2003年5月26(月) 14:30〜16:30 経済産業省別館
ご注意 これは傍聴者の個人の要約メモですので、細かい発言内容に間違いや抜けも多いと思います。あくまで全体の流れの雰囲気を感じる参考にとどめてください。 転用はお断りいたします。順次訂正していきますのでほかの方にお知らせする場合はホームページアドレスのみお知らせください。繰り返しますがこれは短時間で個人がまとめたメモですので、委員各自の発言内容を正確に反映できていませんので、これをもとに各委員に対し抗議や批判を行うようのないようにお願いします。 正式議事録は厚生労働省ホームページに掲載予定です(各委員のチェックが入ったあとになりますので少し遅れての掲載となります)。 |
2003年5月26(月) 14:30〜16:30 経済産業省別館
(これは傍聴の内容を要約したメモであり、発言記録ではありませんので、その点ご留意ください。)
高原 障害福祉課長
ただいまから、検討会を開始します。
本日の検討委員会、大変多くの傍聴希望があり、70名が入っている。窮屈になっていますが、お詫びします。
河村 社会・援護局長
検討会開催に当たって挨拶致します。検討委員の皆様には快く就任していただいて感謝します。ご多忙の所出席いただき、厚く御礼を申し上げます。
新しい障害者基本計画ができ、5年間の重点施策の中では、施設から地域への移行、ホームヘルプサービスを初めとする在宅サービスの充実を具体的に進めていくために、支援費制度が施行。概ね順調である。
障害者が住みなれた地域で自立してくらせるよう支援するのが施策の基本である。今後、さらに進めていく。各地域においてより望ましい支援システムを構築する。
本検討会は本年1月の障害者団体との話し合いの中でできたものである。利用当事者だけではなく、学識経験者、サービス提供者、相談支援事業者にも入っていただいて、オープンに幅広く議論いただきたい。
高原 障害福祉課長
第1回目なので、資料の本日の検討会の委員名簿にそってご紹介したい。
有留武司 (東京都福祉局障害福祉部長)
安藤豊喜 ((財)全日本聾唖連盟 理事長)
板山賢治((福)浴風会理事長)
江草安彦((福)旭川荘理事長)
大熊由紀子(大阪大学人間科学部教授)
太田修平(日本障害者協議会 政策委員長)
大谷強(関西学院大学経済学部教授)
大濱眞((社)全国脊髄損傷者連合会 理事)
大森彌(千葉大学法経学部教授)
京極高宣(日本社会事業大学学長)
笹川吉彦((福)日本盲人会連合 会長)
佐藤進((福)昴理事長)
高橋紘士(立教大学コミュニティ福祉学部教授)
竹中ナミ((福)プロップ・ステーション理事長)
谷口明弘(自立生活支援センターきらリンク事務局長)
中西正司((NPO)DPI日本会議常任委員、全国自立生活センター協議会代表)
早崎正人(大垣市社会福祉協議会在宅福祉サービス推進室長)
村上和子((福)シンフォニー理事長)
室崎富恵((福)全日本手をつなぐ育成会 副理事長・地域生活支援委員会委員長)
森貞述(高浜市長)
森裕司((福)日本身体障害者団体連合会 事務局長)
渡辺俊介(日本経済新聞社論説委員)
続いて、厚労省の紹介です。
河村 社会・援護局長。
上田 障害保健福祉部長は国会のため欠席です。
足利 企画課長。
中西((NPO)DPI日本会議常任委員、全国自立生活センター協議会代表)
発言いいですか。
この検討会は1月の大行動の結果であり、この場を開いていただいたことに感謝したい。当事者を入れて話し合えることを喜んでいる。検討会の中身について充実した議論をしていきたい。
一つ問題なのは検討会開催する中で、知的障害者の当事者が入れていない。この点は厚労省にずいぶんお願いした。しかし、委員の人数が多いという理由を言われてきた。
今日、検討会たちあがるが、その中で、ぜひ知的障害者が一緒に席を共にして議論したい。ここで知的障害者の将来の地域支援の骨格ができると思うので、人数が多くなるが、知的当事者が数名参加して発言できるようにして欲しい。サポーターもつけ、資料もやさしくして、事前に情報提供するなどの配慮をして一緒に議論していきたい。
この件について検討会で議論させて欲しい。
高原(障害福祉課長)
できるだけ多くの当事者、関係者に委員として入ってほしいというのは全く同じ。しかし、委員の数が多くなりすぎて22人でも多い。単純計算で1人5分ずつ話しても2時間かかってしまう。いろいろ考えて、今回の構成になった。知的障害は育成会に入ってもらっている。知的障害者当事者だけではなく、他に関係者をできるだけ話をきく機会を工夫していきたい。まだ、座長の選出おわっていないが、座長と相談して議事運営上の工夫をしていきたい。
中西(DPI)
委員に入れて欲しいということではなく、リソースパーソンとして委員会の参加を保障することを提案している。知的障害者抜きで議論が進んだのではないということにならないようにしたい。委員会の中で是非を議論させてほしい。
高原(障害福祉課長)
他の委員も気持ちは理解していると思う。まず、議事をすすめさせていただきたい。
座長の選出についてはどうすればいいか。
京極(日本社会事業大学学長)
経験と造詣の深い江草さんにお願いしたい。
高原(障害福祉課長)
いかがでしょうか。
(拍手)
高原(障害福祉課長)
それでは江草先生お願いします。
江草((福)旭川荘理事長:以下「座長」)
皆さんのご賛同をいただいて、座長をお受けします。
社会的な注目をこの検討会はされている。この検討会の議論の内容だけでなく、プロセスが重要。中西さんの発言も考えながら、今後の、障害者施策の推進に大きな役割を果たすよう、幅広い立場から議論が行われるように、お互い努力したい。
皆さんのご協力を頂き、成果があがることを期待したい。
私も極力欠席はさけたいが、委員会にでられない時もあるので、職務を代行する副座長を選ばせてもらいたい。
(異議なし)
江草(座長)
副座長は板山先生にお願いしたい。
(拍手)
江草(座長)
それでは議事をすすめます。資料の確認を事務局お願いします。
高原(障害福祉課長)
資料は2つ。「障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第1回)資料」と「参考資料」。不足ありましたらなら、事務局までお願いします。
江草(座長)
資料の説明をお願いします。
検討会の公開についてもあわせて説明を。
高原(障害福祉課長)
本日多くの傍聴希望があった。多くのかたに関心持ってもらっている。できるだけオープンに議論して、多くの国民のかたに知って欲しい。
会場の制約や希望しても傍聴してもできない人がいるので、どんな議事内容か、議事録と資料を公開したい。議事録をまとめるのに時間かかる。主なご意見を列挙した議事概要を作成して、議事録に先駆けて公開したい。事務局の責任において議事の概要については公開させて欲しい。議事録については各委員に見てもらって確認をとって公開する。
江草(座長)
ご了承していただけるか。
(異議なし)
江草(座長)
それでは、議事録、議事概要については公開させていただく。
資料に基づいて説明をお願いします。
高原(障害福祉課長)
(配布した資料の説明)委員名簿の次に資料3がある。障害者(児)の状況。
全国の障害者602万人と推計。身体障害児・者352万。知的障害児・者46万人、精神障害者204万人。
身体障害児・者の在宅は330万人強、在宅は95%。知的障害児・者の在宅は33万、在宅は72%。
4pご覧ください。身体障害者数の推移及び障害者の種類別に見た状況。
視覚、聴覚・言語は横ばい。肢体と内部が数では増加。
5p。年齢別にみた状況。在宅の障害児・者のうち65歳以上が約6割。先の5年間で約8ポイント増加しており、高齢化の影響がある。
障害の程度別の状況、1・2級を持っている在宅の身体障害者は45%となっている。資料の6p。在宅の知的障害児・者の数は、最重度と重度であわせて重い知的障害者の人が約4割となっている。
次に7p。政府として新しい障害者基本計画を策定した。厚労省の関係では、「地域生活を支援するための在宅サービスを充実」。「住まいや活動の場を確保」「精神障害者の保健医療福祉施策を充実。」「障害者雇用・就業の確保に向けた取組」「施設は、在宅生活を支える地域の資源として活用。」入居施設は真に必要なもののみに限定するとされた。障害者の地域生活支援を強調している。具体的なプランにもとづく目標設定も行い、ホームヘルパー6万人、グループホームを3万人の整備目標を掲げた。
9p、新しくスタートした支援費制度の概要。利用者のかたがサービスを選べる仕組みである。措置制度のもとで行われたサービスが支援費になった。具体的には10p。障害児の施設については支援費ではなく引き続き措置として運営をしていく。
資料の11p、12pは支援費の施行状況について。4月の調査。行政としては大きな関心をもっている。自治体の協力をえて調査をした。4月分を5月に請求するため、詳細なデータはまだこれにはでていない。今後はつっこんで調査をやっていく。今回のは全体像を示した。
支給決定の状況について、これは調査を終わった43都道府県の状況。居宅の支給決定18万5千人、施設は20万人。全体的にはサービスの必要な人に支給至急決定されている。
事業者指定の状況については11p。ホームヘルプの事業所8千をこえる。一定の単価改善、指定基準の改善を行ったことで、事業主体の参入がすすんでいる。
知的障害者のホームヘルプについて、1月時点では3割の自治体しかやっていなかった。指定事業者は全国の市町村数を上回る。ただし、地域的なアンバランスはあると思う。
相談支援事業については、現在、調査をしている。今、整理中で整理が終わればデータを示したい。
江草(座長)
質問ございますか。
中西(DPI)
我々のほうも知的障害者のサービスは増えている。ただし、周辺市では指定を受けた事業所と実際にやったか事業所の数は違う。我々の市では結局従来から知的をやっていた事業者しかやっていない。
知的障害者については、指定はしているが、経験が無いために実際にはやっていないところもあるはず。市町村でサービス実績調査をやって欲しい。本当にやっているところが何箇所、何時間あるのか。
支援費のホームヘルプについては我々も調査をやった。全国の自立生活センターを調査したところ、利用者の割合は身体障害者70%、知的障害者30%。
類型では日常生活支援62%、移動介護18%、身体介護13%、家事援助7%。
支援費の最大支給量については、1日10時間以上の地域が60%ある。
高原(障害福祉課長)
現状では全体的な雑ぱくなデータ。今後細かくとっていきたい。
今日、参加いただいた委員からの状況も教えていただきたい。
京極(日本社会事業大学学長)
高齢者は比較的、民間事業者が熱心だった。障害者はあまり経験がなく、これから。都道府県の取り組みの強化が必要。障害者を実際にやってみると難しくないということで事業者も増えていく思う。市町村だけではなく都道府県のバックアップも必要。
佐藤((福)昴:埼玉県東松山市)
11pの表にある支給決定者数はにわかに信じられない。施設ははっきりしているが、居宅の20万に近い決定、私のいる東松山市では障害者ケアマネジメント推進事業をやり、その上で、4月1日で居宅のサービスを受ける受給者が37名という水準。身体、療育手帳所持者は2300人くらい。周辺の市町村をみても支給決定2、3人という所もある。まだ支給が決まっていないという市町村もある。
どう考えても知的障害者6万人という数字は、日常の仕事の場面から感じるに、順調すぎる。現実はほとんど準備すすんでいない。市役所でも支援費が良くわからないのでまってほしい、というところある。
調査の内容を良く見て欲しい。このまま推移すると居宅のニーズがないこととして扱われ、行政の整備の遅れはないと思われるのは困る。これは、数字ではなく、感覚で行っている意見ではあるが。
何らかの方法で厳密に現状把握をしてほしい。
大浜((社)全国脊髄損傷者連合会 理事)
脊髄損傷については、約10万人いる。実態調査したところ、56%が介護を受けたいと答えている。家族がいるけど介護受けたいという人もいる。
410名の調査をして、数十名は聞き取りした。この資料は後ほど配りたい。
在宅の障害者146 万人のうち、どれだけが介護を受けたいのか。実態調査してほしい。身体の7万7千人という数字は一部ではないか。
村上((福)シンフォニー理事長:大分県)
通所系は施設と1くくりにせずに別に統計調査してほしい。施設サービスの利用者の中には、通所系で居宅サービスを使える、そういう人はどれくらいいるか。
指定事業者が多いのは良い事。しかし、介護保険の事業者がはいって底上げされている。
契約サービス量はどれくらいか、実際のサービス提供時間数は。いずれわかった時点で、今後検討の材料としてお願いします。
高橋(立教大学コミュニティ福祉学部教授)
介護保険もそうだが、様々な統計について厚労省として検討していると思う。統計資料、詳細統計をとる項目について検討会にも示してもらいたい。
障害種別をどうとらえるか、等級についてのデータあるが意味をなさない。
「この項目は取れる」、「この項目は取れない」というものをまず示して
確実なエビデンス=証拠に基づいた議論をしたい。まず、調査としてこういうことをやりたいというのを示してもらってそれを議論したい。資料は小出しにしないように。見通しが分かるような資料を提出して下さい。
江草(座長)
いい意見です。お願いしたいのは、委員のかたからも「こういう資料が欲しい」とだしてほしい。事務方から提供するものだけではなく。
ある時点での現象を中心に議論すると普遍性がなくなる。普遍性に重きをおくと、個別性がなくなることになり、難しい問題。
この際だから皆さんが事務方にこういう資料が欲しいと言って欲しい。
高原(障害福祉課長)
とりあえず、事務局としての考え方を話すと、データに基づく議論は大変重要と思っている。とりあえず、全体像、基礎的なものを示した。
全数調査は限界がある。定点的な調査も必要ではないか。行政的な基礎的なデータがあって、それに加えてこの検討会としての実態調査も必要と思う。
委員会で議論していただきたい。
中西(DPI)
ここで議論するのも難しいので、皆さんからこういうデータが欲しいというのを、後日、事務局にだしてもらってはどうか。
江草(座長)
今日は有効に時間を使うためにも、そうして欲しい。個別でいいので、皆様から事務方に要望して欲しい。
板山((福)浴風会理事長:副座長)
あとで、問題になると思うので、確認をしたい。高原さんからは精神障害者の話がない。この検討会での地域生活支援について、支援費なのか、全障害なのか、そこははっきりしたほうがいい。精神は今回の委員会のテーマの外なのか。この中には精神障害者の関係者もいる。最初に確認お願いしたい。
高原(障害福祉課長)
この検討会の土俵は、身体障害者と知的障害者と考えている。精神障害者の事はだいじだが、省内に精神障害者音については対策本部を別途やっている。社会復帰、地域ケアのありかたについて検討している。対策本部の中間報告をうけて専門の委員会がスタートする予定であり、今回の検討会は精神障害者は対象としない。
板山((福)浴風会理事長:副座長)
身体・知的・精神は市町村では非常に密接になっている。精神障害について、別途やっているなら、そちらの議論についても折りをみて説明して欲しい。両方の検討会の足並みをあわせてやっていかないといけない。
笹川((福)日本盲人会連合 会長)
事業者のことについて言いたい。数の上では多くの指定事業者があるということだが、大半は介護保険事業者が横滑りしている。移動介護の事業者は限られている。実際に移動介護やっているかどうか調査するのは大変だろうが、事業内容についても調査して欲しい。視覚障害は移動介護が中心。現状では自治体から事業者の名簿はでるが、視覚障害者のガイドをやっていないところが多く、実際選べない。
先ほど、1・2級の身体障害者は45%と言っていたが、そのうちの視覚障害で見ると1級だけで59.9%。正確なデータをだしてほしい。
先だっての労働調査では、針・灸・マッサージの就業者は17000人で3.3%というデータがでた。知らない人が見たら、3.3%ならたいした問題ではないと思われる。データのだしかた、厳密に、誤解のないようにして欲しい。
中西(DPI)
精神障害者の問題。我々の団体でも精神の当事者が前面に立ってサービス提供を行っている。関連分野については議論を封じないで欲しい。われわれの委員会の中で精神のことがでれば、その議論は精神の委員会にあげていって欲しい。
大田(日本障害者協議会 政策委員長)
精神の部分については、精神障害者の検討状況の報告を受けながらということだが、この委員会の成り立ちからすると仕方がないかなと思いつつ、医療モデルから社会モデルへの転換の中では、身体・知的と精神の区分けにはあまり意味がない。JDの立場としては、障害を医療モデルではなく社会モデルとしてとらえ、3障害同じであると考えている。
我々は社会モデルという考え方、身体、知的、精神全てを越えた総合福祉法の制定を訴えてきた。
身体の分野だけが進むのではないかという危惧を抱かれないような検討委員会にしていきたい。
森(高浜市長)
私ども、自治体では市町村障害者計画、地域福祉計画の中でトータルにやっている。ぜひ、精神のことも視野に入れた議論をして頂く。住民の中には、知的、身体だけでなく、精神の障害をもつ人もいる。精神障害者は別のシステムとはいかない。その現場をふまえた議論をお願いしたい。
有留(東京都福祉局障害福祉部長)
支援費制度の移行については利用者本意で進めてきた。先ほど、都道府県のバックアップという意見をいただいたが、都は選べるだけのサービスがあるかという問題意識のもと、利用の仕組みを考えてきた。
独自にケアマネのモデル事業をたちあげ、事業者紹介システムをつくった。都ではサービス基盤拡充のための地域生活支援3万人3ヵ年プランをたてて、グループホームが中心だが、選べるだけの基盤をつくろうとしている。グループホームの運営費の補助もやっている。
都型ショートステイというのも立ち上げ、施設でなくてもアパートやマンション、通所施設でのショートステイでもいいのではないかと新たに創設した。
都道府県の役割を今の厳しい状況の中で、どんな工夫をすればよいのか、そういう具体的な事例を議論ができるようにしてほしい。各都道府県、市町村の独自の取り組みの事例があれば紹介して欲しい。
江草(座長)
今後の検討会での議事すすめ方に入りたい。
中西(DPI)
知的障害者の当事者のあつかいについて議論して欲しい。今日も当事者がきているが、リソースパーソンとして毎回きてもらいたい。僕も知的障害の当事者からのプレッシャー感じている。この検討会は当事者ぬきではいけないということから始まっている。このことを議論してからすすめたい。
江草(座長)
今日その話に入ると、時間内に終わらない。その件については座長として事務局と相談させてほしい。今日はだめでも、検討会は次もあるので。
この委員会は半年、1年ではない。意見を徹底的に交わして、お互いの意見をまとめていく。
次の委員会は。
高原(障害福祉課長)
次は6月9日とを考えている。
江草(座長)
私も座長としてのプレッシャーもある。知的障害者の仕事をやってきたものとしては、その意見はわかる。しかし、人数の問題もあり、知的障害は育成会にも出てもらっている。少し時間をいただきたい。
高原(障害福祉課長)
検討会の趣旨については、もともとはホームヘルプの問題からはじまったが、しかし、それにとらわれえず地域支援のことについて取り上げていきたい。
最後のページの資料7に今後スケジュールがある。各地域のケーススタディを6〜8月でやって、今年の秋から検討項目にそって議論しようと思っている。
検討会の内容、多岐に渡る。幅広い関係者が集まっている。それなりに時間をみている。長いタームで議論いただいて、いろんな状況の変化で節目節目で議論をまとめていただくことがあるかもしれないが、それは状況をみてお願いしたい。
夏までに話をきいて勉強する。一通りの議論ができればと事務局では思っている。
実態調査については、ホームヘルプの利用状況調査を予定している。先ほどの議論とかぶるが、事務局の考えも出して、夏までに対応させていただきたい。
江草(座長)
ある程度、走りながら考えることもでてくる。そうはいっても、地方で生活するとたくさんの障害者のかたの支援費の問題がある。月日がたつとまずいものもある。場合によれば、高原課長がおっしゃったように来年の春までの第1ラウンドでひと通りあたって、そのあと新しい問題、深める問題をやっていく。
笹川((福)日本盲人会連合 会長)
スケジュールとしてはわかるが、来年度の予算のことは8月の概算まで一定の結論がいるのでは?
高原(障害福祉課長)
もちろん、来年の概算要求については切実である。ただし、この検討会についてはこの問題を中心に考えると幅が狭くなる。当面の問題で終始してしまうのではなく、幅を広く議論いただければ。
来年度の予算要求については節目に事務局からご報告をする。
笹川((福)日本盲人会連合 会長)
問題になっているのは単価。1530円では移動介護専門の事業者はできない。単価のひきあげが必要。
デイサービスについても、視覚障害の場合は視覚的ことに配慮した作業が必要。そうすると視覚障害中心のデイが必要になってくる。視覚障害者は数がすくないので、運営上支障をきたす。その意味では単価を引き上げて欲しい。これにどう対応するのか。
高原(障害福祉課長)
事務局としては支援費の単価の問題は、ある程度、経営実態を把握した上で見直しをしていく。経営実態の把握には一定の時間が必要。いずれにせよ、笹川先生とは検討会以外でも協議、相談させてほしい。もう少し全般的に抱えている問題として問題提起していただきたい。
安藤((財)全日本聾唖連盟 理事長)
時間をかけた検討がとても大切だと思う。新障害者計画の議論のように期限を切った議論は問題だったと思う。時間をかけて慎重な検討が必要。支援費については今でも納得できない、今回の検討会は十分時間をかけて欲しい。
障害別の問題を分けた上での議論が必要だと思う。障害種別の対応をどうするのか。他の障害についてわからない面多い。聴覚障害、盲聾、重複障害については皆さんに理解されにくい部分があると思う。十分に検討して欲しい。
高原(障害福祉課長)
安藤、笹川先生から意見あったように、それぞれの障害に応じたきめ細かな対応をしていきたい。データ把握も大切。この場だけでなく、別の場でもいろいろ話をさせてほしい。検討会についても、できるだけ消化しながらすすめていきたい。座長とも相談させてください。
中西(DPI)
国庫の補助基準の問題、この検討会で議論することになっていた。今の状況では市町村どうなっているのか。我々のデータでは過疎地では厳しい。人口1500〜2000人の過疎地対策をどうするのか。大都市でオーバーしている所もある。今の280億で足りるのか。データがでた時点で議論して欲しい。
江草(座長)
資料の1に加えて今後議論することでどうか。皆さんのいったことを検討項目として反映させる。検討項目も検討しながら、範囲を広げたりしていきたい。
谷口(自立生活支援センターきらリンク事務局長:京都)
財源論とサービス論はわけたほうがいいのではないか。私達の団体はサービスをしていない相談支援事業のみという珍しい団体。
京都では、ねたきりの高齢者が手帳をとって日常生活支援を使うということが起こっている。財源論的には問題がある。サービス論的には良いこと。財源論とサービス論はわけて検討してもらったほうがいい。
京都は支給量が多かった。使い切れない状況がある。
もう一つの問題は供給体制の不備。移動介護の資格を持っている人がいない。
使えないのか、使わないのか、使いたくないのか、ごっちゃになっている。地域に入って調査しないといけない。
京極(日本社会事業大学学長)
当面のスケジュールについては、委員の意見、ヒアリングは大事だが、9月からの検討の柱のメリハリをつける。皆で確認してやっていく。
この検討会は一見、間口が狭いが、奥行は広い。論点はつきない。論点を整理していけば、落ちつくところに落ちつくのではないか。
佐藤((福)昴:埼玉県東松山市)
谷口委員の発言があったが、私の認識では財源論とサービスのありかた論をきちんと考えるということでこの検討会がたちあがったと思っていた。検討項目の一番目で地域生活支援事業のあり方にボリュームがさかれている。ちょっとびっくりした。厚労省もこれまでいろいろな研究やって、これについては相当語りつくされたと思う。その中で去年の問題がでてきた。理念としてその人らしい生活を支えるというのは誰も否定しない。その中で、だれがどう支えるかということで問題がおきたのではないか。
基本的な理念をどう実現するか、そのために財源をどう解決していくかというように問題を絞り込んでいく必要があるのでは。財源とサービスをわけずにどう一本の道筋でおとしこんでいくのか。
高橋 (立教大学コミュニティ福祉学部教授)
サービスと財源の間には媒介変数をいれないといけないと思う。この問題はお金、財源ではなく資源の問題。どう資源をつくっていくのか、そのあとに財源がでてくる。サービスと財源でなく、資源の仕組みをどうするのか。
江草(座長)
各論に入っているようですが、今日はスケジュールを確認するということで。
今日はその他に、資料が大熊さんと中西さんから資料がでている。
あと35分あるので、2人で半分ずつ説明してください。
大熊 (大阪大学人間科学部教授:元朝日新聞論説委員)
(大熊委員のホームページからデンマークの筋ジストロフィーの方の資料と知的障害聴覚障害の資料をA3両面資料で配布)
なぜこれをくばったかというと、論ずるときにスタンダードルールが必要だから。一本すじを通して欲しい。障害福祉の分野では国際的な視野をとりいれながら考えて欲しい。
ここに出てくる人は人工呼吸器をつけて、恋愛をし、自分の家にすみ、仕事をし、それがスタンダードルールである。
これだけ重度な人はそんなに数はいない。日本の人口でいうと約3000人。中西さん、太田さん、大浜さん、のような生活は特別な贅沢でではなく、国際的な基準ではあたりまえのこと。そう思って配った。あとで読んでいただけると幸い。
日本では特別な人がボランティアを集めてやっている。国境をこえると、そうではない人も保障されている。そのことで経済がかたむくことはなく、日本よりも景気もよい。
知的障害者の参加。これも参加するためにいろいろなやりかたが工夫されている。
資料にあるが、「私たちが参加しやすい会議にするのために、こう助言します。会議の前に知っておくべき情報を会議の計画表と一緒に送りましょう。一番大切なことを最初に書きましょう。はっきりと書きましょう。1行に1つの情報を書きましょう」
「議長は最終的な決定を下す前に、次のように尋ねましょう。みなさん、分かりましたか、最後の決定に入ってもいいですか、最後の決定は理解できていますか」
こういうふうすると誰もが会議をやりやすい。千葉の検討委員や大阪や北海道でも知的障害者が入っている。ひとりだと気が小さくて話せない人も、複数なら可能になる。
身体障害者もいろんな障害があり、全ていれると大変という意見もわかるが、知的障害者の特有な部分ある。この検討会には是非入れるようにして欲しい。
私は大阪で、往復5時間かけて東京にくる。3時間くらいやって欲しい。滋賀などの他の委員会ではそのようにしている。
資料は紙だけではなくメールでもおくってほしい。データだと自分で整理もできる。そういう要望させてもらいたい。
千葉の委員会ではメーリングリストをつくってやりとりしているが、会議の場、以外にも協議している。そういうこともいずれ協議していって欲しい。
江草(座長)
資料についてだけではなく、座長の心得も教えられた。どうしても時間、時間と言ってしまって、限られた時間を有効にということで言っているのでご理解ください。
中西(DPI)
今後の進め方のペーパーを見て欲しい。今後の進め方について提案したい。
佐藤先生、高橋先生から提案あった財源論だが、その前に理念の確認をしたい。第2回では理念を議論して欲しい。何のためにヒアリングをするのか。施設から地域といっても考えていることはちがう。まず、ベースを決めてたいということ。
資料に施設支援と地域支援の表がある。国も地域へとはいうが、2つのやりかたがある。能力を重視した視点で考えると、重度の人は在宅では難しい、自閉症や他動の人は能力的に難しいので軽い人からやっていく、そういう道筋ができる。軽い人のサービスがあればいいとなる。
市民としての視点、どんな重度の障害者でも地域で暮らすという理念を共有して、理想的なサービスについて考える。その際は、財源論はおいておく。
どんな重度の人もくらせるように市民として。地域でのネットワークをどうつくっていくのか。理念を最初に固めていきたい。
そのあと、今後の地域サービスのことについて入っていく。
パーソナルアシスタントとホームヘルプサービス。ホームヘルプは高齢者の家族支援のサービスで始まった。1月に我々が求めたのは地域で暮らすときに、それがないと、トイレやお風呂など生命維持に関わる介助だった。ホームヘルプができた時は重度の人が地域で暮らせることは想定していなかった。そのあとに重度障害者がサービスを変えてきた。裁量的経費でホームヘルプが扱われてきた。従来のホームヘルプと身体障害の介助は理念が違う。できれはサービスのなまえもパーソナルアシスタントとして、本人の必要なサービスを提供する。メニューの名前も変えたほうがいい。
ホームヘルプについては、障害者の利用は質的に変わってしまっている。それが今、高齢の介護保険と同じといわれている。
最終ゴールをどこに設定していくか。できる人は自分で自分のケアプランをつくって、サービスも自分で確保できる。このための費用を本人にくばる。ダイレクトペイメント。これはバウチャー方式でできる。
学校、就労での介助。内容でわかれている。これについても将来をみこして議論する。
次に、施設から在宅への移行メニューについて。グループホームや体験的な自立生活の場。委員の方がかかわっているところもある。
親の意識を変えていくことも必要。施設を望む親は将来が不安。親を安心させることが必要。体験の場にも支援費を使えるようにする。親が安心すると施設をのぞまなくなる。海外の事例も含めて議論する。
緊急介助派遣。自立生活センターは24時間で介助派遣、相談やっている。国は支援する方向で考えて欲しい。
単身住宅の確保。住宅がないと生活できない。公営住宅の知的障害者、精神障害者の単身住居の問題も議論しないといけない。
アメリカのホームオブユアオウンという政策がはじまっている。これについてもリソースパーソンをよんで欲しい。
アメリカの例は参考になる。本がでていて、この中に具体的な事例がでている。ニューヨーク州の施設閉鎖の事例がある。実際、どういう取り組みが必要なのか、議論したい。
その次の資料4は「米国における生活支援政策プログラムについて」。いろいろなサービスメニューがあって、日本にないような世界中のサービスメニューも検討したい。
カナダのセルフマネジドケア、障害者がセルフマネジドケアをして、自分で介助をつけてやっていく。それについても議論して欲しい。
関係者ヒアリングについてだが、以下の人を提案したい。
足指文字でコミュニケーションをとる重度障害者の新田さん。
スウェーデンの施設解体に詳しい河東田さん。
光岡さん。鳥取県米子市。地方都市での重度障害者の自立支援。うまくいっている事例。
佐藤喜美代さん。ベンチレーター使用者ネットワーク。人工呼吸器の問題。このレベルの人が暮らせるなら、他の障害者もくらせる。最重度の人をターゲットにする。そうすると他の人も安心してできる。
福祉のまちづくりの会。人口の少ないところで地域支援やっている。
次の表はヒアリングと検討課題を関連づけしたもの。どの様な視点をもって聞くかを示した。
安藤 ((財)全日本聾唖連盟 理事長)
中西さんの話、具体的にはわかるが、この検討委員会では、現行の制度の中でどう効果的に支援していくか。
障害者計画、基本法。支援費制度については自己選択、自己決定の理念がでている。検討委員会で理念と言っても負担になる課題ではないか。2年ではなく、5年、10年かかる。そういうレベルの問題ではないか。
中西(DPI)
理念の問題は10年かかるとおっしゃるが、議論をどう進めていくかという視点の問題。この委員会で10年間のことを決めるというわけでない。常に限界がある。これまで知的障害者がホームヘルプを使って自立生活できなかった。今、生活保護をとって、ホームヘルプつかって暮らし始めている。その中でどういうニーズがあるか支援費以降はじめてでてきたものについて議論する。半年たつと真のニーズがでてくるだろう。走りながらやるということは事務局からも話があった。あまりゴールを気にせずにフリーな議論をしていきたい。
江草(座長)
こじんまりまとめたいというわけではないが、時間に限りある。焦点を絞ってやったほうがいい。安藤さんもそういう意見だと思う。
2回目の予定、日程について。今日の議事概要について、事務局から意見をうかかがいたい。
大田(日本障害者協議会 政策委員長)
確認をお願いする。今の中西さんの提起はどのように今後反映されるのか、されないのか。確認をしていただきたい。言いっぱなしでは、中途半端。われわれはどの様に中西さんの提案を受け止めるのか。
江草(座長)
今日は大熊さん、中西さんが資料をもってきたので、資料の説明とご提案いただいた。賛成かどうかではなく、議論を深めるためのご提案だと考える。
高原(障害福祉課長)
事務局から、次回の進め方について。
日程だが、委員の皆様お忙しい。次回については6/9月曜日の午後、次は6/24火曜日の午後、開催させてほしい。確認のペーパーを各委員に配っているので、予定を聞かせて欲しい。
はやめに4回目以降も日程を固めさせてもらいたい。そのあとの日程調整表を今配布させてもらっている。
第2回、3回について中西委員からも整理があったが、こちらとしては委員の皆様に、もう少し、当事者を代表される委員、自治体を代表する委員にお話を頂戴して情報を共有、認識を共有していければと思っている。
知的障害やこの委員会に参加していないかたからお話を聞く場を設けていきたい。座長と相談してすすめさせてもらいたい。
議事概要ですが、できるだけ早く作って、座長と相談してHPで公開したい。発言者の名前は議事概要に載せない形にする。
議事録については個別にご確認いただく。それについては時間かかると思う。
委員の皆様から資料を作成する際のお願い。事前に委員の皆様に送付し、点字にできるものは点字していきたい。時間に余裕を持って資料がいただければ有り難い。
江草(座長)
今日はすばらしい意見にいただいてありがとうございます。議事進行は今後も努力していきたい。ご協力よろしくお願いします。
河村(社会援護局長)
非常に重要な会議でこれだけの方が見守っている中で検討していただいた。会の運営の仕方は座長と相談しながら進めていきたい。今後ともよろしくお願いします。
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