった。

 事業の内容は会のあらましで理解していただきたい。
 制度が進むと親のかたが権利主張をするようになり、子供の立場にたった意見を言えるようにと、親としての心構えも会員皆で決めた。 

 親の憲章として今でもブロック会議などで唱和している。

 重症心身障害児は、重度の身体障害と知的障害が重複した者ということで、全国で37000人、その内在宅は19000人。大島分類では、IQ0から20という分類があるが、IQ0であっても知識はなかっても、細やかな反応をする、無言の表現がある。言葉のいえない無言からこちらが学び、育てられる。
 最近、超重症児という子供が急増している。医療の管理が必要で、一般病院は入院しても三ヵ月したら在宅に戻らないといけない。レスピレーターをつけて、呼吸管理、気管切開をしていくので痰の吸引が必要。さらに、経管栄養や胃ろうで食事をとっている子供、導尿している子供。この人たちは医療がなければ、命が守られない。
 一般的には、こんなに重い障害を持っていたら、この世にいない方が、いっそあの世に行った方が幸せではないかという考えをもつ人が多い。しかし、私たちは体験から、そうではないことを教えられている。

 施設の状況は重症心身障害児施設105箇所、10,301病床、国立療養所75箇所、7,640床。
 医療と福祉、教育が一体になっている。
 自分の子供は、昭和22年に生まれた。種痘を接種したので右半身がマヒ、知的障害。24歳まで育てたが、父親が難病になって、やむをえず施設にお願いした。環境が変わると食事を食べない。骨折もした。それで駄目かなと思ったが、環境に慣れたら食事ができるようになり、楽しく元気に過ごすようになった。友達ができ、たくさんの人と知り合えるチャンスを得た。40歳になったら寝返りができ転がるようになった。48歳で、うつぶせになっておもちゃで遊んでいた。指を使っていたので、絵が描けるのではないかと職員が思って、絵筆を渡すと描くようになった。描いた絵から、何か印象を与える。職員もすごく喜んで、職員の張りにもなる。彼と職員の心が響きあって、助けになっている。
 重症児施設は、医療で命を守りながらも、生活を豊かにする医療。園外活動、1日外泊。施設といってもいろいろなことを体験するようになっている。
 施設も限られていて、重症児の子供も増えてきている。養護学校を卒業してくる子供はほとんど重症児になる。だから、在宅支援が重要になってくる。
 東京都では、訪問検診、訪問看護、カニューレの入れ方や道具の使い方、看護士が来ているあいだは、お母さんが休むということをやっている。そして、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ、通園事業。
 重心の在宅支援は、在宅の事業だけではできない。医療機関である施設があって初めてできる。重症児がライフステージの中で幸せになることは保障して欲しい。
 今の脱施設という動きには、私たちはついていけないものがある。施設を大事にしながら、在宅支援と施設が連携して、互いに組み合わせて、在宅支援事業が行われるようにする必要がある。
 お母さんが在宅を真剣にやっている。子供が、重症児が病気になった時に、一般病院では対応できない。だから、病気でも重症児病棟に入る。お母さんが旅行に行くと言った場合も、短期入所として受け入れてもらっている。そういう休息も施設があるから。施設の重要性については、一般の皆さんとやや異なるところではないか。
 幼児の時は通園、それから学齢期は養護学校。医療が必要な子供も養護学校に通えるようになった。しかし、養護学校には医療がないから、お母さんが待機しないといけない。これがお母さんに負担になっていて、ようやく、文部科学省と厚労省が連携をとって、看護師を派遣できるようになりつつある。これも長く運動している。ALSの吸引が認められつつあるが、重症児はまだであり、心配している。
 重症心身障害児というのは措置制度を残してもらっている。時代遅れではないかという意見もあるが、地域によっては施設が全くないところもある。だから、利用契約しようと思ってもできない。児童福祉法の中で措置制度を残している。
 在宅支援のサービスを見ていると、これからの心配は地域格差。東京では、訪問看護があるが、地方へ行くと、訪問看護ステーションがあっても重心にまで行っているか分からない。
 脱施設化ということで、皆さんが色々と提起されていますし、社会福祉法の改正でノーマライゼーション、個人が尊重されるというのはとても大切なこと、地域で生活できる人はできるだけ支援をしてあげてほしいと思う。それが流れ。しかし、その時に心配なのは、重度心身障害者が施設に入所しているのに、脱施設だからどこかにいきなさいと言われても行き場所がない。
 脱施設を唱えている親の子供は施設に入っている。では、なぜ、地域で生活しないのかというと、子供が施設を気にいっているからと言う。
 具体策を決めずに、ムード的に脱施設は困る。今、私のところに心配する声がきている。親も高齢化し、親がなくなって兄弟しかいない家族もある。脱施設化は心中するしかないという相談がある。重度の知的障害者の家族からも相談もある。
 施設以外で人間的な生活できるのは望ましい。今、施設に入っている人をどうやって脱施設の流れに乗せていけるのか。具体的に、検討委員の皆様は検討頂きたい。
 私たちは社会の共感を得ることこそ大切だといつも言っている。私たちの、あけぼの園は近くの保育所と交流している。最初は変な子供と見ていたのが、あっ手をあげた、笑ったと見てくれるようになる。
 先日、インターネットで見つけて、山形県寒河江市の中学生が修学旅行であけぼの学園を訪問された。16名の人がきて子供と一緒に、だんだん仲良くなった。その後、感想文が来た。障害が重くても感受性が強くて魅力がある、生きる勇気を与えられた、どんなに障害が重くてもいきる価値があるという感想が寄せられた。
 これからの子供たちに、障害者をどう理解してもらうかということは大きな課題だと思う。
 うちの子供が書いた絵を施設の廊下に張り出してもらった。感想文の中に、僕は絵の専門家になろうと思ったが、自信が無かったのでやめようと思った。しかし、学園の壁に貼っていた絵を見て、もう一度絵の関係の受験をしようと思った、という感想があった。
 絵が立派なわけではない、無言の心が相手の心を変えていく。重心の人は、言葉はないが、表現力は豊か。優しい言葉をかけると笑顔を出すし、気に入らないこともはっきりと表す。その表現の中から、職員の側も、生きること、幸せとは何かということをつかみとっている。職員が、重症児から教えられたと言っている。私自身も重症児から学んだ。社会の共感を得る運動が大切だということを理解して頂ければと思います。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 只今の発表に対して、ご質問があればよろしくお願いします。

■中西委員(NPO法人DPI日本会議、全国自立生活センター協議会代表 )

  施設を運営されていて、重心の生活をつくってこられたと思う。在宅支援の場として施設を使うことが重要であろうという提起だったが、現実にお子さんが施設に入る時に、もう少し地域で頑張れないかということもあったと思うが、そのことについてお聞きしたい。

■北浦雅子(社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会 会長)

 中西さんの資料に書かれている図のようなことができればうれしいが。私の子供は、無呼吸、激しいけいれん、ストレスで胃潰瘍になったりする。
 子供は母親が面談でくると、うれしくなる。うれしくなる途端に呼吸が止まってしまう。母親はせっかく面談にきても、外来の玄関で会えなくなってしまう。
 明日はディズニーランドですと言うと、喜んでそれで調子がおかしくなる。
 通所施設をつくるということで、図を書いてもらったのだろうが、親はやはり心配。
 また、図では重症心身障害児施設を”終末期”とあるが、豊かな生活をするための施設である。
 重症心身障害児はいつまでも児童福祉の対象という問題提起は確かにその通りだが、児童期から小児科のお医者さんが見てもらっている。急に成人になって、神経内科の医者にみてもらっても分からない。
 確かに、児童というのはおかしいが、私たちは饅頭のあんこ(実質)を取る。小児科で守って欲しい。だから、重度心身障害者の法律ということは今後の課題。
 入所施設の費用が100万円と書かれているが、児も者も健康保険で対応している。費用負担も本人がはらっている。公的資金は34万。
 ただ、中西さんには良い資料を作ってもらった。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 北浦さんが退席する都合もあり、中西さんの資料の説明を。

■中西委員(NPO法人DPI日本会議、全国自立生活センター協議会代表 )

 それでは資料の説明を。
 北浦さんの報告と同じように、施設にいれた例がこちらでもある。重心の場合、施設に入れると、食事も食べない、口も聞かなくなるということで、八王子で、ある子供がそういう状態になって、連れ戻して在宅を始めてきたのが、スペースらせりである。
 日中通う場と、宿泊体験等の機能をもっている。おおぜいの皆さんが日中暮らす場を使ってる。
 介助者は38名、年間8000時間。
 コーディネーター人件費、564万円。担い手報酬 400万。予算的には非常に安い予算でやっている。トータルで1000万円くらいの予算で運営されている。週1〜2回、定期的に宿泊する、そのことでだんだん慣れていく。学齢期の利用もあるので、今後増えていくだろう。親のレスパイトのニーズも多い。
 らせりのその後の展開で、グループハウス「ろばの家」をつくった。プログラムは日中、とまりを含めて、グループで宿泊体験するもの。介助者が28名。
 親が亡くなり、施設に入りたくないということで、ろばの家での生活が始まった。
 グループ体験の中で、親が突然なくなった。その結果、施設にいかずに地域で2人くらしている。
 プログラムの中で本人のエンパワメントを行っていく。絵文字など、いろんな本人の意思決定ができるような道具を作っている。親がなくなっても地域で暮らしていく道筋ができている。ホームヘルプも利用できる。グループホーム、一人暮らしの人もでてきている。
 支援費制度になって、らせりも介助サービスをスタートさせて利用できるようになった。実践できるようになってきた。

 もう一つは名古屋の事例。名古屋市の単独事業では、重心の小規模通所援護事業。年間970万円程度の制度。5人以上の定員で、職員2名。借家でも、NPOでも可能。現在、100名を超す人達が実際に使っている。
 施設は病床が限られていて入るのが難しい、いったん入ると出るのが怖い。出入りが自由でない。ホームヘルプを含めて支援、一人暮らしができることをこの中で生み出している。
 こうした動きをふまえて、新しい制度として、小規模通所更生施設(仮称)、重心福祉ホーム(仮称)を提案している。日中活動の場と生活の場。その中間に体験の場がある。
 日中の場は重心の方が日中通うために必要で、通園事業B型と同様に1500万で運営できる。
 重心の福祉ホームということで生活の場を作っていく。一人当たり月額75万。ヘルパー料金が月30万。今までのものと比較しても十分やっていける。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 北浦さん、中西さんどうもありがとうございました。次にピープルファーストの方からお話を伺うようにしたいと思います。

■大沢たみ氏(ピープルファースト)

 ピープルファースト東京の代表をしている大沢と言います。私が最初に話します。
 私は、東京都の八王子市で都営住宅で一人暮らしをしている。支援者、ヘルパーが入ってくれて、週に2日という、感じで来ている。1か月5人の人が入っている。
 自立したのは3年前。祖母と祖父が住んでいたところだったが、祖父が亡くなり、祖母が病気になり、その世話で私が同居するようになって、祖母が亡くなり、私が一人で都営住宅に住むことになった。
 中軽度の知的障害者ということで、支援はそんなにいらないと思われることが多い。一人で生活をするのに、自分で何でもできるということだけが自立ではないと思う。障害者は介護と支援を必要としながら生きている。ヘルパーに家事手伝いをしてもらって、ガイドヘルパーに一緒にでかけてもらっている。講演の仕事、出向くことが多い。泊まりの会議もある。ガイドヘルパーの時間を増やして欲しい。
 都営住宅は家族世帯ということになっているが、知的障害者はお金が無いので、持ち家や分譲住宅等では住めない。
 施設へという考えは、やはり、これ以上、施設は増やしてほしくないと思う。地域で生きていった方が良い。

■佐々木信行氏(ピープルファースト)

 こんにちは。ピープルファースト東京で事務局長をしている佐々木信行です。
 なぜ当事者活動が必要かというと、知的障害者も当たり前だけど、人間だから、自分の生活を自分で決めたいと思っている。
 ピープルファーストはまず人間だという意味。知的障害者の前にまず人間だと言って仲間を集めて、当事者運動をしてきた。
 いろんな運動をする中で、入所施設の仲間を地域にだして自立生活の支援をしてきた。
 仲間同士で助け合うのが、 一番大切だと僕は、ピープルファーストは思っている。
 この中でも親や専門家の立場、大学の先生がいるが、今までは、親の立場で支援者の立場、まずは、僕達の生活を考える自分自身で一番わかると思う。
 僕も12月にはじめて親元から離れて自立を始めた。1日おきの3時間ヘルパーをいれながら、いろんなことを生活している。ヘルパーをいれればどんな重度の人も一人で自立生活をできると思う。
 これから施設にいれないで、まずは地域でヘルパーを使える知的障害者が増えるといいなと僕達は思っている。
 ありがとうございました。

■小田島栄一氏(ピープルファースト)

 東久留米から来ました小田島です。
 僕も子供の時は、施設に入っていた。長い間くらした。
 何故かというと、昔は、親の会が用のない人間は、施設に入れと言っていた。今、地域へ帰ってきてくれというが、入れたのは親の会だから、地域へ戻す動きをしなければいけない。何故、後から来た、ピープルファーストが、そのことをやらないといけないのか。
 どちらが良いとか、悪いとかではなくて、皆で力を合わせて、施設から出し合っていった方が良いと思う。
 だから、親の会がつくったのだから、壊すために親の会の責任を果してほしいと思います。
 僕たちも、一人の障害者を出しているが、なかなかかたがつかない。家族が怒るからといって、施設はなかなか出さない。  僕たちはピープルファーストの会合で色々と話している。自分自身も親が入れたから言いにくいが、親の会が責任をもってやっていってほしいなと思います。
 都営住宅のことについても、僕たちは、施設から出て、都営住宅にどうして入ってはいけないのか。これから施設から出てきたら、住むところがないと生きていけない。お金のこと、家のこと、家庭のことを、これから僕たちは考えていかないといけない。
 僕はグッドライフという自立生活センターにいて、これからもどんどん施設から出そうとしている。都営住宅に、若い人達を入れてほしいと言っています。知的障害者がだめだと言われたら、僕らはくらせない。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 当事者の皆さんからの意見をいろんな気持ちで聞いたのではないでしょうか。ご意見、ご質問を。

■早崎委員(大垣市社会福祉協議会在宅福祉サービス推進室長)

 ピープルファーストを支援するところはありますか?相談をする機関とか。

■大沢たみ氏(ピープルファースト)

 ピープルファーストの会は、上下関係がないので、健常者の支援者の人は行き届かないところを支援してもらっているという立場です。私たちは、対等な立場で活動、運営しています。仲間同士で、分からないことがあったらどうしたらいいかということを、仲間にも、支援者にも相談しあっています。

■笹川委員((福)日本盲人会連合会長 )

 皆さんの話を聞いていたら、大変すばらしいと思ったが、ピープルファーストの会員は何人くらいか、お仕事を持っているか?

■佐々木信行氏(ピープルファースト)

 会員は25名います。僕と大沢は、ピープルファースト東京で毎日働いています。

■笹川委員((福)日本盲人会連合会長 )

  他の職場で働いている人は

■佐々木信行氏(ピープルファースト)

 います。作業所等に行っている人もいます。全国にはもっと沢山の仲間がいます。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 ピープルファーストから資料がでている。
 資料の説明をお願いします。

■寺本氏(ピープルファースト支援者)

 ピープルファーストで出している資料の説明をします。
 図4は、施設、親元から自立する際ののモデルケースを図式化した。
 いきなり自立できるわけではなく、ヘルパーやグループホーム、専門家以外の支援が必要。
 何が大切かというと、施設等にいると情報が入ってこない、地域との関係が持てないということがある。それを超えていくということが、まずある。
 施設で訓練したから自立ができるというのではなく、むしろ、地域の仲間であるとか、すでに自立しているロールモデルが居るということが重要。
 小田島が、まず施設から地域に出たということが、施設や回りの親元にいる障害者が影響を受けている。小田島さんができるなら、僕もという勇気がもてる。そういう意味での当時者活動の意味がある。
 5ページからは、東京の多摩地区で、すでに自立している、グループホームに住んでいる人達の事例です。
 地域で暮らすといっても、色々な形がある。昼間、当事者活動する人もいれば、作業所に行っている人もいる。
 知的障害者の場合は、ADL的には自分で色々なことができる人は多い。ADL的には障害が軽いと見られて、ヘルパーがなかなかつきにくいということがある。
 しかし、それ以外のところで、色々な支援が必要になってくる。見守りとか、極端に言えば、ヘルパーがいることで、一緒に何かすることで本人が安心する。現状では制度がない。実際は夜中を中心にヘルパーがでない。団体が負担して介護者をつけている。自分で歩けたり、食べれたりしても見守りが24時間必要はいる。そこは制度としてはない。
 最後の11〜13ページは、当事者活動に参加している人達で、デイサービスだけでない、働くということだけではない、昼の活動、居場所として当事者活動の意味があると思います。ヘルパーだけでなく、当事者活動をすることで全体的な生活が成り立っている。当事者活動が大きな意味を持っている。

■大谷委員(関西学院大学経済学部教授 )

 いい資料がだされた。
 5pからのそれぞれの事例。団体の負担により夜間の対応などをしているというのは、支援費は申請したのか、それとも最初から団体の負担として申請は差し控えたのか。

■寺本氏(ピープルファースト支援者)

 申請はしているが、支援費の決定量が少なかったということです。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 時間もありますので、次に育成会の本人部会の方からお願いします。

■山田憲二郎氏(全日本育成会)

 別紙の資料に基づいて、それぞれの想いの強いところを分担して発言します。私は資料の1・2・7・9について。

1.私たちに関することを決めるときには、私たちの意見を聞いてください。
 私は、昨年、中西さんと一緒に東京都のケアマネジメントの委員会では委員になれた。今年は、障害者基礎調査検討委員会もさせてもらっている。知的障害者が、そういうところで話ができるのは素晴らしいことだと思う。
 当事者の地域生活のことを決める。オブザーバーとしてようやく話ができるようになった。この委員の中に知的障害者を入れて欲しい。
 自分たちのことを決める時には、自分たちの参加の上で決めて下さい。知的障害者の本人の大会を全国もちまわりでやっているが、そのときの決議文で毎回行っていることである。

2.軽度の人にも年金がもらえるようにして下さい。
 作業所等の福祉的就労では収入は10万円以下になる。もっともっと増やして欲しい。年金が少しづつ下がっている。
 生活している部分で苦しい。私たちが生活する中では、必要な部分。

7.療育手帳を全国共通にして、使えるサービスも共通にして下さい。
 小さなカードにして、ポケットに入れて使えるようにして下さい。毎年、東京都にも要望を出している。
 昨年、郡司課長とも話した。各都道府県でつくってきた経過もあり、全国統一にするというのは難しいという意見だった。
 例えば、東京の愛の手帳をもって、他の県に行った場合、使えなくなる場合がある。全国で共通でこれを見せると、サービスを受けられるようにしてほしい。

9.支援費制度が始まりましたが、各地で制度について行政から説明されていません。
 支援費制度についての情報が本人に届いていない。もっともっと広めてほしい。サービスの地域格差について、東京都でもかなりある。少ないというところでは、自分の家から出て映画に行って、帰ってくるまでが当然サービスだけれど、時間が足りない場合がある。その人の交通費、映画のお金、食事代等は本人が負担しないといけない。そういう部分があればもっと社会参加できる。

■岡部茂夫氏(全日本育成会) 

 さくら会の阿部です。宜しくお願いします。

3.公営住宅でグループホームや、一人暮らし、結婚している人も暮らせるようにしてください。
 街で暮らせるように、公団住宅や市営住宅を貸してもらえるようにしてほしい。知的障害者は火事をおこすからだめと言われる。貸してくれない。私たちは火の始末できる。地域で暮らせば、一緒に勉強したり、夜回りを手伝うこともできる。

■多田宮子氏(全日本育成会) 

 収入の少ない人もいるので、グループホームに入ると就労している人でもお金が残らない。グループホームは一軒家やマンションを借りているので、金額が高くなっている。都営住宅や公団住宅を貸してもらえたり、一人でも住めるようにしてほしいと思います。

6.地域で暮らすためにホームヘルプを利用したいけど、ヘルパーが足りません。
 地域で暮らすグループホームや結婚しているカップルは、ガイドヘルパーを使って外出する。ガイドヘルパーは、知的障害者も使えるが少ない。もう少し週に2回くらい使っていて、もっと使いたくても、圧倒的にヘルパーの人数が少ないので、もっと増やしてほしい。ガイドヘルパーを使った時に、交通費や映画代等、そういうのも増やしてほしいと思います。

■岡部茂夫氏(全日本育成会) 

 10.仕事をしたいが仕事がありません。知的障害者には仕事がないので、仕事をふやしてほしいと思います。
 一番最初に首を切られるのは知的障害者。私たちはちゃんと仕事をするが、普通の人達はブラブラしている人もいる。
 私たちには仕事はありません。仕事を下さい。仕事の場を増やして下さい。

11.駅や街の中の看板や表示は漢字が読めない人もいるので、わかりやすくしてください。
 各都道府県の看板が分かりにくい。漢字が読めない人がいる。地図見てもわからない。仮名を振ってほしい。JR等の看板には仮名を振ってほしい。カナがあれば読めるのに、ないから分からない。

■多田宮子氏(全日本育成会)

4.収入が少ない人もいるので、グループホームやアパート生活者に家賃補助をして下さい。
 生活寮に入ったり、結婚したりしていると、給料のほとんどは家賃に消える。全額というのは無理でも、少しでも家賃補助をしてほしいと思います。

5.地域で暮らしていると、困ったことなどたくさんあるので、地域生活支援センターなど作って相談にのってくれたり、安心して暮らせるようにしてください。
 もといた通勤寮や入所施設の中に相談機関が出来ている場合があるが、行きづらい。行きづらいというのは自分だけでなく、他の人も同じように思っている。支援センターをつくる時は、施設や通勤寮の中につくらないでほしいと思います。

8.鉄道の100q以下について、障害の軽い人にも介助者が必要な人には使えるようにしてください。また、100q以下の単独利用も割引にして下さい。
 自分のお母さんのお見舞いに行くときに、割引にならないので、2、3カ月に一度くらいしかいけない。100キロ未満も割引の対象にしてほしいと思います。

■太田委員(日本障害者協議会理事・政策委員長 )

 4月からの支援費制度で、ガイドヘルパーが使いづらくなったということをある人から聞いたがどうでしょうか。

■多田宮子氏(全日本育成会)

 4度の人は使えないという場合や、居宅の時しか使えないということがあると思います。

■太田委員(日本障害者協議会理事・政策委員長 )

 今まで個人的に頼めていたのに、支援費になって事業者からの派遣しか認められないので困っているという話を聞いているが

■多田宮子氏(全日本育成会)

  そういう話は聞く。申請しても認められないという話は良く聞いています。

■大熊委員(大阪大学人間科学部教授 )

 一番最初のことを印象深く聞きました。戦前は、女性の立場が同じように、女性のことを男性が決めていた。知的障害と同じ。ぜひ、次の会くらいから正式のメンバーに入れてほしい。

■山田憲二郎(全日本育成会)

 前回から、オブザーバーになったが、オブザーバーとはどういう意味ですか。参考人ですか。昨年、内閣府の話の時には参考人、今回はオブザーバー。次回からどなたかは委員の一人にでもなれたらと思う。

■佐藤委員((福)昴理事長 )

 質問というより意見を述べたいと思う。
 私達のことは私達のいる場で決めるということは、異論がない。また、委員の問題も今後事務局が協議するということなので、推移を見守りたいと思う。
 この委員会自身、どういうスタンスで望むべきかと自分自身で思うことを述べたいと思う。
 私自身、地域生活に関する検討会については、今後の福祉システムを地域生活支援を中心に組み換えていくかということになると思います。議論の広がりということでは、当事者、事業者、学識経験者がいろんな経緯を経てここにいる。
 制度をどのように動かしていくか、その議論は、全国民的なものだと思う。納税者も含めた、まさに私たちということが議論の中に入らないと、議論がしんどい。
 自分は、この仕事にずっと係わってきた人間の一人としての私という部分もあるし、市民として税金を払い、この国を支えている私というのもある。
 この私が、当事者の言う私と、切れるようになると議論ができなくなるのではないか。抽象的な話ですみません。もっと少しフラットにやれればいいなと思います。
 これは、これまでの私の気持ちの中で多少なりともあったことです。

■太田委員(日本障害者協議会理事・政策委員長 )

 今の話は一般論としては理解できますが、この検討委員会が出来た経緯はやはり、支援費制度の移行によって色々な問題が出てきた、具体的に言えば、ヘルパーの上限問題が出てきて、では、それを今後の地域生活支援の在り方について上限設定にこだわらず進めていこうということだと思います。
 身体障害者はいて、知的障害者はいないということについてどう思いますか。

■佐藤委員((福)昴理事長 )

 誤解がある。知的障害者の委員について反対しているわけではない。今後、推移を見守っていきたいということと、賛成か反対かというと賛成です。
 言いたかったのは、皆に関わる問題を皆で決めようということです。誤解の無いようにして頂きたいと思います。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 ご両者のいうことはわかる。今回は支援費制度のことがきっかけになって、地域生活支援のあり方を考えるということで検討会は発足した。ともかくこんな形で様々な立場の人の意見をお伺いしている。重症児、知的障害者、自閉症、色々な意見を聞いて、皆、考えようではないかということ。
 佐藤委員の言葉を借りると私は、このまま見守って頂きたいと思います。

■中島秀夫氏(滋賀県社会福祉事業団企画事業部副主幹)

 今日の話は、甲賀圏域での体験が主になります。それまで施設で努めていたが、支援事業の委託を受けて担当になった時に、施設から離れて自由に動いていい、もう一つは施設は地域のことが分からないから、地域から活動の評価を受けなさいということでした。
 その評価の場がサービス調整会議でした。
 そこに自分の一月一月の活動を報告するということで評価を受けることになりました。
 入所施設で仕事をした時と、地域生活支援で仕事を始めた時に、在宅で暮らす人に対しての支援は薄いと感じた。施設は24時間サービスがあるが、地域生活は日中活動以外はほとんど家族。地域生活の応援団をつくらないといけないと思った。
 家庭訪問を中心に活動を行ってきました。町役場の人ですら、療育手帳の関係は県の仕事、私たちのところにはそういうニードは入ってきていないという状況。だから、家庭訪問からはじめていった。その中で、色々出てきたニードに対して、個別のケア検討会の積み上げを行ってきました。
 当然すぐに解決できることはいいが、すぐにサービスがないということについては、わが圏域ではこういうことが出来ていないのではないかということを、ケアプランの集約からさせてもらった。
 そんなことで、調整会議をベースに相談業務をやってきたが、色々な方々の課題を聞くにつけて、一つの相談機関、法人の力ではお役に立てないなと実感した。
 私自身、入所施設で仕事をずっとしていたので、地域の実情も分からないし、色々なマンパワーに入ってもらい、進めていくということが、結果的に甲賀福祉圏域のネットワーク化につながった。福祉だけに限らず、課題、課題ごとに色々な人達に入ってもらった。
 6年間やってきて、多少は応援団が増えてきたかなと思う。年間200人くらいの人々が、一つひとつのケースに関わりをもってもらうようになりました。当事者の方はもちろん、民生委員やドクター、福祉関係者等々。
 調整会議というのは、個別の調整であるケアプランを積み上げることによって、その地域の社会資源を開拓していくということ。皆でささえあいながら、皆でつくっていく地域づくりと思っています。
 今、事業団で支援費に関わる事業として、支援費制度推進のために、県と各圏域ごとに推進本部をおいて進めている。そこで様々な課題を話し合う場があり、そこに参画させてもらっています。
 滋賀県を7つの圏域に分けて、相談とサービスの一体的展開ということで進めてきた経過がある。
 昨年度と今年度の4、5月での各圏域ことのホームヘルプサービスの利用状況を表にまとめている。利用人数、時間ともに拡大している。特に、これまで使ってこなかった人達が、自分も利用したいということで申請されてきたと思う。そのために、支給量変更も出されてきている。
 地元の行政の担当者は、見直しをする際の手続きの煩わしさを感じておられるみたいです。
 介護保険事業者も参入されてきて、徐々に増えてきているが、まだまだサービス量が足りないと思う。
 国の方から、Q&Aが出てくるが、県の方からするとやっかいもの。これまで、国で出来ないところは県でやっていこうということで柔軟にやられてきたことが、Q&Aがでる度に削られてくる。もう、国に問い合わせをしないでほしいというのが実感。国のQ&Aに書かれてしまうと、県でも動きにくい。
 Aという地域とBというまちで、障害、環境がそんなに変わらないのに、地域によって支給量が大きく違う。結局、行政が決めているということで、担当者が公的サービス、社会的に支える範囲はどの程度かという考え方で大きく違ってくる。
 個別のケアプランができるまでは、どんな担当者であっても、ある程度の決定がなされるように、標準的なスケールづくりができることでギャップが埋まるかなと思います。
 グループホームの支援費も分かりにくい。区分1、2という区分けがあるが、どう違うのか分かりにくい。世話人の仕事と支援費のワーカー、権利擁護のスタッフの業務をどうするのか、ホームヘルプサービスはこういう範疇で行うことという考え方を甲賀郡なりに整理していこうと検討している。担当者の考え方で大きく変わらないようにということで、取り組んでいます。
 やはり、支援費制度のケアマネジメントの機能がないのが問題。滋賀県では、推進本部で、市町村が決めにくい事情のあるケースは、相談支援事業やサービス調整会議を活用してということになっているが、全てに対応できていない。
 支給量は、きちんと相談ができないと決められないはず。時間的な制約で、難しいこともある。
 たかが、支援費制度。生活全体を考えてみたら、居宅サービスのカバーしているのはごく一部。しかし、されど支援費。支援費制度と言う枠の中で考える。市町村の人が、支援費で目を向けていくことになればいいと思っている。  官と民では、同じ相談でも、時間帯や体制も違う。それぞれの良さを活かしてやっていきたいと思う。相談事業とサービス事業者を切り離して行く、相談事業の中立性をどう確保するかという議論もある。
 最後に、支援費制度の理念的なことを言いたいが、対等な関係、選ぶ時代に入ったというが、強度行動障害の人で滋賀県から京都の施設に措置されていた。しかし、支援費になって、京都の施設は契約しませんと言われた。まだまだ、事業者が強いなと思う。対等な関係といっても、なかなか難しい。やはり、選択する時代でないといけない。施設サービスを使っている人は、帰属感があると思う。そうすると、安心感と同時に、言いたいことがあっても言えないということにもなっている。やはり、選択できるようにならないといけない。
 はやりの特区を使って、月単位ではなく、日割りで使えるようにしたい。例えば、施設入所の人が夏休み等で実家に帰ってきた時に、ホームヘルプサービスが使えるようになればと思う。
 養護学校をでてから通所施設にいく場合も、5日ではなく、3日通所施設で、2日は在宅でホームヘルプ。日割りにすることで、事業者と利用者が体等になっていく。選択できるようになる。
 そういう特区が、滋賀県でできればと思う。

■大谷委員(関西学院大学経済学部教授 )

 知的障害者のケアシステムについて、れがーとを中心にしてやっているのはよく聞いている。システムが構築する程、知的障害者の場合は生活がパターン化していくということが言われる。ニード優先と言われても、そうなるのは仕方がないのか、それとも打破する取り組みがあるのかについて。
 相談支援事業のたつ位置が難しい。私も京都でやっているが、福祉事務所と対立なのか、共存なのか。利用者側にたつと福祉事務所と対立して、苦しい立場に追い込まれることもある。

■中島秀夫氏(滋賀県社会福祉事業団企画事業部副主幹)

 まず、一点目ですが、ニードよりもシステムが優先されることによって硬直してしまわないかということですが、システムがすべてを決めるわけでない。  行政は担当者が変わってしまうが、システムがあることで一定の支援ができるようになっているかと思う。システムがないと、地域のレベルが上がったり下がったりする。そのときに相談にいった人によって支援の内容が変わってしまう。システムでレベルが担保される。
 システム化の弊害をなくすのは相談事業にかかっている。いったん、決めたプランでそのままほっておくというのではなく、モニタリングをして、必要に応じて変えていくという作業がないといけない。そういう作業を怠らなければそういう心配はないのでは。

 二点目に、滋賀県では調整会議は福祉事務所が担っているが、合議制なので、福祉事務所が特権的に決めるというよりも、一機関として参加されている。  本人のニーズを第一に進めてきた。確かに、具体的な場面では対立的な場面も出てくるが、話し合いの中でやってきたということです。

■中西委員(NPO法人DPI日本会議、全国自立生活センター協議会代表 )

 資料のホームヘルプサービスの利用時間、各郡とも平均10時間。平均的な時間で言うと、低く感じる。
 甲賀郡は利用時間が多いが、一人ひとりにあった柔軟な支給決定ができたということですか。

■佐藤委員((福)昴理事長 )

 平均をとるとそうなるが、登録されている人と、実際に使っている人は違うと思う。
 必要なかたはたくさん使っている。必要でないかたには、月5時間という至急量をだしておいて、もっと必要になったときに対応している。
 必要な人に、支給量を打たれてきたという実態があると思う。ひとりひとりを見ると多いかたもいる。

■村上委員((福)シンフォニー理事長 )

 特区の話を非常に面白く聞いた。
 自分の発表の時に、児童の措置で通園に言っている人が、居宅サービスも使えればという提案をした。
 費用が二重にならない形でいろんなサービスがつかえるといい。
 国が無理なら、特区の形でも自分の市でもできるといい。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 事務方のほうから、データ収集について説明お願いします。

■京極委員(日本社会事業大学学長)

 その前に若干の整理をしたい。脱施設化について、内閣府の障害者計画でも議論された。
 ノーマライゼーション=脱施設化という考え方もあるが、そうではないと思う。施設の中の生活をノーマルにするということも含まれる。
 欧米の脱施設化という時には、大規模収容施設からの脱施設ということ。ところが日本では、収容施設としての施設もあれば、医療施設も施設、ケア付き住宅等も施設。一つ目の収容施設としての施設は脱施設ということだろうが。
 三点目は、在宅、施設を俊別した議論がされてきたが、例えばグループホームのように中間的なものもある。施設、在宅というこれまでの言い方を見直す必要がある。

■高橋委員(立教大学コミュニティ福祉学部教授 )

 施設というとそこで議論がとまってしまっている。高齢者のほうでは高齢者介護研究会で、痴呆性高齢者について施設のありかたについてもつっこんで検討した。障害でも参考になる。必要だったら、情報提供をさせて頂く。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 先程のお二人の意見は、意見をとりまとめを行うという点では、非常に大きな示唆となる。また、高橋先生のお話にお伺いする機会もあると思います。

■事務局(高原障害福祉課長)

 資料5をごらんください。これまでの検討会でもデータに基づいた議論が大切という指摘を受けていた。事務局としても実のある議論するためにデータ収集していきたい。データ収集について、いくつかの柱で提案をさせてもらえればと思います。  自治体の協力を得てデータ収集で二つ考えています。全国的な状況を把握するための数量調査。
 自治体の負担になる場合もあるので、一部の自治体を抽出した方で、突っ込んだデータを、継続してとっていくということ。  全国調査と抽出操作の二本立てでやっていきたい。

 行政調査だけだとサービスの実態であるとか、地域のシステムの発展の経過等を押さえていけないので、もう一つは厚労省の科学研究費を使って学識経験者に協力を頂いて進めていく。

 もう一つは、検討委員の皆様で事業者としてサービスを提供されている委員もおられる。この前、自立生活センターの関連で収支状況がどうなっているかという質問もあった。検討会委員の協力を得てサービスの内容、収支についてのデータも収集していきたい。
 最後のページにデータ収集の項目をつけている。
 加算の項目があるが、グループホームは加算ないので、間違い。訂正をお願いする。

 秋口から議論がはじまるので、それにまにあわせる。
 全数調査は時間がかかるが、抽出調査は9月の検討委員会に間に合うようにしていきたいと思います。
 抽出調査は継続的に実施したい。私だけでも判断できない。今、候補にあがっている自治体にお願いしているところ。抽出調査は、調査項目等について、協力頂く自治体と相談しながら決めていきたいと思います。遅くとも、8月には調査の実施に入っていきたいと思います。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 かなりこれがまとまると資料になる。期待したい。
 必ずしも自治体が引き受けてくれるとはわからないが。

■事務局(高原障害福祉課長)

 年度をしめてみた段階で調査をしたものがいいと思われるものは、資料5にとりまとめ時期を記入している。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 委員からご意見はあると思いますが、ファックス等で意見を頂くということにしたいと思います。
 次回からの予定について

■事務局(高原障害福祉課長)

 次回は今日、都合の悪かった北海道の自閉症関係の佐藤豊かさん。そして、地域の実践例で横浜市、長野県の北信圏域。  次々回は、海外の動向。イギリス、アメリカのアングロサクソン系だけではなく、ドイツの話も聞きたいということで、ドイツも追加しました。あと2回は情報共有のための勉強として話を聞かせてもらうということにしたい。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 議事録が今、配られているが。

■事務局(高原障害福祉課長)

 第3回の議事概要については、座長と相談してHPに公表させてもらっている。議事録については各委員の修正をもらってからHPに掲載したい。

■板山委員((福)浴風会理事長)

 滋賀県の中島さんの話を聞いて、昔、私は、滋賀県の6エリアをつくった時の検討会の座長をした。
 しかし、今日の滋賀県のレベルに対応している県はほとんどないということを押さえておきたい。サービス調整会議、ケアマネジメント、市町村でここまでやっているところはない。
 次回、横浜市、長野県の話を聞くが、今後、都道府県レベルの障害者サービス状況を把握するメルクマールをつくるくらいで考える必要がある。委員の皆様はそれを頭において欲しい。
 町村には障害者の係、担当もない。あまり進みすぎた例だけで考えると、宙に浮いた議論になってしまうと思う。
 滋賀県の発表はすばらしい、種をまいたのは我々。しかし、全国ではそこまでやっていない。
 サービス調整会議、ケアマネジメント、地域生活支援センターなどをやっているかどうか、調査項目に入れてほしい。

■大濱委員((社)全国脊髄損傷者連合会理事 )

 今日の会議でも知的障害者からの委員参画について提起がありました。委員の皆さんに知的障害者が参加していいかどうか、もし、時間がないならば、ペーパーで委員の意見を集約するなどを考えていただきたいと思います。本来ならば知的障害者当事者が入った上で地域支援のあり方の検討がなされるべきだと私は考えますが。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 どういう形で判断するかも含めて、座長、事務局で預からせて頂きたい。

■中西委員(NPO法人DPI日本会議、全国自立生活センター協議会代表 )

 知的当事者の位置づけ難しいところもあると思うが、発言したいときに手をあげて、発言してもらう。意見を封じるのではなく、発言の機会を与えて欲しい。

■大熊委員(大阪大学人間科学部教授 )

 資料には、かなをふればいいというものではなく、難しい言葉は直してもらいたい。
 調査項目を皆さんにだしてほしいという言ったが、サービスを受けるかたからも項目を出してもらいたい。
 この検討会は入所施設について除くとなっているが、地域に戻りたいと思って施設で生活している人も多数いる、そういったことも把握できるようにして頂きたいと思います。

■事務局(高原障害福祉課長)

 表現については、私ども気をつけたい。
 データについては、皆様からデータをお出しいただく部分もある。逆にお願いしたい。

■江草座長((福)旭川荘理事長 )

 それでは時間ばかり気にして申し訳ないが、それで予定している委員もいる。
 ありがとうございました。

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