障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第3回)発言内容の要約

2003年6月24日 14:00〜17:00 社会福祉・医療事業団会議室

ご注意

 これは傍聴者の個人の要約メモですので、細かい発言内容に間違いや抜けも多いと思います。あくまで全体の流れの雰囲気を感じる参考にとどめてください。

 転用はお断りいたします。順次訂正していきますのでほかの方にお知らせする場合はホームページアドレスのみお知らせください。繰り返しますがこれは短時間で個人がまとめたメモですので、委員各自の発言内容を正確に反映できていませんので、これをもとに各委員に対し抗議や批判を行うようのないようにお願いします。

 正式議事録は厚生労働省ホームページに掲載予定です(各委員のチェックが入ったあとになりますので少し遅れての掲載となります)。

障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第3回)

2003年6月24日 14:00〜17:00 社会福祉・医療事業団会議室

(これは傍聴の内容を要約したメモであり、発言記録ではありませんので、その点ご留意ください。)

■江草座長

 定刻なので、第3回をはじめる。事務局より、オブザーバー、資料、進め方などをお願いします。

■高原課長

 有留、大谷、渡辺委員が本日欠席。
 本日から、前回のお話にあったように、4名の方にオブザーバーとして参加してもらうことになりました。紹介します。
ピープルファースト東久留米 小田島さん
ピープルファースト東京事務局長 佐々木さん
知的障害者本人の会、さくら会 多田さん
育成会本人部会 友愛会 代表 山田さん

■高原課長

 オブザーバーは座長の指名があれば発言してもらう。ご都合がわるい時は団体から代理のかたがでられるときもある。
 資料の取り扱い、オブザーバーにわかりやすいように、議事進行を図る。皆様ご協力を。
 沢山の方々から傍聴を頂いている。心苦しいことだが、抽選をさせて頂いた。
 今日の進め方。手元の議事次第にあるように、前回に続いて、障害者の地域生活支援について7名の委員からお話頂く。各15分以内ということでお願いします。
 前半の4人と後半の3人の間に、10分程休憩を取らせて頂く。
 手元に配った資料は1から7が今日の話す委員の資料。資料8は第2回の検討会の議事概要。資料の不足があれば事務局まで。

■江草座長

 今日からオブザーバーが出席される。皆様、協力をお願いしたい。
 これから各委員の話を伺いたい。

■大濱委員(全国脊髄損傷者連合会)

 私たちの団体は全国で会員5000名いる。都道府県に各支部がある。脊髄損傷の全国組織として、全脊連、全国頸髄損傷者連絡会、日本せきずい基金の三団体ある。詳しくは資料に概略ある。
 今回の支援費制度で措置から契約ということで何が変わったのか。本当に選択できる制度、利用者本位の制度、必要なサービスが提供されているか、相談支援、地域生活支援センターがあちこちにあるのでしょうか。新障害者プランの中で、本当にできるかという疑問を抱いています。
 社会保障審議会の中で私たちの団体の委員には、サービス量の低下は無いと言われていたが、実際には、町田市のように引き下げがあった。しかし、町田市に国が補助金を出すから従来どおりにしてくださいという指導はない。社会保障審議会での話とちがう流れがある。かなり大きな問題を抱えたままスタートしているのが、支援費制度の現実。
 課題としては、1月に問題になったように財源問題、相談支援、不服申し立て機関、障害当事者を交えた第三者機関等の問題がある。
 基本的な視点は重度の障害者が地域で自立して、いかに普通にくらせるかということ。地域に普通に暮らせる、私のような重度の障害者が地域で生活できる生存権をきちんと保障して欲しい。
 重度の障害者が地域で自立して、いかに普通で暮らせるかというのがまず見るべき視点。私のように重度の障害者が当たり前に地域で生きられるように、生存権を保障してほしい。地域での私の生活というのは、介護保険でいうホームヘルプという概念ではない。ホームだけではない。地域で自立するための支援。自分らしいライフスタイルを決めていく、それを支援していくのが、支援費のあり方ではないかと思う。
 私たちが強調したいのは、それぞれの障害特性にあった介護者を必要としている。ここには、盲、ろうの人もいる。私のような全身性障害者もいる。一律にヘルパー2級でよいということではなく、それぞれの特性にあったヘルパーがいないとやっていけない。私たち自身でヘルパーを育てていく、私たち自身が責任をもって育てていくと考えています。
 突き詰めて言えば、パーソナル・アシスタント・サービス、個々人に応じたサービスができるアテンダントに変えていく。そのために、ダイレクトペイメントがあっておかしくない。何故、海外でやられているこれらのことが取り入れられずに、支援費制度が導入されているのか疑問。
 中途障害者の場合も、いきなり障害をもって、制度のことがわからない、どうやって町に出ていいか分からない。その時に、自立生活センターの自立生活プログラム、自立体験等の役割は大きい。これに予算をつけないと、支援費制度は成り立っていかない。

 介護保険の部会が開かれているが、介護保険との関係を述べさせて頂く。加齢に伴う介護と、障害者の支援との関係で考える。
 まず、そもそも、介護保険は家族の手助けというのがスタートだった。だから、家庭内のヘルプが中心で、私たち障害者の介護とは異なる。
 障害者の場合は、自宅における介護が中心ではなくて、いかに自立して、地域社会の中で生きることをサポートするかというのが中心だと考えている。介護保険とは違う。
 第三に、障害者は生まれつきの障害者、中途障害者、色々な障害者がいる。介護保険では、15疾病の40歳以上と、65歳以上の高齢者。障害者の場合とはライフステージが違う。小さい時からの障害者の場合は、たとえば、小学校に行くときはどういう支援が必要か、高校、大学に行くときはどういう支援が必要か、ライフステージに応じた支援サービスが必要である。
 介護保険のヘルパーのあり方と、障害者のヘルパーのあり方は全然違う。それぞれのライフスタイルに応じたサービスでないと、支援費は成り立たない。
 利用者本位、自己決定・選択が基本ならば、そういうサービスでないといけない。今すぐに介護保険との統合ということにはならないのではないか。
 今まで2回の検討委員会の議論で、不安に思っていることがある。この委員会での議論で具体的に何が決まるのか。例えば来年度の予算の決定に検討会の意見をどう反映させていくかが、委員の役割と考えている。
 基本的な障害者の支援は、支援費制度で裁量的経費となっている。これはおかしい。障害者の生活に係わるものは生きる権利として義務的経費だろう。裁量的経費から義務的経費に変えたい。法律をかえないといけないだろうが、検討会で結論をだして欲しい。
 障害者に対する介護は、本当にどんなサービスが必要か、ライフステージに応じたサービス内容を考えてもらいたい。
 国庫補助基準について、あのようなもので良かったのか、至急、検討してほしい。居宅介護の5類型について、どのように支給決定されているか実態を調査をしてほしい。それがないと予算要求できない。

 介護保険の部会では、障害者の介護保険の適用ということも議論になっているので、この委員会の議論を反映させてほしい。
 何をいそぐべき問題として秋までにやって、何を1、2年かけてゆっくり議論するのか。
 実際問題として、サービスが削られて困っている障害者がいる。問題として真摯にとらえてほしい。
 脊損連で調査したところ、10万人中、有効回答数700名。そのうち40名に5分間タイムスタディを行った。それの結果を資料としてつけている。四肢麻痺の頸損レベルで24時間介護が必要。中度の人でも、同居の人が4時間で、単身の人が10時間くらい必要である。
 実際に、調査に答えた人うち58%がホームヘルプサービスを希望している。家族と同居している人が多く、単身の人は少ない。そのために、実際のサービス利用としている人は少ない。もし、希望通りのサービスとなると、19万時間になり、ヘルパーの数で3万7千人。新障害者プランの目標値が6万人だから、脊損だけで3分の2を使うことになってしまう。基盤製場がとても足りない。もっと介護者を育てていかないと、生活できない。

■座長

  次に笹川委員から  

■笹川委員(日本盲人会連合)

 日本盲人連合会は、1948年に結成。会員は5万人で、全都道府県に支部がある。
 私たち目が見えないものが一番不自由を感じるのは、移動の自由、読み書きの自由がないという二点。これが保障されない限り、私たちは地域で生活するということがまったくできない。
 今後の施策を考える時に、この二点に焦点をあててほしい。
 1974年に、ガイドヘルパーが導入されて、これまで一人歩きできない視覚障害者が町に出られるようになった。さらに、国際障害者年の完全参加と平等の動きがあって、社会参加、外出ができるようになった。
 しかし、支援費制度によって、この制度が全く崩壊したと言っていい状況である。
 私は、社会保障審議会障害者部会で、色々と提起した。しかし、何一つ取り入れられなかった。不十分な形でスタートした。
 本来だったら、この検討委員会は、総論から入るべきかもしれないが、私たちの場合は、今日明日にでも改善してもらわないといけない課題ばかり。全国の会員から毎日、改善の希望ある。改善できるものは、すぐにでもお願いしたい。
 8項目を申し上げたい。地域で生活していく上で、一番大きな支えはガイドヘルパーである。
 まず、第一に、制度が非常に煩雑になっている。事務手続き、数倍複雑になった。視覚障害者が苦手な書面での契約等、誰に頼めばいいという単純なものではない。誰が代筆するかくらいは、きちんと決めておかないと利用できない。申請書も書かないといけない、色々な調査に答えないといけない、事業者と契約しないといけない。こうした事務処理を誰がするのか決まらないまま、スタートしたのは無茶苦茶である。
 先日も、社会福祉協議会が事業者になって契約に来られた。自分は目が見えないので署名ができないというと、誰でもよいので近くの人に頼んで下さいと言われた。契約書は軽々しいものではない。誰にでも頼めばいいというものではない。
 第二点は、支給量を前もって決めるという問題。健常者は、来年の外出の数、時間が前もって分かる人はいないと思う。しかし、それを前もって決める。オーバーしたら、自己負担。あるいは、変更手続き。目の見えないものが、そんなに簡単に変更手続きはできない。
 第三点は、費用負担の問題。これまでは本人所得に基づくものだったが、支援費制度になってからは、配偶者、子供の所得も費用負担の対象になってしまった。家族の同意がないと使えない。障害者が利用したくても、家族が同意しないと使えないことになった。何故、こんなことになったのか。大きな後退である。できるだけ外出しないようにという政策ではないかと思う。すぐに改善して頂きたい。
 第四に、単価の問題。1時間1530円という数字は、どこから出された金額か。視覚障害の団体でガイドヘルパーの事業者を立ち上げているが、これでは常勤職員や事務所家賃も確保できない。少なくとも、身体介護との格差を是正してほしい。
 第五に、相談窓口。行政も窓口にはなっていて、ケアマネが相談に応じるということだが、そういう体制ができていない。相談業務はまったくのボランティア、かかる費用は、どこから捻出するのか。相談の条件整備ができていないのにスタートしてしまった。
 第六点目に、過疎地、北海道では特に問題になっているが、ガイドヘルプは交通機関だけでの移動は難しい。乗用車を利用しての移動介護は出来なくなっている。国土交通省に問い合わせたが、2種の運転免許がないと出来ないと国土交通省は行っている。そうなると、過疎地の移動介護はまったく出来なくなる。この点も、早急に検討して頂きたい。
 第七に、事業者の問題。事業者は数の上では揃ったと言えるかもしれないが、その大半は介護保険から横滑りで、介護保険はガイドヘルプがない。そのために、ほとんどの事業者が移動介護はやっていない。東京では約1300社が指定を受けている。市町村が認めた事業者が200程。移動介護をやってくれる事業者はどれくらいあるか全くデータがない。ある自治体では、1500社の中から事業者を選んでくれという無茶苦茶な回答。情報提供もインターネットで、ほとんどの視覚障害者は、インターネットを読むことはできない。ましてや、事業者が移動介護をやっているかどうかを把握するのは困難。
 こうした点について、今日にでも明日にでも改善してほしい。
 これまで利用した人の中で、諦めた人がかなりでている。もう、出ない、家にいるという人が出てきている。逆行している。
 支援費制度が始まる前の水準まで、戻してほしい。利用者の中には、選択はどうでもいいから、措置に戻してほしいという人もいる。
 八番目に、今年度から幸いに、文書の読み書き装置が、日常生活用具に入った。しかし、SPコードをつけないと読めない。SPコードをつけるようにお願いしたいと思います。SPコードがついていれば、普通の文字でも読むことができる。資料配付の際には、SPコードをつけてほしい。
 契約に当たって、全国の視覚障害者の仲間が自分で情報を得られるように、コードをつけるのを徹底してほしいと思います。

■森委員(日本身体障害者団体連合会)

 日本身体障害者団体連合会の事務局長をしています。このような検討会をもったのはこれまで始めてで、感謝しています。
 当会の活動状況は資料に書いているが、1958年に連合会ができ、全国都道府県、政令指定都市に支部がある。日盲連や聾唖連盟も入っており、全国で61団体で構成されている。
 検討して頂く課題について述べます。
 まず、実態調査について、措置制度と支援費制度でどう変わったのか。支援費になってよかったことが表れるような実態調査。利用者のためになっているのか。そういう観点からの調査をお願いしたい。
 二番目は、障害者の相談員制度について。支援費制度で一番重要なのは、相談窓口。現在の窓口は市町村の窓口、市町村障害者生活支援事業があり、今年から補助事業として障害者地域生活推進特別モデル事業が始まり、地域生活推進委員がおかれる。民生委員やサービス団等色々ある。
 昭和62年に制度化された相談員制度は貴重な財産である。相談員の研鑽のために努力してきた。1998年度からは、活動の事例集を発行。身体障害、知的障害、精神障害の三部作。障害者相談員の手帳の廃止をうけて、自分達でつくっている。
 相談員の実態調査も2001年行っている。身体の相談員は、全国で12000人以上、知的障害者相談員は4800人。
 基本計画にものっているが、相談の窓口として、相談員の制度的、公的に活躍の場を考えてほしい。利用者が近辺におり、同じ目線を持っているという点がある。
 うまく利用して欲しい。障害別にいえば視覚、聾唖の相談員がいる。活躍の場があると考えている。
 三番目はケアマネジメントの問題。障害者は、それぞれ違う。社会資源も色々ある。ケアマネジメントが重要だと思う。検討課題だと思う。
 四番目は、障害者には共通のことと、障害特性に基づくニードがある。それぞれに応じた養成、研修が必要。それがないと、障害者が良かったと思えるのが難しい。
 五番目に、介護保険の抜本見直しが2005年にある。支援費制度の良い悪いは別に検討するべき。介護保険の制度、端的に言えば、高齢者の身体介護が中心。支援費制度は、障害者の生活、社会参加のケア。生きざまのケアが必要になってくる。
 国はケアマネジメントの研修をやっていたが、ケアプランの作成は必須ではない。ケアプランをつくるのは、民間の努力でやっているというところ。この点も重要な問題。
 財源については、介護保険は保険で50%、税金で50%。支援費制度は全額税金。利用者負担は、介護保険は応益負担、支援費は応能負担。しかし、扶養義務の問題がある。
 介護保険は単価は国の基準で定められている。しかし、支援費制度については、支援費は国が最低基準で上乗せできる。
 六番目に、扶養義務制度の見直し。支援費制度は障害者本人、契約の当事者のみの負担となった。
 1986年に、障害者施設の費用徴収が始まった。その際に一番問題になったのは、親兄弟から取るということで、反対運動があって、翌年に親が外れることになった。
 七番目に、施設から地域生活移行について。新計画においても、施設から地域生活だと言われている。入所施設は、地域の実情をふまえて、真に必要なものに限るとされている。端的に言ってしまうと、脱施設化するのか、どうするのか。施設と地域の両面の対応にしていくのか。日本の制度においては、施設と地域生活を二本立て、在宅を中核として行くのかなと理解している。
 次に、地域生活移行での課題で言うと、施設を在宅のサービスとして活用する。いま、身体の人が知的のデイサービスを使うなど障害別の相互利用を行っている。
 入所施設について、自立支援機能とか、リハビリ機能、居住の場、医療・保健等々の機能を持っている。在宅の人がその機能を利用する。また、入所の人も外の在宅の機能を利用する。そういう意味での相互利用を考えればどうか。
 障害者が権利として、在宅の中で地域の中で生活するために、権利を保障する。障害者差別禁止法の制定が必要。今、ニューヨークの国連の特別委員会に出席している。
 施設は相互利用で開放、小規模、個室化、QOL、利用者の自己決定・自己選択の尊重、利用者をいれたオンブズマン制度、現在やっている部分もあるが、いっそう進めていく。

 最後に要望だが、知的障害者がオブザーバーではいったことはよかった。
 こんなにも大勢のかたがきているので、なかなか難しいかもしれないか、検討会を現場で開いてはどうか。療護施設で、入居者がどういう考えなのか、何をやったらいいのか。この中に、施設の経験のあるかたが委員にもいるかもしれないが、施設の利用者が支援費ができてどのように考えているのか、現場で検討会を行って聞く。ヒアリングでもいいが、そういうことをしてはどうか。

■竹中委員(プロップステーション)

 自分の活動の内容、皆様と赴き違うかもしれない。
 プロップステーションは、12年前からコンピューター・ITを活用して、障害をもつ人、家族に介護を受けている人、施設入所、病院に入っている人が、様々な道具だて、企業の支えで、仕事をする、収入を得るために働くことを支援している。
 チャレンジドを納税者にというのがスローガン。スウェーデンも33年前から、アメリカもケネディの時代からチャレンジドを納税者にということで進めてきた。日本でもそういう考えがでてきてもいい。
 障害者個人が頑張れというのではなく、制度も、道具建ても行い、社会システムを変えていく。障害者の意識も転換しないといけない。
 こういう活動のきっかけも、自分の子供が重症心身障害者で今、30歳になる。彼女を一人にして、安心して亡くなることができるかという思いがある。たくさんの人に支えてもらっている。障害者が支えてもらう部分、逆に障害者が支える部分がある。
 ITを使って、障害者の就労支援を行ってきた。しかし、障害者はITが得意の人ばかりではない。ものづくりを作業所でする人も多い。これまで、IT関係の人にノウハウをもらいプロと連携してきた。福祉的就労も、マーケティング、デザイン、プロの企業とタイアップすることが重要。
 フェリシモというカタログ通販の会社とタイアップして、カタログにのせてもらっている。兵庫県、神戸市ともタイアップしてもらっている。行政、企業、NPO、一体となったプロジェクトをやっている。
 プロップステーションは社会福祉法人ではあるが、土地・施設を持っていない第2種社会福祉法人。厚生労働省からお金もらっていない、これまでミッションに共感してくれる人とやってきた。ともにやっていかないかと呼びかけで、お願いではない。
 これからのビデオは、チャレンジド・クリエィティブ・プロジェクトという、福祉就労を働く場にしようというプロジェクトの内容で。このような取り組みはじめて。全国にひろめていきたい。
 視覚障害のかたは画像の部分が伝わらなくてすみません。

●ビデオ上映(ccp:チャレンジ・クリエイティブ・プロジェクト)

竹中委員

 その人が持っている力を引き出す福祉にしたい。同情するのが福祉ではない、その引き出す一つが、コンピューターやネットワーク。しかし、コンピューターを使える人ばかりではない。作業所、授産所でのものづくり、福祉的就労を一般の流通ルートに乗せるためには、プロのノウハウが必要。
 フェリシモ社がバックアップ。そのカタログに載せるために、どうすれば魅力的な形に商品にできるか。

フェリシモ社の話

 福祉的就労で様々な商品作られているが、一般のルートにはのっていないかった。カタログ販売で一般のルートにおせる。今回140の作業所・授産施設から応募があった。品質やデザインも高いものが必要、魅力的な形でできないか。
 フェリシモでは市場にでていくためのノウハウを提供し、力をつけてもらう。それぞれに思いある商品で、媒介するフェリシモは重要な役割担っている。

(今回のプロジェクトの参加団体の一つ、伊丹市の授産施設のゆうゆうの様子。クッキー、かみすき、レストランなどを行っている。)

(ビデオ終了)

■竹中委員

 ひとつひとつ、自分達のできることをジャンルを越えて手をつないでやってきた。これからも自分達のできる範囲ですすめていきたい。

■江草座長

 思うところの大変たくさんある委員からの発表でした。それは、15分程度の発言を。

■中西委員

 インパクトあるビデオだった。ただ、働いている人が家庭でのどのようにくらしているか、それも気になる。
 大濱委員が言ったように、権利性を持って暮らしていけるというのが大切。先日まで、ニューヨークの国連の権利条約の委員会に参加してきた。そのドラフト案では、どんな障害者も地域の中で暮らして、自己決定をする権利がある。DPI日本会議の案も一緒に議論されている。そこでは介助を受ける権利というのも文書で入る。期待のできる権利条約ができると思う。
 施設と在宅を平行でということが森委員から出たが、知的の当事者はどう思っているか。施設で暮らしたいと思っているか、知的障害者はどう考えているかを聞きたい。オブザーバーの方の発言を求めたい。

■高橋委員

 介護保険へのコメントについて。介護保険は一つの制度であり、道具だと思う。現状の分析は、大濱さんの指摘に同意します。現状の介護保険は、2000年の当時の高齢者介護の思想を制度化したもの。今週の金曜日に公表されるが、2015年の高齢者ケアの考え方を高齢者介護研究会から提言をしていく。
 団塊の世代が高齢者になる。家族介護を前提にした、身体介護中心にしたものでは駄目だ。痴呆性高齢者の生活全般の支援についても提起する。介護保険の制度を変えざるを得ない。
 同様に、障害者の介護はどうあるかという議論をして、障害者の特性を踏まえた制度設計を考える。今の介護保険に組み込むという議論では駄目。
 保険はリスクを支えあう仕組み。そういうところをつき合わせていかないと生産的な議論できない。介護保険というのは道具だから、障害者サービスの特性はどうか、どのような折り合いがつくのか。
 笹川さんの指摘はもっともで、代弁、後見の制度を作らず、契約にしたのはどうか。措置の良い部分を残すべきだったのではないかということも感じた。
 これからの議論の方法の提案をした。

■京極委員

 高橋委員からでたように、支援費制度、介護保険いずれも設計図。それを運用していくためには人がかかわってくる。そのためには、どのように人材を養成していくか、それがないと進んでいけない。
 介護保険は介護福祉士が誕生したのが契機だった。
 障害者福祉についても、障害者ケアマネジメント等の人材がどうなっているかということと、新しい制度の実現は不可分。
 役所的には、先行して法律・制度つくりを考えてしまうが、支援費制度も措置制度からとりあえず脱却してこれにとどまるものではない。先をみてやっていく。夢のある研究会にしないといけないと思う。前向きに議論をしていきたいと思う。

■太田委員

 大濱委員のダイレクトペイメントが必要という提起に私も賛成ですが、具体的なイメージがあればお教え頂きたい。
 座長に質問、中西さんの提案に対してどのように

■大濱委員

 具体的なイメージは太田委員も理解されていると思うが、いわゆる自己管理できる人は、介助者を自分で育てて、必要なお金を障害者が介助者に払うということ。日本でも、一部ダイレクトペイメントに近い制度がある。労災の中の介護費用はダイレクトペイメントになっている。私たち自身が雇用し、障害者が支払うという制度をしっかりと検討して頂きたい。

■江草座長

 オブザーバーの皆さん、出席いただいて、何かご発言をありますか。

■山田(育成会)

 私はまだ施設に暮らしたことがない。友愛会としては、都営住宅に知的の単身入居枠を要望している。私も、施設で暮らすということは考えていない。
 グループホーム等、少人数の仲間と、寮母さん、そして個室で住む方がいい。今、母と暮らしているが、将来グループホームかホームヘルパーを使って生活したいと思う。

■多田(育成会)

 私自身は、通勤寮で暮らした。仲間で施設で暮らした人の生活を聞くと、プライバシーがまったくない。5人から多い時で10人くらいが同じ部屋になる。いびきがうるさくて寝られない。何かするのを時間でさえぎられる。施設に入れと言われたら、絶対嫌だ。
 施設に入らなくてもよいような支援、ヘルパーやグループホーム、グループホームに入る時の補助があれば生活できる。

■佐々木(ピープルファースト)

 僕は施設は絶対いらない。施設は嫌です。  12月に自立生活をはじめた。1月に上限撤廃の問題で、12月自立してばかりで、この大問題の時に戦いました。ヘルパーがいないと地域で一人で暮らせない。ヘルパーをもっと増やして欲しい。施設より地域のほうが絶対いいと思う。

■小田島(ピープルファースト)

 僕は小さな時に施設、八幡学園にいた。成人になって七尾福祉園に入った。  これから介護保険になると地域に出ると金がかかる。施設にいるとお金がたまる。逆をやっている。
 介護保険になったら、地域に出ても介護がいないと、遠くに行ったりできないと思う。現在、一日5時間くらいの介護を使っているが、介護保険になると使えない。そうなるならば、施設に戻るしかなくなる。介護保険はやめて欲しい。

■江草座長

 時間があればもっと聞きたいが、ここで10分間休憩をさせて欲しい。

【休憩】

■早崎委員(大垣市社会福祉協議会)

 岐阜県大垣市でサービスをやっている。社会福祉協議会は全国市町村に設置されている。私たちは15万人程度の市。直接的なサービスを中心に説明する。
 始めに、居宅介護のホームヘルプサービスは、1985年から市の委託事業としてスタート。ガイドヘルパー。その後、1995年から24時間巡回型サービス。97年には障害者に対する24時間巡回型の実施を進めてきた。
 介護保険移行も、障害者の介護サービスも継続。その時から、事業費補助方式で実施した。2002年から精神障害者のホームヘルプもやっている。支援費では、身体、家事、日常生活支援、移動介護、全類型提供している。障害児も提供している。
 障害者の訪問入浴については市からの受託事業。支援費になっていないので、一回1万円の補助。介護保険の訪問入浴より単価は低い。
 デイについては創作活動を中心で、単独事業として行っており、今後の継続が問題残っている。
 訪問看護事業は、利用者は120名前後。身体障害者についても、医療保険対応で実施。
 布団乾燥は、社会福祉協議会が自主事業で年6回実施。希望者のかたには対応できている。
 小規模授産、知的障害者の授産施設も実施。
 障害者ケアマネジメント事業、市町村障害者生活支援事業、社会参加促進事業を実施している。ケアマネジメント体制整備事業も行った。
 障害者ケアマネジメント事業は、社会福祉協議会として単独でおかないとはできないということで、現在、1名職員を配属している。
 基幹型在宅介護支援センターを実施。介護保険対象外への支援受託も行っている。
 別紙1、2に2カ月分の集計を行った。 事業所が大垣市では身体障害者が7事業所ある。
 6pでは社協で特に従事するホームヘルプについてまとめた。身体障害者の受給者164名、知的障害者108名。契約者は身体障害39名、知的障害1名。派遣ヘルパー数は身体障害54名、知的障害1名。
 深夜の30分・二人体制の派遣も行っている。4月の提供実績は身体障害者介護で456時間。21コマのサービス。知的障害者は日中の1時間を3回行っている。
 5月は全体では22コマのサービス。4月と5月を比べると7コマ増えた。知的障害者へのサービス提供も増えている。
 8pは14年度のホームヘルプの利用実績と受給量の一覧。支援費の支給量を市の担当者が決める時、利用者との間に入って、プランをたてながら、現状の問題点を出して、変更申請を行った。変更申請後の数字が右端の欄の数字。

 資料2pにもどって、社共という組織はおおまかに存じられているが、社共は民間組織である。行政の一部だと思われているかたも多いが、行政の一機関ではないという自負がある。
 全社協では「障害者のニーズに基づくホームヘルプサービスのあり方に関する研究」事業を行った。

 地域生活支援を進めていく上での問題点。
 ・障害者ケアマネジメントの認識の欠落。地域生活を支援する上での手法であるときっちりと書かれているので、専門職を配置、制度化することが大事ではないか。
 ケママネージャーがいないために問題になっていること。
 自己管理できる障害者とできない障害者がいる。きちんとした支援が必要である。
 障害者ケアマネジメント検討委員会の創設が必要と提起した。
 厚生労働省から配布されている資料で、地域生活支援ステップアップ事業がある。私も県、市にとりくむべきではないかと行ったが、市はやらないといった。この部分の指導助言をお願いしたい。
 キーパーソンは誰なのか。支援費の支給量を決定するのは市町村職員。行政職員を責めているのではなく、予算のジレンマがある。ケアマネジメントを行う職員と行政職員との連携で。

 支援費の事務整理を整理していくと、ヘルパーの自己負担額の記入欄があったり、介護保険にくらべると複雑。
 介護保険の単価と、身体障害者の単価は何故違うのか。家事援助は550円も違うのはおかしい。障害者はやすくていいのか。早急に同じにすべきである。
 視覚障害者の移動介護は、通院だと身体介護単価で高いのに、移動介護だと低い単価になる。二つに分かれているのはおかしいと思う。
 日常生活支援は低い単価で長時間派遣ができるから良いということで作られた。しかし、身体介護の内容の派遣をを日常生活支援の単価で決定される状況がある。日常生活支援の内容をきちんと位置づけるべきである。
 最後に、65歳以上の人で介護保険で自立と判断されている人が、従来では通院のための身体介護が認められていたのが支援費では認められなくなった。これはおかしい。
 ホームヘルパーの研修、障害に応じた専門性が必要。ヘルパーの質の向上を事業者の自己努力だけに任せるのではなく、システムが必要ではないか。
 社会福祉協議会としては赤字になる可能性があっても、そこに障害者がいるという前提にたってより良いサービスを開発していきたいと思う。地域での役割を担っていく。

■村上委員(社会福祉法人シンフォニー:大分市)

 シンフォニーの村上です。時間の都合で、3点について述べます。ホームヘルプサービス、障害児のサービス、生活支援についてです。
 一点目のヘルプサービスについては、地域で暮らしていくためには、障害者がサービスのあるところに出向くのではなく、在宅にサービスをもっていく必要があると実感していた。平成11年から開始した。社協でサービスを実施していたが、年に1人使うかどうかという程度。
 当初から問い合わせがあり、順調にサービス実績は伸びていった。市もヘルプサービスは家庭内のサービスではなく、地域生活を進めていく上での支援と柔軟に考えてくれた。
 14年度では90名、15年度では100名の登録者。
 利用実績は13年度では2622回、14年度は3994回。
 支援費移行後の利用者は4月44人。5月46人。移動介護が入って46名の利用は昨年の1.5倍。
 月間の利用時間17.5時間で昨年より減っている。これは、大分市は上限決めていない。支援費の支給量は実績に上乗せして決定している。介護者の入院があって、時間増やすなどの対応をしてくれる。最初は雑に使っていて無駄があったのが、市に相談すれば増やしてくれると言うことが分かれば必要な時間しか使わなくなる。
 利用率も契約の7割が利用している。利用の46人のうち身体障害者2名、知的障害者20名。児童24名。50時間以上利用している人は重症心身障害児・者で、訪問教育を受けながら24時間在宅でいる。
 体調の変化や突発的な通院あり、1回の利用7〜8時間になる。こうした医療サービスをひんぱんに必要な人は支給量の変更が必要で、それに応じたヘルパーが必要。プランを変更するエネルギー、家族にとってストレスになる。
 ホームヘルパーだけで全てカバーするのは無理。フォーマル、インフォーマルなサービスが必要。
 しかし、事業者の立場だけで進めにくい。そのためには、状況を全体的に把握するケアマネジメントが必要。
 ヘルパーの有資格者はいても、障害者のニードを理解して対応できる人はほとんどいない。そのために、有資格者であっても、同行派遣が必要。自分たちのところでは、採用してもしばらくはデイサービスなど研修している。費用、時間はかかっている。
 別の事業者の事例の中では、利用者である子供の前で煙草を吸う、メールをしてほったらかしというような事例もあったので、そことは利用と契約を打ち切られた。研修の仕組みが必要。

 二つ目に、児童の通園サービスについて。児童の施設サービスは措置のままで、通園施設の利用実態はどうかというと、定員30名のところ28名の利用。通園施設に毎日行っているケースは少ない。他サービスとの併用がほとんど。通園施設にいけない理由は、母子通所でないとだめな所。お母さんが疲れたり、他の子供がいると通えない。本人の理由でない。
 大分市では通園施設に通わないときに、デイサービスの併用利用を認めていたが、支援費ではだめになってしまった。
 そのために、自宅で過ごす日が増えている。障害児の場合、ホームヘルプやショートステイはやむを得ない時しか認められない。臨機応変に組み合わせて使えるようにすることが必要ではないか。
 私たちは、グループホームの一泊二日版のようなものを実施。宿泊するメンバーは入れ替わって、障害者が泊まる方を選ぶ。介護者をつけて、家事や料理に対する知識を獲得する。グループホームで一緒に生活する人との相性を見極めていく機会でもある。そういった事業を1995年から開始。大分市が単独補助事業で支援をしてくれるようになった。施設入居者が地域生活に移行するプログラムはあるが、親元地域生活をしている人が、ステップアップして地域生活をしていくプログラムはない。グループホームはいきなり入れない。相性がある。家族も不安に思っている。家族は、将来、自分たちが見れなくなることを考えた時に、ショートステイを使いながら、将来施設で生活できるように準備している。そうではなくて、地域で過ごしていけるようにエンパワメントするプログラムが必要ではないかと思う。通所の施設サービスの中のプログラムを生活支援の視点から考えていった。
 それぞれの自治体が、わがまちに必要なサービスを障害者と共にかんがえていく、自治体に任せていく仕組みが必要。

■森委員(高浜市長)

 村上委員の最後の言葉は私達が目指す方向。検討会で、地域での支えあいのシステムつくりがテーマということ、そのことは痛切に感じている。
 皆様がたの発言のあった後で、障害者施策の中で十分な取り組みはできていない。全社協のモデル事業として2001年度地域福祉計画を策定した。また、障害者計画を作成してきた。2002年度はこれに肉付けを行った。
 地域における支えあいのシステムをどう作っていくかというのは、市における重点課題である。
 今年6月19日に、当市で車いすの障害者とその母が焼死による心中を図った。介護疲れの自殺という報道もあったが、検討会や反省会にも参加してもらっていた矢先だった。このできごとを受けて真摯に取り組む。
 高浜市は人口4万人の小さな町で、予算は110億円。その中で障害者関係予算4億円。身体障害者1015人、知的障害者、118人、精神障害者62人。  市の各計画づくりは、縦割りでなくて、横断的な取り組みが重要。難しいが今やっている。
 地域福祉計画の理念を高浜市基本構想・計画として、地域福祉に関する3計画とどう位置づけるか。住民参画も進めながら行っている。住み慣れたまちで安心、安全に住み続けられるまちづくり。居住福祉のまちづくり条例制定に取り組んでいる。策定にあたって、策定委員会、168人委員会を作った。住民が参加しやすくするために、広場(ひろば:168)をもじった。車いすのかた、盲導犬と一緒に参加した視覚障害者、自閉症児と一緒に参加した親、出産を控えた主婦、ボランティアをやっている小中高生など様々な人が参加している。
 市職員も黒子として、住民・障害者共同の委員会。この委員会で議論は継続。住民と行政の関係は、自助、共助、公助を理解した上で、住民と行政が共同作業で、地域における支え合いの精神をより具体的にしたもの。
 ポイント。
 地域における居場所の確保。地域の中で自らの存在を主張するために、自分の居場所を数多く地域の中で確保できるか。具体的には乳幼児期、学齢期、青年期、高齢期。それぞれの段階での地域で暮らす場所を作っていく。
 私たちのところには、5箇所の宅老所があり、知的障害者も参加して高齢者と一緒に過ごしている。
 地域における働く場の確保。収入をえる満足感だけでなく、充実感、達成感。就職状況の厳しい中ではあるが、可能な限り一般就労に就けるように、働く場の確保。
 在宅サービスは、家族からの自立の支援として、親離れ子離れをする中で、お試し外泊等の取り組みを行っている。障害者の人が自分で生活をすることを支援する。
 地域資源の有効活用。市内には知的障害の通所授産施設、グループホーム、母子通園施設が1か所あるだけ。高齢については一定の整備をしてきたが。高齢者デイサービスを障害者が相互利用できるよう経済特区で申請しているところ。
 いきいき広場相談窓口。特に、障害の問題について、心身、心理的側面から相談が必要。臨床心理士の専門性重要で配置を検討している。今年から国も地域生活推進員をおく。当市でも臨床心理士の配置を前倒しで考えていきたい。
 高齢と子育ての施策をこれまでやってきた。これから障害者もやっていく。障害者を地域で支えていく。その際に、市民が共に支えあっていく。そのためには、大きな制度をつくり、自分たちの持てる資源をどう活用していくか。当事者も含めて共に考えていくことが必要だと思う。
 しかし、そのためにも、自助、共助、公助の仕組みがいると思う。それが可能になるための財源の仕組みが重要だと思う。
 介護保険については委員も意見が別れると思う。基礎的な自治体として、保険と税の双方を学習してきた。自治体の職員の力を信じて、障害者の財源の仕組みをここで議論して、それぞれの自治体が持てる力を発揮できる仕組みを考えていければと思います。

■江草座長

 後半の発表に対する意見を。

■中西委員

 自助・共助・公助、地方分権について、地方も財源がない。国の責任も明確にした上で、地方にやらせてもらったらよいと思う。
 村上委員、森委員からでた自立体験的な取り組みは、一つのシステムとして考えられること。
 大きな場では細かい議論はできない。ぜひ、地域のサービスのあり方を、ワーキンググループを設けて検討した方がよいと思う。

■笹川委員

 地域福祉を進める際に、社会福祉協議会が重要。しかし、支援費制度になって、視覚障害のガイドヘルプサービスを手放した社会福祉協議会もある。先程の大垣市の社会福祉協議会は完璧にしている。なぜ、社協でできるところとできないところがあるのか。その理由をお聞かせ願えれば。
 森委員の話はうらやましい。支援費制度始まって秋田県の会員から連絡あった。ガイドヘルパーの申請にいっても、事業者が無いからという理由で申請を受け付けてもらえないということだった。2月の社保審では郡司障害福祉課長からどうしても事業者がない場合は、市町村が事業者になって責任を持って行いますという話があり、その情報を流したが、自治体ではそんなことは国から聴いていないあっさり断られたそうだ。この格差はなぜ出てくるのかをはっきりさせる必要がある。
 厚労省は、どこにいても同じサービスが受けられるようにと言うことだが、実際には違う。それを掘り下げていきたい。

■早崎委員

 社会福祉協議会は、住民主体で実施している。だから、住民が何を困っているかということがポイント。ないサービスやらないのでは存在意義はない。社会福祉協議会は、どこでも介護保険で潤っていると思う。その財源で住民と共同参加しながら、サービスをつくっていく。行政責任としてやってもらわないといけないものは、きっちりとやって頂く。市ができないのなら社協がその部分を受託して住民に提供する。社協には受託責任が問われる。
 やる気の問題、行政出向を止めること、それがある限りは社協が自立するのは難しい。地域の障害者団体の皆さんも重要。声をあわせていけば、社協を住民主体に変えていけるでしょう。

■江草座長

 早崎委員の発言は、手をたたきたいと思っている皆さんも多いでしょう。  森委員は何か発言ありますか。

■森委員

 現在の介護保険がスタートする3、4年前までは、社協は募金活動が中心だった。介護保険が社協を事業型社協にする大きな転機だった。社協も淘汰される、どんな事業ができるか。
 時には、行政が主導的に社協をリードするということが必要だ。従来型の社協のほうが楽。変革の時には、制度をどう捉えて運用していくかということが、自治体でも、社協でも問われてくるのではないか。

■谷口委員

 大垣市の例で、地域福祉権利擁護事業について、サービス実施と権利擁護事業機関が同じということで、苦情があがってきた時に、気を使っていることは?

■早崎委員

 岐阜県は14市あるが、権利擁護事業のスタッフの一番多いのは大垣市。専門職が大事だと思う。権利擁護事業は県社協を通じての直接補助。スタッフを充実するかどうかは、市町村社協がどう考えるか。補助があるならばするが、なければやらないというのではだめで、市民のための権利擁護である。
 第三者の苦情処理委員会を設置している。私のところに直接的に苦情の手続きがある。3名の市民のかたの連絡先を公開して、そのかたに苦情があれば直接的に連絡をしてもらう。その点では、開かれた苦情対応になっているかと思う。

■江草座長

 時間がきたので、今回はこれで。次回のすすめかたなどを事務局から。

■高原課長

 次回7月17日(木)午後2時〜厚労省会議室内で。委員以外からのヒアリング、知的障害者の話を聞く。オブザーバーのピープルファースト、全日本育成会本人部会。重症心身障害者を守る会・北浦さん、自閉症の子供のお父さんである佐藤さんを考えている。
 第6回目は8月下旬と言っていたが、8月26日火曜日に開催。
 前回と今回、学識を除く14名の委員の皆さんから話を伺った。現状の問題点を含めた提案。また、当面の課題、中長期的なもの。早期に対応が可能なもの、困難なもの。障害の個別具体性のもの、共通のもの。論点がいろいろある。
 検討会の議論では時間を有効につかいたい。個別の問題は個別でやることを含めて、工夫する。
 秋口以降、論点を整理して議論していくので、事務局として提案する。
 中西委員よりワーキンググループを設置してはどうかという提案があった。委員全員と情報を共有していきたい、ワーキンググループを作って細かくしていくことはどうかと率直に思っている。ただこの点については、座長と相談したい。

 次回について。データ収集について、行政として把握するデータと検討会として把握するデータがあるかと思う。委員から提供できるデータもある。全体的な実態把握のスキームを次回示したい。

 議事録の扱い。議事録については2回目のものを委員配布している。確認後、おってホームページで公表。
 1回目の議事録で意見もらっていない委員はこの後でもお願いする。
 検討会の議事概要については座長と相談して早く公表したい。

■太田委員

 ワーキンググループについては作らず、全体で情報共有ということだったが、具体的に目に見える成果として表す必要があり、言い放しはできない。多くの障害者がこの検討会注目している。
 今回、知的障害者が大きな貢献をしてくれた。これからもご意見を期待したい。基本的には、JDとしては委員として入って欲しいという気持ちは変わりがない。オブザーバーとしてお願いしているのだから、委員と同じようにお茶ぐらいは配布してほしい。

■高原課長

 その点については、次回から配慮させていただく。

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