北九州市の入院時コミュニケーション支援事業が言語障害のない障害者も対象に
重度訪問介護利用等の障害者が入院時に、病室等でいつものヘルパーに実質的に介護を受けることは、非常に大事なことです。例えば、肺炎等で体力が極限まで落ちている場合は、睡眠等がしっかり取れないと、どんどん衰弱していき、ついには死んでしまいます。障害が重いと、いつもの寝る体勢にあわせて体も変形しており、毎日介護に入る慣れたヘルパーがついていないと、睡眠時の慣れた体位もわかりません。たとえ日本一の技術を持つ看護師と医者がいても、慣れた介護者がいないと正しい体位や介護方法がわからないということがあります。
これに対する当面の対策として、国庫補助の対象事業を活用した入院時のコミュニケーション支援事業(国が認めた方法です)を、全国各地の障害者が交渉して作っているところです。すでに多くの市町村で実施されています。ALSの障害者など人工呼吸器利用者のいる市町村では特に積極的に制度が始められてきています。このような中、言語障害のない頚損・筋ジスなどでも入院時に使える市は、過去に紹介した西宮・広島・松山の3市しかありません(大分は交渉ではOKとなったが、事業開始時に約束を破られた)。
北九州市では、制度開始時は、頚損の障害者によって言語障害がなくても肺炎等で入院するとコミュニケーション支援が必要と交渉がされていましたが、その時点では交渉は実りませんでした。ところが、利用者が全く出ない状態が続いたため、市は通知で、「普段はコミュニケーションが取れる障害者も入院時に意思疎通が困難な場合は利用可能」と対象拡大し、市内のヘルパー事業者等に通知ました。
市の通知をPDFファイルで掲載します。これから各地で交渉する場合に使える資料となっています。
■ 【通知】北九州市重度障害者入院時コミュニケーション支援事業の周知について
2013/03
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