大問題発生 小規模市町村ではヘルパー4時間が上限に?

大きな問題が発生しました。来年1月1日からの新制度では、区分1や2の余った時間分は区分3の利用者にはまわせない制度にするそうです。  (区分3(重度)の利用者が1〜2人の小規模市町村では、国庫補助の上限の時間が利用者の上限になるので、事実上現状の国庫補助基準上限の1日4時間がヘルパーの上限になる)。  厚生省幹部によると、区分3の人は、区分3のグループの中でしか国庫補助枠を流用できない制度にするそうです。

 このままでは小規模市町村で、利用者10人〜20くらいで、区分3の重度障害者が少しだけの市町村では、国庫補助基準の上限がヘルパー利用の上限になってしまいます。
 特に町村は区分3が1〜2人しかいないことがあり、1人でも24時間介護が必要な障害者が出ると国庫補助が8分の1しかつかないこともあります。

国・都道府県の補助について

・現状の国庫補助基準の3類型(125時間・50時間・25時間)はどうなるかまだ決めていない。
・現状のように、25時間の枠の人が0時間しか使わず、その25時間を125時間の累計の人にまわすことは出来なくする。これは滋賀県がやったので、もう出来ないようにする。
・3類型のそれぞれの中ではまわすことはできる。たとえば125時間の枠の人が二人いて、一人が25時間しか使わなかったら、もう一人は225時間でもOK。
(厚生省幹部が説明)


全国の小規模自治体では国庫補助の上限がサービス利用の上限になる

厚生労働省障害福祉課によると、新法では障害程度区分を超えて国庫補助基準枠の使い回しはできないようにするそうです。 たとえば、区分1や2で国庫補助基準の枠があまったとしても、それを区分3には使えないという仕組みにするそうです。
 しかも、区分は3つにするのではなく、もっと細かくする予定だそうです。 これでは小規模の自治体では大変なことになります。

参考
グランドデザイン案21pより(3区分の例が書かれている)

 たとえば、東北では県庁所在地でも支援費利用者が30人というところもあります。町村部では1つの市町村に支援費利用者は10人以下ということがほとんどです。1つの区分には2人以下ということになります。つまり1人や2人で国庫補助基準を取り合うことになります。
たとえば、月20万円の区分に2人しかいない場合は、最初の1人が施設入所すると約40万円分消費してしまい、もう1人は在宅でサービスをまったく受けられないということも起こります。
 また、過疎地で、親の亡き後に障害者が1人暮らししてヘルパー制度などを長時間利用したいと思っても、月20万の区分の障害者が1人しかいない小さな村の場合、ヘルパー制度も20万円分(身体介護で1日2時間)までしか使えません。これでは地域で暮らすことはできません。  

   障害福祉課によると、このような制度にする理由は「区分を超えて使い回しするのは国民の合意を得られない。区分を作った意味がない」というものです。
 過疎地でそういう問題が起こったとしても、自治体が全額出してでも行うのが地方自治であるので、問題ないという考えでした。
 障害福祉課は「区分を今の3段階よりは細かくするので今よりはいいではないか」との意見ですが、細かくなっても、「1人暮らしの人や家族が病気や高齢介護できない人」と「働いてない健常者家族が複数いる人」では利用しているサービス時間数がずいぶん違います。1つの区分に1〜2人しかいない町村部で、1つの区分が「1人暮らしの人や家族が病気や高齢介護できない人」だけになった場合、国庫補助が足りないことになります。その結果必要なサービスが受けられなくなります。


 厚生労働省障害福祉課は、複数の団体からの「小規模自治体で国庫補助の上限がヘルパーの上限になってしまう」との意見に対し、「改善する予定はない。国庫補助が受けられなくとも、市町村が実施すればよい」との意見です。

 これは大変な問題です。各地団体で県庁や地元の与党議員に働きかけをお願いします。当会では、県庁に対する要望書のセット見本を用意しました。要望書セットが必要な方は、メールまたは電話でお問い合わせください。
また、国会議員は国会会期中は土日に地元に戻っています。方法がわからない方にはご説明いたします。制度係0037−80−4445(フリーダイヤル)までお問い合わせください。

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