障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第2回)発言内容の要約

2003年6月9日 14:00〜17:00 虎ノ門パストラル

ご注意

 これは傍聴者の個人の要約メモですので、細かい発言内容に間違いや抜けも多いと思います。あくまで全体の流れの雰囲気を感じる参考にとどめてください。

 転用はお断りいたします。順次訂正していきますのでほかの方にお知らせする場合はホームページアドレスのみお知らせください。繰り返しますがこれは短時間で個人がまとめたメモですので、委員各自の発言内容を正確に反映できていませんので、これをもとに各委員に対し抗議や批判を行うようのないようにお願いします。

 正式議事録は厚生労働省ホームページに掲載予定です(各委員のチェックが入ったあとになりますので少し遅れての掲載となります)。

障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第2回)

2003年6月9日 14:00〜17:00 虎ノ門パストラル

(これは傍聴の内容を要約したメモであり、発言記録ではありませんので、その点ご留意ください。)

■江草座長

 第2回検討会を開催する。皆様、ご参加ありがとうございます。
 事務局より、今日の流れについてご説明お願いします。

■高原課長

 出席について、京極、大浜、渡辺委員が遅刻。森委員(高浜市)が欠席。
 前回、国会の都合で欠席の上田障害保健福祉部長紹介させていただく。

 今回の傍聴が80名を越えていて、会場の都合で一部抽選にさせていただいたが、ご理解をお願いしたい。

 今日の進め方、議事次第のように、7名の先生方からお話を頂きたい。出欠の都合、利用当事者、相談支援の事業者などのバランスをとった。
 一人15分以内。意見交換の時間を前半と後半にわけて、前半4人、後半3人。それぞれ5分程度、時間をとる。
 前半と後半の間に10分程度休憩をとる。
 手元の資料1から7まで、今日話を頂く委員からの資料である。
 資料8は4回目以降のヒアリングについて事務局の案、たたき台である。
 資料9は生活支援事業の実施状況についての報告をさせていただいる。

 前回の懸案でった知的障害者の参加については、委員ではなくオブザーバーとして常時参加できる席を設けさせていただく。座長から指名があった場合は、発言もあるかと思う。
 ヒアリング全体については第4回の検討会では知的障害者の複数のかたから話を伺う。

■中西委員

 知的障害者のオブザーバー出席の件は、毎回、複数名参加できるが、発言は座長の指示の場合だけなのか。この委員会の性格を社会の人が見ている場だと思う。委員の意見も聞いていただいて、座長と事務局だけでなく、もう少し民主的に進めて頂きたい。

■高原課長

 座長と相談して、事務局としてオブザーバーとしていう提案である。意見があればいただいていい。

■江草座長

 現在の高原課長からの発言は、私の求めた今日の進め方についての説明である。知的障害者の参加については後の議題になる。
 障害者本人というと他の分野の障害者の参加の問題もある。

■中西委員

 いろいろな障害があるが、知的障害者の参画はなかなか社会に認められていなかった。東京都のケアマネジメントの委員会では委員の半数の参加が得られた。しかし、全国のどこの会議でも、知的障害者の参画は認められていない。
 ぜひとも、この歴史的な委員会に知的障害者が参加でき、厚労省が知的障害者の意見をききながらと進めているということが明らかになれば、厚労省は大きく変わったなということになる。

■太田委員

 中西委員の指摘は重要、利用者本意、当事者主体をいうのであれば、知的障害者の当事者委員について、前向きに本委員会として検討してほしい。  

■江草座長

 先に今日の日程をすませてから、そのことについて検討に入りたい。

■中西委員

 それでけっこうです。

■江草座長

 ご意見の発表を承りたい。

1.委員からの発表

■安藤委員からの報告

 全日本聾唖連盟の安藤です。お断りをしたいのは、耳が全く聞こえないので、自分の発音について自分で調整できないので、聞き取りにくい面があるかも分かりません、ご理解ください。
 皆様の手元にレジュメとしてでてきている。基本的な取り組みと考え方を説明する。
 日常生活において手話を日常的なコミュニケーションの手段とする。支援費にあたっては、情報提供、相談、すべての過程でのコミュニケーション保障を求めてきた。
 社会福祉医療事業団の助成を受けて行った調査で、ろう重複の社会資源が不足している。入所施設は全国4箇所。市町村ではほとんど対応できない。ろう重複障害者が利用できるサービスが全く揃っていない。
 聴覚障害者の社会資源、動き出した支援費の中でまとめている。その団体が、生活支援的な取り組みをしている。大阪、京都にはサービスは比較的そろっているが、しかしそこでも公的なサービスは不足している。自助、共助、公助といわれているが、どのように整理していくかの議論が必要である。
 聴覚の情報、コミュニケーションについて公的な保障がどのようになされるか、10年位前からファックスの普及や携帯の文字メールかある。若い世代は特に。若い聴覚障害者の90%は携帯の文字メールでコミュニケーションをとっている。自分で、携帯文字メール、ファックスが使えるというのはとても重要なこと。
 聴覚障害の社会的な資源は、まわりの理解によって支えられる部分もある。共助の部分もあるが、生命、財産等に関係していく部分は公的に保障されるべきではないか。
 ろう重複障害者には、ファックスも携帯電話も使えない。リハビリで、ファックスを使える人ならばよいが、そうでない場合は使えない。情報、コミュニケーションが成立しない場面がある。
 日本の障害者福祉の歴史を見ると、二つの問題点があった。
 一つは、身体障害者福祉法が制定された時から、更生が困難な障害者の制度が非情に遅れてきた。知的障害者障害者、精神障害者のサポートが遅くなってきた。情報、コミュニケーションが対象になったは30年前、昭和45年である。
 2つめは、聴覚障害者の対応が遅れてきている。聴覚障害者に対する手話通訳の対応が遅れてきている。
 基本的人権の尊重、施策と地域生活支援をするための財源確保が必要。求められているものは、根本的な人権を保障して、法的・社会的な整備により、能力に応じて障害者でも納税者になれる機会を保障する施策。生活に必要な介護は公的に保障する。施策が転換されるべきである。
 支援費制度は弾力的な制度であると思う。2ヶ月たって問題出ているように思う。
 今回の支援費の対象は、盲ろう者や、知的障害との重複や精神等との重複、学校に行けなかった等の重複障害者。そういう障害者にとっては、家族の支援が中心で、使える社会資源が無いということの認識をするべきである。
 地域に支援できるサービスがあることが前提で、それをどう組み合わせて支援するか。
 聴覚障害者の必要な社会資源、入所療護施設、更生施設、授産施設、グループホーム、就労支援。コミュニケーションは手話であり、コミュニケーションができる関係がないとサービスも受けられない。
 コミュニケーション保障については、音声言語を手話に訳すのではなく、その人のもっている語彙で置き換えていくという専門性が必要。そう考えたときには、専門的な担当者が必要。具体的な例は述べる時間はありませんが。
 詳しい説明は時間的に無理があるが、そのようなことを考えた場合、必要なものはコミュニケーション支援、普通の聾唖者と違った視点から養成するということです。
 ケアマネジャーが専門的配置をされていないことも問題です。
 これからの支援費制度のサポートそのものが、ろう重複障害者が活用するというのは難しいと思われる。聴覚障害者が逆に選別される状態が広がっている。
 このようなろう重複障害者に対するサービス、資源というのが、どの程度あるのか、また、どのような対応になっているかということについて、お願いしたい。

■江草座長

 私が委員先生の意見をまとめるというのはしないようにします。議事録を見て後 で 議論したい。

■太田委員

 先程、中西委員からあったように、知的障害者障害者の委員の参加について、前向きに考えて欲しい。利用者本位、当時者主体ということから当然のことと考える。
 前回、精神障害者は、この検討会の対象外とのことだが、JDとしては、やはり、障害者の総合的な福祉法、身体、知的、精神を超えた、包括的な福祉法を提起してきた。精神も含めて包括的に検討をしていただきたい。
 障害分類についてICFを基本とすべしと考えている。精神障害者と他の障害を切り離す合理的な根拠は見つけられない。包括的な障害者の政策を整備する。
 地域生活の基本的な観点について、大人になった障害者が家族から自立することを前提として考え、民法の扶養義務を将来的に見直し、検討をしていただきたい。
 しかし、それは将来的な課題になるから、サービスの給付を世帯単位から個人単位にすること、これは社会福祉法の範囲で可能なことだと認識している。世帯から個人に切り換えることか重要だ。
 介護の概念について、ホームヘルパーと言われているものが、妥当なのか。障害をもつ介護を必要とする人達が、社会参加をするそれを支えるような介助とするならば、ホームヘルプではないはず。違う概念をここで位置づけていく必要があるだろう。
 ある集会で障害者が65歳となったときに、要介護1と認定されて、サービス量が減った。ホームヘルプは家族を助ける目的と役割しかない。個人に着目した制度にすべきである。
 一人ひとり多様な、障害、生活を持っている。その人にあった介護システムは障害によって違う。例えば、障害者と介護者が対等な関係で契約できる、障害者が雇用主になるシステムがあってよい。
 そうではなくて、例えば、公営住宅、共同住宅の中にケアステーションをおいて、いつでも介護者を呼べるようなシステムという選択肢もあってよい。そして、プライバシーが尊重されることが重要である。
 いろんな制度、多様性を考えている。グループホームの整備もいわれている。
 障害者計画・プランでは、脱施設と言われているが、本当に脱施設が進むのか。施設に対しては負担金、地域は裁量的経費というのでよいのか。施設、在宅を対等にすべきだと思う。
 今まで、医療行為は、介護者が行えなかった。やっと、少し前進してきた。障害の重い人が、地域で生きていくためには、ある程度の医療行為は介護者が行えるようにすべき。
 具体性をもった地域生活支援をお願いしたい。

 最後にJDの紹介を行う。1981年の国際障害年を契機に、障害者関係者で国際障害者年推進協議会ができた。
 障害の種別を越えた運動をしている。現在、71団体で構成されている。JDは積極的な提言をしてきた。差別禁止法、総合的な福祉法、民法の扶養義務の廃止、障害と制度の谷間にある人の深刻な問題に対する取組みをしている。ICFの基準採用を強く提起したい。

■中西委員

 当事者主体でサービスを提供してきた。自立生活センターのサービスを国のシステムとして取り入れていってほしい。
 自立生活センターは運営委員過半数で当事者であり、代表、事務局長は障害者である。
 対象の無制限というのは、全ての方を対象にサービスをする。高齢、妊産婦、介護保険に外れた人、他では受けられないという人について、自立生活センターが受け皿になっている。
 24時間、サービス内容も無制限である。利用者のニーズで行う。事業者のほうで制限するべきではない。できないのではないかと言われるが、18年間やってきた。地域にリソースある。学生や退職した人など介助の担い手はいる。リソースをどのように解放していくかである。
 介護者を自由に選べる。3回まで断れるようにして、利用者の期待に添える介護者を配置するようにしている。
 緊急派遣もやっている。トイレの失敗、ベッドから落ちた。知的障害者がクーラーの消し方が分からないというような場合。介護者を待機させて、夜どこでも派遣できる。国のシステムでも可能である。普段から、その障害者の介護に慣れておいてもらう必要はある。
 利用者のエンパワメントが重要である。なぜ、知的障害者の参画にこだわるかというと、知的障害者のエンパワメントは会議に出て発言する経験が必要。
 東京都のケアマネジメントの委員会でも、最初は緊張して発言することができずに支援者に発言してもいいか確認していたが、次の年は委員会の前にその日の議題についてわかりやすい説明を受けて参加するようになり、3年目には積極的に発言するようになった。
 エンパワメントでニーズを自分で言えるようにある。最初は自分でニーズを言えない、自分でどういうものが必要か最初はわからない。
 同じ障害を持つ、ピアカウンセラーとの話の中で、心を開いて本当のニードを言えるようになる。
 当事者自身が窓口に立っている市町村生活支援事業が広がるようにしていってほしいと思う。
 介護者との関係をどうすれば対等な関係を気づいていけるか、介護者に対して指示ができるか、関係づくりを上手にできるように、グループディスカッションや体験。そういう体験を、自立体験室で一週間なり、一ヵ月、泊り込んで介護をつけて生活してみる。
 知的障害者も自立体験による一人暮らしのこころみがされている。
 自立生活体験室も、国で制度化して、補助金をつくてもらうことが、施設から地域の流れを作りだすという点では重要なファクターである。
 リフトサービス、行政では通院などに制限されている。CILではリクリエーションなど目的は自由に使える。
 住宅サービスについては、家を借りるのは大変である。不動産屋と連携して、改造等も含めて相談にのるようにしている。センターの所長が保証人になることもやっている。公営住宅でなくても、自治体による民間住宅の借り上げ制度があるといい。
 知的障害者のサポートグループ、話し合いの場を持っている。知的障害者に重度身体障害者の一人暮らしの様子も見てもらっている。
 知的障害者のガイドヘルパーは、270名のサービスを受け持っている。介護者との人間関係も出来てきた。ガイドヘルプやりながら、介助の使い方を習い、これを進めていけば自立していける。
 聴覚障害のピアカウンセリング、相談もやっていう。国としては、手話通訳の派遣が十分確保されるように財政的な支援が必要である。
 視覚障害者のガイドヘルプ、時間制限がある。もっとガイドヘルプが必要である。
 精神障害者のピアカウンセリング、介助サービス。今、ボランティア的なサービスを地域でやっている。自分達のサービスを自分達でやる。
 親のプログラム。親が過保護に育てないように、地域で暮らしていける大人になるのだということを伝えている。療育の早期から、小さいうちから親に受けてもらうことが必要であり、国でも支援をして欲しい。
 在宅移行支援プログラム。施設から在宅への、その境目が難しい。施設から、移行時においては施設にいても居宅の支援費のサービスを使えるようにして欲しい。
 以下、資料を説明する。
 資料1は自立希望の人へのプログラムの流れ。長期の自立プログラムをの中で、様々なことを手伝っている。
 資料2は全国自立生活センターの実績の資料がある。
 これまで地域に894人の重度の自立生活者の支援をしてきた。全国で自立する人が増えている。
 金銭管理のサービスなどもやっている。権利侵害の相談も受けている。
 障害者団体のサービスは全都道府県でやっている。資料の地図を見て欲しい。
 次ぎに支援費の状況であるが、自立生活センターでは日常生活支援、身体障害者介護、移動介護の順になっている。
 利用者の知的障害者の割合は高い。このことからも知的障害者障害者の参画が必要である。
 支援費の支給量については、各地域の最大支給量が5時間を超えているところが多く、56%を超えている。介護保険では足りない。障害者にとって介助サービスは命にかかわる。ホームヘルプではなく、パーソナルアシスタントいうことで財源を確保していきたい。
 生活支援事業については、これまで多くのセンターが受託してきたが、一般財源化されて、今後が心配である。

■室崎委員

 島根で私達の社会福祉法人が実施している例を話す。島根県は過疎、高齢県で年々人口が減っている。福祉圏域は7つでその中の浜田圏域でいわみ福祉会で実施しており、相談事業はレントという場所でやっている。
 広島から1時間半、2市・3町で、人口95000人。療育手帳640人、施設入所150人、在宅480人という状況。障害児者地域療育等支援事業として浜田圏域障害者生活支援センターレント、就業生活支援センターとして島根西部障害者就業・生活支援センターレントを実施している。
 その他に、知的障害者の入所・通所施設、グループホーム、高齢の特養、老人デイ、ホームヘルプ、アルツハイマーの日中活動の支援の場などもやっている。
 6、7年前に療育等事業のモデル事業を、国が16箇所くらい立ち上げるという時に、そのメンバーに入った。地域療育等支援事業とは何かを考えた。コーディネーターが、調整会議に色々なケースを持ち寄り、圏域内の行政、学校、病院の中に伝えていく。ひとりひとりのニーズを社会化して、地域にないサービスを作っていく。先駆的にやったが、施設の中でやってもどうにならなかったので、自分たちで持ち出しをして、地域の中にセンターを普通の家を借りて立ち上げた。そうすると、障害者が出入りして、色々な相談をやっている。
 15年度より、ケアマネジメントをやる中で、ヘルパーを使えるようになった。島根県の施設は、人口に比例して施設が多い。大人になったら施設施設で、在宅は少なかった。しかし、それは地域の中に選択肢が無かったから。地域の選択肢をつくるという点から、地域のヘルプに期待をかけている。
 地域の中で普通に暮らせる。施設で24時間制限されるのではなく、今まで奪われていた地域で当たり前の生活をさせたい。親も、今まで、当たり前の生活が奪われていたので、安心と安全のためにしぶしぶ施設に入れていた。
 本人が普通のくらしをしたい、地域社会の構成員でいたいと言っても、ヘルプは少ない。選択をする学習、体験する場もない。そのために支援センターをもりあげていくことが重要。障害者も親も何かあれば、駆け込めて、ケアマネジメントを活用して、その人の生き方の根っこをつくっていく。
 本人部会で、知的障害者自身の発言を大事にしている。私の子供は、種痘脳炎のために、重度の知的を持っている。親として本人の意見を受けとめて発言している。この検討会の中で、本人の部会の人に意見を述べてもらって、議論していきたい。
 親が支援費で迷ったのは地域で資源を要求するスタンスができていない。地域に何を求めれば豊かな生活ができるのかを一緒に考える。それを受け止めて、それを一緒に考えながら、事業者、行政もニードに応えていくようにしていってもらわないといけない。  "支援費になったけれど、サービスがないし、施設は県しかない"、そのような粗雑な聞き取りをやっている。行政自身がまず勉強不足で、市の窓口が適切に情報が提供されないという不満が出ている。
 家庭にいるとヘルパーを使うイメージがわかっていない。日中活動から、夜はヘルプを使うというような全体のイメージがない。
 市役所もヘルパーステーションがないと言う。実際、私達の老人のホームヘルパーが、障害にいくととまどう。特殊なニード、細かいきめ細かな支援が必要な知的障害者にとっては高齢のヘルパーだと対応されない。今、そこを埋めようとしている。
 聞きとりの項目が、知的障害者の生活困難に対応できていない。知的障害者の状況を理解して、きちんとした項目をもってほしい。
 移動介護では病院にヘルパーがついていく際に、病院内ではヘルパーが使えるが、往復のヘルパーは認められない。自費で利用している。
 学校の通学、通所の送迎も認められない。それを市町村に訴えていきながら、やっとサービスを使えるようになった。非常な努力がいる。
 求めないからサービスがない、サービスが無いから、利用できない、相談するところもないという悪循環では、前進がない。私たちの現状は、公的なサービスの範囲を超えているのだから、それをしっかりと認識し、無かったら市町村でつくってもらわないといけない。
 何を一番、在宅の親が頼りにしているかというと、地域療育支援事業だる。療育も入っていて4つほどの事業が入っているのでわかりにくい。公的な支援として地域生活支援センターのコーディネーターの配置が必要である。このたび、一般財源化になり、私達が知っている範囲では、身体障害者の生活支援事業、国と市で1500万の補助金があるが、事務費で終わっている。サービスをするにはもっと予算が必要である。
 サービスをするのに予算がどのくらい必要か、また、どのようなサービスが必要なのか、その両面が必要。
 ヘルパーの使いかたもまだ、使い切れていない。ヘルパーの使い方を教える支援センターがない市町村がある。それを広げるために市町村をゆすっている状態。
 資料の4は法人が相当に力をいれながら、地域の資源を使いながら、ニーズを社会化して、なげかけを行っている。
 知的障害といっても、浜田圏域では養護学校1名、高等部で15名いる。高等部は、いわゆる知的だけでなく、多動等多様な人が入っている。知的障害とい分野では幅の広い人を地域で受け入れるためのマンパワーが必要。私たちの法人では職員もヘルパーのほうに回している。知的障害者の勉強をする2級ヘルパーを作って欲しい。
 本人部会、北海道で私達のことは私達ぬきで決めないで欲しいということを言われて、胸につきささっている。本人部会を作り、本人に宣言してもらっている。
 知的障害の当事者にすそのを広げた勉強をしてもらって、重い人の代弁をしてもらえるようになって欲しい。
 オブザーバーとして入られる知的障害者の人とは時間をかけて一緒に考えて生きたい。

■江草座長

 前半が終わりましたので、質問を。

■大森委員

 太田さんに質問。
 基本的に賛成している箇所。ホームヘルプではなく、一人の人間の社会生活を支援する観点が必要というのは、その通りだと思う。
 しかし、ホームヘルプは家族支援であると言われたが、本来、ホームヘルプは居宅での支援であって、家族支援に限定されないと理解している。その考え方が、私の理解とは違うので確かめたい。

■太田委員

 難しい質問。原則的には、大森さんのように理解している。しかし、制度ができて、ホームヘルプが一人歩きして、家族を助けるというニュアンスに意識をもっていってしまっている。あらためて軌道修正をさせて、個人の支援をということを確認したい。
 この検討会では家族の支援も必要という意見もある。
 概念の検討をきちんとしたい。

■中西委員

 ホームヘルプサービス、別立てのシステムが必要ではないか。
 ICFについての太田さんの提案があったが、ICFのメジャーが7、8割が医療的な方法である。社会参加の項目はあるが、その判断は具体的ではない。近所の人のコミュニケーションがとれるかという、健常者でも難しいことが書いている。
 当事者主体的なアセスメントが重要で、われわれが、体験室にはいった場合、どれだけ介助が必要かということを1〜3ヶ月、あるいは6ヶ月かけて確かめていくというアセスメントが必要かと思う。
 高齢者のように、85項目でアセスメントするということは障害者にはできない。高齢者支援をしている人とケアマネジメントを一緒にやった時、障害者のニーズは高齢者と比べるとわかりにくいというのを聞いた。

■太田委員

 ICFについては、中西委員と認識が若干違う。中西委員は、まだ医療モデルであり、社会モデルとしては不十分という意見だと思うが、ICFでは社会参加を位置づけ、ワンステップ前進した。ICF全体を見れば、医療モデルではないはず。

■佐藤委員

 自立生活センターではいろんな事業に取り組んでいる。この事業全体の収入、補助金のもの、利用者のかたの負担もあるのかもしれない。全部で事業費はどれくらいか。

■中西委員

 去年は運営経費は約1億円。行政からの支援が半分。独自財源が半分。去年の時点でも、ホームヘルプの委託があり、事業費補助方式での収入があった。ホームヘルプを実施する前には運営経費は5000万だった。
 支援費ではホームヘルプの収入を3億程度見込んでいる。

■板山委員

 対象、時間、内容を無制限で実施しているというが、全体としてのニーズに応えるために費用がどれくらいかかり、行政からの委託、本人の負担、どういう工夫をしているか。どういう財政的な構造になっているか、後でそういう分析をやって欲しい。

■中西委員

 公的な部分でなく、自費でやっている部分を含めて、後で報告したい。

■笹川委員

 当事者で自立生活センターを経営しているのは理想的なことだと思います。今回、支援費制度で、事業所として指定を受けているかどうか。全てのセンターで実施しているのか。視覚障害者のサービスは。

■中西委員

 全国120の自立生活センターのうち、100箇所は指定事業者になっている。視覚のガイドヘルパーは3箇所程度か。
 視覚障害者自身がガイドヘルパーをやる動きがある。八王子では、ガイドヘルパーはこれまで主に社会福祉協議会がやっていた。八王子でも社協と協力しながら、視覚障害者がやっている。そういうことを進めて欲しい。

■江草座長

 では休憩に入ります (10分休憩)
 でははじめます

■有留委員

 東京とは大都市の自治体としての福祉のあり方として、福祉改革を行っている。
 一つは基盤整備の問題。もう一つは、仕組みづくりの問題、ケアマネジメントが制度化されていない。
 スローガンだけではない、実質的な支援費制度を行う裏づけのあるリアリティのある取り組みをしている。
 制度を支える都の独自の仕組みとして、ケアマネジメントの手法を用いたモデル事業を実施している。事業者情報システム。判定マニュアルの作成も行った。
 地域生活を支える基盤を、短期集中で整備していこうということで、障害者地域生活支援緊急3カ年プランで、160億円を投じて、グループホーム、通所施設、ショートステイの整備等を行っている。
 入所施設改革として、都立施設は民間に委譲してサービスの向、。コストパフォーマンスの向上を図っている。これまで東京都が行っていた独自の運営費の補助の仕組みを変え、努力に応じて配分する仕組みにする。東京とは施設に100億円ほどの手厚い独自補助をしてきた。
 以上が、今日話すことの骨格である。
 キーワードは"多様なサービスの確保"、"多様な主体による競いあわせ"で、サービスの向上を図る。
 東京都でも地域ごとに特性がある。福祉改革推進プランの次にだした東京福祉改革ステップ2で、具体化、目標水準を定めた。施設から地域でくらせるように、公立・社福法人中心のサービス提供からNPOを含めて幅広い供給体制へ移行する。
 地域居住の場であるグループホームは3年間で1000名増やし、現状の倍増とする。デイサービスの定員も1200名増やす。
 入所施設の整備は、地域生活支援型、ユニットケア、グループホームの設置、地域生活移行訓練の充実などで、施設待機をしている1000人を解消していく。
 入所施設の抜本改革を進め、従来型の需要にあわせてつくる整備ではなく、永住型から回転型にしていく。地域にいる障害者の支援する機能をもった施設に、特別助成を実施し、設置者4分の1負担を、8分の1にする。用地費の取得の3/4を負担する。
 都財政が厳しくマイナスの予算の中、しかし障害者予算は2%増である。これには様々な改革による自助努力の中で財源を生み出している。
 都立施設は、サービスの直接提供から東京都は撤退し、サービスの向上と効率的な運営。民間の委譲で、そのことを進めていく。
 都の独自の加算として、これまで増員配置があり、国3:1のところをこれまで、都立では1:1でやってきた。給与の公私格差是正もやってきたが、格差是正の部分を今回廃止して、最重度障害者をどれくらい受け入れているか、地域をどれだけ受入れたか、経営改善をやったかで、補助金を配分していく。
 支援費制度利用援助モデル事業として、ケアマネジメントを活用した利用援助事業をやっていく。地域にでたときにどんなサービスを使ってやって行くのかケアマネジメントが必要。モデル事業の中で支援費制度評価会議を開催し、次の新たな仕組み、仕組みの見直しに反映させていく。
 第三者評価については、これまで都独自に試行してきたが、15年度には本各自実施する。兵法はHPにて公開する。
 福祉情報総合ネットワークにて、事業者の情報や第三者評価について情報公開を行う。  障害程度区分判定の客観的なマニュアルを使った。全国の都道府県から高い評価を受けている。

 東京都における独自のサービス、親元にいる間から体験できる生活寮、重度知的障害者のグループホームは4人に対して3人以上の世話人を配置する。あわせて240寮を作り、整備費7/8を都が負担する。
 身体障害者のグループホームも、国では受入れられない重度の常時介護が必要な人も受け入れている。世話人に加えて介護員を2人配置する。アパートでの実施や、NPOへの委託も可能にした。
 ショートステイは国基準では入所施設で、社福法人でないとできないが、都では通所施設を使って、アパート・マンションを借りてでもできるようにした。委託先もNPO、株式会社も認めている。支援費制度外のサービスであるが、サービスの絶対量が不足していて、身近なところに設置することが必要。地域偏在の解消と、サービスの底上げを図る。
 就労支援事業については、国では実施主体は国、都道府県。都では区市町村で実施。15箇所。国制度の事業は1箇所。
 なぜ地域移行できないかは施設と地域の格差にある。2級年金で67000円。施設でいると費用徴収分を差しひいても5万円のこる。
 地域では都の福祉手当を入れても9万円ていど。東京都は家賃が高い、生活費を考えると毎月2〜3万円の赤字になっている。地域でくらすとなるとこれを家族が負担しなければならない。こういう構造を変えていかないと地域移行はできない。
 自活訓練事業は原則6ヶ月なっていて短い。実際は訓練に2、3年かかる場合もある。
 宮城県の舟形コロニーの実践では、措置を継続したまま、施設外の地域のグループホームで生活をする仕組みがあった。これも一つのアイデアで、いつでも施設にもどれるような仕組みがあっていい。
 ショートステイ、グループホームは、多様な提供方法、地域特性をいかしたやり方がある。支援費制度に移行する中、選択できるだけのサービスの供給をしていかないといけない、その中で、補助率をあげるということも考えていいのではないか。
 ホームヘルプ国庫補助基準の問題について。全身性障害者の実績では、都は162時間である。区市には24時間支給している進んでいるところもある。これまで全身性にいちはやくとりくみ、時間をかけてサービスを増やしてきた。
 財源は無限にのばすことは難しい。財源も施設から在宅にシフトさせる。過渡的には予算が増加するのはやむを得ないのではないか。
 国の経過措置については、新規の障害者には適用されない等の混乱を一部の自治体で招いている。
 全身性はひとくくりではない。障害の特性に応じたケース検討に基づく基準づくりも必要ではないか。
 以上、東京都のスタンスをご説明した。

■佐藤委員。

 私達が取り組んでいる地域支援システムの紹介をする。
 東松山市は東京から一時間。東京のベッドタウンであり、かつ古くからの農村的な地域もある。日本の典型的な市町村である。
 障害者福祉の社会資源は、県の改革で保健所と福祉事務所の統合された福祉・保険福祉センターと、比企郡とよばれる保健福祉圏域の中で民間入所施設5、通所3、県単費のデイケア(小規模作業所)6。
 もともと入所施設が多く、今でも、入所施設を待っている人が400人くらいいるという。10年前に入所施設はつくらないということで始めた。入所施設を作らないという以上、入所施設が請け負ってきた機能を、地域に解放していく、あるいは分散していくのが、私たちの役割である。

   通う場所、就労支援、介護・レスパイト、リクリエーション、医療、地域生活を支えていく上での基本的なサービスである。
   入所を経営しない法人は、財政的に基盤が弱い。自分達でできないことは、行政をいかにパートナーとしてまきこむか。それは一部成功した。ファミリーサポートセンター昴は、社協が総合福祉エリアという福祉センターを作って、そこがヘルパーを抱えている。
 就労に関しては、市の育成会、他の施設、団体と協力して、東松山市就労支援センターとして設置できた。
 相談支援事業は市町村障害者生活支援事業を昴で実施していたが、一法人でやるのではなく、地域の資源として活用するために、社協に移管した。そのことにより、市がかかわっているという中立的で信頼感が有る。それがニーズをひきだしている。
 東松山市は、地域福祉か充実しているという風評が立つようになってきた。
 課題と問題点についてあげると、社会福祉基礎構造改革は、前進的改革、スクラップアンドビルド的なものだと、私達は考えている。地域福祉への流れの連続性と非連続性。新しい理念と、新しい方法を見いだそうとしているのだということを明確にすべきではないか。この委員会は、その点を明確にした上で議論を進めていく必要がある。
 介護保険との関係について、支援費は大きな問題をもっている。介護保険の中でとりいれられたダイレクトペイメント、ケアマネジメントは支援費の中ではとられなかったのは、大きな後退。支援費は一見ダイレクトファンディングのように見えるが、今の仕組みの中では評価できない。
 支援費制度実施に当たって

 これら一連の経過を見ていて、既存の制度との調整、連続性と非連続性の問題がある。既得権の温存を前提とした調整では無理がある。
 知的障害者の在宅と施設の支援費の差額は100倍もある。
 生活サポート事業という県単事業をうけてサービスをやっていた。市町村の裁量はあるが、県の事業で年間150時間まで使える。
 去年は4400件、1万時間の利用があった。県・市・本人が1/3ずつ負担する制度で、2850万の収入があった。
 これが支援費に移行して、昨年まで300名の利用者いたにもかかわらず、支援費の契約済みは22名。しかし、月に450万の売上がある。去年より良くなった。悪い言い方をすると、利用者を囲い込むと経営ができる。
 去年までの生活サポート事業は派遣内容は何でもありだった。スタッフは10名いて、車両も8台もって送迎サービスもやっていた。一方、支援費は制限ある。去年は赤字だったが、今年は黒字になるかもしれない。
 事業者としては、このままでいいと思ってしまうかもしれない。上客をつかんでしまうと、もうこれでいいという事業者が多くなるのではないか。それ以上、地域の社会資源をつくらなくてもよくなってしまうという危険性がある。

 施設から地域を一つの目標にしているが、地域から地域という課題をどう考えるか。
 親亡き後の施設論は、地域に資源が無いことの現れということは指摘され続けてきたこと。この不安を解消するためのシステムと財源、必要なサービスを行うための財源をどのように確保するか検討委員会の課題になる。
 ここ数ヶ月の実践のなかでそのような考え方を持つようになった。  

■谷口委員

 自立生活支援センターきらリンクという相談支援事業を実施している。委託は京都新聞社会福祉事業団。財団が市町村障害者生活支援事業をうけているのは珍しい。
 私達の支援センターはサービスをもっていない。サービスをもたず、相談者に自分のところのサービスを利用させるのでなく、中立的な立場で相談をするという趣旨で行っている。

 昨年度の相談件数は延べ4000件、月に約400件。身体障害者、知的障害者、重複障害者からも相談がある。
 市町村障害者生活支援事業は京都ではじめてできた第一号で、京都市には3箇所あるが、リーダー的な役割を担っている。
 ITサポート事業の委託を設けている。ITサポートセンターでつながりができて、生活相談がメインになっていくということが顕著になっている。
 京都市生活支援事業連絡協議会というものを作っている。市内の3つの支援センターが集まって、一つのセンターでうまくいかないことで、みなで協力している。私自身が理事長をうけていて、今年で2期目。連絡会でピアカン講座も実施していて、約半年をかけてやっている。

   他に京都市支援センター連絡会があって、これはサービス調整の役割を果たしている。障害児(者)地域療育等支援事業の事業者4ヶ所、サービス提供事業所も2ヶ所入って、情報の共有化をしている。将来は公的な調整の場になっていけばと考えている。

 相談支援事業からみた支援費の問題点について述べると、相談支援事業の数の不足および質的な問題がある。
 どれだけの介護サービスがあればいいか算定できなかった。市町村職員も未熟で適切な申請がされていない。支援センターも機能不足で、障害者の生活実態を知らない相談員が多かった。
 本来はホームヘルプの類型が日常生活支援であるはずが、事業所が少ない、単価が低いと受けてもらえないということで、身体障害者になっている。経費が二倍かかってしまうという問題がおきている。
 大阪市の支給決定のガイドラインを資料6の2枚目につけた。
 京都市は去年の12月に区の福祉事務所に対してガイドラインを出した。255時間まで決定できる。本庁は上限ではないといっているが、区の担当者は上限と思っている。京都市は、今、至急決定が多くでている。今後、ガイドラインをどのようにとらえていくのか。どのくらいの支給量が妥当なのか、いまなお議論されている。
 事業所が主体となってサービス提供することで、本人の意思ではなく事業所の都合になっている例がある。事業所世主体の制度になっている。
 知的障害者の親では使わないと減らされるということで、本人が出たくなくても、無理矢理使っている。私たちは1年の1ヶ月でも支給量を使い切っていれば減らされないと言っているが、親には不安がある。
 京都には学生が多い。学生の支給決定は、出身地であり、住んでいる自治体では支援費を認められない。京都市の現状に会わない。学生の多い地域の問題点である。
 介護保険の事業所は最初手をださなかったが、われわれのアプローチでやりはじめた。ただし、儲かるかもしれないというのは一番の参入の理由になる。今後何らかの問題もでてくるかもしれない。
 ヘルパーの給料は低い。身体介護型だと4000円の支援費がでているのに、ヘルパーの時給は1000円というのが相場である。3/4は事業所の取り分になっている。NPOの事業所はこれから経理の問題がきついのではないかと思う。
 今後、支援費を事業所にまかせきりにして、本人のエンパワメントはどうなるのか。ボランティアがヘルパー資格をとって、仕事として行うようになり、これまでボランティアで対応していた部分が今は、難しくなっている。ボランティアがヘルパーとして活動することは良いことでもあるが、ボランティアのコーディネーターは厳しい。
 第三者評価の問題について、どこがカバーしていくのか。今後きらリンクは第三者評価的な役割を果たしていくことを考えている。第三者評価は監査ではない、サービスを向上させていくものである。今後重要になってくる。

■江草座長

 資料で支援事業の実態調査でているということなので、事務局から説明お願いします。

■ 高原課長

 残り時間の問題もあり、今後の日程、ヒアリングについてもあわせて説明させていただく。ヒアリングについては資料8のように今後考えている。また、支援費の実態調査をしていきたい。中西委員からも調査項目の依頼がでているが、他の委員からの希望も聞いて実施していきたい。

 資料9は生活支援事業の状況をまとめた。15年度は悪くないと思っている。しかし、16年度はこのままでいくのか、厳しい声も聞いている。一方、一般財源化でやりやすくなったという声もきいている。
 楽観も悲観もしていない。今後の重要な事業であるので、この結果を受けとめて進めていきたい。

■大谷委員

 支援費制度になって、平成15年度はある程度延びているが、16年度は不安である。大阪府でもデータあがっているが、知的ホームヘルプ3.4倍、ガイドヘルプ3.5倍。2倍から3倍くらいに、サービス量が増えている。取りあえず今年はついたが、来年度はどうなるのか。知的障害者のガイドヘルパーは、これで社会的経験を増えることで、さらに、来年度も増えていく。来年度の予算の確保はどうしていくか。
 今日の委員の話は、就労支援の話、支援費制度内の話。情報保障の話と多彩であった。次回以降どういうくくりで議論していくのか議論していきたい。

■大熊委員

 有留さんに伺いたい。東京都の場合は、3000人ほどの都外での施設入所者がいる。この施策でもどってこられるのか。
 資料では都の精神障害者の施策がでてない。高浜市長が前回いわれているように、行政はトータルなサポートをする必要がある。
 精神障害者の審議会の委員をやったが、医者が多くて地域のことのは知らない人が議論していた。ようやく精神障害者も一人はいれたが。
 この検討会は当事者が6人入っており、地域のいろんな活動を実施している人も入っている。こういう文化が、精神の方にしみ通らないと、歪な形で精神の方の案はつくられるのではないか。どういう方法がいいのかはお任せするが精神障害者もこの委員会と連携して行く方法を考えてください。

■大濱委員

 都の障害程度区分の判定マニュアルの作成にあたって、当事者は参加しているのか。
 また、この検討会の知的障害者のオブザーバー参加についてどうなったか聞きたい。

■有留委員

 障害程度区分の判定マニュアルは、更生相談所、福祉事務所などの現場の職員を中心に検討委員会をつくって作成した。ヒアリングは様々な障害をもつ当事者に行い、意見を十分に聞いている。
 大熊委員の意見だが、地域移行の難しさは、都外の施設も、都内施設も同じである。分けて考えてはいない。地域移行の実態は、親元から9割、施設から1割。自活訓練事業については都外施設でも実施している。選べるような仕組みが必要。ソフトの仕組みとして、世話人や事業者、親の連携で枠をこえて利用できるような仕組みを考えたい。
 都外施設は行政責任に応える中、施設を作ってきた過去の経緯がある。ただ、都外施設が全て悪いということではなく、自然環境が豊かなところで住みたいという選択の幅でもある。遠くにあるということで、就労の場所がないという問題もある。継続的な議論が必要である。

■中西委員

 谷口委員はホームヘルパーの人件費を安くやっているというが、CILでは時給1500〜1800で月給22〜25万。専従介護者に対して、介護で生活するのに十分な給料を払っている。
 また、その財源で24時間緊急介助のような独自サービスも実施している。営利会社とは違う。

 ヒアリングについて、精神障害者があがっていない。精神障害者のヒアリンクをおこない、この検討会とどうリンクできるかどうか考えたい。

■太田委員

 精神障害のヒアリングについてぜひとも場を設定して欲しい。  

■高原課長

 次回、6月24日(火)2時からを予定している。大濱員、笹川委員、早崎委員、竹中委員、森委員(高浜市)、森委員(日身連)に発表をお願いしたい。
 前回議事録の内容は今日お配りしたので、確認して欲しい。議事概要については公開させてもらっている。
 ヒアリングについては、このような人の話を聞きたいという事務局の案である。
 精神障害者については、精神障害者の委員会と連携はとりたいが、とりあえず今回の案は第1ラウンドのヒアリングの提案なので。他にも聞きたい人がいるので、精神については後ほどの検討ではどうかというのが事務局の率直なところの考え方である。

■江草座長

 そのようにします。
 知的障害者の本人の出席については、次回からオブザーバーとして参加をお願いする。人選は、提案した中西さん、育成会の本人部会を持つ室崎さんと相談して行いたい。

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